【なぎ子さん→紫式部】墨色と朱の戯れ(平安ギャルと才女の密室)①【簡易版】 (Patreon)
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カルデアの私室。 重厚な書棚に囲まれた静かな部屋で、紫式部はひとり、机に突っ伏して深いため息をついていた。
「はぁ……駄目です。まったく進みません……」
手元にある原稿用紙には、途中で途切れた文字。第一再臨の姿である、黒を基調とした豪奢なゴシックドレスに身を包んだ彼女は、新作の執筆に行き詰まり、完全に思考を停滞させていた。肩を落とし、眼鏡の位置を直しなおそうとした──その時だった。
「ヤッホー! かーおーるっちー! 遊ーぼ!」
「きゃあっ!?」
バタンと威勢よくドアが開いたかと思うと、派手なストリートファッションに身を包んだ影が一直線に飛び込んできた。 眩しいほどの笑顔を浮かべた清少納言──なぎこさんである。彼女は断りもなく式部の背後に滑り込むと、ドレスのふんわりとしたパフスリーブ越しに、その細い首元へ勢いよく抱きついた。
「な、なな、なぎこさん!? ノックというものを覚えてくださいと、あれほど……っ!」
「だってノックしたら、かおるっち『今は執筆中ですので……』とか言って絶対ドア開けてくれないっしょ! 見ればわかるって、ほら、完全に原稿に行き詰まって限界顔じゃん! ウケる!」
なぎこさんはくすくすと悪戯っぽく笑うと、幾重にも重なった重厚なスカートの嫌がり方も気にせず、そのまま彼女の膝の上へと自然な動作で割り込んで座り込んだ。
「ひゃうんっ!? ちょっと、なぎこさん! 重……くはないですが、距離が近すぎます! 破廉恥です!」
「重くないならセーフ! ほらほら、根詰めすぎだってば、かおるっち。顔も怖いし、肩もカチコチ。あたしちゃんが『超エモいこと』して息抜きさせてあげよっかー?」
「え、エモいこと……?」
式部が警戒に目を丸くした瞬間、なぎこさんの細い指先が、式部の首元を覆う黒いチョーカーと、胸元のブラウスのリボンへとすっと滑り込んだ。
「そう、エモいこと。……脱力脱力〜♪」
「な、何をして……あっ!?」
なぎこさんは迷いのない手つきで、式部のドレスの胸元を飾るリボンを引き解き、コルセットの編み上げを緩めてしまった。
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