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カルデアの私室。 重厚な書棚に囲まれた静かな部屋で、紫式部はひとり、机に突っ伏して深いため息をついていた。

「はぁ……駄目です。まったく進みません……」

手元にある原稿用紙には、途中で途切れた文字。第一再臨の姿である、黒を基調とした豪奢なゴシックドレスに身を包んだ彼女は、新作の執筆に行き詰まり、完全に思考を停滞させていた。肩を落とし、眼鏡の位置を直しなおそうとした──その時だった。

「ヤッホー! かーおーるっちー! 遊ーぼ!」

「きゃあっ!?」

「根詰めすぎだってば、かおるっち。顔も怖いし、肩もカチコチ。あたしちゃんが『超エモいこと』して息抜きさせてあげよっかー?」

「え、エモいこと……?」

式部が警戒に目を丸くした瞬間、なぎこさんの細い指先が、式部の首元を覆う黒いチョーカーと、胸元のブラウスのリボンへとすっと滑り込んだ。

「そう、エモいこと。……脱力脱力〜♪」

「な、何をして……あっ!?」

なぎこさんは迷いのない手つきで、式部のドレスの胸元を飾るリボンを引き解き、コルセットの編み上げを緩めてしまった。

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