大みそかの晩餐 (Pixiv Fanbox)
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臘月二十六日の決断
外は粉雪が舞い、容赦なく吹き付ける北風が窓枠をガタガタと震わせていた。臘月も二十六日ともなれば、年の瀬のざわめきが村中に立ち込め、遠くからは正月の支度に追われる人々の声が微かに聞こえてくる。しかし母屋の中は別世界だった。囲炉裏の火が赤々と燃え、大きな鍋からは湯気とともに獣肉の芳醇な香りが立ち上っている。四人の家族は重たい木の卓を囲み、静かにその肉のスープを啜っていた。
お母さんは手にしていた茶碗を音もなく置き、長い箸で鍋の底から骨付きの塊をひとつ掬い上げると、ゆっくりと口に運んだ。彼女の瞳は深く、子供たちを順繰りに見つめながら、何かを品定めするかのように細められる。茶色がかったスープが彼女の唇を濡らし、囲炉裏の炎がその顔に陰影を落とす。
「そろそろ決めねばならぬ頃合いだ」お母さんの声は静かでありながら、部屋の空気を一変させる重みを持っていた。「今年の大みそかの晩餐、誰が食卓を飾るか」
三人の子供たちはそれぞれスープをすする手を止めた。お姉さんは隣に座るシャオジエの方を向き、長い指で彼の二の腕をつまみ、それから腰のあたりを揉むように触る。彼女の指先は冷たく、しかしその動きはどこかねっとりとしていた。
「母さん、この子の肉質は本当に上等だよ。この前、腿をさわった時から思ってたんだ」お姉さんはシャオジエの耳元でささやくように言い、その吐息が彼の首筋をくすぐる。「腕も腰も、ぎゅっと締まってて柔らかい。ストッキングの下も、きっとすべすべで温かいんだろうね」
妹は椅子から飛び降り、シャオジエの脚元にしゃがみ込んだ。小さな手が彼の黒いストッキングの裾を引っ張り、もぞもぞと這い上がってくる。
「お兄ちゃんのお尻、ぷにぷにで気持ちいい」妹は無邪気な声で言いながら、ストッキング越しに彼の臀部を撫で回す。彼女の手のひらは温かく、しかしその触れ方は大人びていて、まるで玩具を愛でるようだった。
シャオジエの頬がかっと熱くなった。彼は俯き、肩を小さく震わせる。ストッキングの下で、彼のペニスは意思に反して硬く張り詰め、黒い布地を押し上げて小さな膨らみを作っていた。羞恥と興奮が入り混じり、頭の中は真っ白になりそうだった。だが心の奥底では、別の思いが渦巻いている。
――父さんみたいになりたい。
彼は忘れられない。何年も前の大みそか、父親が屠殺された日のことを。あの時、お母さんは優しく父を導き、鋭利な刃物で喉を切り裂いた。血がほとばしり、父の身体が美しく硬直していく様は、まるで神聖な儀式のようだった。そして父の肉は家族に喰われ、骨の髄まで余すことなく溶け込んだ。あれこそが究極の愛であり、家族に永遠に抱かれる幸福だと、シャオジエは固く信じていた。
お母さんの視線が、ついにシャオジエに固定された。彼女はゆっくりと立ち上がり、彼の前まで歩み寄る。その手が伸び、シャオジエの顎をそっと持ち上げた。彼の潤んだ目と、紅潮した頬をじっくりと観察する。
「お前は、もう覚悟はできているようだな」お母さんは口の端をほんの少し吊り上げ、低くささやいた。「震えているな。寒さのせいか?それとも」
「お母さん……」シャオジエの声はかすれ、自分でも情けないと思うくらい震えていた。だが止められない。恐怖ではなく、歓喜に全身の細胞が沸き立っているのだ。
「今夜、お前を旅立たせてやろう」お母さんの宣告は、ひときわ柔らかく、そして確固としていた。
その言葉が耳に届いた瞬間、シャオジエの全身に電流が走った。ペニスがさらに硬く脈打ち、ストッキングの先端にじわりと湿り気が滲む。彼は思わず太腿をぎゅっと閉じ、唇を噛みしめた。視界が涙でにじみ、囲炉裏の炎が黄金色の光輪となって揺らめく。
お姉さんは満足げにうなずき、彼の髪を撫でながら「やっとだね、ずっと待ってたんだから」と耳打ちした。妹は「お兄ちゃん、綺麗にしようね。私、お手伝いするから」と拍手しながら跳ね回り、その目は期待に輝いている。
お母さんはシャオジエの手を取り、火の光の下、彼の細く白い指をじっくりと検分する。「美しい手だ。この手でどんな味わいを生み出せるか、楽しみでならぬ」
シャオジエは震える息を吐き出し、こくりと小さく肯いた。もう言葉は必要なかった。彼の全ては、家族に捧げられるその瞬間を待ち焦がれている。
婚房での待ち
大晦日の夜が近づく数時間前、私はこっそりと家の奥まった場所にある、母と父のかつての婚房へと忍び込んだ。襖を開けると、むっとした血腥さと、甘ったるい淫らな匂いが鼻腔をくすぐる。それは父が屠殺されたあの夜から、ずっと部屋に染みついたままの匂いだ。胸が高鳴り、私は急いで服を脱ぎ捨てた。一枚、また一枚と布が床に落ち、最後に残したのは膝上まである純白のストッキングだけ。網目が細かく、脚にぴったりと張り付くその感触が、裸の肌にやけに官能的に響いた。
仰向けにベッドへ横たわると、古いスプリングがぎしりと軋む。天井の木目を見つめながら、私はそっと自分の腹を撫でた。父がここで、母に腹を裂かれたときのことを想像する。父はどんな顔をしていただろう。恐怖?それとも悦び?母の手に握られた鋭利な包丁が、肌の上を滑り、赤い線が走り、やがてぱっくりと開く。内臓がのぞき、湯気が立ちのぼり、それでも父はうっとりと笑んでいたという。母が語ってくれたその光景を思うと、私のペニスは痛いほどに硬く突き上がり、ストッキングの布を押し上げた。
部屋にはまだ、父の残り香がある。血腥さと混ざり合ったあの匂いが、私の官能を容赦なく刺激し、腸の奥がきゅうと疼く。やがて、ぬるりとした腸液が滲み出てきて、太腿の内側を伝い落ちた。その感触さえも愛しくて、私は小さく腰を揺らす。こうして待つこと自体が、既に母への捧げもののようで、私はただ時が来るのをひたすらに焦がれていた。
どれくらいそうしていたか、廊下を歩く足音が近づき、心臓が跳ねる。襖がすうっと開かれると、母が立っていた。いつものゆったりとした着物姿で、黒髪をうなじで結い上げている。彼女が部屋の中を見渡し、私の姿を認めた瞬間、その瞳孔がぎゅっと収縮したのがわかった。
「……まあ」
母はただ一言洩らし、唇の端をゆっくりと吊り上げる。私の全身は白いストッキングだけ。仰向けに寝そべり、硬くなったペニスを無防備にさらしている姿は、さぞ淫らで滑稽でしょう。でも私は恥ずかしさよりも、期待で胸がいっぱいだった。母がゆっくりと近づいてくる。畳を踏む足音が、心臓の鼓動と重なった。
「シャオジエ、あんた、こんなところで何をしてるの」
母はベッドの縁に腰を下ろし、細くしなやかな手を伸ばして、私の太腿をそっと撫でた。その指先がストッキングの上を滑り、くすぐったさと快感が混ざり合う。
「お母さん……待ってたの」
私は甘えるように言い、腰をくねらせた。母は何も答えず、ただ手をさらに這わせ、ストッキング越しに私の亀頭をそっと摘んだ。布越しの刺激に、思わず息が漏れる。
「こんなに硬くして……あの人の真似かい?」
母の声は低く、嗜虐的な響きを帯びていた。彼女の指が、先端をくりくりと弄ぶたび、私はぞくぞくと身体を震わせ、腸液がまた溢れ出す。
「お願い、お母さん、私も父さんみたいに、ここで……お腹を裂いて。そして、食べてほしいの」
私は潤んだ目で母を見上げ、腰を押し付けるようにして懇願した。母の手の中で、ペニスがひくひくと脈打つ。
「そんなに死にたいの」
母は柔らかく問いかけながら、ストッキングの上から爪を立て、皮を少しだけ押し上げる。快感が背筋を走り抜け、私は小さく首を振った。
「死にたいんじゃないの。お母さんの一部になりたいの。永遠に、お母さんの中に溶け込んで、もう離れたくないの」
私の言葉に、母は満足げに目を細め、それからゆっくりと顔を近づけてきた。彼女の吐息が、私の鼻先にかかる。
「いい子だね。それじゃあ、お母さんが、とびきり美しくしてあげようね」
母はそう囁くと、摘んでいた指にぎゅっと力を込めた。私は嬌声をあげ、シーツを握りしめる。婚房の中は、再び甘美な血腥さと性の気配に満ち始めていた。これから始まる儀式を思うと、全身が歓喜に打ち震え、私はただ母の手に身を委ねるのだった。
最後の性愛
部屋には、屠殺台の冷たい鋼鉄の輝きがまだ残っている。私はその上に仰向けに横たわり、剥き出しの肌をひんやりとした金属に押し当てていた。お母さんは、私の上に立っている。彼女の指先が、ウエストの細いレースの下着をゆっくりと足首まで下ろす。その動きは、まるで儀式の幕開けを告げる祭司のようだった。
「シャオジエ、今夜でお前は私のものになるんだよ」
お母さんはそう囁くと、特別な下着を手に取った。内側には、黒い革で覆われた肉棒の形をした突起が縫い付けられている。彼女はそれを両脚の間に当てがい、ためらいもなく腰を沈めた。湿った音が静かに響き、お母さんの喉から満足げな吐息が漏れる。
「ああ……これで、準備は整ったわ」
彼女は私を見下ろし、その瞳には深い愛情と、捕食者としての鋭さが同居している。お母さんは台に上がり、私の腰を跨ぐようにして膝をついた。ストッキングを履いた太腿が私の脇腹に触れ、その滑らかな感触に背筋が震える。
「さあ、今度はお前の番」
お母さんは片手で私の肉棒を掴み、根元を軽く握りしめた。既に硬くなり始めていたそれは、彼女の指の中でさらに熱を帯びていく。彼女は腰の位置を微調整し、下着から突き出た偽りの肉棒と、私の本当の肉棒がぴったりと合わさるように構えた。
「いくよ、シャオジエ」
ゆっくりと、お母さんは腰を下ろしていく。私の先端が、彼女の熱く蕩けるような入り口に触れた瞬間、全身を電流のような快感が走り抜けた。お母さんが体重をかけるほどに、肉棒は彼女の膣内へと深く沈み込んでいく。その中は名状しがたいほどに熱く、脈打つ粘膜が私をきつく締めつけた。
「ああっ……お母さんの中、すごく熱い……!」
「いい子だ。全部、私に預けなさい」
お母さんは完全に腰を下ろし、私の肉棒は根元まで彼女の体内に呑み込まれた。彼女は一瞬息を詰め、それからゆっくりと腰を動かし始める。上下に揺れるたびに、結合部からは水音が立ち、鋼鉄の台が微かに軋んだ。
私は両手をお母さんの腰に添え、彼女の動きに合わせて必死に腰を突き上げる。お母さんの膣は生き物のようにうねり、私を離すまいと吸い付く。その感覚があまりにも強烈で、頭の中が真っ白になりかける。
「もっと……お母さん、もっと激しくして……」
「焦るんじゃないよ。夜は長いんだからね」
お母さんはそう言うと、身を乗り出して私の唇に自分のそれを重ねた。舌が侵入し、互いの唾液が混ざり合う。同時に、彼女の左手が私の後孔を探り当て、指の腹で円を描くように弄び始める。
「んんっ……!」
突然の刺激に、私は背中を弓なりにした。お母さんは、キスを続けながら指をゆっくりと中へ沈めていく。後ろから押し広げられる異物感と、前からは容赦なく攻め立てられる快楽が混ざり合い、涙が滲む。私は思わず、ストッキングに包まれた脚を台の上でくねらせた。
「お前のここも、いつか綺麗に切り開いてあげるからね」
お母さんは唇を離し、耳元でそう吹き込んだ。その言葉は、私にとっては甘美な約束だ。体内に埋め込まれた恐ろしい未来でさえ、彼女から与えられるならば至上の歓びに変わる。
「お母さん……もっとして……もっと、苦しくして……」
私の懇願に、お母さんは妖しく微笑んだ。彼女は突然、私から体を起こし、右足のストッキングを脱ぎ始める。黒いナイロンがゆっくりと剥がされ、露わになった白い太腿が眩しい。彼女はそのストッキングを両手でピンと張り、それから器用に両手に巻きつけた。
「お前が望むなら、こうしてあげる」
お母さんは再び私に覆い被さると、ストッキングを私の首に回し、左右にクロスさせる。布が喉仏を圧迫し、呼吸が浅くなる。だが、それ以上に強烈なのは、彼女が腰の動きを再開したことだった。
「あ……が……っ!」
首を絞められながら突き上げられ、視界がチカチカと明滅する。酸欠と快楽が脳内で混ざり合い、意識が遠のきそうになる。しかし、お母さんは絶妙な力加減で、私を死の一歩手前で留めてくれる。彼女の腰の動きはますます速くなり、肉と肉がぶつかる音が部屋にこだました。
「さあ、イきなさい。私の中で、全部出し尽くすんだよ」
お母さんの声が、遠くから聞こえるような、すぐ傍で響くような不思議な距離感で耳に届く。彼女の内部は信じられないほど熱く締まり、今まさに私を搾り取ろうとしていた。
「お母……さ……あああっ!」
私は絶頂に達した。全身が痙攣し、肉棒から熱い精が勢いよく迸る。それと同時に、お母さんも大きく仰け反り、彼女の内部から大量の愛液が溢れ出して、私の腹を濡らした。ストッキングの締め付けが一瞬緩み、大量の空気が肺に流れ込む。
「はあっ、はあっ……お母さん……」
お母さんはストッキングをそっと外し、汗で額に張り付いた私の前髪を優しく払ってくれた。それから、私の上に覆い被さり、まるで幼子を抱く母親のように、しっかりと私を抱きしめる。彼女の心臓の鼓動が、自分のそれと重なるように感じられた。
「よくできたね。これでお前は、ますます美味しそうな肉になったよ」
耳元でそう囁く彼女の声は、限りなく優しかった。私は、自分が彼女の一部になる日を夢見ながら、その温もりの中でゆっくりと目を閉じた。屠殺台の冷たさでさえ、今は心地よい。
去年の思い出
母の指が、まだ私の腹の上をゆっくりと這っていた。腸の柔らかな曲線をなぞり、へそのくぼみに汗が溜まっているのをそっとすくい取る。彼女の肌はしっとりと濡れ、私の精液と彼女の愛液が太ももに冷たく固まり始めていた。ストッキングはまだ首に巻かれたままで、その先端が母の手の中でだらりと垂れている。
「おまえの顔を見ているとね」
母が不意に口を開いた。声はひどく優しく、遠くを見るような響きがあった。
「去年のことを思い出すよ。お父さんが、ちょうどおまえと同じ格好で、ここに横たわっていた日のことを」
姉が息を呑む気配がした。妹は部屋の隅で父の臓器標本を磨く手を止め、じっと母を見つめている。母の目は宙を漂い、大晦日の薄明かりの中で何か懐かしいものを見ていた。
「あの人もね、白いストッキングを履いていたんだよ。おまえよりもずっと不器用でね、太もものところが少し歪んでいた。でも、それがかえって色っぽくてね」
母の指が、私の首に巻かれたストッキングをするすると撫で上げる。絹の感触が喉仏をくすぐり、私はごくりと唾を飲んだ。
「シャオジエ、聞かせてあげようか。去年の大みそか、お父さんがどんなふうに美しい屍になったかを」
私は黙ってうなずく。母の声が紡ぎ出す記憶の糸が、この部屋の空気をゆっくりと塗り替えていくのを感じていた。
――
一年前の大みそか。窓の外では雪が静かに降り積もっていた。ストーブの上の鍋から湯気が立ち、台所には漢方の香りが満ちている。夫は自らの意志で風呂に入り、全身を丁寧に洗い清めた。腸を空にし、肌には香油を塗り、白いストッキングを両脚に慎重に履いた。
寝室のドアを開けたとき、彼はすでに半ば勃起していたのを私は覚えている。
「お願いだ」
彼はそう言ってベッドに横たわった。両脚を大きく開き、ストッキング越しに浮かび上がる睾丸を私に見せつけながら、嗚咽にも似た声で続けた。
「俺の腹を裂いてくれ。腸を引き出して、おまえの手で俺を解体してほしい」
私はそのとき、ちょうどこの屠殺刀を手にしていた。刃渡り二十五センチ、骨を断つために特別にあつらえた逸品だ。冷たい鋼の腹を彼のへそに当てると、彼はびくんと全身を震わせた。ペニスがストッキングを押し上げ、先端から透明な液が滲み出していた。
「愛してるよ」
私はそう囁いた。そして刃を、ゆっくりと、本当にゆっくりと、彼の下腹部に沈めていった。
皮膚が切れる音は、絹を裂く音に似ている。まず表皮がぷつりと割れ、次に脂肪の白い層が顔を出し、その下の筋膜がピンと張り詰めて刃を受け止める。彼は歯を食いしばり、額に脂汗を浮かべながらも、決して悲鳴を上げなかった。むしろ、その口元には笑みすら浮かんでいた。
刃をぐっと押し進めると、ついに腹膜が破れた。途端に、腸の一部が傷口からむくむくと盛り上がってくる。温かく、つややかで、ほんのりと桃色がかったそれは、まるで生き物のように蠕動していた。
「ああっ……!」
彼が初めて声を上げた。それは苦痛の叫びではなく、深い悦びに満ちた声だった。彼のペニスから精液が迸り、白いストッキングを濡らして太ももにまで滴り落ちる。私は左手を傷口に差し入れ、小腸の最初のひと房をそっと掴んだ。
腸は驚くほど温かかった。熱いスープに手を浸したときのようで、指の間にぬるりと滑り込んでくる。私はそれをゆっくりと引き出し始めた。ずるり、ずるりと粘着質な音を立てながら、彼の体内から長い長い管が姿を現す。それはベッドの上にとぐろを巻き、まだかすかに脈打っていた。
彼はその間ずっと、うっとりとした表情で自分の腹を見つめていた。引き出される自分の臓器を、まるで初めて見る恋人の裸体を見るかのように、熱く見つめていた。
「もっと……もっと奥を……」
彼がねだる。私は胃袋までたどり着き、そこから肝臓のあたりまで手を広げた。血液が噴水のように吹き出し、彼の胸を、私の腕を、シーツを、みるみる深紅に染めていく。鉄錆のような血の匂いが部屋中に充満し、それすらも彼には芳香のように感じられているようだった。
「愛してる……おまえを……おまえの体になることができて……」
彼の言葉は徐々に途切れ途切れになっていった。私は大動脈を慎重に避けながら、腎臓、脾臓、膵臓と順に露出させていく。そのたびに彼は小さく喘ぎ、もうほとんど枯れ果てたペニスからは薄い液が滲み出るばかりだった。
出血が限界に達したとき、彼の瞳がふるりと揺れた。焦点が合わなくなり、口元の笑みがだらりと緩む。私は手を止め、彼の唇に口づけた。それは冷たくなり始めていたが、まだ微かに温もりが残っていた。
「おやすみ、愛しい人」
彼の目が、最後にゆっくりと閉じられた。睫毛の先に涙が光っていたが、それが痛みゆえなのか、それとも幸福ゆえなのかは、私にもわからない。ただ、彼の顔は本当に安らかで、まるで深い眠りに落ちたかのようだった。
私は彼の遺体を清め、腹から引き出した臓器を一つひとつ丁寧に洗浄した。腸はよく揉んで内容物を完全に排出し、何度も湯を換えて臭みを取り除いた。肝臓は血抜きをし、心臓は最後の一滴まで血液を搾り出してから冷蔵庫に収めた。
彼の体躯は、首に鉤をかけて台所の天井から吊るした。残った血液が重力に従ってしたたり落ちるように、首を上にして逆さ吊りにするのが一番いい。彼は白いストッキングを履いたまま、くるくるとゆっくり回転しながら、翌日の調理を待つ美しい屍となった。
大晦日の晩餐に、彼の舌の網脂巻きを出した。歯応えがありながらもとろりと溶ける舌の身を、娘たちは無言で噛み締めていた。
――
「……というわけさ」
母が語り終えると、部屋の中はしばらく静寂に包まれた。妹は父の心臓の乾燥標本を胸に抱きしめて、うっとりと目を閉じている。姉は私の顔をじっと見つめながら、下唇をそっと噛んでいた。
「お父さんは美しかったよ。本当に、本当に美しい屍だった」
母の両手が、不意に私の首に巻かれたストッキングをぎゅっと絞めた。
予期していなかったわけではない。母の目がさっきから何度もストッキングの結び目を追っていたのを、私はちゃんと見ていたのだ。それでも実際に気道が圧迫されると、身体は勝手に反応する。喉がひりつき、肺が空気を求めて激しく痙攣を始める。
「う……ぐ……」
「暴れるんじゃないよ、シャオジエ。静かに、お父さんのことを思い浮かべるんだ」
母の声は甘く、ほとんど子守唄のようだった。彼女の指は容赦なくストッキングを締め上げ、絹の繊維が喉の皮膚に食い込む。姉と妹がそばに寄ってきた。姉は私の脚を押さえ、妹は目を輝かせて私の苦悶の表情を観察している。
酸素が足りない。目の前がチカチカと明滅し、耳の奥で心臓の鼓動がやかましく響く。けれども同時に、奇妙な高揚感が全身を包み始めていた。これが、父も味わった感覚なのだろうか。
視界がぼやける中で、私は確かに見た。天井から吊るされた父の姿を。白いストッキングを履いた長い脚、引き裂かれた腹部の赤い裂け目、そして何よりも、あの安らかで美しい笑顔。父は死によって完璧な美しさを手に入れ、今こうして私の前に現れたのだ。
「父さん……」
声にならない声が口から漏れた。それと同時に、私のペニスが再び硬く勃ち上がるのを感じた。さっきまであれほど果てたはずなのに、亀頭は熱く充血し、ストッキングの先端を濡らして先走りが垂れている。
「ああ、いいねえ。お父さんそっくりだ」
母はうっとりと私の顔を見下ろしながら、さらにストッキングをきつく締める。私の意識は遠のきかけ、父の幻影はますます鮮明になっていった。
これが、父が望んだ死だ。母の手によって窒息し、屠殺され、美しい屍になること。彼はそれを選び、それを悦び、そして今、台所の大鍋の中で家族の血肉となるために、一年かけてじっくりと熟成されている。
私もまた、そうなりたい。父のように、このストッキングに首を絞められながら射精し、腹を裂かれ、腸を引き出され、天井に吊るされてくるくると回る美屍になりたい。そして最終的には、母の胃袋の中で溶け、彼女の体の一部として永遠に生き続けるのだ。
「もっと……ぎゅっと……」
私がねだると、母は嬉しそうに微笑んだ。彼女の指にさらに力が込められ、頸動脈が完全に閉ざされる。血流の止まった私の顔が、徐々に青白く変色していくのを、姉が熱っぽい目で見守っている。
限界だった。
意識が暗転する寸前、私は射精した。びゅっと音を立てて白濁が飛び散り、自分の腹の上に、傷口から溢れた腸の代わりのように白く絡みつく。私はそのまま深い闇に落ちていった。父の美屍が両手を広げて待っている、あの安らかな闇の中へ。
母がストッキングを緩めたのは、それからどれほど経ってからだったか。私は咳き込みながら浮上し、涙でにじんだ視界で、母の恍惚とした顔を見上げた。
「よくできました、シャオジエ」
彼女は私の額に口づけし、首のストッキングの跡をそっと指でなぞった。
「もう少しだけ待っておくれ。大みそかの晩餐が終わるまでは、まだこの世にいなきゃならないんだからね」
絞殺と屍姦
お母さんの白い指が、私の首に巻いた黒いストッキングをぎゅっと引き締める。絹のような感触が肌に食い込み、気管が押し潰される感覚に、私は思わず喉を鳴らした。
「いい子ね、シャオジエ」
耳元で囁く声は甘く、まるで子守唄のようだ。私はもがこうとしたが、両手は背後で細い紐で縛られていて、指先がぴくぴくと痙攣するだけ。頬が熱を持ち、血が上って赤く染まっていくのが自分でもわかる。鏡の前に立たされた私の姿は、白い肌に浮かぶ紅潮がまるで花びらのようで、自分でも美しいと思った。
「お母さん…」
絞め出した声はかすれて、子猫の鳴き声みたいに情けなかった。でも、それでいい。私はお父さんと同じように、お母さんの手で屠殺されたい。屠殺されて、美しい死体になって、そしてお母さんに食べられて、永遠に彼女の一部に溶け込む。それが私の、この家族で唯一の男の娘としての、最高の幸福なのだから。
ストッキングがさらに締まる。視界がチカチカと明滅を始め、意識の端がぼやけてきた。気道が完全に塞がれて、酸素が入ってこない。肺がひくつき、胸が苦しさに波打つ。それなのに、私のペニスは下着の中で硬く勃起していた。お母さんに殺される。その事実だけで、私は性的に昂奮してしまう。
お母さんは私の前で膝をつき、私の縛られた身体を見上げている。その目は愛情に満ちていて、でも、どこか獲物をいたぶる猫のような残忍さも垣間見える。彼女はゆっくりと立ち上がり、私の痩せた腰に両手をかけると、体重をかけて私に跨った。
「さあ、最後にフィリングしてあげるわね」
彼女が履いているペニスバンド付き下着には、本物そっくりの肉棒が装着されている。それは以前屠殺した誰かのペニスで精巧に作られたもので、お母さんの自慢の一品だ。冷たい素材のはずなのに、なぜか体温を感じるような気がするのは、私の妄想だろうか。
彼女は私の下着を乱暴に下ろし、乾いた後ろの蕾を露わにさせた。何の前準備もなかったけれど、私の肛門は期待にかすかに蠢いている。お母さんの腰が突き出され、肉棒の先端が私の窄まりに押し当てられる。
「ん…っ!」
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