【先行公開】長夜月ちゃんとエッチする話(仮) 前半部分 (Pixiv Fanbox)
Published:
2025-10-06 09:50:32
Imported:
2026-06
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「──穹。これはギンナンガブガブ星域で取れた“ギンナンゴミ”よ。
すごく貴重なの。受け取って。」
ヘルタのお墨付きを貰っているだけあり、姫子の審美眼は本物だ。
見た目は美しく、踏めば悪臭を撒き散らすだろう。……素晴らしいゴミだ。
「穹。これは俺が作った“ロボゴミ”だ。
どうだ、かっこいいだろう? 受け取ってくれ。」
やはりヨウおじちゃんは分かっている。
ロボットの浪漫とゴミの浪漫を掛け合わせれば、どう考えても最強だ。
「穹。これは龍尊の力を込めた“不朽ゴミ”だ。受け取れ」
これはすごい。きっと時が経ち腐ろうとも、脱鱗を経て新鮮なゴミに戻るのだろう。
「あっ、いたいた! 穹、ウチのも貰って! ウチのはね〜……」
三月なのか、列車組で最も流行に敏感な美少女。
きっと彼女なら、若者の最先端のゴミをくれるに違いない。
「…………………」
一体どうしたというのだろう。
俺が手を差し出そうとも、目の前の少女は笑顔のまま微動だにしない。
不審に思い、顔を覗き込めば──うん、今日も可愛いな。
……いや、待て。
三月なのかの瞳は、赤くなかったはず──
────パンッ!!!!!
強烈な破裂音と共に、姫子、ヴェルト、丹恒……三人の姿が風船のごとく弾け散る。
みるみる赤黒く染まっていく空間。
見覚えのあるクラゲがぞろぞろと集い、三月なのかの身体を貪るように多い尽くし──
「──久しぶり。愛しの開拓者……♭」
現れたのは、長夜月だった。
「ああ、久しぶり。それで、どんなゴミをくれるんだ?」
「……は? 気づいてないの? これはアンタの夢。アタシはそこにちょっとお邪魔した、ただのゲストだよ。
だから、ゴミなんて用意してない」
……痛いほどの落胆が、俺を包む。
なのであれば、きっと心躍るゴミを用意してくれただろう。
だが、目の前の少女は違う。やはり、彼女は敵だ。
「よし、倒す。今度こそ懲らしめる」
「待って待って……バット、仕舞ってよ。
聞いて。アタシ、反省したんだ」
反省? どれについてだろう。
オンパロスでの一件についてなら、それなりに時間が経ったし……反省したというのも納得だ。
俺としては、ゴミを軽視したことを反省して欲しいが。
「反省、というと?」
「言葉の通りだよ。
アタシ、あの子のためだったとはいえ、アンタとか丹恒に迷惑かけたでしょ?」
頷く。実際に迷惑だったから。
「で、なのかに叱られちゃったんだ。
というわけで、何かお詫びをしなくちゃって」
そういうことなら、もっと早く言えばいいのに。
登場の仕方といい、含みのある話し方といい……身構えるなという方が無理な話だ。
「お詫びっていうと、具体的になんだ?」
「なんでも。謝れって言われれば謝るよ。
消して欲しい記憶があれば、消してあげるし……あと、見たい夢を見せてあげることもできるかな。」
なるほど、どれも魅力的だ。
スコートのように、動物の鳴き真似をしながら謝れと言ったらしてくれるのだろうか。
……いや、今はそれよりも。
約束してもらうべきことがあった。
「じゃあ長夜月。これからは、『忘却』の力を勝手に使うのはやめてくれ。
約束できるか?」
「……うん、いいよ。約束してあげる」
良かった、これで一安心だ。
では後は、創造力を活用する時間といこう。
「本当になんでもしてくれるのか? 例えば、デートとか」
何の気なしに放った俺の一言に、彼女は思いのほか食いつく。
「へえ……アンタって、アタシのことそういう目で見てたんだ?♭
残念だけど、それはダメ。だって、あの子が体験してないことを、アタシが先に体験するなんて……ありえないから」
どうやら長夜月の中には、独特の矜恃があるらしい。
「だから、どうしてもアタシとデートしたいなら──先になのかと付き合って。
あの子、そういうのに憧れがあるみたいだし」
「なっ、なのと付き合う!?
……わ、分かった」
考えたこともなかった。
これは、きっとなのも同じだろう。
だって俺たちは家族同然だし、この先も離れることは無いだろうし……
でも俺って実は、かなりなののことが好きかもしれない。
いや、めちゃくちゃ好きだ。
「じゃあ明日、告白してくる。
長夜月は、なのの中で俺たちのことを見守っててくれ」
「うん、いいよ。上手くいくことを祈ってるね、穹……♭」
◇
「ふぁ……」
──目覚めると、不思議な感覚に襲われた。
夢の内容はほとんど忘れているのに、長夜月と交わした会話だけははっきりと覚えているのだ。
「……じゃあ、告白するか」
階段を降りれば、パーティ車両でゆっくりするなのの姿が。
「あれ、アンタ早起きじゃん! ウチも今日は珍しく早く起きたんだ〜。
えへへっ、偉い者同士、一緒にジュースでも飲む?」
氷も解けてしまいそうなほどの、眩しい笑顔。
見慣れたピンク髪が揺れて、気安い声色がやけに心地よくて……
「うわぁっ、今日も可愛いな」
「……えっ!? な、なに!?
アンタそういう褒め方するタイプだったっけ!?」
背筋をピンと伸ばして驚くなの。
俺は追い打ちをかけるように、しれっと零す。
「そういえば、なの。俺と付き合わないか?」
「……えぇえええ〜〜〜〜〜〜っ!?!!?!」
「どうした!?」
「大丈夫、三月ちゃん?」
「何かトラブルですか」──
なのの叫び声に、列車は一時騒然とする。
しかしその原因が恋愛話だと知れば、列車の保護者達は皆笑いながら散っていった。
「確認するけど、冗談じゃないよね!? アンタいっつもふざけてばっかりだから、本気なのか分かんないよ……」
「本気だって。大マジ」
「信じていいのかな、これ……?」
冗談だと思い込むなのを説得するのには、すごく時間がかかった。
けれど最後には信じてくれて、俺たちは正式に付き合うことになる。
「えへへ……思ってもみなかったよ、アンタと付き合うなんて。
でも、どうせいつかはこうなってた気がする。だってウチらって、相性抜群だし!」
「ああ、そうだな」
◇
俺たちの仲の進展は、実に目覚ましいものだった。
それもそのはず、スタート時の関係値が既にほとんどカンストしていたからだ。
俺たちは初日のデートで手を繋ぎ、ハグをし、キスをして──
その帰り、ゲーテホテルの中で。
「えっ、ちょっ、ちょっと待って……! アンタっ、ここでする気……!?」
「ああ。嫌か?」
「……う、ううん……。
はぁ、他のお客さんの迷惑にならないようにしてね?」
実に……あっさりと。
エッチまで、してしまった。
丹恒をはじめ、列車組の面々は皆、純粋に応援してくれている。
ヴェルトに至っては、
「結婚はいつにする? 盛大な式を挙げよう」
などと真顔で告げてくる始末である。
だが、俺たちはといえば──
結婚だとか、家庭を築くだとか、そんな先のことは考えていない。
「ぁ♡ あ、はぁっ♡ 穹っ♡ そこ、きもちいっ……♡♡」
「なのっ……好きだっ……!」
「うんっ、うん……♡ アタシも好きだよっ……♡♡」
ただなのを愛して、この幸せな日々に淫蕩し続けたい。
求めるのは……それだけだった。
◇
──くちゅ、くちゅくちゅ。
ぱん、ぱん、ぱん。
……まただ。またこの音。
湿った水音と、乾いた打ち付ける音。
耳にこびり付いて離れない、まるで悪夢みたいな音。
「穹っ……♡ 大好きだよ……♡」
「ああ……俺も愛してるっ、なの……」
あの子たち、アタシが中で見てるって忘れてるんじゃない?
毎日毎日、エッチ、エッチ……今日はしないのかと思えば、やっぱりエッチ……。
「出すぞ……イクッ……」
「うん……中でいいよ……♡ 中にっ、ちょうだい……っ♡♡」
「ぐ、ぅっ……!!」
……しかも、中出しまでするようになっちゃって。
「あはっ、あ……♡ あつっ……♡ 全部出してね……♡ ウチの、中に……♡♡」
うわぁ……気持ちよさそうな顔。
どんな感覚なんだろう、エッチって。
どんなに良いものなんだろう──中出しって。
……知りたい。だけどどれだけ記憶を覗こうと、身体はなんにも感じない。
「ねえ穹、もう一回……♡」
「ああ……」
なのかが、ちょっと羨ましい。
だってアタシと違って、いつでもそれを感じられるんだから。
はぁ……仕方ない。ひとりでシて、気を紛らわすしかないかな。
『んっ、ん……っ』
股を擦れば、いくらかは気持ちいい。
でも結局、意識だけのアタシにとっては“そんな気がしている”だけ。
記憶を覗いて、その快楽を追体験するのと何にも変わらない。
全部……ごっこ遊びに過ぎないんだ。
『あっ、あぁ……あ、っ……』
……イっちゃった。
だけど、なんにも満たされない。
空っぽで、冷たくて、虚しい。
「えへへ……穹……っ♡♡」
「なの……っ」
『……はぁ……』
アタシは……知りたい。
ガーデンの連中みたいに、覗くだけで満足なんてできない。
自分の身体で、体験したくなっちゃった。
あの子に嫉妬してるわけじゃない。
アタシも知りたい。ただ、それだけ。
──もう、限界かも。
◇
「あははっ、ゴミ、ゴミだ……!」
俺の周りを浮遊するゴミ箱たち。
筋肉質な四肢の生えた彼らは、頭上で思い思いにポージングを決めていく。
「フンッ…!」
「ハハッ…!」
美しい。もはや神性すら感じる。彼らはゴミの使令、いや、ゴミの星神だ。
その恩寵に与ろうと、手を伸ばす。
ああ、ゴミよ。俺に力を……
すると其らは、俺の手を握り返そうと、手を伸ばして──
……パンッ。
弾けた。
「ねえ」
「また邪魔しにきたのか? 俺のゴミゴッドを返せ」
既視感のある光景だ。
ただ前と違うのは、目の前の女の子が明らかに不機嫌な表情をしているということだ。
「……ゴミを返せば、アタシとデートしてくれる?」
長夜月が指を鳴らせば、あのゴミたちが帰ってくる。
でも俺はそれよりも、後半の言葉の方が気になってしまった。
「デート? って、どういうことだ?」
「は? アンタ、忘れたの? じゃあ、思い出させてあげる」
再び指を鳴らす長夜月。
すると脳内で鮮明な記憶が、まるで動画を再生するかのように流れ始める。
『だから、どうしてもアタシとデートしたいなら──先になのかと付き合って。
あの子、そういうのに憧れがあるみたいだし』
……そうだ。
長夜月とそういう話になったから、俺となのは付き合い始めたんだった。
なのとの日々が楽しすぎて、完全に記憶からすっぽ抜けていた。
「ああ、そんなこともあったな」
「そうだよ。ねえ、そろそろアタシとデートしてくれてもいいんじゃない?
あの子、もう十分に楽しんだと思うよ。だから、どう?」
いつになく必死なその表情。
しかも頼む側が俺から、長夜月に逆転している。
一体、どういう心変わりだ?
「まあそんなに言うなら、明日なのに身体を貸すよう頼んでみるよ。
とりあえず、一日だけな」
「ふふ……ありがとう。嬉しいよ。
じゃあ明日、楽しみにしてるから。」
「あ、ああ……」
素直すぎるその様子に面食らいながらも、俺はゆっくりと深い睡眠に落ちていくのだった。
◇
──翌日。
「なの。かくかくしかじかなんだけど」
朝一番、なのに長夜月との顛末を説明する。
ずっと大人しくしていた彼女の突飛な行動に、驚いた様子だったが……最後の方は笑顔で承諾してくれた。
「あははっ、あの子も女の子っぽいところあるじゃん!
オッケー、じゃあ代わってあげる! ……」
なのがそう言った瞬間、瞳が赤く染まる。
そして、突然眠ったかのように目を閉じると……
「──おはよう。愛しの開拓者……♭」
「お前、その登場好きだよな」
長夜月に交代したようだ。
服はそのままなせいで、後ろ姿だけではやはり判別できない。
とはいえ、声も、瞳も、立ち振る舞いも全く違う。心配は無用だろう。
「それで、アタシとのデートプランは考えてあるの? あの子と同じ、ベロブルグ巡り?」
「ああ、そのつもりだけど」
俺がそう言うと、長夜月はそっと足を閉じ、落ち着かない様子で身じろぎをした。
……ベロブルグを想像して、寒くなったのか?
「それじゃ、早速行こう? 一日しかないんだし、時間がもったいないよ」
「分かった。行こう」
そうして俺たちは、ちょうど停車していたベロブルグへと降り立つのだった。
◇
「ここは行政区で、あれがクリフォト城だ。良かったら、ブローニャに会いにいくか?」
「いや、いいよ。あの子の記憶でどんな人かは知ってるし、忙しいだろうから。」
「そうか……」
なのと初デートをした時と同じように、長夜月とも思い出の場所を一緒に歩いていく。
だが彼女は妙に忙しなく、ひとつの場所に長く留まろうとしない。
その落ち着きのなさは、まるで──このあと、もっと重要な“何か”が控えているかのようだった。
「……どう、そろそろ巡り終わったんじゃない? この辺りにして、ゲーテホテルに行く?」
「ゲーテホテル? 寄る分にはいいけど、泊まりはしないぞ。
観光が終わったなら、列車に帰ろう」
何の気なしに放った俺の言葉に、どうやら長夜月は衝撃を受けたようで……
片目がピクピクと震え始め、怒りを堪えるような表情に変わっていく。
「……あの子とはあんなにエッチしてるのに、アタシとはしてくれないんだ?
それとも、アンタの自室でしてくれるってこと?」
「え? 当たり前だろ。長夜月とは、今日付き合い始めたんだから」
そう答えるやいなや、彼女は食い気味に言い返してきた。
「でも、あの子と初デートした時はそのままエッチしたでしょ?
じゃあ、アタシとだって……」
「いや、なのとは長い付き合いだからああなったけど。
長夜月とは、まだ出会ったばかりだろ?」
わずかに俯き、唇を噛む長夜月。
俺には、そこまで悔しそうにする理由が一切理解できなかった。
至って普通の貞操感だと思うけど……間違っているだろうか。
「分かった、じゃあアタシの負けでいいよ。今日は帰ろう。
その代わり、また今度デートしてもらうから」
「ああ、もちろん。じゃあ戻ろう」
そうして俺たちは、初めてのデートを終えることになった。
よし、上手くコミュニケーションできたな。
◇
『ふぅうッ……ふう゛ぅうっ……💢』
「なの……なのっ……」
「穹ぅ……♡ 大好きっ……♡♡」
ムカつく……ムカつくっ……
なんなの、あの人……
鈍感で、すけこましで、朴念仁で……
そのくせ優しくて、かっこよくてっ、面白くて、っ……!
「穹……えへへ……♡ ずっと、ずっと一緒に居ようね……♡♡
この先何があっても、ずーっと……一緒だからね……♡♡」
「ああ……なの、ずっと一緒だ……」
伝わってくる……あの子の、“大好き”って気持ち……
アタシも……アタシだって、好き……
なのかの気持ちには、負けちゃうけど……それでも、好き……好きっ……
『んぅ……う゛ぅっ、あ゛ぁあっ……♡』
「あっ♡ きゃっ♡ はぁあっ♡ きもちっ、きもちいよぉっ……♡♡」
「なののまんこ……とろっとろで……熱、いっ……!」
ああ……出し入れしてる……
ぶっといおちんちん、あの子のおまんこにずぽずぽして……動物みたいな、生交尾……子作りエッチしてるっ……
『んぎっ……あ゛ぅっ……っあ♡ はぁあっ……♡♡』
アタシだって……できると思ったのに……
知れると思ったのに……エッチの、気持ちよさっ……!
せっかく、すっごい下着だって穿いて……何回も何回も、頭の中でイメージして、練習したのに……っ!!
「イクっ……ぁあっ……♡ イっちゃうよぉ……♡♡」
「俺もっ……出すぞっ、なの……!
一番奥に……全部、注ぐからっ……!」
『ん゛ぁ♡ あ♡ あ゛ッ♡ あぁあっ……!♡♡」
アタシも……あぁ……イ、クっ……♡
イク……イクっ……イクイク……♡
一緒に……あの子が注がれるのと、一緒に……イきたいっ……♡♡
「出す……出るっ……!!
イクっ、イクッ……イ……クッ……!!!」
「んぁっ!!♡♡ はぁああっ……!♡♡ ぁ、あぁあっ……♡♡ はあっ……♡♡」
『お゛♡ おぉおっ……♡♡ ぉ、おっ……♡ ぉ……っ……♡
……はぁ……はぁっ……』
……はぁ。
◇
そうしてアタシは、来る日も来る日も。
ふたりの交尾を、まざまざと見せつけられ続けた。
完全に存在を忘れられて、悲しいくらいに放置されて。
目を瞑って耳を塞いでも、全部無駄だった。
あの子の記憶が、感覚が、情動が──直接、アタシの中に流れ込んでくる。
中出しの、暴力的なまでの快楽。
くらくらする、精液の匂い。
おちんちんがナカを掻き混ぜて、頭の奥が真っ白になっていく……そんな気持ち。
こんなの、拷問だよね。
目の前にあるのに、どう足掻いても味わうことができないなんて。
……いや。
方法、あるじゃん。
勝手に、代わっちゃえばいいんだ──あの子と。
◇
「じゃ、おやすみ。なの」
「うん、おやすみ〜。夜更かししちゃダメだからね?
明日も朝から、ウチとイチャイチャするんだから♡」
「ああ、もちろん分かってる」
軽い口付けを最後に、俺は自室へと戻っていく。
乱れてこそいるが、それでも俺たちは最低限の生活リズムは維持していた。
まあ、良いことだろう。
今でこそ開拓の旅は小休止中だが、再開したときに仲間に迷惑をかけてしまってはいけないし。
「ふぅ……」
布団に身を埋めると、心地よい眠気がじわじわと身体を包んでいく。
今日もなの尽くしの一日だった。どれだけ味わっても、飽きる気配がない。幸せだ。
そんなことを考えながら、いつの間にか数十分が過ぎていた。今夜は少し寝つきが悪い。
まあいい。焦ることもないし、ゆっくり夢の世界に旅立てば──
……キィ……。
聞き覚えのある、乾いた音。
部屋の扉が開く音だ。
ひとりでに開くだなんて、立て付けが悪くなったのか?
……いや、待て。足音もする。
まさか列車に、泥棒が入ったのか?
あるいは──幽霊?
あれこれ考え、バットを取り出すべきか悩んでいると……
「──もう寝ちゃった? それとも、起きてる……?♭」
「……長夜月?」
特徴的な低い声に目を開ければ、またしてもあのピンク髪が視界に入ってくる。
これまた久々の登場だ。
こんな夜更けに尋ねてくるだなんて、一体何の用だろう?
「夜這い、だよ。」
「……えっ?」
思考を読まれた。
いや、それよりも。
今……なんて言った?
「アンタ、ずっとあの子とエッチしててちょっとマンネリしてない?
今日くらいはアタシとシて、気分転換しなよ。」
「な……何を、言ってるんだ?」
困惑する俺をよそに、長夜月はお構い無しにベッドに腰掛け、俺のそばに近づいてくる。
「これは、なのかのためでもあるんだから。アンタに飽きられたら、あの子悲しむでしょ?」
「余計なお世話だ。俺がなのに飽きることなんて、一生無い!」
きっぱりと告げる。
しかし、それすらも長夜月には届かない。
じり、じりと近寄ってきて……体温が伝わるほどに密着してくる。
「じゃあアタシは、オモチャでいいよ。気まぐれに使うだけの、都合のいい道具。
だから──あの子に向けられない欲望、アタシにぶつけて。」
「な……何なんだ、一体っ……」
腕が伸びて、指先が俺の頬をなぞる。
蜘蛛が獲物を絡め取るように、彼女の手足が、ゆっくりと纏わりついてくる。
触れ合った場所から、じわり、と。
長夜月の生温い体温が、俺を蝕むように染み込んできて──