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前回

その言葉は途中でぴたりと止まった。 彼女が振り返った先で、私は一歩たりとも退かず、ただ食い入るように彼女のすべてを瞳に焼き付けていたからだ。一切の照れを通り越し、純粋な熱情と深い愛情を孕んだ私の視線が、彼女を真っ向から射抜いていた。

「……っ」

数秒の沈黙の後。 完璧な余裕を纏っていたはずのモルガンの白い頬が、みるみるうちに林檎のように赤く染まっていった。

「……な、なぜ目を逸らさないのですか。いくら我が妻とはいえ、そのように真っ直ぐ見つめられると……その、流石の私でも、少し……っ」

先程までの蠱惑的なオーラはどこへやら。モルガンは慌ててずり落ちたシャツを肩まで引き上げ、自身の胸元を隠すように腕を交差させた。潤んだ青い瞳が泳ぎ、唇をわななかせるその姿は、朝から私をからかうつもりが、自分の罠に嵌ってしまった不器用な乙女そのものだ。

「モルガンが誘ってきたんじゃない」

私がふっと笑って一歩距離を詰めると、モルガンはさらに顔を赤くしてソファの端へと身を縮めた。

「し、仕方のない我が妻ですね……! 今日は特別に、もう一度ベッドへ戻ることを許します。……ですから、その熱を帯びた目は、少しだけ瞑っていなさい」

強気な言葉とは裏腹に、そっと差し出された彼女の震える手。私はその冷たくて柔らかな指先をしっかりと握りしめ、二人の夏だけが流れる静かな別荘で、愛しい女王様と再びシーツの海へと沈んでいった。

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