優しい妻のセーラー服調教 -another story- 向かいの住人【亮哉の場合】:1 (Pixiv Fanbox)
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俺はソファの上でスマホを握りしめ、ため息をついた。
画面には昨日からずっと同じ検索履歴が並んでいた。
『女装 初心者』
『女装 ウィッグ』
『男 メイク 方法』
『男の娘』
……頭がおかしくなったみたいだ。
一昨日までの俺なら、こんな検索をする奴の気持ちなんて絶対わからなかった。
だけど今は、気づけば何時間もそんな言葉ばかりを調べ続けている
きっかけは、向かいのマンションだ。
窓を拭いていた、あの人。
セーラー服の短いスカート。
すらりと伸びる脚。
そして、チラリと見えた白いレースの下着。
最初は普通の女の子だと思って、心の中でラッキーだと思った。
しかし、よく見れば顔の輪郭や全体の雰囲気から、それが女装をした男だと気づいた。
セーラー服を着た男の娘が、まるで見せつけるように腰をくねらせて窓を拭いていたのだ。
そこまで思い出した瞬間、胸の奥がまた熱くざわつく。
(あんな姿……俺も、してみたいのか?)
そんな考えが頭をよぎるたび、顔が熱くなる。
慌ててスマホの画面をスクロールするが、結局また同じ画像や動画に手が伸びてしまう。
男の子が化粧や女装をしている動画、大きめのサイズを扱うレディース服のお店……。
女装の事を考えるだけで、昨日からずっとこんな状態だ。
下半身が熱を持って疼き、抑えようとしても頭の中にセーラー服姿の自分が浮かんでしまう。
俺は観念してアダルト動画サイトを開き、検索窓に『男の娘』と打ち込む。
いつの間にか、俺自身が女の子になって、優しくも意地悪く女の子に責められるような動画ばかりを漁るようになっていた。
「ん……っ」
動画のサムネイルをスクロールしながら、喉の奥から小さな声が漏れる。
ミニスカートを穿いた男の娘が、女の子の手に太ももを撫でられ、甘い声を上げている。
俺はソファーに座ったまま、自分のものを握りしめ、息を荒げた。
◆
自己処理してしばらくは女装願望が収まっているのだが、数時間経つとまた胸の奥がモヤモヤし始める。
俺はベッドに入りながら、またスマホを手に取っていた。昼間と同じように色々と検索してしまう。
すると一つのサイトが目に留まった。
『女装サロン』
画面に並ぶのは、メイクを施された男たちのBeforeとAfterの写真だった。
女みたいだ。いや、下手な女よりよっぽど可愛い奴までいる。
「……すげぇ……」
気づけばスクロールを止められない。
男が女に変わっていく姿を見るたび、妙な感覚が胸に広がる。
どこか羨ましいような、はっきりしない感情。
「いやいやいや……何考えてんだ。自分が本当に女装するなんて……無理だって……」
妄想の中で終わっていた女装が、現実に可能だと知った時、自分の心の中でせめぎ合いが始まった。
「……でも一回ぐらいなら……一回やれば満足するよな?……このままモヤモヤし続けるのもイヤだし……」
俺は女装サロンの予約ページを開いていた。
『初心者歓迎♪』
『スタッフが丁寧にサポートします』
『手ぶらOK』
名前、電話番号、希望日時。入力画面が表示される。
俺はそのまま空欄を埋めていった。後は送信ボタンを押すだけ。
喉が渇く。本当にやるのか?
しばらく画面を見つめ続けた。
キャンセルすればまだ戻れる。普通の大学生に。
なのに……。
頭の中に浮かぶのは、向かいの窓の前でスカートを揺らしていた、あの人。
そして、メイクされて、スカートを穿いて、鏡を見る自分。
「……うん、一回だけ……一回だけだから」
小さく呟き、俺は送信ボタンを押した。
瞬時に画面が切り替わる。
『ご予約ありがとうございます』
その文字を見た瞬間、全身にじわっと熱が広がった。
本当に予約してしまった。女装サロンを。
呆然と画面を見つめていると、数分後に通知音が鳴る。
サロンからの自動メッセージだった。
『当日は、可能な範囲でムダ毛処理をして頂けますと、より綺麗に仕上がります』
俺は布団をめくり、自分の脚に視線を落とす。
元々毛は薄い方だが、そこには間違いなくある男のすね毛。
それを剃った自分を想像してしまう。
つるつるになった脚に、ニーハイソックスを穿いた、滑らかな太もも。
「……やばいな、俺……」
誰もいないアパートで小さく呟きながら、俺はしばらく眠ることができなかった。
◆
世間の正月休みが明けたが、大学生の俺はまだまだ冬休みが続いている。
今回の年末年始は実家には帰らなかった。正確には、帰る気にならなかった。
なぜなら、年末に予約してしまった女装サロンのことで頭の中が完全に埋め尽くされていたからだ。
とうとう今日、俺は本当に女装する事になる。
駅を降りて、スマホで画像付きの丁寧な道順を確認しながら歩く。
足が少し震えているのが自分でもわかった。
10分ほど歩いただろうか。何店舗か入った古びた雑居ビルに到着する。
薄暗い階段を一歩一歩上り、3階に辿り着いた。
そこには【Flora】とシンプルに書かれた看板だけが掛かっている。派手な装飾はなく、むしろその控えめさが俺の緊張を煽る。
(本当に……入るのか?今ならまだ引き返せる……)
年末にあの窓拭きの姿を見てから、俺の日常は完全に狂ってしまった。
俺は深呼吸を一つして、意を決してインターホンを押した。
ピンポーンという電子音が響く……。
【2章へつづく……】