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前回

「ユミ、アイスが落ちてます」

とろりと溶けた白いクリームが、アイスの縁を伝って彼女の指先へと滴り落ちた。さらに最悪なことに、指からこぼれた冷たい雫が、キャミソールの隙間から覗く無防備な胸元へとポタッと落ちてしまったのだ。

「ひゃんっ! 冷たっ!」

突然の冷感に身体を跳ねさせながらも、ユミはこれ以上こぼしてなるものかと、一生懸命にアイスを舐め進める。 必死に舌を動かし、指に垂れたクリームをちゅぱちゅぱと舐め取る彼女の姿を、私は隣でじっと見つめていた。

(……っ!)

視線を逸らさなければいけないのに、目が離せない。彼女のピンク色の舌、甘い吐息。私の瞳の奥に、昏く、ねっとりとした熱が渦巻き始めているのが自分でもわかった。ひどく喉が渇き、ゴクリと小さく喉が鳴る。

だが、私はいけないとふいっと視線を逸らし、自らの邪な雑念を振り払うように首を振った。

「わ、わ、私もアイスを食べることにしましょう」

少しでも涼めば、この腹の底から湧き上がるおかしな衝動も収まるはずだ。

私もアイスを食べ進めるが、ユミの方は一向に食べるのが追いつかない。 指に、唇に、そして胸元に。溶けたアイスが次々と彼女の柔らかな肌を白く汚していく。滴るクリームを舌で迎えに行き、だらしなく舐め取るその姿は、私から見ても気が狂いそうになるほど官能的で隙だらけだった。

「あっ、またこぼれちゃった……ん、ちゅるっ」

ユミが指を舐め上げた、その時だった。 私の中で、プツン、と、何か決定的な理性の糸が切れる音がした。

(――もう、我慢の限界だ)

すでに自分のアイスを綺麗に食べ終えていた私は、ゆっくりと彼女の隣に身を寄せていた。頭の芯が痺れるように熱い。私の瞳は完全に座り、獲物を狙う肉食獣のように彼女だけを捉えていたはずだ。

「ユミ……身体が、アイスまみれですよ」

「え? あ! しまった。拭かなきゃ……。でもアルトリアも、アイスついてるよ。一緒だね」

ユミが笑いながら指摘すると、私の胸元にも、確かに白いクリームがポトリと落ちていた。

「……本当ですね。ですが」

口から出た自分の声は、いつもの冷静さを完全に失い、恐ろしいほど甘く低く掠れていた。

「……ユミ、指が汚れています。そのままでは不快でしょう」

私は彼女の手首をそっと掴んだ。ハンカチで拭えば済むことだ。そう頭では分かっている。しかし、一週間という空白の時間は、私の本能を飢えさせていたらしい。私は吸い寄せられるように、彼女の指先に自分の唇を寄せた。

続

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