イタズラが過ぎるとかぼちゃにしちゃうぞ!(かぼちゃ化) (Pixiv Fanbox)
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※このお話は以下の要素を含みます
R-18G 状態変化 かぼちゃ化 食品化 物品化 リョナ
10月31日に行う行事、ハロウィン。
ハロウィンとは古代より魔女と深く繋がりがあると言われており、とある地方ではかぼちゃのくり抜きが盛んに行われていた。
「こらっ、そんなにかぼちゃを酷く扱っちゃダメでしょ?」
「えー、だって面白いんだもーん」
そこの町には少しイタズラ盛りな女の子が居た。
ハロウィンのかぼちゃのくり抜きをする為、引き廻しノコでかぼちゃを上からずっとぐりぐりとやっている。
「そんな事したらきっと、かぼちゃさんが痛い痛いしちゃうでしょー?」
「えー、だってこんなの只の食べ物じゃなーい」
「もうこの子ったら……いつの間にこんな優しくない子になったのかしら」
お母さんはハロウィンの準備で忙しいようで、台所へ戻ってせかせかと何かをしている。
『ピンポーン』
「こんにちはー。町へお菓子を貰いに行こー」
「あら、お友達が来たわよ。衣装着て一緒に町へ行ってらっしゃい」
「はーい、行ってきまーす」
女の子とお友達はかぼちゃをモチーフとした衣装に身を包み、お菓子を貰いに町の中へと向かって行った。
(ひっひっひ……あたしのイタズラで高級お菓子を沢山貰ってやるんだから!)
「ねえ、何だか顔がにやけてない?」
「あ、えっとね、お菓子貰うのが楽しみで……!」
「うん、そうだねー。沢山貰えると良いね!」
女の子は何か良からぬ事を考えているようだ……。
「トリックオアトリート!」
「お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうよ!」
「はい、どうぞー」
女の子とお友達は町中の家を回り、お菓子を集めていた。
「ちぇっ、普通過ぎてつまんないの」
「んー、どうしたの?」
女の子は何だか不満そうである。
「だってー、決まり文句を言ってお菓子を貰うだけだよ? 普通過ぎるじゃん」
「えー、でもハロウィンってそういう物でしょー?」
「あたしは! もっと面白い事を言ってもっと美味しいお菓子を貰いたいの!」
「面白い事……?」
「うん、例えばね……」
女の子はお友達に耳打ちをして囁いた。
「そ、そんなの良くないよ! 止めといた方がいいよ……」
「へーきだって! そのくらい大げさに面白くしなくちゃ、普通のお菓子しか貰えないよ?」
「私は普通でもいいよ……せっかくお菓子くれるのに、大人達をからかうもんじゃないよ」
「そうかー、ふーんだ。じゃああたしは勝手にそうするもんねー」
「うーん、大丈夫かなぁ……」
女の子は果たして、お友達に何を言ったのだろう……。
そして次の家へと向かった。
「トリックオアトリート!」
(おっ、男の人が出てきた! チャンス到来ねっ!)
玄関先に出てきた人が男だったと確認した女の子は……。
「ひっひっひ……お菓子をくれないとー、あたし本当に凄いイタズラしちゃうよー?」
「ほー、一体どんな凄いイタズラをするんだい?」
(食い付いてきた……しめしめ)
男は女の子の言葉に食い付いた。
「いやーっ! 誰か助けてー! このおじさんに身体触られそうになってるのー!」
「す、すみません……ほんの冗談なんです。ねえ、止めようよ……」
「助けてーお巡りさーん! 犯しあげるよーって言って犯されるー!」
「止めようってば……こ、こんなの良くないよ」
女の子は本気で犯されそうな演技をしたのだ。
「立場が分かったか。これ以上騒がれたくなかったら、高級お菓子を用意するんだな」
「……なるほど、君はとても面白い子だね」
「へっ? い、いいから早く高級お菓子を……」
「君はこっちの子と違って心が汚れているようだね。そしてハロウィンに対する冒涜……ちょっとイタズラが過ぎるようだね」
「な、何だかまずいよ……」
「おっと、怯える事はないよ。はい、君にはこれ。お菓子ね」
「あ、ありがとうございます……」
「そしてこっちの君には……ちょっとお仕置きが必要だね。君はさっき、かぼちゃを粗末に扱っていたようだね?」
「えっ、えっと……高級お菓子を……」
「ふーん、まだ引かないんだね。本当に面白い子だ。そんなにハロウィンを冒涜して私利私欲の為にするならば……1度ハロウィンの醍醐味を味わってみるといいよ」
男は何やら変な呪文をぶつぶつと言い始めた。
「えっ……な、何これ!?」
「えっ、おじさん……この子に何をしたの!?」
「ハロウィンのメインイベントさ。大丈夫、死にはしないからね」
「か、身体が……ち、縮んでいっ……」
女の子の身体はみるみるうちに小さく縮んで行き……しまいには顔も無くなってしまい、喋れなくなってしまっていた。
『ピカーーーッ!』
女の子の縮んだ身体は、物凄い光で包まれた。
「ま、眩しい!」
そして光が治まると……そこには、美味しそうなオレンジ色のかぼちゃがポツンと置いてあった。
「えっ、かぼちゃが……ま、まさか。このかぼちゃって」
「このかぼちゃはさっきのあの女の子だよ」
「えっ、な、何でお友達がかぼちゃなんかに……おじさん何者!?」
「私はハロウィン魔女の旦那さ。今頃私の奥さん、ハロウィン魔女はお怒りだろう」
「と言う事はこれは……ハロウィン魔女の呪い!?」
何と女の子は、ハロウィン魔女の呪いでかぼちゃにされてしまったのだ。
「さてこのかぼちゃはどうしようかね。かぼちゃケーキにしても美味しいだろうし、スープにしても美味しい。普通に煮ても美味しいだろうねー」
「ま、まさか……食べちゃう気なの!?」
「さあどうしようかねー? こんなに美味しそうなかぼちゃだもんねー。しかも元が女の子だなんて、さぞかし甘いかぼちゃだろうねー」
男はかぼちゃになった女の子を食べるつもりのようだ。
「ご、ごめんなさい! お友達のイタズラが度を過ぎてしまって……本当に悪かったです、私、止めようって止めてたんです……」
「うん、君は悪くないさ。もうこの子の事は忘れてさっさとお帰り。君みたいな良い子は、おうちでお菓子を沢山味わうといい」
「で、でも……お友達が……」
「この子は私らが美味しく頂こう。心配しなくても大丈夫だ」
「で、でも……お友達を置いてなんか……いけないですっ!」
「ほー、そうかい。じゃあ特別だ。美味しそうで名残惜しいけど……このかぼちゃは君に上げよう。大事に持って行くといい」
「あ、ありがとうございます……っ! で、でもこの子……戻せないんですか!?」
「さあねー、ハロウィン魔女がお怒りみたいだし、それは難しいね」
「そ、そんな……」
「こうなってしまったら、もうこれは人間の女の子なんかじゃなく只のかぼちゃだ。食べ物だから早く食べないといずれ腐ってしまう。美味しく食べるといい」
「そんな……私の、お友達はもう……」
「じゃあ私はこれにて失礼するよ。他の子達へのお菓子の準備があるんでね」
「あっ! 待ってくださ」
男は残されたお友達の言葉を遮り、玄関のドアを閉めてしまった。
「ふえーーーん、お友達がかぼちゃの姿にー……」
お友達はかぼちゃを大事に持ちながら、泣きじゃくり町を歩いていた。
(うーん……あれっ、あたしは……)
「ぐすん、もう戻れないのかな……だから私、止めとこうって言ったのにぃ……」
(ね、ねえ、ここ何処なの?)
意識が戻った女の子は、お友達に話し掛ける。
しかし女の子はかぼちゃに変身してしまった。
かぼちゃが声を出せる訳もないし、当然お友達にその声は届く筈がない。
(何これ……あたし、手の中で抱き抱えられている?)
女の子のかぼちゃ視点からは、ちょうど手の高さの景色が見える。
女の子自身は異常な状態だと気付きつつも、お友達の手の中に居ると言う事は理解できた。
(ねえ、あたしの声聞こえないの!? ねえってば!)
「ぐすんっ……何でお友達がかぼちゃなんかに……」
(へっ? あたしが……かぼちゃ?)
お友達は町のお店の鏡の前まで来た。
「ぐすん……酷い顔。涙、拭かなきゃ……」
お友達は鏡に映った自分の顔を見て、かぼちゃ衣装のポケットからティッシュを取り出して涙を拭いた。
そして手で抱かれている女の子も、同じように鏡を見て……。
(あれっ、あたしの姿……かぼちゃ!? 嘘っ、これあたしなの!?)
鏡に映った自身の姿を見る女の子。
そこには人間の女の子だった面影などなく、かぼちゃの姿に成り果ててしまった自身の姿があった。
(嘘っ……何であたしがかぼちゃなんかに……)
女の子は自分の置かれている状況を完全に理解して、冷や汗を流しそうになっていた。
(ねえ、気付いてよ! あたし、生きてるからっ! ねえってば!)
女の子は必死に暴れ出した。
とは言ってもかぼちゃの姿、身体を揺らしたかのような感覚になった。
「あれっ、かぼちゃがゆさゆさと微妙に動いている……もしかして! 生きてるの!?」
(あたしまだ生きてるよ! ちゃんと意識もあるからっ! ねっ!?)
女の子は身体を揺らす感覚になった。
「手の中で少しぷるぷると動いてる……良かった、まだ生きてるんだ! ねえ、私の声、聞こえるの?」
(聞こえるわよ! 助けてよ……元の姿に戻してよっ!)
女の子は身体を動かして答えた。
「動いてる……何だか返事をしているみたい。私の声が聞こえるのね!?」
お友達はかぼちゃになってしまった女の子に声が聞こえる、と信じて……さっき聞いた事の説明を始めた。
「えっと、ハロウィンを冒涜してハロウィン魔女を怒らせちゃって……それで呪いでかぼちゃの姿にされちゃったみたい」
(えっ……嘘っ、ほんの冗談だったのに)
「ハロウィン魔女がお怒りで元に戻せるかどうか……って言ってた。しかも今の姿は只のかぼちゃだから……早めに食べないと、その、腐っちゃうって……」
(そんな……じゃああたし、食べられちゃうか腐っちゃうか捨てられちゃうかのどれかしかないの?)
女の子は絶望の気持ちでいっぱいになって、ガクガクと震え出してしまった。
「小刻みに動いてる……怖いの? 大丈夫よ、必ず私が……どうにか戻れる方法を探して助けるからっ」
(うぅっ……ぐすん)
女の子は事の重大さを知って、ようやく反省しだしたようだ。
「ねえねえー、君ー」
「美味しそうなかぼちゃだねー」
「今、広場でかぼちゃのくり抜きやってるんだよー。君もかぼちゃ持ってるし一緒にどうー?」
町中を歩いていたら、いつの間にか広場の方へ来てしまっていた。
そこではハロウィンのイベントをやっていて、かぼちゃのくり抜き等をやっているようだ。
「あ、このかぼちゃは……」
「ねえねえ1人なんでしょ?」
「私達と一緒にやろうよー!」
「ほらほらー、おいでおいでー!」
何とも友好的なのか強引なのか……女の子達は初対面のこの子を強引に、イベントへ引きずり込んでしまった。
女の子達3人は受付みたいな所へ行って、それぞれかぼちゃと道具を取ってきた。
「はい、これ使ってね!」
「あ、どうもありがとうございます……」
お友達は女の子達から、引き廻しノコとおたまを受け取った。
「じゃあ早速ハロウィンのかぼちゃを作ろー」
「わーい楽しみー」
「怪我しちゃわないように気を付けてねー」
「あ、はい……」
女の子達は机の上にかぼちゃを置き、引き廻しノコでかぼちゃの上部をくり抜こうとしている。
「じゃあ私も……」
(ま、待って! このかぼちゃあたしだよっ! あたしだからっ!)
かぼちゃにされた女の子は、激しく動いて自己主張をした。
「はっ! つい女の子達に流されちゃってたけど……そういえばこのかぼちゃって……」
(お願い、こんな姿にされちゃったけど……あたし、まだ生きてるもん! 殺さないで……)
「ねえーやらないのー?」
「くり抜くからかぼちゃ持ってたんだよね?」
「やり方分からないのかな?」
「あ、違うんです……じ、実はこのかぼちゃ……信じてもらえないかもしれませんけど」
「何々ー?」
「このかぼちゃに何か秘密でもあるのー?」
「このかぼちゃ……私のお友達なんですっ!」
(ほっ……これでどうにか殺されずに済むかな……)
「かぼちゃが……お友達? あなた、よっぽどハロウィンが好きなのね?」
「えっ……そ、そうじゃなくて」
「かぼちゃがお友達な程好きなんだね」
「それで持ち歩いていたのかな?」
「でもせっかくのハロウィンだしくり抜かないとー。ずっと持ってても腐っちゃうんだし、終わったら食べちゃえばいいんだよー」
女の子達は「お友達」の意味を誤解したようです。
「ち、違うんです! このかぼちゃ、私のお友達で人間の女の子だったんですっ!」
「えっ……」
「かぼちゃが……」
「人間の女の子……?」
(そうなんだよっ! あたし、人間の女の子なのっ! だから殺さないで!)
「そういえば何だかあなたのかぼちゃ」
「さっきから小刻みに揺れてる?」
「あなた本当にハロウィンが好きなのねー。かぼちゃをまるで人間のように大事にしているだなんてー」
「だ、だから違うんです! 本当にこのかぼちゃは人間の女の子だったんですっ……」
「小刻みに震えてるのはきっと、テーブルの振動のせいよね?」
「良く安定されてなくて振動で揺れてるだけよね……?」
「女の子がかぼちゃになっちゃうだなんて、有り得ないものね?」
「この子、本当に女の子なんです……かぼちゃじゃなくて人間の女の子なんです」
まるでお友達が嘘を付いていて、1人だけ頭の悪い事を言っているかのような……そんな状況だった。
「よーしできた!」
「私も!」
「上手くできたかなー」
「ど、どうしよう……」
「どうしようって?」
「やり方分からないの?」
「じゃあ私達が手伝ってあげるからさ!」
女の子達はそれぞれ引き廻しノコを手に持って……。
「あっ、違う……そうじゃなくて」
「こうやるんだよー」
(ひぃーっ! 刺される!!)
『グサッ』
「きゃっ!!」
お友達は思わず目を瞑ってしまった……。
目の前でかぼちゃにされた女の子が刺されてしまっている……。
かぼちゃの刺した所からは、かぼちゃのお汁が少し垂れ流れていた。
(いやっ! あ、あたしの身体……刺された……傷付けられた……)
「うわー」
「お汁が垂れてきてるねー」
「良く熟されたかぼちゃだねー」
(それ、きっとお友達のお汁……)
「ほらー、こうやるんだよー」
「円を描くようにくり抜くんだよー」
「こうやってふたを作るんだよー」
(きゃーーーっ! 頭を切られてるーっ! や、止めてーっ!)
「や、止めてっ! それ以上もう……傷付けないでっ!」
「えー、せっかくのハロウィンだよー?」
「ここからが楽しいんだよー」
「そんなに自分でやりたかったのー?」
「違っ……わ、私、そんな訳じゃ」
「じゃあ自分でやってみなよー」
女の子達はかぼちゃの頭部をくり抜いて、おたまで中身をくり抜ける状態にした。
「うぅっ……この子達に無理やりやられるくらいならば、せめて私の手で……」
(えっ……嘘でしょ、正気なの!?)
お友達はおたまを手に取り、かぼちゃの中身をおたまでくり抜きだした。
(きゃーっ! 中身っ、中身抜かれてるっ! 中身すくわれてるっ……!)
「もうどうにでもなっちゃえ……」
「おーなかなか豪快ですなー」
(痛いっ、痛い! もうちょっと優しくしてっ……痛っ!)
お友達は無我夢中で、かぼちゃの中身をくり抜いていった。
(もうどうせお友達は助からないんだ……ならば、いっそ美味しく食べてあげた方が……)
(うぅっ……うえーーーん、中身が無くなっちゃったよぉ)
かぼちゃの女の子は泣き出してしまった。
「おー、中身がお汁で凄いー」
「大分熟しているのねー」
「後はお汁を捨てて顔をくり抜きましょーね」
「……うん」
お友達は生前の女の子の顔を思い浮かべて……女の子の顔をくり抜いていった。
そしてまるで元の女の子の笑顔のような、くり抜いたハロウィンかぼちゃが完成した。
「わー、可愛いね!」
「きっとかぼちゃさんも嬉しいだろうね!」
「とても素敵な笑顔ね」
身体中をくり抜かれてしまったショックは、小さい子供にとって衝撃的な耐え難い事実だった。
かぼちゃにされてしまった女の子は、そんな事実に耐えられず……くり抜かれている間に意識を無くしてしまった。
(全くかぼちゃが動かなくなっちゃった……もう、生きているかも分からないんだね。ハロウィンが終わったら……きちんと美味しく食べてあげるから、だから許してっ……!)
お友達は女の子を自分の手で殺してしまったのかもしれない。
せめて自分が美味しく食べてあげる事で、お友達は女の子に対しての償いをしようと考えていた。
「じゃーねー」
「うん、ばいばい……」
ハロウィンイベントも終了へと差し掛かり、3人の女の子達は町へ帰って行った。
そしてお友達は……ハロウィン用のかぼちゃとなってしまった、元人間の女の子を持って呆然と立っていた。
「私が殺した……私がっ、お友達を殺した……」
お友達はただかぼちゃをくり抜き、ハロウィンかぼちゃを作っただけ。
でもこのかぼちゃは……確かに少し前まで、一緒にハロウィンを共にしていたお友達の女の子だった。
だけれどそんな女の子はかぼちゃの姿となって、身体を傷付けられて刻まれて……中身までも出されて。
もう一切動く事もなくなってしまった。
きっと、もう人間の女の子としての命も、かぼちゃとしての命も……終わってしまったのだろう。
「うぅっ……うわあーーーーーーーーん」
女の子の泣き声は、イベントも終わって誰も居なくなった広場に大きく響き渡っていた。
しかし次の日……。
「かぼちゃ甘くておいしかったな……。でも、本当にこれで良かったのかな」
お友達は着替えて小学校に行く準備をしながら、かぼちゃを食べてしまった事を後悔していた。
「でもこのまま置いといても腐っちゃうし、捨てちゃうのはさすがに可哀想だから……食べるしかなかったんだよね……」
そう、かぼちゃにされてしまったお友達の女の子は……食べられるしかなかったのだ。
食べなければ腐ってしまうか捨てるしかなくなるか、の二択のみ。
ならば女の子にとって、かぼちゃとして最善の選択は食べてあげる事しかなかった。
「せめて私の中で……栄養となってね。そうすれば私、あなたの事……きっと忘れないでいられる」
お友達は女の子との思い出を思い返しながら、ランドセルを背負って学校へ行く準備をした。
(うっ、お腹痛い……)
お友達は通学路の途中、便意を感じていた。
元が人間の女の子だからなのか、何だか普通よりも若干大きめだったオレンジ色のかぼちゃ。
そのかぼちゃを煮込んでみたら、結構な量があったのだ。
お友達は罪滅ぼしの為、女の子への償いの為……昨日の晩と今日の朝、合わせて結構な量のかぼちゃを食べた。
家族も一緒に食べたけど、それでも結構残ってしまってこのままではきっと腐ってしまう。
残りが腐って捨てる事にならない為にも……お友達は女の子の事を想いながら、甘いかぼちゃをがむしゃらに食べたのだ。
だけれど、かぼちゃには食物繊維が豊富に含まれていて、沢山食べ過ぎるとお腹が緩くなってしまう場合がある。
それでお友達のお腹は緩くなってしまった。
女の子はちゃんとかぼちゃその物になっていた。
その証拠として、きちんとかぼちゃを食べた効果がお友達に表れているのだから。
(学校まで持つかな……)
お友達はお腹を抱えつつ、苦しそうに小学校へ向かって行った。
「おはよー」
「……あれ? 何で居るの!?」
「むーっ、あたしが居ちゃ悪いー?」
クラスへ入ると……かぼちゃにされてしまった筈の女の子が居た。
「えっ、だってかぼちゃにされちゃって、私が食べちゃったんじゃ……」
「あの時はもうダメかと思ったんだー。でもね、顔をくり抜かれて意識が飛んだと思ったら……次に目が覚めたら元の身体に戻っていたんだよ!」
「えっ、そうだったの!?」
「うんー、度の過ぎたイタズラを懲らしめる為だったみたいで、ハロウィン魔女さんがきちんとあたしの本体を別に保存しておいてくれてたのー」
「えっ、じゃああのかぼちゃは……」
「一時的にあたしの心だけが入っちゃってたみたいねー。美味しく料理されちゃった頃には、もうあたしの魂が抜けた普通のかぼちゃだったみたいだねー」
「そ、そんな……私の心配って。じゃあ何で連絡すらもくれなかったの!?」
「いやー、戻った後疲れて爆睡しちゃってー。ごめんねー?」
「もーぅ! 本当に本当に心配したんだからっ!」
お友達はどうやら緊張の糸が解れたようです。安心しきったお友達は……。
『ブッ!』
「あ、やだーおならしたー!? くっさーい」
「あぅっ……も、漏れそう」
「え、ちょ……大変だー! 早くトイレ行っておいでよー!」
「うぅっ、かぼちゃ食べ過ぎたんだよー……せめてもの償いにと思って」
「えー、あたしに言われたって知らないよー」
「もう! 誰のせいだと思っているのよー!」
今回の事を機に、女の子は若干大人しくなった……のかな?
※このお話にはED差分「排出エンド編」があります