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※このお話は以下の要素を含みます

 状態変化 パン化 食品化 おしっこ


◆うちの子出典・キャラ補足

 幼なじみなう / 光ちゃんにおまかせ!(WIKIに掲載)


・みうちゃん:みい子ちゃんの妹でメロンパンが大好きな地球上最強の魔法少女

・みい子ちゃん:みうちゃんの姉であんパンが大好きな中学生の女の子

・みうっち:みうちゃんの中で精神同居している魔法少女の星出身の女の子

・ろっくん:みい子ちゃんの幼なじみでみうちゃんからお兄さん的に慕われてる男子学生

・光ちゃん:ドジッ娘魔法少女で暴走魔法を起こす状態変化事案の元凶



「みう、準備はできた?」

「うん、おねえちゃん!」


 朝の家事を終えて、時渡学園へ向かう準備を済ませたみうとおねえちゃん。

 赤いランドセルも背負ったし、今日もバッチリだね。


 今日は珍しく、おねえちゃんと一緒に家を出るの。

 普段のみうはおねえちゃんとろっくんおにいちゃんが一緒に登校できるように、家事を請け負って後から家を出るのです。

 でも今日はおねえちゃんが少しドジっちゃって、みうが家事を終えた頃におねえちゃんの準備も終わりました。


 普段はみうがドジッ娘って勘違いされるけど、実はおねえちゃんも結構なドジッ娘で。

 味噌汁が熱くて手を滑らせてしまい、盛大に溢してしまったの……。


 その関係でおねえちゃんは準備に時間を掛けてしまって、家を出る時間が一緒になって。


 久し振りに家からおねえちゃんと一緒の通学。

 いつもはみうが走って追い着く感じだものね、何だか嬉しいしわくわくするよ。


 でもよりにもよって、まさかこの日に限っておねえちゃんと一緒に家を出た事で……おねえちゃんとあんな事になってしまうだなんて、この時はまだ思いもしなかったのです……。



 通学中に何やら変な光が見えました。


(ねえみうちゃん、あれって光ちゃんの魔法じゃ……)

「え、光ちゃん?」

「みう、どうしたの?」

「おねえちゃん、光ちゃんが何かやっているみたい。ちょっとみう、行って来るね!?」

「え、光ちゃんが!? あ、みうったら……みい子も行くわ」

「え、でもおねえちゃんは魔法少女じゃないし……先におにいちゃんの元へ」

「でもせっかくみうと一緒に家を出たんだもの……」

「うーん、分かった。じゃあおねえちゃんも行こ?」


 みうとおねえちゃんは、みうっちが見たと言う光の方向へ駆けて行きました。


「くっ、これはちょっと厄介ね……時間停止が必要かしら」

「え、光ちゃん!? 時間停止はまずいよ! 光ちゃんの魔力じゃ……」


 みうっちの言う通り光ちゃんが居たけれど、何か手こずっているみたいで……光ちゃんは時間停止の魔法を使おうとしたのです。

 でもダメ、光ちゃんの魔力で時間停止のような高度魔法は……きっと魔力が足りなくて暴走を起こしてしまう!


 光ちゃんが少し遠くに居て、みうの声が届かない。


「時間が止まるといいな♪」

「光ちゃん、それまずい!」

「えっ、みうちゃ……!? わーっ! ステッキがー!?」


 遅かった……光ちゃんはまた魔法を暴走させてしまったのです。

 しかもその暴走魔法の矛先は……。


「わっ、眩しいよー!?」

「おねえちゃん、危ない!」

(みうちゃん、バリアを張るのよ!)

「あ、えっと、バリアを張れると」

「きゃあああーーーーっ!」


 うっ……ま、眩しい……どうやら呪文が間に合わなかったようです。

 みうが魔法バリアを張るよりも先に、光ちゃんの暴走魔法がおねえちゃんを直撃してしまって……。

 おねえちゃんを守ろうと近付いたみうも、一緒になってとばっちりを受けてしまったのです……。


「……治まった!? あーあ……私ったらまたやっちゃった。あれ、そういえばさっき、みうちゃんの声がしたような……何処にも居ないよね?」


 目が開かない……身体が動かない……みう達、どうなっちゃったのだろう……。



『キーンコーンカーンコーン』

(んっ……あれっ、チャイムの音?)

(みうちゃん、気が付いた? ちょっとややこしい事になっちゃってるみたいよ?)

(え、みうっち……あれ、そういえばみう、光ちゃんの暴走魔法で……)


 気が付くといつの間にか学園のチャイム音が聞こえて、みうは……何処に居るのだろう。


(みうっち、ここ何処なの……?)

(ここは恐らく、学園の購買部よ)

(……あ、ほんとだ。良く見るとどうもそうっぽいね)


 何故か学園の購買に居るみう。

 でも何だか様子がおかしい……いつもと視点が全然違うのです。


(みうちゃん、私、ずっと意識を保っていたのだけれど……何か私達ね、光が治まったら何かの車の中に居たんだ)

(車の中……?)

(うん、その車は恐らくね、購買へパンを運ぶ配送車で)

(配送車? みう達が購買のパンの配送車に?)

(ねえ、みうちゃん、周りに透明なフィルムみたいなのがあるの、分かる?)

(う、うん……言われてみると何だかみう、何かに包まれてるような)

(あとやたらと甘い匂いがしない?)

(うん、みうの大好きなメロンパンの匂い……)

(多分その匂い、私達自身の匂いなんだと思う)


 え、この甘いメロンパンの匂いがみう達自身って……。


(暴走魔法って確か、人間にとって良くない事がランダムで起こるんだよね?)

(うん、その通り。だからこの状況は恐らく)

(……みうがメロンパンになっちゃってるー!?)


 何とみうは……気付けば、大好きなメロンパンになってしまっていたのです。


(みうちゃん……さっき光ちゃんが居た時、何考えてた?)

(えーと、お昼のメロンパンが楽しみだなって……)

(きっとそれね……だからランダムで変身魔法が出てメロンパンに)

(ランダムで変身魔法の効果が出ると、その人の考えなどに依存する事が多いんだったっけ……メロンパンの事、考えてたから!?)

(恐らくそうね……でもパンツやブルマなんかよりはマシじゃない)

(えー、でもメロンパンなのにマシって言われても……)

(だって変身が自分の好きな物だった、と言う点がね)


 そう言われてもこの状況、どうすればいいんだろう……。


(みうっち、元には戻せないの?)

(魔力が巡るのは魔法少女の身体のみだから……この姿じゃ無理かな)

(えー、じゃあどうするのよー)

(だから少しややこしい事になってるみたい、って言ったよね?)

(だからって……そういえば、おねえちゃんはどうなったの!?)


 おねえちゃんが何処にも見当たりません。


(みい子ちゃんは……分からないんだ。恐らくみい子ちゃんも暴走魔法を受けたなら、同じように何かに変身しちゃったと思うけど)

(みうっちの魔法でも探れないの?)

(この姿じゃあ私は只のメロンパンよ……)

(そうよね……探れるくらいだったら、元に戻せるよね……どうしよう)


 メロンパンになってしまったみう達……どうにか元に戻れる方法はないのかな?


(みうちゃん、焦らないで。私達もみい子ちゃんも、きっとそれなりに時間が経てば元に戻れるわ)

(え、大丈夫かなぁ……)

(暴走魔法ってそういうものよ。魔法が暴走するから良くない事が起こったり、何が起こるか分からない……でも効果が永遠なんて事はないのよ)

(じゃあ大丈夫……なの?)

(うん、いずれ時間が経てば元に戻れる筈だから)

(でもこの姿だと不便ね……何だか全く身動きが取れない感じ)

(うん、意思がある以外は只のメロンパンだもんね)

(大人しくしているしかないのかなぁ……)

(そうね、残念だけど元に戻るまでそうしているしか)

(でもみうっちが一緒だったからまだ良かったよ。もしこんな姿で1人だったら……)


 おねえちゃんは……1人だけど大丈夫かな。

 何に変身してしまったか、何処に居るのか……それが分からない事もあって凄く心配で。


(あれ、何だかざわついてきたね?)

(どうやらもうお昼の時間みたいよ)

(あ、そうだったんだ)


 ざわざわと聞こえた声はあっと言う間に近付いて来て、たちまち購買は沢山の人で賑やかになったの。

 気が付けばパンを売るいつもの購買の人も近くに来ていて、沢山の人がパンの所へ列を作り出しています。


「メロンパンが110円になります」

「150円でお願いします」

「お釣りが40円ね、毎度ありがとうございますー」


(ねえみうっち、周りのメロンパンがどんどん減って行くみたいだけど……)

(あははー、もしかしたら私達も買われちゃうのかもね?)

(え、みうっちったら何で笑っていられるの?)

(えーだってー、買われちゃっても元に戻れればいいもん)

(買われたらそれってさ……食べられちゃうんじゃない!?)

(勿論そうだよねー……って、何ですとー!?)

(みうっち……もしかしてみう達が食べ物だって事、頭になかったの!?)

(時間経過で戻れるから大丈夫、って事ばかりしか……)

(みうっちも結構ドジッ娘だったのね……)


 もし誰かに買われちゃったら……食べられちゃうよ!?


(どうしよう……そこまで考えてなかったわ)

(ならば売れ残る事を願って……って、わわっ!)

(誰かが私達を持っちゃった!?)

「すみません、これ3つください」

「あんパンとメロンパンと焼きそばパンで、340円になります」

「じゃあ350円でお願いします」

「お釣りが10円ね、君、いつもは焼きそばパンだけなのに3つ食べるんだ?」

「あ、これはいつも買っている子に持って行こうと思って……」

「あら、そうなの。喜んでくれると良いね」

「はい、いつも楽しみだから、きっと喜んでくれると思います」

「いつもありがとねー、では次の人どうぞ」


 どうやらみう達をお買い上げした男の人は……パンを誰かに届けるらしい?


「みーちゃんもみうちゃんもどうしたんだろう。連絡すらも無いまま無断欠席だなんて」

(へっ? 私達の事……って、ろっくん!?)

(あれ、ろっくんだったんだ!?)


 何だか聞き覚えのある声だと思って見上げると……みう達をお買い上げしたのはろっくんだったのです。

 それにろっくん以外にも聞き覚えのある声が……。


(え、おねえちゃん!? 近くに居るの!?)

(みう!? みう、何処に居るの!?)

(おねえちゃん、みうはメロンパンなんだよ!?)

(みうはメロンパンなんだね……みい子はあんパンよ)

(あ、おねえちゃんはあんパンになってたんだ……お昼のあんパン、楽しみだった?)

(うん、朝はあんパンの事を考えていたけれど……)

(やっぱり……だからおねえちゃんってばあんパンなんだね……)


 どうやらおねえちゃんも……姉妹して考える事は同じだったようです。

 今のみうとおねえちゃんは、運命共同体なのかな……。


(みう、これって一体どうなってるの……何でみい子達がパンに)

(きっと朝、光ちゃんの暴走魔法を受けちゃったから……)

(暴走魔法を受けると、パンになっちゃうの!?)

(人間にとって、良くない効果がランダムで出ちゃうみたいで……)

(そうなんだ、それで変身効果が出ちゃったのかな……どうしよう)

(多分みう達、お昼のパンの事を考えていたから……)

(だから私達、パンになっちゃったの?)

(恐らくね……)


 みう達姉妹揃ってこうなっちゃうとはね……。


(みい子達、どうすればいいの……?)

(おねえちゃん、大丈夫。どうにか食べられずに済めば……元に戻れるそうなの)

(そうなの? 時間経過で急に戻れたりするの?)

(うん、光ちゃんの魔法効果が切れれば戻れる筈だから)

(でも大丈夫なの? 私達、パンだけど食べられちゃわない?)

(問題はそれ……なんだよね)


 後はろっくんが食べずにいてくれる事を祈るのみ……。


(ろっくんは、みい子達にパンを届けようとしてるみたいだよね?)

(みう達が休んじゃったと思って、家に持って来てくれるのかな?)

(じゃあみい子達は今ここに居て、家に居ないから……)

(きっとセーフ、だよね!?)


 一時は心配したけれど……どうにか希望が見えてきたみたい。

 恐らく私達に渡せなければ、まさかろっくんは勝手に食べちゃったりしないよね?


 そうだと良いけれど……でもこの姿で居ると、何だか不安になっちゃう。



 そしてこのまま放課後になっちゃった。

 みうとおねえちゃんはろっくんの鞄の中にしまわれていて、そこで授業の声を聞いていたよ。

 でもみうにはおねえちゃん達の授業、何が何だかさっぱりで全く分からなくて……。


 おねえちゃんとお話できたし、みうの中に居るみうっちともお話してたから。

 どうにか退屈を凌げて、無事に放課後まで持ったよ。


 鞄の中は薄暗くて息苦しいと思ったけれど……元々みう達、密閉された袋の中に居るんだもの。

 この姿ならば只のパンだし、空気は少なくても大丈夫だったみたい。

 薄暗かった方はおねえちゃんも一緒だったから、大丈夫だったの。


(あ、おにいちゃんが鞄を持ったみたいだよ)

(おうちに帰るみたいね)


 その後、おにいちゃんは無言で帰り道を歩いて……。

 いつも元気にお話をするおにいちゃんだけど、さすがに1人じゃ何も喋らないみたいだね。


 そう思って、みうはおねえちゃんと一緒にうとうとしていると……。


「あれ、光ちゃん」


 突然おにいちゃんが喋ったのです。


(今おにいちゃん、光ちゃんって言ったよね?)

(うん、光ちゃんに帰り道で会ったのかな?)

(もしかして……みう達に気付いてもらえれば、戻してもらえるかも!?)

(そうね、でもみい子達って今は只のパン……伝える方法、ある?)

(もしかしたらみうっちなら……光ちゃんに想いを飛ばせないかな?)

(ごめん……無理だよ)

(え、どうしてなの?)

(だって今の私達は、只のパンだから……魔法は使えないもの)

(おねえちゃん、無理だって)

(そんな……じゃあ時間経過で待つしかないのかな)


 ところでおにいちゃんと光ちゃんは、何かお話をしているようだけれど……。


「六君さん、お久し振りですー……はぅー」

「お久し振り、って光ちゃんどうしたの!? 具合でも悪いの!?」

「じ、実は今、魔法少女の仕事を一仕事終えて……お、お腹が」

「お腹痛いの!?」

「お腹が空いて力が出ないのぉ……」

「あららー……」


 光ちゃんはお腹が空いているそうな……ま、まさかね?


「光ちゃん、今にも倒れそう……何か食べ物は、そうだ光ちゃん」

「六君さん、何ですかぁ……」

「購買で買ったあんパンとメロンパンがあるよ。光ちゃんにあげるよ」

(嫌な予感的中ー!)

(ええーーーっ!)


 おにいちゃんは鞄からみう達を取り出して……。


「え、でも六君さん、良いの?」

「昔、パンを貰ったからね。その時のお礼も兼ねてだよ」

「わー、六君さんありがとうございますー!」


 光ちゃんは満面の笑みで、おにいちゃんからみう達を受け取って……。


「あれ、でも六君さんもあんパンとメロンパン、食べるの?」

「実は今日、みーちゃんとみうちゃんがお休みしてね。届けようと思ったんだ」

(そうそう、みう達はおうちまで届けてもらうの!)

(ごめん光ちゃん、悪いけれどみい子達の為にも返して!)

「え、それじゃやっぱり悪いです、返しま……きゅぅ」

「あららー、今にも倒れそう……いいよいいよ、貰って」

「で、でもそんな……」

「みーちゃんとみうちゃんは大丈夫。光ちゃんにあげたって言えば、きっと分かってくれるよ。それにそもそも僕が勝手に届けようと思って、届けるとは伝えてないんだ」

「わー、そうだったんだー、じゃあ遠慮なく頂戴しますー!」

(ひーっ!)

(勘弁してー)


 こうしてみう達は、光ちゃんの手に渡ってしまって……。

 おにいちゃんはそのまま光ちゃんと別れて、行ってしまいました。


(そんなー、ろっくんー! 待ってー)

(あとは光ちゃんが魔力の気配で、みう達に気付いてくれる事を願うのみ……)

(光ちゃん、お願い! 気付いて……!)

「じゃあ早速近くの公園に寄っておやつだー!」


 光ちゃんはとてもはしゃいでいるけれど……どうやら食べる気満々だね;



 公園に立ち寄った光ちゃん。

 ベンチに腰掛けて、まずはあんパンの袋を開封して……って、解説してる場合じゃないよ!


 おねえちゃんが食べられちゃう!


「わーい! あんパンいただきまーす」

(みう……ろっくん……助けて!)

「ぱくっ」

(おねえちゃん! ……た、食べられちゃった)


 おねえちゃん自身であるあんパンは……光ちゃんに一口かじられてしまって。


(お、おねえちゃん……うぅっ、おねえちゃん……)

(みう、泣かないで。みい子、まだ生きてるから)

(おねえちゃん、無事なの!? ……無事、ではないよね)

(何だか身体の一部を千切られたような感覚……でも、不思議と痛みは無いの。パンだから、痛覚が無くなってるのかな?)

(でもさすがに全部食べられたら、アウトな気がするよぉ……)

(みい子も本当は怖いよ、でもどうにもならないもの……)


 おねえちゃんはどうやら、食べられる事について腹を括ったようです。


(せめてみうはどうにか助かっ……ひゃっ、く、くすぐったいよ!?)

「あんこぺろぺろ美味しーい! やっぱりあんパンは餡を舌で舐めるのが通よね」

(光ちゃんの舌が、おねえちゃんのあんこに……)

(ひゃっ、ひ、光ちゃん、は、激しっ)

(心無しか微妙に喘いでいるようにも見え……何処と感覚繋がってるんだろ;)


 ○んこだよね!? 「あ」んこだよねそれ!?


「何だかこのあんこ、凄ーく甘ーい! ぱくぱく、もぐもぐ……ごっくん」

(ああ、おねえちゃん……おねえちゃんが千切られて、飲み込まれていく……)


 次第におねえちゃんの声は、聞こえなくなってしまって……。


「美味しかったー! さてこのメロンパンは」

(おねえちゃんだけで十分だよね!? 後で食べる用に取っておこう、ね!?)

(私達が元に戻れれば、魔法でおねえちゃんだってきっと戻せるから……)

「お楽しみは後回しにしない! と言う訳で、こっちもいただきまーす」

(わーっ、光ちゃんのバカー! この食いしん坊ー!)


 しかしいくらみうが何を言っても……今のみうの声は、光ちゃんに届く筈もなく。


(って、光ちゃんも魔法少女なら魔力で気付けー!)


 うぅっ……光ちゃんの魔力の低さが、こんな所で仇となりました。

 こんな事になるなら、みうが光ちゃんを鍛えておくべきだったのかな……。


「わー、甘い匂いが漂って美味しそー」

(わわっ……光ちゃんの口が、すぐそこまで迫ってるよ! うぅっ……怖い!)


 みうは恐怖のあまり……少しちびってしまったのです。

 いや、今のみうはメロンパン……厳密には、ちびってしまったような感覚に襲われました。


「ぱくぱく、うん美味しい……あれ、何だか中は少ししょっぱい?」

(光ちゃーん、いい加減気付いてー! みうを食べないでー!)

「それに何だか、中が異様に黄色っぽいような……」

(しょっぱくて黄色いって……まさかそれ、みうのおしっこなの!?)

(みうちゃんのおしっこが混ざっちゃったのかも……)

(わーっ、同じ食べられるにしてもそれ、凄く恥ずかしいー!)

「ぱくぱく、もぐもぐ、んっ、何だかちょっとしょっぱいけど、甘さと中和されて悪くもない……うん、これ美味しいかも!」

(みうなんだから美味しいに決まってるよー!?)

(みうちゃん、もうヤケだね……)

(ってみう、これだけ食べられちゃってるのにまだ生きてる……)

(食べられてもどうにか意識はあるみたい……唯一の救いなのかも)

(先に食べられちゃったおねえちゃんは、無事なのかな……)

「ぱくぱく、もぐもぐ、ごっくん! んー! 美味しかったー!」


 食べられちゃった……みうの身体は痛みこそ無かったものの口の中で小さく千切られ、ねばねばした唾液と共に下へと落ちて行って……光ちゃんの体内の中へ。


(食道を落下しているみたい……)

(恐らくこのまま落ちて行くと、この先は……)


 ……人間の身体の仕組みを分かっていると、考えただけでゾッとしちゃいます。

 おねえちゃんはもう今頃……い、いや、絶対大丈夫だよ。

 食べられちゃっても意識はあるんだもの、絶対どうにか戻れる方法が……。


 みうは……絶対にまだ諦めないんだもん!



※後編はこちら

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