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作戦は霧散し、異界の冷たい床に膝を突いた時点で、新選組の天才剣士としての矜持は粉々に砕け散っていた。

「くっ……、あ……」

後ろ手に縛られた手首に縄が食い込む。どれだけ力を込めようとも、呪術的な拘束は沖田総司の自由を許さない。

コツ、コツ、と薄暗い部屋に、場違いなほど軽やかな足音が響く。

見上げれば、そこにいたのは戦装束を脱ぎ捨て、黒のオフショルニットにタイトスカートという、酷く現代的でエレガントな私服を纏ったマリー・オルタだった。

「あら、もうおしまい? 期待外れだわ、小さな人斬りさん」

ふわりとした白い髪を揺らし、マリーは手にした乗馬鞭の先端で、沖田の顎をくいと持ち上げる。

冷徹な赤色の瞳が、屈辱に震える沖田の顔を愉しげに見下ろしていた。

「マ、マリー……! 殺すなら、いっそ……!」

「殺す? 冗談。そんな簡単な救いを私が与えると思ったの? 貴女のその生意気な態度、少し直してあげなくちゃ」

マリーの唇が、サディスティックな歓喜に歪んだ。

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