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「曇りって言ってたけど……大分晴れちゃったね」

目的のキノコを探して自然公園の林間コースを歩いていたユミが、容赦なく降り注ぎ始めた日差しに目を細め、手で額の汗を拭った。 木漏れ日を楽しむ余裕などない。天気予報では一日中曇りのはずだったのに、頭上には雲ひとつない青空が広がっている。初夏の湿気と急激な気温の上昇が、私たちの肌にじっとりとまとわりついていた。

「そうですね。日焼け止め対策はしましたが……ユミ、直射日光でバテていませんか? まだ暑さが身体に慣れていないのでは……」

私は足を止め、心配でたまらず彼女の顔を覗き込んだ。サーヴァントである私と違い、彼女の身体はただの人間だ。涼しい顔を保っている私とは対照的に、ユミはすでに汗だくになっていた。

「そうだねぇ……。さすがに暑すぎるかも……」

そう言ったかと思うと、ユミはたまらず羽織っていた半袖の上着を脱ぎ捨ててしまった。 ――なっ!? 薄手のキャミソール一枚という、あまりにも無防備な姿。ふう、と息を吐きながら胸元をパタパタと煽る仕草に、私の肩はビクリと大きく跳ね上がった。

(こ、こんなところでそんな格好を……!?)

私は慌てて周囲をキョロキョロと見渡した。もし不届き者の目が彼女のその滑らかな肌に向けられていたらと思うと、気が気ではない。私以外の誰の目もないことを確認し、ようやくあからさまにほっとしたような息を漏らす。

「ユミ、その……あまり無防備な格好は。いえ、誰もいないので良いのですが……」

己の動揺を悟られまいと視線を泳がせる私に、ユミは少し頬を染めて苦笑しながら、カラカラに乾いた喉を鳴らした。

「ちょっと冷たい飲み物とか、食べ物とかあればなあ……」

「あ! みてくださいユミ、あそこにアイスの自販機がありますよ」

休憩所の看板の横に、見慣れたアイスの自動販売機がポツンと設置されているのを見つけ、私は弾かれたように指差した。冷たいものを口にすれば、私自身の顔に集まっているこの不自然な熱も、少しは冷めるかもしれないと思ったのだ。

私たちは顔を見合わせてぱっと明るくなり、すぐさま駆け寄ってそれぞれ好きなアイスを一つずつ購入した。

「どこか日陰探して食べたいね。ここ、直射日光がすごくて」

周囲を見渡すが、広場に出たせいで都合の良い日陰が一切ない。少し奥へと歩を進めると、木立に囲まれた静かな場所に、木造の東屋(あずまや)があるのを発見した。

「やっと涼めるー!」

ベンチに腰を下ろし、ユミはすぐさまアイスの包装をぺりぺりと剥がした。冷たい風が東屋の中を通り抜け、火照った身体を優しく冷ましてくれる。

「美味しいっ!」

冷たくて甘いアイスを口に運び、ユミは満面の笑みを浮かべた。その無邪気な笑顔を見るだけで、私の胸の奥が甘く疼く。しかし、異常な暑さのせいで、アイスはすでにかなりの速度で溶け始めていた。もともと彼女は食べ物をよくこぼしてしまう方なのだが、今日は特にコンディションが悪いようだ。

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