槌の師匠、追加 (Patreon)
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あたしはアイディーリア
親しい友人はアイディーとかディーとか呼ぶ(リアと呼ぶことはよほど親しい相手にしか許さない)
116歳で駆け出しの親方
ドワーフ仲間ではペーペーもぺーぺー
弟子なんて取りようもないご身分であるが、うちには今、普人族の子(一応成人年齢だけど、子だわ、子!)が一人、弟子として住み込みで働いている
本人が希望したというよりも、あたしが惚れ込んじゃったんだけどねー
最初は唄に、それからは、友人のブラックリリーの二人から時折伝え聞くあの子についての話に
あの子のことを知るにつれ「なんていい子やん?!」と思い、どういうわけか日に日に「あの子が欲しい!」という思いが募っていった
理由はわからない
理由なんてどうでもいい、とにかくあたしはあの子が欲しかった
独立してしばらくは迷宮探索者、迷宮案内人として活動していたあの子に声をかけて、二足の草鞋を履かせることになるけれど、鍛冶や細工、錬金術なんかを教え込んでいる
ブラックリリーとあの子本人の話では、異界渡りの転移者、落ち人らしい
そのせいか、あたしらにはない発想でいろんな小物や道具を作るので、その都度驚いたり笑ったりと、飽きることがない
あたし自身もいろいろといい刺激をもらっている
それからそう! ブタノカクニとかいう、オーク肉をとろっとろに煮込んだ甘辛いあれ! それからそれから、あの子が熟成したっていう酒! あれはたまらん!
***
おれが作った豚角煮(一回作ったら師匠の好物になってしまい、三日と開けずに催促が来る)を肴に、ぐびりぐびりとそのドワーフ殺し(おれ命名)を堪能した師匠
やおら服を脱ぎだした上に、おれにも「脱げ」、「脱げ、脱げ」、「なんだお前、あたしとはやれないんか?」と言い出して、「知ってるぞ、ブラックリリー(おれを拾ってくれた、おれの剣の師匠と杖の師匠のペア)とはもうねんごろにやったんだろ?(はい、15の夜にしっぽりと♡)」、「なんだよやんないのかよ? うわあぁん!」と泣き始めたので、少ない経験と元世界の知識(エロ本とかエロ動画とかえろえろ、いや色々)を総動員して朝までお相手した結果、それから三日はおれの顔を見るたびに赤面してそっぽ向いてた
まあともあれ
そんな師匠の口から他のドワーフ娘さんたちにドワーフ殺し(おれ命名)の自慢話が漏れたらしく、もともと高かった好感度(唄声酒場で15の夜に歌ったヨイ○マケの唄の替え歌がドワーフさんたちに深く刺さったらしい)が爆上がりで、会う人ごとに誘惑されているんだわな(どうしよう……)
***
あ、娘さんたちは男性ドワーフには一切このことは教えていないみたい
女性だけで独占するつもりらしい
……この異世界、ドワーフ娘さんも背が高いのから低いのまで、爆乳からちっぱいまで、よりどりみどりなんだよな
ことごとくおれ好みだったりして、困る(´・ω・`)
それに幼女に見えてもみんなおれより年上なんだよなー
感覚がバグるわー
っていうか、妊婦さんはダメでしょ!
あなたなんで欲情してんの?!
ああもう、はい、小甕一杯ずつのドワーフ殺し(おれ命名)ね
ちゃんと一人につき一甕ありますから! お願い殺気立たないで!
これあげますから
落ち着いて、ね?
おうちに持って帰るとバレるからここで飲んでね、うん
飲んだ後は浄化の魔法で完全消臭するからね、旦那がたにバレないように
え? お礼に吸ってもいいぞ? ……あ、ハイ
***
「いやぁ、まいっちゃうよなぁ、アイツときたらさぁ。あれしながら、ことあるごとに“きれい”とか“かわいい”とか“好きです”とか言うしさあ。そもそも優しいのよ、扱いが! これまで同族の男どもの、漢らしいと思っていた所作の全部が単なる粗野、粗暴、無神経なだけだったってことに気付いちゃったのよ。なんかさぁ、お姫様にでもなったような気分にさせてくれるような扱いをしてくれるわけ。まいるよなぁ?」
「あれ? あたしら、惚気を聞かされてる?」
「羨ましね」
「燃えてしまえ」
うぉ~い、本人に聞こえるところでそういう話をしないの、師匠。
はい、酒の追加と肴のおかわりお待ちどぉ。
あれ? 師匠、なんでそっぽ向いてるんですか、師匠、ねえ? なんで口とがらせてるんですか? ねえねえ?
「ひひひ! そりゃあれだお前、昼間じゃないんだから師匠呼びはダメだろうよ」
「名前で呼んでやり~」
「ねえねえなんて呼んでるの? ねえねえ」
うわぁ、うぜえこの婆ぁども!(見た目は10代20代の黒ギャルのくせに! やべぇです、好きですこのあまども!)
しっかたねぇなあこの師匠どのはよ。どうもこの世界、芝居じみた大仰な台詞まわしがやたら好まれるらしくて、やや大げさに愛を囁いてあげると、剣の師匠も杖の師匠も、ふひひ……いやいや、今は目の前の槌の師匠どのだよ。スイッチ切り替えて、っと。
「リア、なにそっぽ向いてるの? ねえ」
うわぁ、我ながらなんだよこのいやったらしい台詞! と内心怖気を震わせながら、アイディーリア師匠の後ろに回ってその素敵な金色の髪の毛を手に取った。
後ろから彼女の首筋に鼻先をかすめるようにさせながら、「ねえってば、リア。おれを困らせることばっかりしてさ。これはもう、おしおきかな?」
「ひぅ!?」
びくん! と背筋を一瞬で伸ばしたリア師匠。
「あ、あ、あ、あれはダメ、あれはダメ。絶対、ダメ。正気が保てないからダメ!」
「え~? リアがさんざんせがむから、おれ精一杯やったのにな~」
「ダメダメ、だって! だって! あんな訊き方ズルいって!」
「んん? どんな訊き方のこと?」
師匠の耳を唇ではむっ。
「ひあぁぁん?! だだだだって、だって、“ダメ?”とか訊かれたら“ダメじゃない……”って答えるしかないじゃん?! そしたらおまえ、“じゃあ、いいんですね?”って嫌らしい声で詰め寄ってくるし……!」
う~ん、なにがダメなのかよくわかんな~い
「うっわぁ~、アイディーのこんな姿初めて見たぁ」
「えーと、で? おしおきってナニすんの? ふへへ」
「わくわく、わくわく」
「ほ、ほら、今日はみんないるしさ?! やめよ?! ね?! ね?!」
「ふふふ、おれはリアのかわいいところを皆さんに見てもらってもかまわないんですけどねぇ」
はむはむ、ちゅっ♡ すりすり、もみもみ。
「ふあああぁぁん?! ダメだったらぁぁぁ!!」
「やっべ。マジでやっべ。アイディーそこ替われ。お前がいやなら私が受けるわそのおしおきとやら」
「えー、えー、えー、ちょちょちょ、なにが始まるのぉ? おねーさんさっきからドキドキしちゃってるんですけど」
「わくわく、わくわく」
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