【モルガン→ぐだ子】湯煙に溶ける妖精國の夜①【完全版】 (Patreon)
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秋の深まりを肌で感じる、ひんやりとした夜風が木々を揺らしていた。
ここはカルデアの慰安旅行として訪れた、山奥にひっそりと佇む豪奢な秘湯宿。普段は過酷な任務に明け暮れるサーヴァントたちも、今日ばかりは思い思いに羽を伸ばし、大広間では宴会が賑やかに繰り広げられている。
そんな喧騒からこっそりと抜け出し、離れにある貸し切りの露天風呂へ続く石畳の小道を、二人の影が寄り添うようにして歩いていた。
「はぁ……。やっと、本当にやっと二人きりになれましたね、我が妻」
少しゆったりとした藍色の浴衣を身に纏い優雅な足取りで前を歩くのは、妖精国の女王モルガン。彼女の長い銀糸の髪が夜風にふわりと揺れ、宿の軒先に吊るされた提灯の灯りを受けてキラキラと輝いている。涼しげでありながらも、どこか熱を帯びた紫の瞳が、後ろを歩く立香へと向けられた。
「先ほどから、あの宴会場には邪魔な虫が多すぎました。貴女にお酌をしようと群がる者たちを片っ端から水鏡に沈めてやろうかと思い、いくら私でも少々気が立ちそうでしたよ」
心底不満げにため息をつくモルガンに、立香は「あはは……」と苦笑いを浮かべた。
オレンジ色の短い髪に、秋らしいもみじ柄の浴衣を合わせた立香は、小走りでモルガンの隣へと並ぶ。
「まあまあ、みんな慰安旅行でテンション上がってるからね。それに、モルガンがずっと私の隣で睨みを効かせてくれてたおかげで、誰もあんまり近づいてこなかったし……」
「当然です。貴女は私の妻なのですから、他の有象無象に気安く触れさせるわけにはいきません。代わりにアルトリアの鞘(ユミ)の元へ行った者も多いですから良しとしましょう」
「もう、過保護なんだから……。しかもそのせいでアルトリアがささくれ立って余計大騒ぎになったの忘れちゃったの?あとで謝っておかないと…あ、ここからはちゃんと二人きりだよ。この離れの貸し切り露天風呂、すっごく景色がいいらしいから楽しみにしてたんだ!」
女の子同士だからこその気安さと、特別な相手に向ける甘い期待。立香が嬉しそうに笑うと、モルガンの冷ややかな表情も途端に柔らかく解け、慈しむような微笑みへと変わった。
「ええ。この時間を誰にも邪魔させはしません。さあ、行きましょうか」
やがて二人は、露天風呂の脱衣所へと辿り着いた。
引き戸を開け、ひんやりとした夜気の中に足を踏み入れる。目の前には、月明かりに照らされた見事な紅葉の木々と、もうもうと白い湯煙を上げる広い岩風呂が広がっていた。
「うわぁ……! すごく綺麗な紅葉! 月の光が反射して、お湯もキラキラしてるよ!」
はしゃぐ立香の背後で、モルガンは静かに浴衣の帯を解き始めた。絹の擦れる衣擦れの音が、静寂の空間に色っぽく響く。
振り返った立香は、するりと浴衣を滑り落としたモルガンの姿に、思わず息を呑んだ。
夜気の中に露わになったのは、白磁のように滑らかで、どこまでも完璧なプロポーションを誇る裸体。月明かりと湯面の照り返しを受けたモルガンの素肌は、神々しいほどの美しさを放っている。同性である立香でさえ、見惚れて視線を外せなくなるほどの魔力があった。
「どうしました? そんなに見つめられると、いかに私でも少し照れてしまうのですが」
「あ、いや……っ、ごめん! なんていうか、モルガンって本当に綺麗だなって思って……」
慌てて目を逸らし、立香も自身の浴衣を脱ぎ捨てる。
少し小柄で健康的な立香の裸体。モルガンの紫の瞳が、その柔らかな曲線を舐め回すようにじっと見つめているのを感じて、立香は頬を赤く染めた。
「そ、それじゃあ入ろっか! でも、いきなり肩まで入ったらのぼせちゃうかもしれないし……。まずは足湯からにしようよ、モルガン」
「ええ。貴女の好きにするといいでしょう。今日はただ湯に浸かり、日頃の疲れを癒やすのが目的ですからね」
モルガンのその言葉に安心し、立香は湯船の縁の平らな岩場にちょこんと腰掛けた。
ちゃぷん、と心地よい水音を立てて、まずはつま先からそっとお湯に浸す。
「んっ……あたたかい……。外が少し寒いから、お湯の温度がすっごく気持ちいいや」
心地よい熱に、立香がふにゃりと頬を緩め、夜空に浮かぶ月を見上げた、その瞬間だった。
隣に座るはずのモルガンが、なぜか立香の背後へと回り込み、その無防備な背中に、豊満で柔らかな自身の双丘をぴたりと押し当ててきたのだ。
「ひゃっ!? モ、モルガン……!?」
突然の背後からの密着に、立香の肩がビクッと跳ねる。
モルガンのひんやりとした濡れた素肌が、立香の温まった背中に張り付く。同じ女性同士の、柔らかく心地よい弾力。それが背中越しに押し付けられ、形を変える感触がダイレクトに伝わってくる。
「足だけでは冷えるでしょう? 秋の夜風は冷たい。こうして、私が温めて差し上げます」
「ま、待って、足湯って言ったのに……っ! 近い、近いよぉ……おっぱい当たってるし……っ」
「ふふ。私が、愛しい『我が妻』に寄り添うのに、何の遠慮がいるというのです? それとも、私に触れられるのは嫌ですか?」
耳元で囁かれる甘く落ち着いた声音。モルガンの冷たい指先が、立香の首筋から鎖骨へとつうっと滑り落ちる。そのくすぐったさと、背中に感じる圧倒的な柔らかさに、立香の顔は一瞬で林檎のように赤くなった。-続-
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