Home Creators Posts Import Register Favorites Logout

Content

あずまやの外では、蝉の声が一層激しさを増していた。だが、この小さな空間の中では、二人の荒い呼吸だけが、熱く、甘く、満ちていた。

「大丈夫だ、けど……。でも、わたしも……アルトリアのこと、満たしてあげたいな……」

不意に肩を押され、椅子に腰を下ろさせられた瞬間、私はわずかに戸惑った。いつもは私が主導する夜の営み。ユミが自ら膝をつき、私の前に跪くなど滅多にあることではない。

「ユミ……?」

問いかけようとした唇が、彼女の舌先によって塞がれた。口角に残っていたバニラクリームを、ひょろりと伸びた小さな舌が丁寧に舐め取る。ねっとりと、ゆっくりと。その温かい感触に、私の背筋にぞくりとした電流が走った。

「んっ……」

思わず漏れた声は、自分でも驚くほどか細く、震えていた。ユミの潤んだ瞳が、至近距離から私を見上げている。上目遣いのその視線が、騎士としての矜持を容赦なく砕いていく。

Files

Comments

No comments found for this post.