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 ——支配してほしい

 彼から告げられた時、私は驚いてしまった。

 それも仕方がない。いきなり支配しれくれだなんて言われれば、誰だって戸惑う。

 それでもなんとか落ち着きを取り戻して話を聞いてみると、どうもそういう性癖だ、ということみたいだった。

 そういう、というのは、つまり女性に支配されて喜ぶ癖、という意味だ。

 私も読書量は多い方で、自然それなりの知識はあり、そういった世界があることぐらいも認識はしていた。

 もちろん、当事者に出会ったのは初めてだったけど。

 

 「つまり、私にご主人様になってほしい、ってことかしら?」

 私がそう聞くと、彼は恥ずかしそうに頷いた。

 多分私の顔はニヤけていたことだろう。

 嬉しかったのだ。

 彼がこんな、赤の他人では絶対に話すことができない秘密を、私には共有してくれたことが。

 正直、彼は普段から素っ気ないから、パートナーとして自分がちゃんと彼の中に存在できているか不安になる時もあった。

 だけど、彼の中に私の席は与えられていたようだ。

 彼は、下を向いて、肩を震わせながら私の言葉を待っている。

 そんな彼が、とても可愛らしく思える。 

 もちろん私の答えは決まっている。

 私は、彼の手を取り、彼の耳元で答えを囁いた。

 また、彼と私の関係が深まっていく——

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