雪で渇きを癒す広美(画:くるみ) (Pixiv Fanbox)
Published:
2025-04-05 14:30:00
Imported:
2025-04
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広美は牢獄に放り込まれた。狭くて暗い独房の中、両手を鉄枷で吊るされ、壁に繋がれる。冷たい石の床の上、ろくに動くこともできない状態で、彼女は辛く長い時間を過ごしていた。
食事はわずかなパンと水。それすらも、日に一度しか与えられなかった。それすらもらえない日もあった。喉が渇き、唇はひび割れ、舌は乾く。どうしてこんなことになったのか、何度も考えた。しかし答えは出ない。
牢の中は凍えるほど寒かった。広美の半袖のブラウスは、冬の寒さを防ぐにはあまりにも薄すぎる。肩を震わせ、息を吐くたびに白い息が空気に溶ける。寒さは冷えた鉄枷から手首に伝わり、じわじわと体の芯まで凍りつくようだった。
枷に繋がれたままの両手は、すでに感覚がなくなりつつあった。鋭い鉄が手首に食い込み、皮膚は擦り切れ、うっすらと血が滲んでいる。痛みは鈍く、冷たさと混ざり合いながら広美の意識を侵食していた。動くたびに鉄が肉にめり込み、じわじわとした苦痛が腕全体に広がる。何度か手を捻じってみたが、枷は容赦なく食い込み、逃れられない現実を突きつけてくるだけだった。
ある夜、鉄格子の向こうから冷たい風が吹き込んだ。雪がちらつき、牢の中にも舞い落ちる。広美は喉の渇きに耐えられず、舌を伸ばした。舌先に雪が触れる。冷たく、溶けて水になり、彼女の口の中へと流れ込む。
「あぁ……」
それはささやかな一瞬の救いだった。しかし、こんな生活がいつまで続くのだろうか…