無能力者の末路2 (Pixiv Fanbox)
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こんにちは。
いつも暖かいご支援、ありがとうございます。
今回は、無能力者の男が、能力者の少女に弄ばれる話の2話目になります。
次で完結予定ですが、番外編として他の部位も色々書くかもです。
微修正していて、予定より少し遅れてしまい失礼いたしました。
そろそろまた新作が書きたくなったので、月末の投稿は新作予定でおります。(リクエスト分除く)
引き続きよろしくお願いします。
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ズシン……!ズシン…….!
ハイソックス内部のつま先に囚われたまま、歩行の地獄を味わうこと、10分。
やがてカチャリと金属音が響き、直後、上空から綾香の声がくぐもって届く。
「ただいまー」
「お帰りなさい、綾香。今日は少し遅かったのね」
すると今度は綾香の声に反応して、品のある落ち着いた女性の声が、靴と靴下を通して籠って聞こえてきた。
(……家に、着いたのか……?)
「うん、ちょっと友達と遊んでたから」
そう言いながら、綾香は玄関でローファーに指を入れ、するッと脱ぎ捨てる。
ドサッ
ローファーというぶ厚い壁が取り払われたことで、黒ハイソックスの布地越しではあるものの、視界がわずかに明るくなった。
(おぉ……あの地獄に耐えたんだ…..!ごほっ…..このまま新鮮な空気を吸わせてくれぇ……!)
密閉感が多少和らぎ、俺は彼女がこのまま靴下も脱いで裸足になってくれるかもしれないと、淡い期待を抱いていた。
だが、そんな甘い希望は一瞬で打ち砕かれる。
「んしょっと」
ズシン……ッ!
足を踏み下ろす地響きとともに、俺の視界は再び暗闇へと戻された。
彼女はローファーを脱いだその足で、間髪入れずに玄関に用意されていた室内用のスリッパへと、右足を勢いよく突っ込んだのだ。
つま先部分が完全に閉じていて、毛でもこもこした室内スリッパのようだった。
普段からよく履いているのか、スリッパを履いた途端に臭気がとても濃くなり、俺は堪らず咽せる。
(うぐっ……! ごほっごほっ…..く、臭ぇ……! なんだよこれ、靴を脱いだ後も地獄じゃねぇか……!)
ローファー内の圧迫感からは解放されたものの、今度は熱と湿気を閉じ込めるもこもこのスリッパに、俺は引き続き苦しめられ続けるのだった。
ズシン……!ズシン……!
下校時の地獄と変わらず、綾香が一歩、また一歩と進むたび、2センチの俺にとっては猛烈な衝撃となって、全身を激しく揺さぶられる。
彼女の足指の股――引き続き俺がへばりついている場所は、一日分の汗と黒い垢、そして黒ソックスの繊維が混ざり合った、ねっとりとした湿った汚れが、まだまだ至る所にこびりついていた。
(はぁ……はぁ…….うっ……..くそ……クセェ….…)
足指の側面にしがみついて必死に身を潜めていた俺だったが、スリッパと靴下の中、そこから漂う酸っぱく熟成された濃密な足臭が、呼吸をするたびに俺の身体に入り苦しめる。
ズシン……!ズシン……!
そのまま地響きを響かせながら、綾香はそのままリビングへと向かい、フカフカのソファにドサリと身体を投げ出した。
「ふー、疲れた〜!」
「お帰りなさ~い、綾香。今日はどうだった?学校で何か楽しいことでもあったの?」
「ううん、別にいつもと同じー。あ、でも今日の魔法理論のテスト、また満点で学年トップだったの。まぁ、あんな基礎レベルのテスト、出来て当たり前だけどねー。周りのレベルが低すぎっていうか。」
「ふふ。もう、そんなこと言っちゃダメよ。でも満点はおめでとう。パパもきっと喜ぶわ」
「えー? パパの感想なんて別にどうでもいいよ。あ、でもそういえばパパ、この前また昇進したんでしょ? 最近すごく仕事忙しそう」
「そうなのよー。今夜も少し遅くなるみたいだから、夕食は二人で先に食べちゃいましょ」
「はーい」
地獄に閉じ込められている俺をよそに、あまりにも穏やかな母娘の会話が、スリッパ越しに聞こえてくる。
(クソッ……! やはり親には言わないか。このガキ……っ!)
母親が、俺がここに閉じ込められていることを知ったら、助けてくれるかもという淡い期待は打ち砕かれる。
俺はソックスの中で歯噛みしつつも、余計な刺激を与えないようじっと息を潜めていた。
その時だった。
キュッ
突如として、俺がくっついている親指の側面と、背中越しの人差し指の側面が、ゆっくりとその隙間を埋めるように動き始め、軽くくっついたのだ。
(ひっ……!? あ、そ、そうか……!)
軽く挟まれたことで、閉じ込める前に言われていたことを思い出す。
ーーーーお前が舌で舐めて綺麗にしたら、少しは潰す回数を減らしてやってもいい
(やばい……ッ! 奉仕しないと、また潰される……っ!)
下校中にも何度も足指に弄ばれ、挟み潰されたのだ。
舐めたことで回数が減っていたのかは定かではないが、もうこれ以上はごめんだった。
俺は生き延びるために必死の思いで、目の前の垢まみれの皮膚へと顔を埋める。
(舐めるしかない……! 舐めて奉仕すれば、潰す回数を減らしてくれるはず……っ!)
契約魔法により、彼女の足指から離れることすら叶わない俺は、絶望的な状況下、少しでも命を繋ぐため、必死に舌を動かし始めた。
親指の股の側面にくっつきながら、ペロペロと、粘ついた汗やねっとりした垢を舐め取り、飲み込み始める。
直後、酸っぱく塩辛い味が口いっぱいに広がり、強烈な吐き気が喉を突き上げてくる。
(ごくっ….う、オエッ……! ゲホッ……っ!これでいいんだろ……っ!ちゃんと舐めてるんだから、もう潰さないでくれ……っ!)
だが――俺が必死に舌を動かしたことで、彼女の足指の皮膚をくすぐったく刺激してしまったのだろう。
目の前の足指の壁が、大きく動き出してしまう。
「ん……かゆ」
母親との会話の最中、足指の股がくすぐったくなった綾香が、無意識かつ反射的に、足指をキュッと力任せに丸め、力強く締め上げてきたのだ。
ぎゅーっ!
(ああぁぁぁぁぁッ!?く、苦しい!! 潰れ――ッ!!)
親指と人差し指の間の僅かな空間が一瞬で圧殺部屋と化し、ミシリと骨が軋む嫌な感覚の直後、俺の身体は呆気なくペースト状に押し潰された。
くちゅっ…
(………..!!)
自身の肉が潰れる生々しい感触とともに、猛烈な激痛が俺を襲う。
しかし、死ぬことは許されない。
綾香は痒みが取れて満足したのか、足指を再び僅かに開く。
すると契約魔法の効果が即座に発動し、ペースト状に親指の側面にへばりついていた俺の肉体は、逆再生のように一瞬のうちに元の2センチの姿へと復元されたのだった。
俺は全身を包み込む激痛の余韻に身悶えながら、今置かれている状況に打ちのめされる。
(な、何が舐めて奉仕すれば、潰す回数を減らしてやるだ……! こんなの逆効果じゃないか……!)
下校中の地獄と合わせると、もうこれで何度潰されただろう。
この逃げ場も救いもない完全なる理不尽に、俺は怒りが恐怖を上回り、とにかくこの頭がおかしくなりそうな狂気の空間から助かりたい一心で、遥か頭上にいるであろう母親に向かって、破れかぶれで必死に声を張り上げた。
「た、た、助けてくれぇぇぇッ!! 奥さん、聞こえますか!助けてください!! ここに人間がいるんです!! このクソガキの足の指に、閉じ込められていますっっっ!!」
(頼む……気づいてくれ!この地獄から、俺を救ってくれぇぇぇっ!!)
限界まで声を張り上げ、叫び声を上げ続ける。
だが、足指や分厚い黒ソックスの繊維、スリッパという三重の遮音壁が、2センチの俺の小さな声の殆どを、非情にも遮断してしまう。
(ダメか……)
諦めかけた、その時。
「……ん? なにかしら……?」
突然、母親が娘との会話を止め、不思議そうに何かに気づいた声が聞こえてきた。
(つ、通じたのか……!?)
俺は目を輝かせ、さらに声を張り上げようとした。
――だが、その希望は一瞬で打ち砕かれる。
ピンッ
巨大な足指が不気味に蠢いたかと思うと、綾香は右足の親指の爪を人差し指の腹にあてがい、靴下の中でピンッと力任せに弾いたのだ。
(ひぐっ……!? ぐあぁッ……!?)
側面にくっついている俺は、その激しい衝撃に全身を襲われ、声を上げる余裕もなく死に物狂いで彼女の足指にへばりつくことしかできなかった。
「どうかしたの、ママ?」
「ううん……なんだか、虫の羽音みたいな、変な音が聞こえたような気がして……気のせいかしら?」
「えー?気のせいじゃない? 私は聞こえなかったもの。」
「そう?…….うん、やっぱり気のせいね。もう聞こえないし。」
綾香はそのまま母親と会話を続けつつ、今度は器用に足指をくねらせる。
(ぐ……ちくしょう…….今度はなんだ………)
指の股にくっついていた俺は人差し指の側面とぶつかり、滑り落とされるも、契約の力によって足の皮膚からは離れられず、そのまま親指の腹へと、強制的にスライドさせられてしまった。
俺の身体は、親指の腹に磔られたかのようにくっついた格好となる。
(くそっ……! ここはやばい…..今足指が下ろされたら、俺は……)
移動先の場所に戸惑っていると、俺をくっつけた巨大な親指の腹が、容赦のない勢いでスリッパの底へ叩きつけられた。
ズン!!
(………..!!)
ぶちゅっ……
俺は悲鳴をあげる間もなく一瞬で骨が砕け、平たく押し潰される。
間違いなく、声を出して助けを呼ぼうとしたことに対する、無言のお仕置きだった。
だが――死ねない。
綾香は俺を押し潰した感触を堪能するかのように、または反省させるかのように、しばらく足指を動かさなかった。
やがて、ゆっくりと親指だけが持ち上がる。
すると親指の腹にくっついたままペースト状になった肉体がドロドロと蠢き、俺はすぐに元の2センチの姿へと復元された。
「あがっ……! ひ、ひぃ……っ!」
今までとはまた違う、明確な意図を持った足指の動きに、激痛と恐怖が遅れてやってきて、思わず全身がガタガタと震えだす。
(あ、あぁぁ……なんで助けなんか……! ここから離れられない以上、余計にこいつを刺激するだけじゃないか……!!)
俺は愚かな抵抗を辞め、親指の腹にくっついたまま、その巨大なピンク色の肌に両手をついて、頭を擦り付けた。
「す、すみませんでした!綾香様!許してください…….! その、出来心で…….もう出せ、なんて叫びません! お願いです、もう潰さないでください……っ!」
少しでも彼女の機嫌を取ろうと、親指の腹の湿った皮膚を、必死に舌でぺろぺろと舐め回して、許しを乞う。
口内に広がる酸っぱい汗の味も、気持ち悪い垢の味や粘り着く食感も、全身が潰されることに比べれば些細な問題だった。
「あ、そういえば今日の夕食何ー?」
「ふふ、今日は綾香の好きなハンバーグよ。」
「わぁ本当? って、別にそこまで好きじゃないって〜、なんか男子みたいじゃん(笑)」
靴下の中、俺が必死に親指の腹を舐め、潰されないよう命乞いをしているその最中――遥か上空では、楽しげな母娘の会話が続いていた。
ズンッ!!
しかし、その命乞いも虚しく、再び持ち上がっていた綾香の親指が、勢いよく振り下ろされた。
(がはっ……!)
ぐちゅっ…
靴下の中で、俺の身体は再びペシャンコに押し潰される。
グリ……グリ……..
今度はそのまま親指の腹が靴下の底に擦り付けられるように左右へ動き、俺の肉体もすり潰されていく。
(………ぁ…..)
しばらくして、また親指だけがゆっくりと持ち上がった。
復元。
(……はぁ……はぁ……綾香……様……どうか……慈悲を……っ)
ズンッ!!
(あがぁぁぁぁっ……!?)
ぶちゅっ…
親指の腹に押し潰され、激痛に絶叫し、しばらくして持ち上がり、即座に復元され、また勢いよく押し潰される。
この動きが何度も何度も続き、俺は親指の腹から離れられないまま、少女の足指一本に虫ケラのように弄ばれ続け、恐怖と痛みで頭が狂いそうになる。
(あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!あぁぁあぁぁぁぁ!!!!!!)
俺は繰り返される死の痛みからとにかく逃れようと、必死に思考を巡らす。
契約魔法によって彼女の足から物理的に離れることができない以上、再び皮膚を伝って潰されない場所へ逃げ込むしかない。
(に、逃げなきゃ……! また、指の股へ……! !)
ズンッ!!
ぶちゅっ……
何度も何度も押し潰され、復元を繰り返しながら――。
俺は汗でぬめりつく彼女の皮膚の上を、這うようにして少しずつ、身体を滑らせていった。
そして――ついに。
親指の腹の真下という地獄から、親指の側面へ。
――親指と人差し指の股の空間へと、再び命からがら滑り込んだのだった。
「はぁ……はぁ……っ!」
壁のようにそびえ立つ、指の側面。
お仕置きで移動させられる前にいた場所だ。
ここなら、少なくとも真上からの踏み潰しの直撃は避けられる。
(でも、まだ許してくれてなかったら、また親指の腹に移動させられるんだろうな……)
所詮俺の足掻きなんて、綾香の気まぐれ一つでどうとでもなってしまう。
また足指の腹に移動させられないよう、俺は彼女からの慈悲を乞うべく、大人のプライドも恥も捨て、なりふり構わず行動に出た。
親指の側面の内、まだ舐めていなかった箇所、ぬめりつく皮膚へ顔を埋め、そこを反省の意を込めて、たまに痒みで挟み潰されるくらいなんだ、と覚悟して、狂ったように舌で舐め続け始めたのだ。
レロ……ペロペロ….ペロ……ごくッ!
(許してください……! ちゃんと、綺麗にします……!大人しくずっと奉仕しますから……っ! もう、潰さないでください……っ!!つ、潰されなければ、ずっとこうやって、舐めてご奉仕し続けます!!)
チロ……ペロ….ごく…..
臭いや味のキツさか、また別の何かか。
自然と流れ出る涙をそのままに、俺は親指の側面に未だ泥のようにこびりついている垢を、必死に舌で掬い取り、飲み込み続けた。
(………..!おえっ……..)
まるで腐った泥をそのまま口に含んでいるかのような粘りつく食感に、猛烈な吐き気が込み上げてくる。
それでも俺は、彼女に従順な奴隷として認めてもらい、少しでも痛みから免れるために、一心不乱に足指への奉仕を続けるのだった。
「学校の宿題はあるの?」
「うん、これから自分の部屋でやるつもり」
「そう、頑張ってね。夕食ができたら呼ぶわ」
「はーい」
話が終わり、綾香はソファーから立ち上がった。
ズシン……!ズシン……!
靴下とスリッパの暗闇の中で、地鳴りのような振動が俺の身体を再び激しく揺さぶる。
俺は指の腹には滑り落ちまいと、湿った足指の皮膚へと必死に爪を立て、耐え忍ぶ。
(…….俺、これから……どうなるんだ……..)
自分を無能な虫ケラ以下としか思っていないであろう絶対的な巨人に、気分次第で潰される足指の奴隷として、自室へと運ばれていく。
俺は堪らず足指の皮膚に顔を埋め、巨人の慈悲を願い、縋ることしかできなかった。
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カチャ
ドアが閉まり、静寂が訪れる。
綾香はそのまま自室のベッドへと向かうと、ドサリと仰向けに倒れ込んだ。
「ふぅ……あー、今日も疲れた!」
しばらく天井を仰いでいた彼女は、徐々に身を起こすとベッドの端に腰掛けた。
そして、膝をすっと曲げて右足を胸元へ引き寄せると、ソックス越しに自分の右足のつま先を上から覗き込む。
俺は靴下の繊維の隙間から、巨大な美少女が眉を顰め、こちらをじっと見つめているのがわかった。
「…….さっきは余計な真似してくれたなぁ、この無能チビ。私に逆らうって、何様のつもり?……ママに助けを求めれば、逃げられるとでも思っていたの?」
ソックスの布地越しに降ってくる、くぐもった怒りを含んだ言葉に、俺は全身を恐怖で硬直させ、堪らずさらに指の股の奥、付け根の方へと逃げ込んだ。
(ひっ……! ……許して……っ!)
何度も潰し続けた結果、軽く脅しただけで指の股の奥で小さく縮こまってしまった俺を見て、彼女はつまらなそうに鼻を鳴らす。
「ふん。哀れね。まぁいいわ。躾はしたつもりだし。」
少女の許しの言葉が上空からくぐもって聞こえ、俺は命拾いした安堵に深く息を吐き出す。
だがその直後、再び世界に激しい揺れが襲った。
「……..んしょ…..」
するすると靴下が脱がれ、まぶしい室内灯の光が、足指の隙間にいる俺の目にも飛び込んできた。
(う……..眩しい…….それに….新鮮な、空気だ….!!)
靴下の密閉された暗闇から解放され、久々の新鮮な空気を吸いながら、俺は指の股からおそるおそる顔を上げた。
綾香は右足を自分の顔の近くまで引き上げると、一日分の汗、そしてソックスのゴミに塗れて、足指の股で虫ケラのように丸まっている俺と目が合い、思わず吹き出した。
「ぷっ、きったなー! もはやゴミじゃん。あ、今までもゴミか(笑)」
ベッドの上で天を突くような美少女が、足の指先に挟まった小さな自分を見下してニヤニヤとあざ笑っている。
(うぅ………)
今日だけで、よくわかった。
自分には、能力も、容姿も、環境も….. 今や身体の大きさですら何一つ、彼女に勝てるものなどない。
その絶対的な格差に、俺は彼女の目を直視できず、ただただ顔を下げ、縮こまることしかできなかった。
「おい、無能チビ。わかってるよな?これからお前は、ずっとそこで暮らすんだぞ。嬉しいか?」
下校時にも言われたここで暮らす発言に、俺は思わず顔を上げる。
「う…………む、無理です!あの……….お願いします……元の大きさに、戻して頂けませんか……」
綾香は、俺の言葉に呆れたように大きな溜息をつく。
「はぁ〜………まだまだ、躾に時間がかかりそうね……あ、そうか、この命令もしとかないと…….」
綾香は俺を指差し、ニヤッと笑った。
「契約の追加命令。――お前が今から口にできるのは、私の身体から出た老廃物だけ。それがお前の栄養になるの。もし摂取しなかったら、どんどん全身に痛みが走るようになりなさい。」
「な……ッ!?」
命令が言い終わると同時に、俺の身体が淡く光り出した。
契約魔法の命令を、身体が完全に受け入れてしまう。
「な、なんだよそれ……っ! 汚れしか食えないなんて……そんなの……そんなの酷すぎるっ!!」
あまりのひどい命令に、再び悲鳴をあげる。
俺は魔法の力によってあっさりと、人間の頃に食べていた普通の食べ物は二度と口にできず、少女の汗や垢といった老廃物しか口にできない生き物へと作り替えられてしまったのだ。
「ふふっ、そこでの生活に馴染めるように配慮してあげたんだから、寧ろ感謝しなさいよ。」
綾香は可憐な唇を歪めてくすくすと笑うと、俺が挟まっている足指をもぞもぞと動かす。
「ほら、ぼーっとしない!まだ足指ベタベタするんだけど?また潰れたい?」
(うぅ…….ちくしょう……)
少女の部屋の中、俺は己の逃れられない惨めな運命に、ただただ絶望の涙を流し続けるのだった。
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天を覆うほどの巨大な美少女の顔が、遥か上空からゴミを見るような視線で俺を見つめている。
俺はその視線から逃れるように、目の前の巨大な肉の壁――指の股へと、自ら必死に顔を埋める。
レロ……ペロ….ごくっ……ッ!
(うっ……おええぇッ……! 慣れねぇな……ちくしょう……っ!)
相変わらず、舌先に絡みつく猛烈な酸味が、容赦なく口内に広がっていく。
不快感で吐き気がこみ上げて胃液が猛烈に逆流しそうになるが、必死に耐える。
未だ彼女は、上空から俺の動きを観察しているのだ。
ここで少しでも抵抗したりすれば、足指が即座にぎゅっと締まり、呆気なくペースト状に潰されてしまうのは容易に想像できた。
俺は無心で汗と汚れが混ざり合ったねっとりとした泥のような垢を、目を瞑って必死に舐めとり、飲み込み続けた。
すると――次第にムカムカして吐き気を催していたはずの胃が落ち着いていき、あろうことか自らそれを求めるように、無意識に嚥下を繰り返すようになった。
(……?なんか、身体が……)
あの契約魔法のせいだろうか。
今まで吐き戻してしまうほどに辛かった悍ましい足汗や垢が、まるで砂漠に湧いた水のように全身に気持ちよく染み渡り、妙に身体に馴染んでいく感覚を覚えたのだ。
それにいつのまにか、空腹も収まっている。
(……これは….このガキの足の汚れを食って、身体が満足してるとでもいうのか………)
明らかに、自分が普通の人間とは離れた存在に変わっていってしまっていることを自覚し、俺は絶望で顔を歪ませる。
「ふふ、食べてる食べてる。他の指もしっかりね♪」
綾香はそんな俺の変化を知ってか知らずか、満足したように小さく笑うと、床に放っていた黒のハイソックスを再び手に取った。
するする……
さっきまで履いていた、一日分の汗が染み込んだ真っ黒な布地が、すぐに視界を覆っていき、俺は足指の隙間に挟まれたまま、なす術なく再び靴下の中へと閉じ込められた。
しかし俺は、その状況よりも目の前の足垢が何故か気になり、嫌悪感とは裏腹に、吸い寄せられるように再び貪りついてしまっていた。
続いて、スリッパへと足が滑り込む。
ズズズ…….
(うっ……また臭いが……っ!!あれ?でも、そこまで……か?)
新鮮な空気を吸ってしまったからこそ、靴下の中や普段履きのスリッパに再び閉じ込められた際の、濃厚な酸っぱい足臭に咽せると思っていたのに、不思議とむせ返ることはなかった。
ズシン……! ズシン……!
綾香がスリッパを鳴らし、部屋の学習机へと歩いていく。
ドサっと椅子に腰掛けると、教科書やノートを開き、手際よくペンを走らせ始めたようだった。
ぺろ…..ぴちゃ…..ぴちゃ……ごく……..
俺はスリッパと靴下の暗闇の中で、人差し指と中指の間に移動して、舐め奉仕を続ける。
魔法の才能に恵まれ、絵に描いたような美貌を持ち、その上でしっかりと努力をして、将来のために勉強している美少女。
一方で、その少女の右足の指の隙間で、汗と垢を舐め、奉仕させられている無能な男。
(……俺は……)
大人になり、社会で無能力者ながらも懸命に働き、精一杯生きようとしていたはずの自分が、今や十代の才溢れる少女の足奴隷として扱われている。
しかもその扱いに、身体も徐々に馴染んでいってしまっているようだった。
そのどうしようもないほどの格差と絶望的な惨めさに、俺の心は暗く沈み込んでいくのだった。