年上メイドの主従逆転 ―小さくなったご主人様を胸と膣で寝かせる―②完 (Pixiv Fanbox)
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「小さい頃もこうして、よく洗って差し上げましたね」
「おまえ、俺が小さい頃の話はやめろ……」
「あら、今の若旦那は、あの頃よりずっと小さいですよ」
声は柔らかいのに、その言葉は彼女の舌よりもなお生々しく、晴臣の身体を責め立てた。
風呂場の明かりがつく。タイルの床が、晴臣の肌に冷たく映った。彼女は片手で晴臣を抱えたまま、もう片方の手で洗面器を用意し、ぬるま湯を注いだ。小さな湯気が立ち、静佳の浴衣姿が鏡にぼんやりと映る。
「どうか、この手の中でじっとしていてください。落ちてしまったら、湯の中では危ないですから」
「だから、離してくれ……」
「いいえ。私が洗います。若旦那は何もしなくていいのですよ」
彼女の人差し指が、また晴臣の背中へまわされる。指先の腹でなでられると、逆らえなくなる。彼女にされるがまま、晴臣は桶の湯で濡らされた布の上に寝かされた。
指先で石鹸をつけた静佳が、晴臣の足から洗い始める。
「やさしく洗いますから、少しの間だけ、辛抱してください」
彼女の爪が首筋をかすめ、泡が全身を滑っていく。親指と人差し指で、片腕ずつゆっくりと洗われた。泡まみれになった指先が、今度は胸を、腹を、輪を描くようにこすっていく。
「つのる、快感に、もう……」
「ここも、洗いますね」
静佳の指が、晴臣の股間を正面から包み込んだ。泡と彼女の体温が混ざり合い、敏感になった中心を揉むように扱く。
「あっ、あ、そ、そこは、もう……!」
「いい子にしていてください。すぐ、さっぱりしますから」
彼女の指は止まらなかった。
風呂場の湿った空気が、晴臣の肺を満たした。
湯の張られた桶から立ちのぼる湯気の向こうで、静佳の顔はぼんやりとかすみ、彼女の唇の色だけがやけに濃く見えた。彼女の人差し指と親指が、晴臣の身体を泡まみれにしながらゆっくりと往復している。洗面器のふちに置かれた石鹸の香りが強くて、頭の奥がしびれるようだった。
「力を抜いてください。お腹のあたり、硬くなっていますよ」
静佳の声が上から降ってくる。指先が腹を撫でるだけで、泡のひとつひとつが肌の上で割れていくのがわかった。彼女の指紋の谷に泡がたまる。その凹凸が、男の身体をまるで玩具でも転がすように刺激する。
「は、ぁ……っ、やめ……静佳さん、もう、洗った、だろ……」
「まだです。足の先まで、きちんと洗わせてください」
彼女は晴臣の右足を持ち上げ、指先で小さな足の裏をなぞった。指の腹がかかとから爪先へ移動するたび、晴臣の腰が浮く。
「ぅ、あ……っ、そこ、くすぐった……っ」
「くすぐったいだけではありませんね。お顔、真っ赤ですよ」
静佳の指が足首を包み、やさしくこすった。それから、彼女は泡を足し、両手で晴臣の両足をまとめて包み込む。ぬるついた指と指の間で、彼の脚は抗うこともできず、まるで彼女の指のあいだで扱かれるように前後した。
「あっ、あ、や、待っ、脚が、ひら……っ」
静佳の両手が開くと、彼の足は彼女の思うままに左右へ割られた。太もものつけ根まで泡に塗れ、股間の中心が外気に晒される。湯気で湿った空気が直接そこへ触れて、晴臣は泣きそうになった。
「若旦那のここ、さっきよりも少し大きくなっていませんか」
「ちが、見るな……っ、静佳さん、それ、やめ……」
「見ていますよ。洗うために、きちんと見せてください」
彼女の人差し指が、晴臣の中心へ近づいてくる。先端からゆっくりと根元へ向かって、確かめるように撫でおろされた。
「ひぅ……っ!」
喉から漏れたのは、自分でも聞いたことのない高い声だった。背中が反り返り、泡で滑る掌の上で転がった。
「あら、可愛い声が出ましたね」
「ちが、今の、ちが……ぅあ……っ」
静佳の指が、今度は先端をくるくると円を描く。泡がぬめりを作り、彼女の指紋が敏感な表面をなぞるたび、晴臣は息を詰めた。
「小さい。指の先より短いですよ。泡に埋もれてしまいそうです」
「やめ、言うなぁ……っ、おま、え……あっ、あっ」
「はい。私が、あなたを洗っています」
静佳の声はあくまで穏やかだった。けれど指先は休まらない。彼女は片手で晴臣の背中を支え、もう片方の指で、彼の中心を根元から先端へ向かってゆっくりとしごく。泡を含んだ指の輪が、何度も彼自身を摩擦した。
「これ、お、女の、子みたいな、声……やめ、出る……っ」
「私は好きですよ。若旦那の、そんな可愛らしい声」
「好きって、おまえ……ぁ、あっ、や、そこ、先っぽ……」
「先っぽがどうかしましたか」
静佳の親指が、先端を泡ごとくるりと撫でた。ぬるりとした刺激に、晴臣の腰ががくがくと震える。背中を支える彼女の薬指と小指に、強く爪を立ててしまった。
「あぁ……っ、だめ、出る、出ちゃう……っ、しずか、さ……っ」
「いいですよ。出しても。全部、洗い流してあげますから」
その言葉を合図にしたように、晴臣の視界が白く明滅した。彼女の指の中で、小さな身体が何度も跳ねる。白濁が泡の上に散り、彼女の指先を汚した。
頭の中が真っ白になるほどの快感に震えている間も、静佳の手は彼を離さなかった。彼女は指についた精を桶の湯へ流し、もう一度石鹸を泡立てると、くるしそうに息をしている晴臣の胸を洗いはじめた。
「も、無理、だ……休ませ、て……」
「まだ洗えます。若旦那が勝手に汚すから、私が何度でもきれいにするんです」
そう言う静佳の指は、再び晴臣の股間へ伸びた。今度は袋の裏側へ指を這わせ、そこを泡で揉むように洗う。
「あ……っ、あ、あ、や、そこ、やだ……っ」
「やだ、ではないでしょう。ほら、さっきよりも硬くしているくせに」
「ちが……体が、勝手に……っ」
彼女の指は言葉を責めるでもなく、ただ丁寧に、彼の知らない弱い場所を順番に暴いていった。股のつけ根、腰のくびれ、内もも、尻の割れ目のすぐ上。晴臣が足を閉じようとすれば、彼女は指でそれを制し、泡だらけの手で太ももを押して開かせた。
「若旦那、身体が熱い。火照って、いい匂いが強くなってきました」
「やめろ、嗅ぐな……っ、おまえ、ほんとに、何してるんだ……」
「お世話です。小さくなったご主人様の、お世話」
静佳が顔を近づけ、晴臣の首元へ鼻先を寄せる。彼女の吐息が髪の毛の先を揺らした。
「こんな声しか出せなくなるまで、私の指で鳴かされるご主人様、とても可愛いです。私の両手にすっぽり収まって、泡の中で震えて」
「かわいい、って、俺を……ぁ、あっ……!」
胸元を指で洗われただけで、乳首が硬く尖り、彼女の指紋に擦れて鋭い感覚が走った。
「やっ、乳首、やめ、そこ、だけで、おかしくなる……っ」
「乳首だけでも、こんなに反応しますのね。小さくなって、全部が敏感になってしまったの?」
静佳は乳首の周りを泡でくるくると撫で、時折つまむように摘んだ。晴臣は女のように声を上げ、腰を跳ねさせ、彼女の掌から逃げようとした。逃げようとすればするほど、泡で滑って彼女の指にしがみつく形になる。
「あ、やだ、やだやだ、これ、へん、へんになる……っ」
「おかしくはありませんよ。私が気持ちよくしてあげています」
「ちがう……っ、こんなの、俺、男なのに……ぁ、あぁっ」
泣きそうな声で訴えても、静佳の指は止まらない。彼女は晴臣の身体をうつ伏せにし、今度は背中から尻までを泡で丹念に洗いはじめた。親指が背骨をなぞり、人差し指が腰のくぼみへ沈む。
「ここも洗いますね」
彼女の指が、尻の割れ目に触れた。
「ひぁ……っ、や、やだ、そこ、ほんとに、待っ……!」
「暴れないで。指が滑ったら、どこへ入るかわかりませんよ」
静佳の声は甘く、怖いくらい落ち着いていた。彼女の指先は、晴臣の尻を洗うふりをしながら、窄まった場所を何度も往復した。泡がそこへたまり、つるつると滑る感触だけが強くなる。
「お、おまえ……っ、あ、あ、あ……!」
「若旦那。私の指で、こんなに何度も達してしまうんですね。小さい身体で、ぴくぴく震えて、声も女の子みたいに。私、どうしたらいいのか、わからなくなってしまいます」
静佳は息を少し乱しながら、彼の尻をやわらかく揉んだ。指の重みと熱が、泡越しに深く沈んでくる。
「本当に、可愛い」
彼女の声が、浴室の湯気に溶けるように響いた。
晴臣はもう答えることができなかった。彼女の指が触れる場所のすべてが性感帯に変わり、胸も背中も足先も、洗われるたびに甘く痺れてしまう。
人差し指に包まれて、泡の中で何度目かの絶頂を迎えた晴臣は、もう情けない声を抑えることすら諦めていた。
「お食事の時より、今の若旦那のほうが素直でいらっしゃいますね」
静佳がそう囁くのを、彼はぼんやりと聞いていた。
翌朝、屋敷はいつもと変わらない一日を始めていた。
使用人たちが廊下を歩き、庭の掃除をし、朝食の支度を整えていく。静佳もまた、昨夜のことなど何もなかったかのように、髪をきっちりと結い上げ、黒いワンピースの上に白いエプロンを身につけていた。
彼女が茶の支度をしている間、晴臣は自室の机の上にいた。
目が覚めたとき、身体は相変わらず小さかった。ベッドの枕は横たわるには遠すぎて、自分の片手ほどの大きさしかない身体で、布団の上を移動することすら容易ではない。結局、静佳が差し出した手に乗せられ、彼女の手によって私室から運び出されたのだ。
「若旦那、朝食です」
襖の向こうから声がして、静佳が盆を手に現れた。彼女の足音が、机の上に座り込んだ晴臣の身体まで響いてくる。
「今日は食欲がございますか」
「……普通に、食える」
「よかった。では、こちらに」
静佳は小さく微笑むと、晴臣の前に、親指ほどの大きさに切ったパンと、人差し指の先ほどの深さに注がれたスープを並べた。彼女の指が近づくたび、晴臣の肩が僅かに強張る。けれど、静佳はそれ以上触れようとはしなかった。
「お下がりします。何かあれば、呼んでください」
それは、いつもの彼女の態度だった。主人への礼をわきまえた、有能で控えめな専属メイドの顔。昨夜のように、晴臣を掌に包んで「可愛い」と囁いた女と同じ人物とは思えないほど、静佳は自然だった。
「……ちょっと、待ってくれ」
去り際の背中へ呼びかけると、彼女は振り返り、首を傾げた。
「なんでしょう」
「昨夜のことは……」
言いかけて、喉が詰まった。
静佳は困ったように笑い、盆を胸の前で抱えた。
「若旦那。昨夜、何かありましたか」
「……おまえ」
「私はいつも通り、若旦那のお世話をしただけですよ」
そう言って、彼女は一礼し、部屋を出て行った。
障子が閉まると、部屋が急に静かになる。皿の上のパンと、湯気を立てるスープだけが残された。晴臣は自分の膝を見下ろし、小さくなった手を開いたり閉じたりした。
身体は小さい。けれど、記憶はあの肌の温もりを、指紋の凹凸を、泡に包まれた指の動きを、克明に覚えている。
「なかったこと、にできるか……」
晴臣は小さく吐き捨てた。
朝食を終え、机の上で一人になると、身体の中に燻る熱が腹の底へ溜まっていくのを感じた。
彼女の顔を見るたびに、昨夜のことを思い出す。声を聞くだけで、耳の奥が甘く痺れる。あの細い指を、白いエプロン越しの身体を、汗ばんだ胸元を、どうしても意識してしまう。
「くそ……、何を考えてるんだ」
頭ではわかっている。静佳は使用人で、自分はその主人で、昨夜は薬草茶の事故のようなものだった。それ以上でも以下でもないはずだ。
それなのに、彼女が去ったあとの静かな部屋で、晴臣の身体はひとりでに熱を持っていた。
昼前、静佳は洗濯物を取り込み、畳の上で衣類を畳んでいた。
晴臣の部屋からは見えないが、開いた窓の向こうから彼女の声が聞こえてくる。別の使用人と話す声、衣類をはたく小さな音、籠を置く際の衣擦れの音。そのひとつひとつが、彼の身体をじりじりと焦がした。
昨夜、風呂場で洗われた時のことを思い出している自分がいる。彼女の指に強制的に足を開かされて、泡まみれの掌の上で声が出るまで扱かれた。あの快感が、まだ腹の裏に張りついている。
「いやだ……」
晴臣は頭を振った。このままでは、また昨夜と同じことを繰り返してしまう。彼女に触れてもいないのに、彼女を思い浮かべて、自分の中心が硬くなっている。
「静佳の、匂い……考えただけで、もう駄目だ」
立ち上がると、机の上から床までは、まるで二階から地面を見下ろすような高さがあった。布団の折り目へ滑り降り、小さな身体で床を這い進む。かすかな埃が口に入り、前を歩く蟻が自分と同じくらいの大きさに思えた。
部屋の隅に、昨夜、彼女が畳んでいた衣類が、いくつか残っている。洗い立ての衣類よりも、奥の方にある、今朝まで彼女が身につけていたもののほうへ、晴臣の足は向かっていた。
「……最低だな、俺」
わかっている。それでも、彼女がそばにいない昼のうちに、どうしても彼女の残り香に触れたかった。
夜着の下から脱ぎ置かれたらしい肌着が、晴臣の身体の前にそびえている。白いブラジャーは、彼の身長より遥かに大きな丘だった。レースの縁が複雑に重なり、中央の布地がふっくらと窪んでいる。
手を伸ばすと、ブラジャーの内側の布は、まだ湿り気を帯びていた。彼女の体温と汗が、洗濯の前の衣類の中に閉じ込められている。鼻先を近づけると、胸元に残る匂いがして、晴臣は立っていられなくなった。
「しずか、さん……っ」
自らの吐息で呼びかけながら、彼はブラジャーの谷間へ身を沈めた。女の肌の匂いと、昨晩の風呂場で嗅いだ石鹸の香りとが混ざり、頭の奥まで甘く焼かれる。
「あ……ぁ、くそ、なんで、こんな……」
中心を握る手が、もう止まらなかった。布の窪みに背中を預け、レースの繊維に肌を擦りつけながら、晴臣はひとりで腰を揺らす。ブラジャーの布地の凹凸が太ももの裏に食い込み、その硬さが、逆に彼女の手を思い出させた。
「あっ、あ、しずかさん、しずかさ……っ」
声は小さい。誰にも聞こえないはずの、昨夜と同じくぐもった喘ぎだった。
「お、前が、わりい……っ、あんな、洗い方するからぁ……っ」
カップの内側に顔を埋め、布を掻き抱くようにして、晴臣は右手を早めた。自分の身体が彼女の胸の形に沈んでいく。吐息も唾液も、すべて彼女の脱ぎたての下着へ吸われていく。
「悔しい……っ、悔しいのに、気持ちよくて……あ、これ、やば……っ」
足先がレースに絡まり、腰が突き上がる。奥歯を噛み締め、声を殺そうとしても、喉の奥から高い吐息が漏れた。この匂いだけで、身体が焼けそうだった。
「何を、されても、勝てない……っ、俺、お前の、指一本に……ぁ、あ、出、る……」
全身が大きく震え、ブラジャーの内側に白いものが散った。晴臣は布にしがみついたまま、痙攣する身体を起こせなかった。
ようやく息を整え、のろのろと顔を上げたときだった。
部屋の入り口に、静佳が立っていた。
音もなく、盆も持たず、ただこちらを見下ろしている。彼女の手には、畳んで届けに来たのだろう、晴臣の衣服があった。
「……若旦那」
静佳の声は低く、けれど静かだった。
「何を、していらっしゃるのですか」
晴臣はブラジャーの上から動けなかった。汚れた下着と、縮みきった裸の身体。逃げる場所も、言い訳も、何もかもがなかった。
「これは、今朝まで私が身につけていたものです」
静佳が一歩、近づいた。畳を踏むだけの振動が、晴臣の全身を揺らす。
「お脱ぎになっていたので、取りに参りました。そうしたら、まさか、こんな……」
彼女の顔色は、驚きよりも、何かを堪えるような色をしていた。目が、わずかに伏せられる。
「若旦那。また、お一人で、なさったのですか」
「ちがう、これは、そうじゃないんだ」
晴臣はブラジャーのレースにしがみついたまま、上ずった声で繰り返した。彼女の下着の上に散った白いものが、自分の仕出かしたことの証拠のように視界の端でぬらぬらと光っている。消したくても消せない。指で拭おうものなら、いっそう汚れを広げてしまうだけだ。
「そうじゃない、というと、何がどう違うのですか」
静佳は手に持った晴臣の衣服を畳の上へ置き、ゆっくりと膝をついた。彼女の膝が畳へ触れただけで、床ごと沈むような重い振動が、小さくなった晴臣の尻まで届いた。
「おまえの部屋にあるから、洗おうと思ったんだ。たまたま……、そう、たまたま目に入って」
彼女は答えず、両手を太ももの上へ揃えたまま、じっと見下ろしていた。窓から差し込む昼の光が、黒髪の輪郭を淡く照らし、白いエプロンの影を畳の上へ落としている。
「若旦那。私、今朝、嘘をつきました」
「なにを……」
「昨夜のことはなかったことに、と思っていました。ですが、若旦那のほうが忘れられておりませんね。私の着けたものを、こんなに汚してしまうくらいに」
静佳の指が近づいた。親指と人差し指が、ブラジャーの上に座り込んだ晴臣の両脇をつまむようにして、ゆっくりと持ち上げる。彼の身体は洗い立ての衣類の匂いと、彼女の残り香と、自分の精の匂いにまみれたまま、彼女の顔の前へ運ばれた。
「下ろしてくれ……」
「今、下ろせば、逃げますね。逃げて、またひとりで、私の衣類を使って、こそこそと済ませるのでしょう」
彼女の瞳は凪いでいた。昨夜と同じ、怒りでも失望でもなく、もっと粘り気のある、なにかを明確に意識しはじめた目をしている。
「違う、こんなの、二度と……っ」
「二度と、なさいましたね。昨夜も、今も」
静佳の吐息が、晴臣の顔面を湿らせた。その温度だけで、縮んだ身体の敏感な皮膚が粟立つ。彼は横を向き、彼女の指から逃れようと足をばたつかせた。だが、彼女の指先はびくともしなかった。大人が摘んだ木の葉を振りほどけないように、小さな男の力では、彼女の指一本をも動かせない。
「おまえ、なんで、そんな顔で……っ」
「どのような顔をしていらっしゃるように見えますか、私」
静佳が口元をわずかに緩めた。
「昨夜、お風呂で洗って差し上げた時、お伝えしました。小さな若旦那は、とても可愛らしいと。でも、可愛いからといって、好き勝手に自慰をして、使用人の肌着を汚していいわけがありません」
「だから、悪かった。もうしない。本当に、しないから……っ」
晴臣は彼女の指の中で頭を下げることしかできなかった。肌着の匂いを嗅ぎながら射精した事実は、言い訳のしようがない。
「本当に、もうしませんか」
「ああ。約束する」
「……では、証明していただけますか」
静佳の声が少しだけ低くなった。
「いま、若旦那に溜まっているものを、全部、私に出してしまうことです。私の前で、私の手の中で、全部吐き出してください。隠れてひとりで満足するよりも、私が気持ちよくして差し上げますから」
「なにを、言って……」
「一度では足りないのでしょう。昨夜も、その前も。お身体が小さくなってから、若旦那はとても敏感になっておられます。だから、隠れてでも触りたくなってしまう。方法が、ひとりでするしかないのがいけないのです」
静佳の説明は、どこまでも落ち着いていた。彼女は晴臣を胸の高さに保ったまま、もう一方の人差し指を彼の脇腹へ当てた。指紋の凹凸が、服を着ていない肌をゆっくりと押し込む。
「ひ、ぁ……っ」
「声、我慢しなくていいですよ。ここは若旦那の私室ですし、私は逃がしません」
「ちが……待ってくれ、そんな、今は昼で、誰かに聞かれたら……っ」
「今さらです。肌着に顔を埋めて、女のような声を上げていたのは若旦那のほうですよ」
静佳の指が、晴臣の太ももの内側をするりと撫でた。さっきまで自分で触れていた場所が、彼女の指紋に擦り上げられ、腹の奥からどろりとしたものが盛り上がる。
「見てください。もう、こんなに固くして」
「見るなぁ……っ」
「見せてください。昨夜、私の指で洗って差し上げた、かわいい場所です」
彼女はそう囁くと、晴臣の身体を仰向けに持ち替えた。背中と後頭部が彼女の指に支えられ、裸の全身が天井へ晒される。彼女の人差し指が、腹から下腹へ降りてきて、硬くなった中心を指の腹でかるく押さえた。
「う、あ……っ、や、待って……っ」
「若旦那。私の着けた肌着の中で、何を考えて触っていたのですか」
「やめ、ろ……っ、そんな、こと、聞くな……っ」
「私の匂いを、嗅いでいたのでしょう。あの下着は、朝まで私の胸に触れていたものですよ。汗も、体温も、全部そこに残っていました」
静佳は言いながら、晴臣の中心を親指と人差し指で挟んだ。昨夜の風呂場のように泡はない。指紋の凹凸が、唾液の代わりに、皮膚の上をゆっくりと上下する。
「あ、あ、ぁ……っ、しずか、さ……っ、それ、やめ……っ」
「やめません。全部出し切ってください。さもないと、若旦那はまた、私の目を盗んで触ってしまう。それなら、私の手で出して差し上げるほうが、よほど健全です」
「どこが、健全なんだ……っ、あっ、や、袋、袋まで……っ」
彼女の指先が、中心の根元から袋の裏をなぞり上げると、晴臣の腰ががくがくと跳ねた。彼女の指先に全身が搾り取られそうな圧迫感が走り、喉の奥から女のような甘い声が強引に押し出される。
「んぅ、あぁ……っ、だめ、出る、また、出そうに……っ」
「まだ駄目です。もう少し、私の手の中で痺れていてください。昨夜の泡の感触を、覚えていらっしゃいますか。あのまま、あなたの小さなお身体を洗いながら、何度も鳴かせた時のこと」
静佳の親指が、先端を軽く押しつぶすようにして回す。快感が腹の底からせり上がり、晴臣の太ももがぴんと張った。耳の奥で、自分が情けなく喘いでいる。
「あっ、あっ、あっ、もう、無理……っ、出ちゃ、出ちゃう、出ちゃうから……っ」
「いいですよ。私を見て。目を開けて、私の指に擦られている自分を、ちゃんと見るのです」
「ひ、ぁ……っ、あ……ッ」
視界が涙で歪んでいる。彼女の指に挟まれた自分の中心が、幼い性器のように小さく、それでいて硬く反り返っていた。快感に背をのけぞらせながら、晴臣は静佳の顔を見た。
「……可愛い」
静佳が、小さく口にした。
「出してごらんなさい。全部、私の指で受け止めてあげます」
その声が、晴臣の背筋を駆け抜けた。
「……あ、あぁぁ……ッ!」
彼女の親指が先端を強めに擦るのと同時に、晴臣の全身が跳ね上がった。白い精が、彼女の指と彼自身の腹へ飛び散っていく。長い痙攣が何度も続き、足先まで痺れた。
射精は止まらなかった。搾り取られるように、最後の一滴まで彼女の指に吸い上げられていく。
静佳はしばらくの間、その痙攣を見下ろしていた。それから、指先を彼の腹へ触れさせ、軽く拭うように動かした。
「出しましたか」
「はぁ……はぁ……っ……」
答えられなかった。口の中が乾き、息だけが喉を掠める。
「でしたら、こちらを片付けます。若旦那こそ、こんな昼間から。まったく、目が離せませんね」
静佳はあくまで静かな声で言い、ブラジャーを拾い上げた。彼女の指先に、晴臣の精が細く糸を引いた。
「……捨てるなよ」
「捨てません。これは証拠として、私が処分いたします」
「証拠って……」
「若旦那が、私の下着で自慰をなさったという、消せない事実です」
晴臣は言い返せず、掌の上でぐったりと項垂れた。身体の奥が痺れ、指の一本も動かせない。それでも、彼女の指に擦られて達してしまった快感の余韻が、腹の裏からじくじくと消えない。
静佳は晴臣を掌から下ろすと、扇風機を背に浴衣の胸元をわずかに開いたような仕草で、彼を見下ろした。
「また、ひとりでなさりたくなったら、呼んでください。私が責任をもって、お世話いたします」
その微笑みは、有能なメイドの顔には見えなかった。
静佳の手が、もう一度晴臣の身体を掬い上げた。
今度は胸の前ではなく、腰のあたりの高さだ。彼女の指は彼を摘み上げると、畳の上に置かれた座布団の上へ、ぽんと寝かせた。昼下がりの光が窓から差し込み、座布団の表面を温めている。その布地は晴臣の身体には粗く、小さく動くたびに肌を擦った。
「う、ぅ……」
射精の余韻で足腰が抜けていた。仰向けのまま息を荒く吐いていると、視界の外から静佳の手が降りてきて、彼の額へ人差し指を触れさせた。
「まだお身体が熱いですね。少し、お仕置きをしましょうか」
「お仕置き……?」
「ええ。若旦那は、私の下着で自慰をなさいました。反省の言葉はありましたが、あの小さな身体で何度も同じ過ちを繰り返しています。言葉だけでは、また同じことをするでしょう」
静佳の声はあくまで穏やかだったが、目の奥は笑っていなかった。彼女は晴臣の身体を、指先でそっとうつ伏せへ転がした。座布団の布地に頬を擦りつけながら、彼は抵抗するように両手をつく。だが、肩へ置かれた彼女の指の重みだけで、上半身が簡単に沈んだ。
「な、なにを……」
「しばらく我慢してください。痛いのは、ほんの少しですから」
その直後、視界の外で、静佳の指が曲げられるのがわかった。
彼女の中指の腹が、晴臣の尻へ向けて振り抜かれる。
次の瞬間、風を切る音と共に、硬い弾力が彼の小さな尻たぶを叩いた。皮膚の薄い場所へ、大人の女の指が全力に近い力で炸裂する。もはやデコピンという生易しい音ではなかった。
「があっ……!?」
衝撃で身体が座布団の上に転がった。息が止まり、尻の肉の奥まで痛みが突き抜ける。目尻に涙が浮かび、手足が勝手に痙攣した。
「い、っ……た、痛……っ、おま、何し……!」
「若旦那。今のが、私の指一本の力です」
静佳の声が、上からゆっくりと降ってくる。
「あなたは、その指一本にすら耐えられない。なのに、私の下着へ勝手に潜り込むことだけは、覚えていらっしゃる。小さくなれば、何をしても許されるとは思わないでください」
彼女は晴臣を再びうつ伏せに戻した。今度は、彼の両足を軽く揃え、尻を突き出させるように姿勢を直す。骨盤の位置を手直しする指が、責められる場所のすぐ横を掠めて、晴臣はひっと首を竦めた。
「お、おまえ、本気で怒って……」
「ええ。悲しいのです。私という者がありながら、あんな場所で、あんな風に、お一人で事を済ませてしまわれたのが」
言うが早いか、二度目のデコピンが尻へ飛んできた。
「ぎっ……! あ、がっ……」
今度は先ほどと少し違う位置、尻の割れ目に近い、肉の薄い場所へ入った。鋭い痛みが腰の奥まで貫通し、晴臣の視界が赤く明滅する。声にならない悲鳴が喉につかえ、口からは唾液が垂れた。
彼女の指一本で、尻の薄皮が切れてしまうのではないかと思った。実際は切れておらず、ただ熱をもった腫れが鼓動するように痛む。
「痛いでしょう。ですが、まだ二回です」
静佳は晴臣の腰を指で支え、三度目のデコピンを打ち込んだ。今度は左の尻たぶの、座布団に押し付けられていた側。肉が弾むほど強い衝撃が走り、彼の身体は大きく跳ね上がった。
「ひ……っ、あ、やめ、やめ……っ、本当に、痛い、痛いから……っ」
「この痛みを、覚えていてください。私の肌着を汚したご褒美です」
泣き声まじりの懇願に、彼女の指は止まらなかった。四発目が、腫れ上がった同じ場所へ重ねて落ちる。
「うああ……っ!」
晴臣は声を上げて泣いた。尻全体が焼けるように熱い。痛みで身体ががくがく震え、座布団の上に爪を立てる。鼻水が布に染み、呼吸のたびに腰が跳ねた。
「若旦那、こちらをご覧になってください」
静佳の指が彼の腰を軽く持ち上げ、身体の向きを変えさせる。仰向けにされた彼の股間には、さっきまで放った精の後が残っていた。そして、その中心に目を落とした静佳が、小さく息を呑む。
「……あら」
晴臣の性器は、痛いほどに勃起していた。
「なんてお身体でしょう。尻を叩かれて、泣いて、震えて、それなのに、こんなに大きくして」
「ち、ちが……これは、ちが……」
「何が違うのですか。痛いのに、気持ちいいのですね」
静佳の目つきが、一段深いものに変わった。怒りでも呆れでもなく、目の前で硬くなっている小さな性器そのものを愛でるような、ねっとりとした熱が浮いている。
彼女は晴臣の両足を指で開かせ、尻に手を添えたまま、腫れた肉を避けるようにして、彼の腰を軽く浮かせた。
「お仕置きをされているのに、大人の男の、いえ、小さな男のここは、正直です。可愛らしい。……お仕置きでは、足りませんね」
静佳は立ち上がると、エプロンの前をゆったりと緩めた。
「何を、するつもりだ……っ」
晴臣は座布団の上から後退ろうとした。だが、尻は腫れて座ることすら難しく、手足も痺れていて、這って数センチ動くのがやっとだった。
静佳が膝をつき、座布団の端に座った。長い黒髪が胸の上へ流れ、彼女の影が晴臣を覆う。女の体が、昼の光を背に、黒い塊のように見えた。
「私の身体の中に、若旦那を閉じ込めます」
「な、に……?」
「中は温かくて、柔らかくて、少しも痛くはありません。私の身体の一番近い場所で、若旦那のことを、もっと知っていただきます」
彼女はそう言うと、スカートの裾を静かに引き上げた。
晴臣の前で、白い下着と、その奥で汗ばむ太ももの内側が露わになる。彼女の指が下着のクロッチへ触れ、強い湿り気を帯びた布を、片側へゆっくりとずらした。
その下から、他人の身体の内側へと通じる、彼女の性器が露わになる。
赤みを帯びた肉はすでに光っていて、閉じた襞の奥から、甘い匂いのする蜜がとろりと垂れようとしていた。晴臣の身長よりもなお高い、彼女の秘部が、そこで熱を持って呼吸している。
「入れてください。若旦那。大人しく、私の中に」
静佳の指が、晴臣の身体を背後から支え、彼の足先を、そのぬかるんだ入口へゆっくりと向けた。
彼女の指が、晴臣の身体を後ろから包み込んだ。
足先が、静佳の切れ込みへ触れる。ぬるついた蜜が指先から染み込み、爪の先まで温かい粘液で濡れた。太ももの内側に垂れた愛液が、晴臣の膝裏へ糸を引いている。それだけで、肌に触れるすべてが女の体内の熱を伝えてきた。
「足からでなく、頭から入ってください。息ができるように、顔はこちらへ向けて」
静佳はそう言うと、晴臣の小さな身体を逆さに持ち替えた。彼女の親指と人差し指が脇腹を支え、ゆっくりと、女の性器の入口へ、彼の額を近づけていく。閉じた襞が目の前に迫り、生温かい匂いが顔全体を包んだ。
「や、待って……っ、本当に入るのか、こんな、ところ……っ」
「大丈夫です。若旦那は今、私の指よりも小さい。ゆっくり、少しずつ、中で抱いて差し上げます」
静佳の声が、腹の底から響くように聞こえた。
彼女の指が晴臣の頭を支え、赤く熟れた肉の入り口へ押し当てる。蜜の溜まった襞が、彼の髪を濡らし、こめかみを挟む。熱い。革の内側に顔を埋めているようだった。
「ぅ、あ、あつ……っ、しずかさん、あつい……っ」
「若旦那も熱いでしょう。私の奥は、もっと熱いのですよ」
彼女の膝がわずかに開き、腰がゆっくりと落ちる。
閉じた入り口が、晴臣の頭をくわえ込むように広がった。ぬめる肉が髪を咥え、前額を押しつぶす。内壁がうねり、彼の顔を先へ導こうとする。目の前に、割れ目の奥の空洞が、暗い熱を湛えて開けていた。
「ん、ぅ……あ……ぁ」
静佳が息をこぼした。彼女の声が、全身に重く響く。膣の内側が、彼を呑み込むために開き、波打つ。
晴臣の肩が入った。胸が入った。肉の重みに脇腹を絞られ、下半身が外に残ったまま、彼女の中へ少しずつ沈んでいく。
「だ、め、苦し……っ、壁が、動いて……っ」
「大丈夫。私が、入れて差し上げています。力を抜いて、若旦那」
静佳は晴臣の足首を摘まみ、挿入の角度を微かに変えながら、彼の身体を押し込んでくる。膣壁が彼の背中を舐め上げ、腹を圧迫した。ぬめる肉襞が全身を這い回り、そのつど愛液が肌の上を滑っていく。生暖かい汁が耳へ入り、口の中にまで染みてきた。
「ん、ぅぅ……ッ」
やがて、足先までが彼女の性器の内側へ呑み込まれた。
外の光が消え、晴臣の周囲が暗くなる。彼女の内壁が口を開くたび、外の空気がわずかに入り込む。彼の身体は、今や完全に彼女の体内にある。動くことすら許されず、内壁の一部として包まれている。
外では、静佳が自分の下腹へ手を当てていた。
「……はいりました。若旦那。奥に、あなたの形が、あります」
彼女の声が体内に反響し、羊水のように全身へ伝わる。肉越しの声ははっきりしない。それでも、彼女の言葉の意味だけは、骨の奥まで染み入った。
「う、ぁ……っ、動い、てる……お前の、中……っ」
上下左右から内壁が押し寄せ、晴臣の身体を揉みしだく。彼が呼吸のたびに身じろぎするだけで、静佳の肉がそれに反応し、さらに強く締まった。
「私の中は、気持ちいいですか」
「わから、ない……っ、あつくて、やわらかくて、うごいて、おかしくなりそう……っ」
「まだ、これからですよ」
彼女の指が外から下腹を押した。途端、晴臣の身体ごと内壁が締まり、頭のてっぺんから足の先まで、ぬめった肉に押し潰される。
「あ、ぅあ……っ!」
「あ……っ、動きましたか。今、指の形が、外から見えました」
静佳が艶めいた声を漏らした。
「私だけで、動きますから、若旦那は中で身を任せていてくださいね」
そう言うと、彼女はスカートをさらに持ち上げ、露わになった秘部へ、自分の中指と薬指を添えた。膣の入口を指でなぞり、そこから滲む蜜を指先へ絡め取る。
晴臣にはわかった。彼女は、自分を中へ入れたまま、指で自慰を始めようとしている。
(うそ、だろ……)
声を出そうとした瞬間、外から彼女の指が動きはじめた。
「ん、あ……ぁっ……」
静佳の指先が、晴臣の存在を確かめるように、膣口のすぐ手前を円を描いてこすった。彼女の声が、内壁を通して晴臣の身体を揺らす。内部では、晴臣の頭が彼女の弱い場所を自然と押し上げ、腹が収縮するたびに肉襞がねっとりと絡みついた。
「ふ、ぁ……若旦那、私の、いちばん浅いところに、いましたね……」
静佳が指先を沈める。膣の内側から、彼女の指先が、晴臣の足の裏へ触れた。指先同士が、熱い肉を隔てて触れ合う。彼女の爪が、内側から彼の存在を引っかくように動いた。
「ぁっ、や……っ! 足、触るな……っ、その指、あたって……っ」
「どうしても触れてしまいます。若旦那が、私のなかで小さく震えるから……」
彼女は指をさらに沈め、膣口から第二関節まで呑み込んだ。外から入った彼女自身の指が、晴臣の身体を挟むようにして、内壁ごと上下させる。彼女が指を出し入れするたび、晴臣は彼女の肉の中で前後し、内側の襞で全身を擦り上げられた。
「んぅ……あっ、あぁ……ッ」
「あ……若旦那、動かないでください。私、うまく指を動かせません……っ」
静佳の腰が揺れる。彼女の指の動きが早くなる。外では、彼女の白い腿がびくびくと震え、スカートの上からでもわかるほど、女の身体が自慰に沈んでいく。
「ん、あ、あ、そこ、いい……っ、若旦那の、頭が……私の、奥を……ぁ、あっ」
静佳は荒い声を漏らした。彼女が指を抽挿するたび、中の晴臣も揺さぶられる。内壁の一本一本が彼の腹や背中をなで、ねとつく愛液が鼻先や唇の上を滑った。空気は薄く、熱い。息をするたびに、彼女の匂いが肺を満たし、脳の奥を痺れさせた。
「しずか、さ……っ、おまえ、なに、言って……ぁ、あっ、動くな、そんな、速く……っ」
「きもち、いい……若旦那が、入っているだけで、私、こんないやらしくなって……っ」
彼女の指が、膣の内側の、晴臣が頭を埋めているくぼみを外から押し込む。彼の顔面が、ぬるぬるとした襞のひだへ押し付けられ、角度が変わるたび、暗い肉の奥へ擦り込まれた。
「ひ、あ……っぁ、あ、だめ、おれ、もう、何も、考えられな……っ」
「いい、ですよ……私も、もう、……ぁ、あっ、指が、若旦那に、当たって……っ」
彼女は腰を浮かせ、左手を畳へつきながら、右手の指で自らを掻き回す。中の晴臣ごと、彼女の指が内壁をこすり、締め上げる。二人分の熱と蜜が混ざり合い、ぐちゅぐちゅという水音が、彼女の皮膚を震わせて内側から響いた。
「あっ、あ、や、やだ、出る、出ちゃう……おまえの、中で……っ」
「……私も、いきます。若旦那を抱き締めたまま、いかせてください……っ」
そのとき、静佳の内壁が強く収縮した。
全身を呑み込まれ、搾り上げられるような圧迫が、晴臣の頭から足先までを這い回る。彼の中心から熱いものが噴き出し、白濁が彼女の肉の内側へ散った。同時に、外では静佳が背中を弓なりに反らし、声にならない悲鳴を漏らす。
「あ……っ、ぁ、────」
女の絶頂が、膣の内側で津波になった。収縮と解放が繰り返され、晴臣の身体を奥へ奥へと引き摺り込む。
「う、あぁ……ッ、ぐ……ッ」
全身が彼女に喰われている。骨も、内臓も、痙攣も、すべて女の肉に包まれて、何が自分の輪郭なのか、わからなくなっていた。
長い痙攣のあと、静佳の身体が、ゆっくりと畳の上へ沈んでいく。
外から、彼女の荒い息遣いが、内壁を伝って晴臣の元へ届いた。
汗ばんだ彼女の下腹が上下する。内側では、まだ肛門のあたりまで達しそうな余韻が、小さく脈打っていた。
どれほどそうしていたか、晴臣にはわからなかった。
彼女の体内は、いまだに浅い呼吸とともにゆっくりと波打っている。時折、収縮の余韻が内壁を走り、全身を甘く締めつけた。熱く湿った肉の揺り籠に包まれたまま、晴臣は自分の輪郭さえ曖昧になっていた。
外では、静佳の呼吸がようやく落ち着きを取り戻しつつあった。
「……若旦那」
彼女の声が、肉越しに、骨の芯から響いてくる。
「苦しゅうございませんか」
答えようとして、喉がうまく動かなかった。口の中に入った愛液の味がまだ残っていて、息をするたびに女の匂いが肺を満たす。苦しいかと問われれば苦しい。けれど、それ以上に、彼女の内側で揺られるこの感覚を、身体が手放したがっていなかった。
「……だいじょうぶ、だ」
ようやく声を出す。そのかすかな振動に、静佳の内壁がまたひくりと反応した。
「今、お出しします。少しだけ、ゆっくりしてくださいね」
彼女の指が、外から下腹をそっと押さえた。すでに絶頂の熱は下がっているが、指が触れるだけで、中の晴臣ごと膣がゆるやかに収縮する。彼女は息を吐き、腰の位置を畳の上で整えた。
ぬるり、という感覚とともに、下半身からゆっくりと外の空気が触れはじめた。彼女が指で入り口を広げ、晴臣の足先を摘まんで、中から引き出していく。内壁が彼を離すまいとするかのように絡みつき、出るときも吸い付くような抵抗があった。
全身が外気へ晒されると、冷たさが一斉に押し寄せた。それまで包まれていた熱が急に失われ、晴臣は小さく震える。肌からも髪からも、女の蜜が糸を引いていた。
「お疲れさまでした。よく、私の中で耐えてくださいましたね」
静佳は晴臣を掌に乗せ、自分の顔の前へ持ち上げた。彼女の髪は汗で額に張りつき、目元はうっすらと赤い。それでも、その表情は晴臣を見つめるたび、柔らかいものへ変わっていく。
「……おまえ、ひどい女だよ。あんなの」
晴臣が目を細めると、静佳は困ったように微笑んだ。
「ええ。私も、自分がこんなに意地悪だとは思いませんでした。若旦那をあんな場所へ入れて、自分の指で、あんなことまでしてしまうなんて」
「怒ってたんじゃないのか」
「怒っていましたよ。今も、少しだけ。でも、それよりも、確かめてしまいました。私の中に若旦那がいると、こんなにも安心するものなのですね」
彼女の親指が、晴臣の背中を背後から撫でた。指紋のひとつひとつが、丸まった背骨の凹凸をなぞる。その手つきは昨夜と同じように優しく、同時に、二度と離すまいとするような熱を含んでいた。
「静佳さん」
「なんでしょう」
「俺、この身体のままなら、もう、どこにも行けない」
「ええ。お屋敷から一歩も出られません。自分で扉を開くことも、階段を上がることも、きっと難しい」
彼女の声は淡々と、けれど晴臣を俯かせないためのように、静かに続いた。
「ですが、若旦那。私も、あなたを置いてどこかへは行きません。今日は、このまま、私が側にいます。明日も、明後日も、小さくなったあなたが望むなら、胸の上も、掌の上も、ベッドの隣も、全部、私があなたの居場所にします」
その言葉が、染みるように腹の底へ入ってきた。
「おまえ、そういうこと、急に言うなよ……」
「ふふ。今は素直に聞いていてください。お身体の小さい間は、幼い頃の若旦那に戻ったように甘えてくださって、かまわないのですから」
静佳が、晴臣の額へ唇を近づけた。触れるか触れないかの距離で、彼女の吐息が彼の髪を揺らす。
「今日のことは、私の部屋に帰ったら、改めてお世話させてください。身体も冷えてしまいました。お湯で流して、温かいお茶を淹れて、それから、今夜は私の隣で眠りましょう」
「……わかった」
晴臣は小さく頷いた。それを見た静佳は、掌に乗せた彼をそっと胸元へ引き寄せる。
半脱ぎになったままのメイド服の胸元は、汗ばんでいて、心臓の音が聴こえるほど近かった。大きな乳房の谷間へ、彼の肩が沈む。彼女の肌から、昼の温もりと、行為の名残の匂いがした。
「若旦那。ひとつだけ、お聞きしてもよろしいですか」
「なんだ」
「今日のことを、後悔しておられますか」
静佳の心臓が、ほんの少しだけ速くなったのがわかった。
晴臣は彼女の胸元で、ゆっくりと息を吐いた。腫れた尻がまだ痛む。身体は女の蜜と自分の精で汚れている。小さくなった自分は、この先もきっと、彼女の手を借りなければ生きていけない。
それでも、胸の奥で燻っているのは、悔しさよりも、もっと深くてどうしようもない熱だった。
「……後悔してるかどうか、お前が一番わかってるだろ」
晴臣は、彼女の鎖骨のくぼみに額を押し当てた。
「俺、お前がいないと、もう、駄目だ」
静佳は一瞬だけ動きを止め、それから、晴臣の全身を両手でそっと覆った。掌の内側いっぱいに、彼の身体を包み込む。
「はい。私がいなければ、若旦那は朝を迎えることすらままなりません。ですから、今日からは、私の手の中が若旦那のお部屋です。どこへも行かせませんし、ひとりで触らせもしません」
耳のすぐ上に落ちてきた彼女の唇が、ひたいへ触れた。
「……それでも、よろしいのですね」
柔らかい声で確かめられて、晴臣はただ、彼女の胸元に体重を預けた。
部屋には、昼下がりの光と、衣類に染みた女の香りと、二人ぶんの吐息が満ちている。
小さくなった男と、彼を抱きしめるメイドだけが、しばらくの間、その静けさの中で身動きひとつしなかった。