見習い魔法少女のお菓子屋さん(飴化) (Pixiv Fanbox)
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※このお話は以下の要素を含みます
R-15 状態変化 飴化 食品化
「よーし、良い感じにできたよ!」
今日はホワイトデー前日です。
街でお店を開いている見習い魔法少女の女の子は、沢山飴を作っていました。
この街でお菓子屋さんを開いて、素敵なお菓子で皆を幸せにする事がこの子の使命です。
見習い魔法少女とは言っても、魔法が使える以外は普通の思春期の女の子とあまり変わりません。
普段は学校にも通っていて、お友達と仲良くしたり恋もしたりします。
学校生活に支障が出ないように、学校へ行っている間はお供の精霊さんにお店を任せています。
「なかなか良い感じにできてるねー」
「うん、ありがとう!」
お供の精霊さんはお店に立つ時、人型になります。
魔法少女さんからとっては、まるで同い年の女の子とお話をしているかのような感覚みたいです。
2人は良いコンビとしてお菓子を作り、街の皆からもなかなか評判のようです。
「あ、いらっしゃいませー」
「すみません、ホワイトデーの飴ありますか?」
「はい、この飴の詰め合わせとかどうですかー?」
魔法少女さんは先程頑張って作った、ピーチ味キャンディーの詰め合わせを差し出しました。
「美味しそうだね!? これなら彼女も喜んでくれるかな」
「きっと喜びますよ! 私の自信作ですからね!」
「じゃあこれください」
男性客は満面の笑みで、魔法少女さんの飴を買っていきました。
「ありがとうございましたー!」
カウンターから出て、お店の外へ出て行くお客さんを見送ると、魔法少女さんはニッコリ笑顔でした。
しかしその直後、ドアが閉まる間際に物凄い風が入ってきて……。
「きゃあ!」
魔法少女さんは一瞬で驚いた表情に変わっていました。
風の勢いでスカートが捲れそうになって、魔法少女さんお気に入りの白パンツが露わになりかけます。
「何か凄い風だったね……お客さん居なくて良かったー」
「でも見せる程大した物でもないだろうけどね」
「あー、言ったなー!」
白パンツの魔法少女さんと精霊さん、仲が良いのか悪いのか……。
「あ、いらっしゃいませー」
2人でドタバタしていると、またまたお客さんがやって来ました。
こんな感じで魔法少女さんはお客さんの相手をしつつ、沢山飴を売っていきました。
そしてそんなこんなで数時間もすると……。
「あ、いけない! もう飴が終わっちゃってる。多分閉店までまだまだ売れるよね?」
「うん、きっと売れるだろうね」
「私、もっともっと飴、作らなくちゃ」
「うん、じゃあ飴作りに専念していていいよ。お店の方にはあたしが立つからね」
「ありがとう! 手っ取り早く済ませちゃうね!」
精霊さんがお店に立ち、魔法少女さんは中で飴作りに専念します。
「うーん、私もせっかく魔法が使えるのだし。今日はホワイトデー前日で特別な日だからね、魔法で飴を大量生産してみちゃおうかな?」
魔法少女さんは日頃自分の気持ちを込めて、丁寧にお菓子を作り上げていきます。
しかし今日はホワイトデー前日で、飴が沢山売れる特別な日です。
たまには魔法少女さんだって、手を抜いて楽をしたい事もあるようです。
「今日は質より量の方が良いかもね。よーし、早速挑戦してみようかな!」
魔法少女さんはホワイトデーにちなんで、白からまずミルクを連想しました。
そして皆が喜ぶような沢山の甘いキャンディー、口の中でとろけるようなミルク味のキャンディー。
魔法で作ると言っても、勿論気持ちを込めるのは忘れません。
魔法少女さんの全てを捧げるかのような、自分自身を丸ごと詰め込んだかのような素敵な飴を想像しました。
「素敵なキャンディーになりますように……想いを込めて」
ホワイトデーで飴を貰う相手の気持ちも考えて、その相手にとって幸せになってもらえるような飴だと尚良いです。
「甘くて、ミルク味のキャンディー。私の全てを込めた、そんな素敵なキャンディーが沢山欲しいな♪ えいっ!」
見習い魔法少女さんは、魔法の呪文を唱えました。
しかし呪文を唱えても何も起こらず、周りはシーンと静まり返っていました。
「あれ、おかしいな……何も起こらない。失敗しちゃったかな?」
魔法少女さんの想いが足りなかったのでしょうか、それとも見習いだから根本的に何かが違ったのでしょうか?
「きゃあ!?」
そんな事を思っていると突然何処からともなく、先程のような強い風が吹き荒れました。
風の流れは過ぎ去る事なく、そのまま魔法少女さんを取り囲むかのように吹いてきます。
「な、何これ!?」
魔法少女さんはあっと言う間に風でスカートを捲られてしまい、白パンツを盛大に露出してしまいました。
幸い周りに誰も居ませんでしたが、しかし誰も居なかった事が仇ともなりました。
「だ、誰か助けて!」
異常な程の風に取り囲まれて、明らかにこれはおかしい状況と気付きます。
魔法少女さんは精霊さんに助けを呼びましたが、お店でお客さんの相手でもしているのでしょうか。
お店のカウンターまで遠い事もあり、助けを呼ぶ声は届かないようです。
「もしかして、魔法が失敗して……暴走を!?」
見習い魔法少女さんは、ようやく今の自分自身に起こっている状況に気付きました。
この風は魔法少女さん自身が生み出してしまった物で、魔法の力で起こった風は何故か執拗にスカートを捲りあげます。
「わーっ!?」
風が一気にスカートを舞い上がらせ、魔法少女さんの白パンツがもろに露出しました。
そしてパンモロとなった魔法少女さんに、突如変化が起こります。
「パ、パンツが……!」
露出されたパンツの生地が徐々に伸びて、身体中を巡って魔法少女さんを包み込んでしまいます。
次第に白パンツが魔法少女さんを全部覆ってしまいました。
「やだ、何が起こってるの!?」
暴走魔法は何を引き起こすか分かりません。
そしてまだ見習いである魔法少女さんには、それの制御すらも不可能なのです。
「んぐっ!?」
覆ったパンツが魔法少女さんの口へ入り込み、口の自由も奪われてしまいました。
「んんっ……んっ(///」
パンツが胸にくっ付き、胸の辺りが変な感じになります。
まるで粘土をくっ付け合わせたかのように、パンツと胸が融合して混ざり合ってしまっているような感じです。
そのパンツと融合した胸が、身体全体を覆ってきているような妙な感覚です。
乳の香りがする胸と融合した白パンツで全身を覆われて、胸を気持ち良くしながら、魔法少女さんの身体は徐々にパンツに飲み込まれていきます。
「んんんーーーーーっ!!!(///」
魔法少女さんは大事な所をきゅんきゅんさせながら、そのまま白パンツと融合してしまいました。
「ねえ、飴はまだできないの? 遅いから様子を見に来ちゃった。って、あれ?」
精霊さんが厨房を見渡すと、魔法少女さんの姿は見えませんでした。
「あれ、テーブルに無数の飴が散乱している……もう作り終わっていたのかな?」
真っ白でとても濃厚そうな飴が、沢山散乱していました。
甘いミルクの香りが漂ってきて、精霊さんはそれがミルクキャンディーだとすぐに分かりました。
「ホワイトデーだから、ミルク味にでもしたのかな。凄く甘そうな良い匂いがする。でもやりっぱだなんてねー。この量だとちょうど1包装分かな」
精霊さんは姿が見えなくなった魔法少女さんを気にしながらも、お店の事を優先して飴を袋詰めしました。
透明な袋に飴を詰めて、上の開け口をリボンで結んで可愛く仕上げました。
「本当に何処行ったんだろう。お客さんも来ちゃうと困るから、捜している時間もないよね……。それに、できればもっと在庫欲しかったけど」
精霊さんは少し不安になりながらも、詰めた飴を持ってカウンターへ向かいました。
「あの子にお店へ出てもらって、あたしが飴を作っちゃえば良かったかも。でもまあしょうがないよね」
精霊さんはカウンターへ戻り、先程詰めた飴をショーケース内に並べました。
沢山の素敵なお菓子と並んで、真っ白なミルクキャンディーが加わって、若干ケース内の色合いがより華やかになりました。
(んんっ……あれ?)
その頃、魔法少女さんは意識を取り戻しました。
どうやら寝ていたのか、気絶していたのか、今まで意識がなかったようです。
(あ、そうだ。私、飴作ってたんだよね。また作らないと……)
そう思いながら立ち上がろうとした魔法少女さん。
(あれ、立ち上がれない……と言うか、何この凄く変な感覚。何だか身体がバラバラにされているかのような……)
魔法少女さんは意識こそあるものの、顔や手足などのパーツが自分自身にくっ付いていないかのような、妙な感覚を感じていました。
目をそーっと開けると、何だかその目さえも意識と全然違う場所にあるような気さえします。
(と言うか……何だかやけに視界が低い。私、ショーケース越しに外を見渡しているのかな……)
まるでショーケース内から店内を見渡しているかのような、そう錯覚させられるかのような感覚でした。
(私、いつカウンターまで来たのだろう。それに変な感じだし視界もおかしいし、何だろうこれ。私、夢でも見ているのかな?)
魔法少女さんは夢なのかもしれないと思って、一旦自己完結させてしまいました。
「すみません」
「あ、いらっしゃいませー!」
(あれ、この声は……)
魔法少女さんは凄く聞き覚えのある声に反応しました。
どうやらこのお店に、魔法少女さんが片想いしている男の子がやって来たようです。
(嘘っ、何で私のお店にあなたが……)
「この街ではこのお菓子屋さんが評判と聞きましてね。ホワイトデー用の飴はありますか?」
「ホワイトデー用ですか? はい、バッチリ揃ってますよ!」
精霊さんはショーケース内の飴を指差して、お客さんの男の子に伝えました。
(あれ、何だか私の方に指が向いているような?)
何でなんだろうと思いながらも、魔法少女さんは2人の会話に耳を立てました。
「バレンタインチョコをくれたあの子に、とびっきりのキャンディーをあげたくてね。でも俺、手作りは無理だろうし」
「お任せください! 当店のキャンディーならどんな女の子もきっと笑顔になりますから!」
「俺、その子の事、まだ好きか分からないんだ。でも貰ったチョコから一生懸命さが伝わってきて、段々気になってきて」
(えっ……バレンタインの子が気になってる?)
見習い魔法少女さんは勇気が出せず、バレンタイン当日は片想いの男の子にチョコをあげそびれてしまいました。
つまり誰かしらの子が、この男の子にチョコをあげていたと言う事になります。
しかもこの男の子はバレンタインチョコがきっかけで、その子の事が気になり始めているようです。
「お客さんー、きっとそれは好きになっている前兆ですよ! 素敵なキャンディーの贈り物で、是非両想いになれるといいですね♪」
「え、そ、そうなのかな? う、うん。頑張るよ、俺」
(わー、あまり余計な事言わないでー!)
魔法少女さんは片想いを諦めたくないようで、男の子にはチョコの子とくっ付いてほしくないようです。
「ではどのキャンディーにしますか? 色々揃ってますよ!」
「うーん、そういえばあの子ってとびっきり甘いのが好きだったかも」
「とびっきり甘いのですね!」
精霊さんはそう聞いて、先程詰めたばかりのキャンディーを思い浮かべたようです。
「でしたらホワイトデーの白にちなんで、このミルクキャンディーなんてどうですか!?」
精霊さんはミルクキャンディーを指差しました。
(え、何で私が指差されているの? 訳が分からないよ……)
状況が飲み込めず、全く訳が分からない魔法少女さん。
(ホワイトデーの記念に私自身をお持ち帰りしてって事? ま、まさかねー……違うよね)
魔法少女さんは分かっていながらも、少しだけ期待してしまいました。
(でも何だろうこの状況。私、どうも喋れないみたいだし目もおかしい……周りは見えるのに、まるで目すら付いていないような感じ)
魔法少女さんは何だか不安になってきました。
(夢にしては妙にリアルよね……夢、だよね?)
夢なのかどうなのか、それすらも疑問に思い始めたようです。
「美味しそうなミルクキャンディーだね。彼女もきっと喜ぶかな? じゃあこれください」
「ありがとうございまーす!」
男の子のお買い上げが決まって、精霊さんは嬉しそうにショーケースからミルクキャンディーを取り出しました。
(わわっ!? 何か身体のパーツが下へバラバラと集められて……コロコロしてる感じだよ!?)
精霊さんの手の動きと共に、魔法少女さんの視界も変わっていきます。
この状況を目の当たりにして、魔法少女さんの頭には意識が途切れる直前の光景がフラッシュバックしました。
(そういえば私……! 魔法が失敗したみたいで、パンツに身体を包まれちゃったみたいになって……!)
魔法少女さんの穿いていたお気に入りの白パンツは、ミルクキャンディーの白色となりました。
そして濃厚なミルク味は、魔法少女さんの胸の乳が主な成分となっているようです。
白パンツと真っ先に融合した胸が全身を覆ってしまって、そのまま魔法少女さんの全身にミルク成分を与えました。
そして魔法少女さんの意識と心だけを、そのまま1粒1粒に包み込みました。
身体は全て飴の成分となってしまい、ミルク成分の中に混ざってもう元の原型すらもありません。
(私……飴になっちゃってる。私自身が、ミルクキャンディーになっちゃってる……!)
魔法少女さんはようやく、この異常な状況の真相に辿り着きました。
しかし魔法少女さんが真相に辿り着いた所で、何1つ変わる事はありません。
片想いの男の子が魔法少女さんであるミルクキャンディーをお買い上げした、只それだけの事です。
勿論精霊さんも気付きませんし、端から見れば普通にお店の飴が売れただけです。
「明日は頑張って彼女に渡そう、どうもお世話様でした!」
「良い結果になるといいですね♪」
魔法少女さんは好きな男の子の手に袋ごと持たれて、店の外へ連れ出されてしまった。
「あの子が作ったキャンディーも無事に売れたね。それにしても本当に何処に行ったのだろう」
その後、魔法少女さんがお店に戻る事は二度とありませんでした。
そして次の日になりました。
男の子はミルクキャンディーを大事にバッグへしまうと、意気込んで学校へと向かいます。
朝の授業開始前、廊下で女の子を見つけたようで話し掛けます。
「あの、これ。バレンタインのチョコ、凄く美味しかったです。お返しのキャンディーです」
「え、私に? まあ嬉しい、ちゃんとチョコの事も覚えてくれてたのね。ありがとう」
「手作りは無理だったのでお菓子屋のだけど、ミルクキャンディーです」
「まあ、私ミルク味って大好き! 本当にありがとう!」
「いえいえ、喜んでいただけて俺も嬉しいです」
男の子は気になっている子へ、お返しのキャンディーを渡しました。
(この子……誰だろう)
そして飴となってしまい、女の子の手へ渡ってしまった魔法少女さん。
魔法少女さんの視点からはちょうど、女の子が誰なのか顔を確認できませんでした。
(胸がそこそこ出てる……結構スタイルの良さそうな子だ)
持たれている位置的に、真っ先に胸元へ視線が行ってしまいました。
女の子だからやらしい意味ではなくて、きっと魔法少女さんは嫉妬しているのかもしれません。
(私も、このくらい胸があれば良かったな……)
そうは言っているものの、実はこの魔法少女さんもそこそこ胸はありました。
比較してこの子の方が大きかっただけですが、魔法少女さんも胸成分でミルクキャンディーになれた程の素質があります。
きっとキャンディーを貰ったこの子も、ミルクキャンディーになれば恐らく素晴らしい飴になる事でしょう。
「やったー! あの人にお返し貰っちゃった♪」
女の子はミルクキャンディーをポケットにしまうと、るんるん気分で教室へ戻って行きました。
そしてその日の夜の事です。
ミルクキャンディーを貰った女の子は、部活を終えて家へ帰ると、ドキドキしながら飴を見つめていました。
「あの人がくれた飴……早速食べてみようかしら」
(え……この子は)
ようやくまともにお返しの子と対面した魔法少女さん。
その顔を見ると、何と飴の主さんは……。
(私の1番仲良しな女の子……)
そうだったのです、魔法少女さんにとって1番仲良しで親友とも言える女の子だったのです。
その子が実は密かに同じ男の子を好きだったようで、しかもちゃっかりチョコまであげていたのです。
(私、先を越されたって事? もし私も勇気を出せていたら……結果、変わっていたのかな)
しかし今更後悔しても後の祭りです。
その上魔法少女さんには、もう来年のチャンスすらもありません。
男の子はこの子の事を気になり始めているし、それに魔法少女さんはもう人間ですらないのだから。
(一方私は只の飴……どうしてこんな事に)
あの時魔法を使ってしまった事を、魔法少女さんは凄く後悔しています。
悔やんでも悔やみ切れない程です。
(チョコのお返しを貰って大勝利のお友達と、只の飴になってしまった私……愕然の差だよね)
「さてと、夕食前にいくつか食べてみよっと」
(やっぱり私、食べられちゃうんだね……うん、分かってた。分かってたけど)
飴になってしまった以上、このような結末が待っているのは分かりきっていた事です。
しかし魔法少女さんは、その事実から少しでも背を背けようとして……頭で考えようとしなかったのです。
でもいくら考えようとしなくても、さすがに限界があったようです。
女の子が結び目のリボンを解くと、袋の中からとてつもない甘い香りが一気に広がります。
まるで女の子の乳で作ったかのような、牛乳とはまた違った優しそうな匂いです。
「わー、凄く良い香り。こんな心地良い香りのミルクなんて初めて。では早速1粒目を」
女の子は袋の中から適当に1粒を摘まんで、口の中へ運んでいきました。
(わっ! 私食べられちゃってる! でもまだ目は見える……それに何なのこの感じ。身体の一部が舐められてる感じで、口の中なのに。でも意識はまだ袋の中で……)
魔法少女さんは飴1つ1つに感覚が残っているようで、その感覚は意識とも連動しているようです。
しかし飴それぞれにパーツの部分が割り当てられているようでもあるので、意識はまだ袋の中の飴として残っているようです。
(わーっ! ペロペロされてくすぐったいよぉー!)
「んっ! おーいしぃ! すっごく美味しい! こんなミルクキャンディーに出会えるなんて」
女の子は凄くご満悦な様子で、あっと言う間に口の中で溶かし切ってしまいました。
(あぅっ……何だか、片足が無くなっちゃったような感覚……)
最初に食べられた1粒目は、もしかしたら片足が割り当てられていた飴だったのかもしれません。
その後も女の子は嬉しそうに、後4粒程の飴を食べていきました。
「おいしぃ! もう満足! あの人がこんな素敵なミルクキャンディーをくれるなんて、もう最高!」
(あぁっ……手足の感覚が……)
喜んでいる女の子とは裏腹に、魔法少女さんはとても悶えているような様子でした。
痛みがあるのかどうかも良く分からないようですが、手足を全て失った感覚を覚えたようです。
「また食後に食べよっと!」
女の子は一旦飴を食べるのを止めると、丁寧に開け口をリボンで結びました。
そしてお部屋に置いていかれた魔法少女さんは、手足を喪失した感覚で何とも心地の良くない状態でした。
(どうすれば……こんな姿では魔法も使えないし、私もうダメなのかな)
魔法少女さんは絶望の真っ只中でした。
ある程度すると、女の子がお部屋へ戻って来ました。
「さーてお楽しみのミルクキャンディーだね!」
女の子は嬉しそうにリボンを解き、袋の中から1粒飴を取ります。
そして飴を口の中に放り込みました。
「うーん、最高の味よねー!」
(あぁ……くすぐったい! 私、お腹を食べられているみたい……)
魔法少女さんの感じる感覚的に、どうやら女の子が舐めている飴はお腹だった部分のようです。
そんな事を知る訳もなく、女の子は嬉しそうに飴を頬張っています。
「あっと言う間に溶けちゃったー。次は2粒一緒でもいいかな?」
女の子はミルクキャンディーを2粒取り出し、先程と同じように口の中へと放り込みました。
(きゃっ!? これ、多分私の胸と……大事な所かも!?)
魔法少女は女の子が2粒を口に入れた瞬間、その飴の感覚が身体のどの部分なのかすぐに分かりました。
魔法少女さんにしてみれば、敏感スポットを同時に舌で攻められているかのような感覚です。
(や、止め……ら、らめぇ! わ、私、おかしくなっちゃう!)
「何だろう、2粒同時だからかな? 何だかさっきよりもミルク味が濃厚な気がする。凄く美味しいー!」
魔法少女さんの反応など知らず、女の子はとてもご満悦に飴を舐め続けます。
「何これ、中から濃厚なミルクが沢山溢れてくるような感じー!」
(あっ、あっ、あーっ……だ、だめ。はぁはぁ……)
「うーん、病み付きになるなぁー! こんなにも美味しいミルクキャンディーがあっただなんて」
女の子にとってはあっと言う間の至福の一時でしたが、魔法少女さんにとっては長く感じた時間でした。
未知の快感が自身を襲う感じで、それは魔法少女さんが今まで体験した事のない物でした。
(はぁ、はぁ……治まったみたい)
魔法少女さんが落ち着くのも束の間、女の子はまた飴を取り出しました。
(あぁ……これ、多分鼻と耳だ……この子の口の中で、ミルクの香りが充満して凄い……)
「おいしー! もうこのまま全部食べちゃおうかなー!?」
女の子が口に入れた飴を溶かし切ると、もう魔法少女さんには嗅覚も聴覚もありませんでした。
濃厚なミルク味を感じたのを最後に、魔法少女さんは何も匂いを感じなくなってしまいました。
そして音も何も聴こえなくなってしまったのです。
(うぅっ……怖い、怖いよぉ。匂いも分からないし、何も聴こえないよぉ……)
それ以降魔法少女さんには、ミルクの香りも女の子の声も届かなくなりました。
「うーん、美味しい! もう止まらないよぉ!」
その間にも女の子はどんどん飴を食べ進める。
匂いも音も分からない、そんな中自分の身体が舐められて溶かされる度に悶える魔法少女さん。
誰も助けてくれない、もうどうにもならない、その事実が一層魔法少女さんを絶望に追い込んでいました。
(目、見えなくなっちゃった……)
しまいには目すらも見えなくなってしまいました。
もう残っている飴は最後の1粒なのでしょうか、魔法少女さんにははっきりと分かりません。
しかし周りに他の飴が転がっているような気配がなく、どうも魔法少女さんにはそんな感じがしました。
(もしかして私、もう脳みそ部分だけになっちゃったのかな……身体のパーツが何もないのに、意識だけが残っている感じ)
その後、この魔法少女さんがどうなってしまったかを知る者は誰も居ません。
魔法少女さん本人ですらも、自分がどうなってしまったのか全く分からなかったのです。
しかし何故か、こんな意識だけの状況でも、魔法少女さんの思考はずっと続いていました。
女の子が大事に大事に取っておいたのか、最後の1粒だけずっと長い間残っていたようです。
ミルクキャンディーを食べた女の子は、飴のコラーゲン効果でより可愛い女の子になったようです。
魔法少女さん自身が恋敵に更に貢献してしまっただなんて、本当に皮肉なお話かもしれませんね。
しかし勿論、魔法少女さん自身がその事実を知る事はありませんでした。
そしてミルクキャンディーを食べて以降、女の子はより一層男の子を好きになりました。
魔法少女さんの恋する気持ちまでも飴から取り入れてしまって、その分愛の力も強くなったのでしょうか。
新学期に男の子と同じクラスになった女の子は、男の子に告白して2人は無事結ばれました。
(あれ……ここ、何処?)
もう生きている心地すらもなく、意識だけが残ってしまっていた魔法少女さん。
その意識すらもあるのかないのか分からないような、ふわふわのような状態が続いていました。
1度開封された飴なので、そろそろ品質的にも限界がきているのかもしれません。
「あの時のミルクキャンディー、凄く美味しかった。最後の1粒、あなたに返そうと思って取っておいたんだ」
「え、ほんと? そんな美味しかったんだ、良かった。でも俺、食べちゃっていいのかな?」
「うん、こんなに美味しいんだもの。どうせならば、あなたにもこの味を知ってほしいから」
(あれ、何で今更……声が聴こえる。これは、夢?)
意識以外全てを失ってしまった魔法少女さん。
しかしこの時、何故か魔法少女さんには急に聴覚だけが戻ったのです。
何かしらの魔法が作用したのでしょうか、好きなあの人を目の前に奇跡が起こったのでしょうか。
「ふーん、濃厚なミルクの匂いで美味しそうなんだね、じゃあ遠慮なく頂きます」
男の子は女の子が大事に取っておいた、最後の1粒を口に放り込みました。
(あっ……温かい。これ、あの人の口の中、だよね……)
「ほんとだ、これ凄く美味しいよ。気に入るのも納得だね」
「でしょー、また同じ飴が売ってたら欲しいなー! これ、何処で買ったのー?」
「えーとね、この街で評判のお菓子屋さんがあってね」
「え、もしかしてそれって。あたしのお友達のお菓子屋さん? 今その子、何故か急に行方不明になっちゃったそうなんだ」
「そうなんだ、何かあったのかな? 事件にでも巻き込まれてなければいいけれど。心配だね」
(大丈夫……私、やっとあなたと一緒になれたから)
魔法少女さんは、片想いの男の子の中で完全に溶け切りました。