救聖天使ブライトハート17話『手がかりを追って…悪魔の棲む森へ②』 (Pixiv Fanbox)
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挿絵 秋梨こよみ様
※今回の『手がかりを追って…②』は選択肢無しのメインルートのみとなります。
「はぁ…はぁ…」
エンヴィの機転によって邪悪の大樹から逃げることに成功した救聖天使たち…
しかしその混乱の中で、ハートはシャイン・エンヴィと離れ離れになってしまっていた。
木々のなかを追いかけてくる触手のような枝葉をよけながら飛ぶハート。
「なにか…この先から力を感じる…この感覚は一体…」
どこを目指せばいいかもわからない状態のハートであったが、胸のコアジュエルが何かに引かれるようにうっすらと熱を帯びているのを感じていた。
その導きに従って進むハート…
果たして彼女を待つものとは何なのであろうか…
キィン…キィン…
胸のコアジュエルが点滅し、救聖天使のタイムリミットを報せる中、ハートは飛んでいく。
プラウスの消耗を考えれば、撤退も視野に入れなければならない状況であったが、逸る気持ちが彼女を森の奥へと誘っていた。
すると、木々の間から開けた場所があるのがハートの目に留まる。
「あれ…あそこだけ木が少ない…」
あそこなら一時的に襲い来る枝葉の触手から逃れられるかもしれない…
そう考えたハートは進路を切り替えて森を抜けていった。
「さっきから感じている力はあそこからきているの?…コアジュエルが熱い…」
胸のコアジュエルの熱と何かを感じている自らの心の高まりがリンクしているように感じ、ハートは窮地の中で高揚していることに困惑する。
「森を…抜ける!」
木々の間を抜けて開けた場所へ飛び込むハート。
周りは綺麗な円状に開けており、そこから先には触手たちも踏み込めない様子であった。
「はぁ…はぁ…シャインやエンヴィもここに気付いてくれるといいんだけど…」
悪魔に侵食された木々に毒された森の中で、この空間だけはオアシスのような安心感をハートに感じさせる。
そしてその空間の中心…そこには岩が一つ鎮座していた。
その岩が木々を寄せ付けない原因何だろうか…そう感じながら近づいていくハート。
「これに何か秘密が…きゃあっ!」
この場所の秘密が何か隠されているのではないか…
触手が殺到して固まったような形の岩を回り込んだハートは、飛び込んできた光景に戦慄して後ずさる。
そこには裸の女性…それが鉱物と同化したような状態で固定されていた。
「いったいなにが…それにこの人…どこかで…」
年のころは今の自分と大差ないだろうか…
しかし彼女を前にしたハートの口をついたのは、自分でも予想してなかった言葉であった。
「…お母さん?」
その問いに答えるかのように、ハートの胸に輝くコアジュエルが淡く光を増していた。
コアジュエルの発するプラウスの輝きに当てられたのか、石化した部分が少しずつ人の肌に戻っていく。
「お願い…戻って…もしお母さんなら、なんでこんなところに…」
ハート…灯の母・あゆむが失踪した年齢から逆算しても石化した女性は若すぎる気はしたが、今のハートは目の前の女性を救うことで頭がいっぱいになってしまう。
しかし、そのことに気を取られすぎたハートは背後から近づく触手の存在に気付いていなかった。
シュルシュル…ガシィッ!
「きゃあああっ!やめてっ!放して…あそこにお母さんがっ!」
ハートの懇願もむなしく、触手は一気に森の中へと獲物を引きずり込んでいく…
伸ばした手が届くことはなく、ハートの気持ちとは裏腹に少女の捕らわれた岩は遠のいていくのだった…
「くっ…そこっ…やめてぇ…」
どこかの樹の幹…その中に捕らわれたハートには、触手たちの手荒いもてなしが襲い掛かっていた。
何とか隙を見て逃げ出し、もう一度あの場所へ…
「あんっ…そんなとこ…こすらないでぇ…」
焦る気持ちを抑えながら快感に耐えるハートであったが、反応のいい場所を探られてしまうと甘い声が漏れてしまう。
キィンキィンキィン…
コアジュエルも明滅を早め、ハートについに限界が訪れる。
シュウウウ…
コアジュエルが黒く変色し、ハートの瞳からも光が消えていく。
「うう…おか…あ…さん…」
薄れ行く意識の中で、まだあったこともない母を想うハート。
「…ここデビ!…シャイン、ハートを助けてデビ~!」
幹の外から聞き覚えのある声が響いてきたが、それと同時にハートの意識は闇に閉ざされていくのであった。
続く…
次回予告
悪魔の大樹が蔓延る森で、私が発見したのは果たしてお母さんだったのか…
意識を失った私はシャインたちに救われ、寮の部屋へと帰ってきました。
すぐにでももう一度、森へ行きたい気持ちを抑えられない私…その焦る心を新たなオウマが襲います!
次回!救聖天使ブライトハート18話『失意の灯…暗い夜道にご用心!』に光臨です!