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暖炉の火が、低く、静かに爆ぜている。

赤いビロードのカーテンが揺れるたび、王の私室に漂う甘い熱が、さらに濃くなった。

腰掛ける彼女――セイバーオルタは、脚をわずかに開いたまま、こちらを見下ろしている。

黒のサンタドレスは身体にぴたりと沿い、白いファーが不自然なほど無垢に、その禍々しい存在感を縁取っていた。深く切り込まれた胸元から覗くのは、華奢な鎖骨と、主張しすぎない起伏。

それが、かえって視線を離させない。

「……そんな顔で見るな」

低く、静かな声。

命令でも叱責でもない。ただ、逃げ場を奪うような響き。

彼女は前屈みになり、肘を膝に置く。

吐息が、わずかに湿り気を帯びて落ちる。

金色の瞳が細まり、唇の端が、ほんの僅かに歪んだ。

「聖夜だ。――望みくらい、言ってみせろ」

舌先が、唇をなぞる。

それだけで、空気が変わる。

汗に濡れた鎖骨が、暖炉の光を反射して艶を帯びる。

彼女は立ち上がらない。

触れもしない。

ただ、玉座の上から“許可”を与えるように、視線だけを絡めてくる。

「勘違いするな。これは慈悲だ」

そう言い切りながら、指先は太腿をなぞり、スリットの奥へと消えていく。

黒い手袋越しでも伝わる熱が、想像を煽るには十分だった。

「……クリスマスの贈り物だ。

 受け取れる覚悟があるのなら――近くに来い」

微笑みは、甘くない。

それでも抗えないのは、この夜、この王の前に立っているからだ。

暖炉の火が、また一つ、音を立てた。

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