Home Creators Posts Import Register Favorites Logout

Content

私の巨大娘小説である、【異世界に飛ばされた8人の男子生徒達が、自分たちより遥かに身体の大きいスライム娘に捕食・吸収されたり、ギャルJKフットサキュバスの足ペットにさせられたりしちゃう話。】(URL:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19404427)から、自らのくっさい足の臭いとそのくっさい足の臭いで小人を躾けることが大好きな変態フットサキュバス・ヒナを掘り下げた作品のリクエストを執筆させていただきました!!


※※挿絵については削除対策として、一部pixivのリンクを貼り付けております。

ご不便おかけしますが、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

プレイ概要 ※ネタバレ注意


プレイの種類:フードクラッシュ(口内で咀嚼したものを餌として与える)、巨大な指先愛撫(to女)、自滅オナニー、巨大な指先愛撫(to男)、足臭責め、足裏サンドイッチ、パンストの中に小人を入れて履く、蒸れ足責め、圧迫踏みつけ


ジャンルの種類:巨大娘、シュリンカー、魔物娘(サキュバス)、連続射精、足崇拝


##P1 フットサキュバス・ヒナの保護@導入、転送されたニンゲン達


##P2 小人から見ると……?@手を差し伸べるヒナ


##P3 ニンゲンを運ぶヒナ


##P4 飼育@プラスチックの箱に入れられる


##P5 餌やり@咀嚼したペースト状の食物を与える、直接舌で給餌する、臭い餌を無理やり食わされる


##P6 風呂@羞恥プレイ、洗濯と称して服を取り上げられる、防寒対策のパンスト布団(脱ぎたて)


##P7 二日目@女の子へのヒナの巨大な指先愛撫、淫紋


##P8 二日目(男視点)@口封じの魔法、パンストの爪先部分で二度寝した男の末路、オナニー、自滅


##P9 二人目の異常者@幕間


##P10 異常者へのご褒美@オナニーした男を指で愛撫する


##P11 お話という名の調教@事実を知った男、クサ足でのプレッシャー、足臭責め、足でサンドイッチ、連続射精


##P12 二日目の夜@ペースト状の給餌、連履きパンストの布団


##P13 真夜中の決意@幕間


##P14 ニンゲンの策略@パンストごと小人を履く


##P15 人間の策略@看過された作戦、パンストと生足に包まれる


##P16 学校@午前の授業


##P17 学校@午後の授業、足慰み


##P18 学校@放課後、衆人環視の中パンストの中で見世物になる、崇拝


##P19 帰宅@幕間


##P20 最後の一人@全てを奪った巨人の無言の調教、足崇拝


##P21 堕ちた餌@巨人の放尿、エンディング


【ボリューム】

・文字数:約7.5万文字

・AI生成挿絵:表紙+差分含め20枚

・AI生成動画:なし

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


表紙

※pixivの無料サンプルの表紙ご確認ください。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



##P1 フットサキュバス・ヒナの保護@導入、転送されたニンゲン達


日が傾きかけた午後のひととき。

学院中庭で放課後のティータイムを過ごすフットサキュバスたちの中でもひときわ目を惹く少女がいた。


黒曜石のように艶めくポニーテールが風に揺れ、優雅な旋律を紡ぐように肩で踊る。

糸目がちな瞳は柔和な弧を描き、口元に浮かぶ微笑みは慈愛に満ちていた。


それゆえに。


彼女の放つ異彩に気付ける者は少ない。


その名をヒナ。


赤いリボンタイが眩しい制服姿ながら、黒パンストに包まれた脚線は艶めかしく伸びやか。


そんな彼女が、リラックスタイムを終え、寮へと続く小道を歩いていたその時。


──カサッ。


乾いた枯葉を踏むような微かな音。


普段なら聞き逃す程度の音色も、ヒナには澄んだ銀鈴のごとく鮮やかに響いた。


──来た。


彼女は微笑む。

まるで運命の扉が軋みを立てて開く音を聞いたかのように。


「……こんにちは♡」


その場で両膝を抱え、腰を落とす。

常識外れの低姿勢。

地を這う蟻や芋虫でも観察しているのか。


否。


足元……そこに確かに居る。


指先にも満たない小さな影が五つ。

怯え、竦み上がる小さな命。

理不尽な現実を飲み込もうとしている哀れな子羊たちはヒナを見上げ、一抹の可能性に縋りつこうとしていた。


「お助け下さい! 俺たち……気がついたら急にこんな所に飛ばされて……帰り道が分かりません!」


震える声で訴えるニンゲン達。


──嗚呼、なんと憐れで可愛らしいのでしょう。


ヒナは心底同情した。  

しかし同時に……喉が鳴る。

まるで舌舐めずりの代償行為かのように。


ヒナの口元がさらに緩む。

蜜を塗られた桜貝のような唇が動く。


「どうして貴方たちはこの世界に?」


問いながらも答えはわかりきっていた。

"転移事故"──稀に起きる次元の裂け目。

人間界とこちらの世界の狭間が歪み、命あるものを喰らい込む怪異。


だからこそヒナは内心で喝采を挙げる。


───今日はなんてついているのかしら。


彼女が纏う黒パンストの中から滲み出る香りが、ニンゲン達の鼻腔を刺し始める。


汗と埃が混ざった湿度を持った蒸気。

甘くもあり苦くもある蠱惑の香り。

むせ返るほどの濃密なフェロモンが煙のごとく立ち昇り、脆弱な肺を苛んでゆく。


しかしヒナは知らぬ存ぜぬ顔でニンゲン達に語り掛ける。


「可哀想に……私が保護して差し上げましょうか?」


救いの光。

希望の兆し。

闇の中で燦然と輝く蜘蛛の糸。


その実は奈落への招待状──。


………

##P2 小人から見ると……?@手を差し伸べるヒナ


「……っ! あ、ありがとうございます! 助かります!」


俺たちは藁にもすがる思いでヒナと名乗る少女の足元へ駆け寄った。

この世界に迷い込んでから半日以上。

飢えと寒さで体力は既に限界。

しかしこの世界の住人は誰一人としてこちらに気づいてくれず。

孤独と絶望が容赦なく心を蝕んでいった矢先の出会いだった。


しかし。


近づけば近づくほどに明らかになる。

信じがたい現実──彼女の"大きさ"。


10倍?

いや20倍はくだらない。


足元の靴が丸ごと俺たちの寝床になりそうな巨大さ。

その靴下──パンストに至っては肌ではなく『壁』に見えた。


そして。

そして何より──。


──むわっ……♡


鼻腔を打ち据える強烈な刺激臭。


すえた湿気と汗が混じり合い、泥のように堆積した"足臭"。


「うっ……!」


胃液が逆流しそうになる。

息が詰まる。


「さあ、どうぞ♡」


──ずずず……。


だが彼女はこちらの狼狽など意に介さず。

微笑みながら片足を少しだけ持ち上げた。


むちむちとしたパンスト越しの肉塊が轟き、陽光を受けて妖しく煌めく。


──ずざざざざざ……!!


鳴り響く轟音。

ヒナと名乗った少女のローファーが、俺たちのすぐ傍に鎮座する。


質量そのものが空間を切り取り、巨大な山脈が突如出現したかのよう


圧倒的な威圧感。

無機質な黒色の革の筐体は冷たく堅牢で。

その隙間から零れ落ちる温もりこそが余計に恐ろしかった。


──カタリ。


靴と路面の接地面から漂う蒸気。

その湿気が空中を這い、俺たちの喉を焼き焦がす。


「ここから安全な場所まで連れて行ってあげますからね♡」


挿絵 01_手を差し伸べるヒナ


優しい声音で告げる少女が、そっと地面に手を伸ばす。

指の影が俺たちを覆い隠し、巨大な岩盤のような掌が迫る。


──ガサッッ!!!


視界を埋め尽くす大きな影。

逃げ場はない。

逃げるつもりも最早湧かない。


俺たちは震える声で感謝を伝え、やがて指先の暖かさに身を任せる以外に選択肢は残されていなかった──。


……

##P3 ニンゲンを運ぶヒナ


掌の中に震える"点"を載せたヒナは、悠然と歩みを進める。

廊下の窓から差し込む西日に彼女の影が伸び、小さな影たちを引き摺るように連れて行く。


その足取りは軽やかだがその分、足裏から解き放たれる熱気と臭気は濃密。

廊下の空気を淫靡に淀ませ、小さな犠牲者たちに苦悶を強要する。


───どくん……どくん……。


掌に伝わる細かな鼓動。

恐怖。

絶望。

哀れみ。

それとも希望か。


それらすべてを感受しながら、ヒナは恍惚の表情を浮かべる。


「大丈夫ですか〜? 少し揺れますけれど、しばらくで安全な場所につくので、もう少し頑張ってくださいね〜♡」


嘘ではない。

ヒナにとっては軽い振動でしかないが、掌に乗る彼らからすれば天地を揺るがす地鳴り。

しかも加えて手の表面からの発汗による籠もった湿気。

新鮮な空気も入ってこないが故に、酸素不足で頭は朦朧。

意識を保つだけでも難しい状況だ。


それでも必死に耐え忍ぶ姿を肌に感じ、ヒナは愉悦に浸る。

もっと苦しめてみたい──。

そんな衝動を抑え込むように掌を握りしめた。

そっと。

優しく。


──ぎゅうっ。


挿絵 02_ぎゅっ♡


狭まる空間。

皮膚と筋肉で形成された檻。

柔らかいが故に逃れられない牢獄。


「落としちゃわないように〜、しっかり掴んでてあげますからね〜♡」


掌の中で小人がもがく振動がヒナの指に伝わる。

体温が上昇し、掌底から滲み出る汗が小人の世界を侵食する。


──ジュウッ……♡ ぬりゅ……♡


ねばつく音。

湿り気を帯びた悲鳴が上がる。

しかしそれすらも彼女にとっては極上の調べ。


ついに目的地の扉が目の前に迫る。

ヒナは扉を開け放ち、掌の中のニンゲンを一瞥する。


──まだ生きている。


安堵と期待が入り混じった感嘆を胸に秘めながら、少女は己の領域へと踏み入った───。


………

##P4 飼育@プラスチックの箱に入れられる


「はい、到着ですよ♡」


ヒナの声とともに掌が開かれる。


そこは彼女の個室。

カーテン越しに夕焼けが差し込み、淡い茜色に照らされた室内は華やかに飾られている。


机の上にはノートとペンが散らばり、棚には古びた本が並び立つ。

机の隅っこには動物や星をモチーフにしたミニチュアが群れをなし、年頃の彼女らしく可愛らしさと幻想性を兼ね備えた空間であった。


しかしその中心にある異質な物体。


勉強机の上に置かれたプラスチックケース。


本来の用途は昆虫採取用であろうか?

表面は磨き上げられたクリア仕様。

縦横数十センチにも及ばぬ小規模な箱だが……いまや小人達にとっては天空の城。

透明なプラスチックの壁一枚隔てただけで外界とは全く異なる法則が敷かれた独立国。


そこがニンゲン達の"居住区"と決められた瞬間だった。


「ここなら外敵もいませんし、安心ですよ〜♡」


掌から箱の中に降ろされる。

落下時の衝撃は少なくとも、疲弊した精神と肉体には過酷な試練。

ゼリーに包まれたような柔らかい肉の感触を失った今、小人達はようやく粗末なフローリングに辿り着いた事を実感し安堵──する筈だった。


──ぱたり。


扉が閉じられる。


プラスチック製のフレームとカバーが密着し、外界から遮断。

その瞬間、ニンゲン達の間にほのかな不安が立ちこめる。

捕まった……?


閉じ込められた事実が示す絶望。

その虚無感は一瞬にして沸騰した疑念を呼び起こす。


なぜ助けてくれたのか。

善意なのか。

罠なのか。

そもそもここはどこなのか?

ヒナ含め辺りを跋扈する巨人共はなんなのか。


ぐるぐる廻る思考の輪。

出口の無い迷宮に囚われた意識。

 

「あら? もしかして皆さん緊張しているんですか〜?」


箱の外から届く囁き声。

それは天上から降り注ぐ天啓のように清廉で、不自然な程に優しく。

しかし彼らにとっては轟音そのもの。

さらに。


──どすぅぅぅぅんッッッ!!!♡


椅子に腰を落ち着かせたヒナの巨大な胸部が、プラスチックの虫カゴのすぐそばで大きくたわむ。

衣擦れの音。

彼女の身体が発する芳香が箱内に染み入り、恐怖と興奮が同居した奇っ怪な空気が充満し始める。


「怖がらなくても平気ですよ♡ 私の名前はヒナ♡ フットサキュバスという種族の見習いなんです〜♡ こう見えてもとってもお淑やかな女の子ですから♪」


──嘘だ。


その第一印象は皆同じだった。

嘘偽りなく善人であってくれと祈る一方で、これほどまでに巨躯且つ謎多き存在が真っ当な人間である筈がない。

何より。


──むわぁぁぁぁっ……♡


衣服の擦れと共に放たれる香り。

甘くむせ返る芳香の中に潜む体臭。

そして何より性に対する圧倒的な暴力性を秘めた彼女の肢体。

冷静に分析するなら既に勝利の女神は天秤を彼女に傾けている。


「皆さんはお友達ですか〜?」


純粋無垢な問いかけ。

だがその言葉がさらに緊張を高める。


「そんな……! 俺たちは別に仲良しグループってわけじゃ……」


とある男子生徒が弁明しようと口を開くも、それ以上の言葉は出なかった。

実際には単なる偶然の産物。

無関係の集団。

しかし異世界に飛ばされた今となっては、互いの存在が唯一の生命線。


──くす……。


箱の外から吐息混じりの微かな笑い声。

まるで全てを見透かされているようで居心地が悪い。


「そうですか〜。まあいいでしょう♡」


次の刹那。

プラスチックの箱に指がかかる。


──ガチャ。


引っ掛かりが外れる音と共に箱の蓋が持ち上がる。

夕暮れの茜色を遮るように浮かび上がる黒い影。

黒い巨大な双丘。

糸目がちな優しげな瞳。

薄桃色の唇。

どれを取っても美しい少女のパーツが歪に拡大され眼前に迫る。


ヒナ。


彼女がそこに居る。

神話の化身にも等しい巨体で小人を見下ろし、静かに微笑む。

その様はまさに神々しく荘厳。


「困った時はお互い様ですよ〜♡ きっとお友達になれますから〜♡」


純粋に励ましているのか。

それとも洗脳しているのか。

もはや判断のしようが無い。

ただ分かることは一つ。


──逃げられない。


その絶望感が小人たちの心をゆっくりと飲み込んでいく。



………

##P5 餌やり@咀嚼したペースト状の食物を与える、直接舌で給餌する、臭い餌を無理やり食わされる


「──ご飯を取ってくるので少しここで待ってて下さいね〜」


無邪気に微笑むヒナがそう言い残して立ち上がる。


──ずぅぅん……!


重々しい足取り。

ローファーが床を叩く度に響く重低音が箱内に木霊し、小人達の心臓を恐怖で鷲掴みにする。


──バチッッ!!


プラスチックの蓋が被せられ閉まる音。

続いて遠ざかる足音。

徐々に減衰していき、あたりは静寂を取り戻す。


残されたのは透明なケースの中の哀れな小人5匹。

四方八方を透明なプラスチック板で封鎖され外界と隔絶された空間。

女の子らしい柔らかな色の家具類が背景に控えるばかりで景色は一変せず。

不安感だけが募る。


「……なぁ、これは一体どういう事なんだよ……?」


最初に口火を切ったのは誰だったか。

いずれにせよ沈黙は保てなかった。


「分からない……けどあの女……ヒナとかいうやつの目的が何かは分からない」


「だが言葉を交わせる。それに危害を加えてくる気配はない。今の所は」


「だからと言って安心できる要素なんてあるかよ……」


小人たちは口々に議論を始める。

生き延びるために今ここで結束しなければならない。

その一心で各々意見を投げ合う。

しかしどれも曖昧で具体策には繋がらない。


「とにかく情報が必要だ。彼女の言葉や行動を注意深く観察するべきだ」


と提案する者。


「今は腹を空かしてる場合じゃないぞ。ヒナとかいう巨人のご飯とやらがどんな得体のものかもしれん」


と苦笑いで否定する者。


「この異世界で生活基盤を作る必要があるんじゃないのか」


と大胆な案を出す者。


「下手に動いて余計なトラブルを招くのは御免だ。とりあえず休息をとって体力を回復すべき」


と慎重派も現れ、議論は平行線を辿るのみ。

当然だ。

情報を欠く討論など不毛な問答に過ぎない。


そして。


「ねぇ……」


唐突に割って入った声色。

一同の視線が一点に集中する。


そこに居るのは栗色の髪をポニーテールに束ねた少女。

彼女の眼差しには陰鬱な翳りが宿っていた。


「私……さっきから思ってるんだけど」


と前置きを置いた上で続ける。


「あの子……ヒナっていう娘。私達を食べるつもりなんじゃない……?」


瞬間。

冷気にも似た緊張感が箱内を支配した。


「何言ってるんだ! よしてくれよそういう話は……」


慌てて否定に入る男たちに対し、彼女は首を振り。


「違う。そういう意味じゃなくて……私達を食材として扱うんじゃないかなってこと」


「はぁ?」


一同の疑問符。

彼女は更に続けた。


「だって考えてみてよ。あれだけ大きい身体で私たちみたいな小さい生き物が周りを徘徊してるのを見て、わざわざ捕まえる……? 虫のような私達を……。それに食事を持ってくるとか言ってたけど……まさか……私たちが食材になるなんてこと……」


言葉尻が窄まり不安げな様子を見せ、一同が沈黙する

その最中も箱の外では、依然としてヒナの気配が感じられる。

ドスドスと歩き回る音。

時折発する鼻歌。

生活感溢れる日常音が緊張感を緩和させることなどあり得ず、むしろかえってそれが異質な非日常の現実を突き付けるばかりだった。


「冗談だろう……。俺たちは……食用として見られてるって?」


「わからない。ただ何となくそう思ったのよ」


「馬鹿馬鹿しい……! ちょっと落ち着けよ!」


誰かが制止するが、もう遅い。

ほんの少しの疑惑は不安の波となって一同を伝播する。

ヒナという少女は確かに柔和な雰囲気ではあったが、それを前提として成立しているのは互いが"同じ大きさ"の場合に限られる。

彼女の目線から見れば自分たちは"虫"でしかない。

人権も尊厳も認められない存在。

ならば生存競争という名の食物連鎖の頂点に立つ彼女にとって自分たちのような矮小な生物など──。


──ずぅぅぅぅん……ずぅぅぅぅん……ずぅぅぅぅん……!


議論の真っ只中。

不意に響く重々しい振動音。


箱が震える。

微かに共振する振動が小人の心臓を激しく脈打たせた。


──ずぅぅん……ずぅぅん……!!


加速する振動。

地震にも似た振幅が箱の枠組みを揺るがし始める。

小人たちは咄嗟に身構え机上の隙間に身を寄せ合う。


──何が始まる!?


その問いの答えは明白だった。

箱の外ではヒナが歩いているのだ。

その体重に比例する振動。

あまりに大きい振幅と威力に小人たちは為す術もない。


そして。


──どぉぉぉぉん……!!


床を蹴る音。

大気を震わす振動。

そしてそれは訪れた。


──ミシィッ……!!


軋み。


プラスチックケースの枠組みに負荷がかかり、歪む音が響く。


──バチンッッ!!!


「お待たせしました〜♡」


箱の蓋が取り除かれ、再び現れるヒナの顔。

だが今度は角度が違う。

さっきは正面から見下ろしてきたが今回は斜め上から覗き込む格好。

小人たちとの距離は至近。

そして手には白い皿と箸があった。


「ご飯持ってきました〜♡」


朗らかな笑顔をたたえつつ、ヒナの机の上に並べられる食器。

白米に肉野菜炒め。

味噌汁。サラダ。

一般的な家庭料理と何ら変わらない品々だった。

ただし。


──デカい。


比較対象が小人であるせいか。

あるいは彼女が大きすぎるために。

全ての食料のサイズが規格外。


「なるべく小さめに作ってきたつもりなんですけど~♡」


と言い訳をするヒナだったがその食器は小人達には巨大なクレーターのように映った。

山盛りのご飯は小山どころか富嶽にも匹敵。

肉と野菜は岩石の如く聳え立ち。

味噌汁に至っては底の見えない湖沼。

サラダは枝葉が茂り過ぎたジャングル。

およそ常識から逸脱した食材群。


「ほら♡ 早く食べて体力つけてくださいね♡ さ、まずは前菜から~……♡」


──ずしゃっ!


豪快な箸捌きでキャベツの一切れを摘まみ上げる。

するとどうだろう。

たった1枚の葉っぱがプラスチックケース内に放り込まれただけで、小人達の視界を遮り雲のような厚みを持って彼らを圧迫する。


「召し上がれ♡」


ヒナは笑顔で促す。

しかし誰一人として動けない。

さっきの会話の影響もあり食欲旺盛な獣と同じ空間に居るという認識が先行し警戒心を払拭出来ずにいる。


「……どうしました〜?」


不安げに尋ねるヒナに気付き全員がハッと我に返る。


「あ……いや……あのですね。僕たち人間……あの……ニンゲンはその……ええと……」


一人の男子生徒が代表して言葉を発しようとするがしどろもどろ。


「はい?」


「……ご飯はあの……小さくしないと……食べにくいというか……なんというか……」


勇気を振り絞ったその発言に対しヒナの反応は。


──あぁ〜なるほど……!


と手を打ったと思ったら次の瞬間。


「わかりましたぁ〜♡ もっと細かくしてきますね~♡」


朗らかな笑顔で箸を再度取りキャベツの葉を切断し始める。


──バキィッ……パキパキッ……ブチッ……!!


小気味良い断裂音と共に大ぶりの葉は粉々に砕かれ細切れとなる。


「これで如何でしょうか〜?」


笑顔で問うヒナ。

その表情は何処までも無邪気。

害意など微塵も感じさせない。

だが。


「いえ……その……まだ……大きいかも……です」


震え声で申し出る小人に。


「そうですか〜? 仕方ありませんねぇ……♡」


と微笑んだヒナは、今度はキャベツを自らの口に含んでしまった。 


──モグモグモグ……。


──ぐちゃっ……ずぢゅっ……バリィッ……。


本来、神経質な人間でなければ特に気にならないはずの咀嚼音。

しかしその音がここまで"不穏"を纏うとは。

食事中の人物が大巨人であるというだけでここまで恐ろしく感じるのか。

自分が食われる立場に陥った“食材”であるという立場を、否が応でも想起させるかのような破滅的な音色だった。


──ぺっ……♡


生々しい水音。

ヒナがキャベツの噛み千切った部分を唇から零す。

唾液に濡れた翡翠色の葉はねちょりと粘液質に垂れ落ち、箱内の床面へと付着。


──ぺちゃっ……♡ ボトボトッ……♡


「はいどうぞ~♡」


キャベツを口内で咀嚼し柔らかく加工した上で排出することで超小型サイズまで切り分けた……つもりだろうか。

それとも狙って行ったことか。

真相は不明だがその光景は小人達の脳裏に焼きつきトラウマとなる。


「この位なら食べやすいでしょう? ね?」


笑顔で尋ねてくるヒナ。

もはや誰も反論する気力を持たない。


「あ……ありがとう……ございます……」


引き攣った笑顔で感謝する小人に満足したのかヒナは。


──ぐっちょ♡ むじゅ♡ じゅぶ♡ ぶっちゃぁっ♡


わざと音を立てて口内で咀嚼を再開する。

そして。


──ごっくん……♡


「んはぁ……♡ おいし……♡」


艶めかしい吐息を漏らし、咀嚼し嚥下した証明とばかりに艶やかな唇から透明な糸が伸びる。

その滴は僅かながら箱内へと滴り落ち、床を濡らした。


──ずぢゅぢゅぢゅぢゅっっ♡♡


「うふふ……♡」


肉を咀嚼し骨まで砕いてしまうような音を立てるヒナの下で小人たちは震え上がった。

到底勝ち目のない超大型捕食者と相対する被捕食者の心境。

否応なしに植えつけられる上下関係。


「ん? 食べないんですか~? お腹ペコペコのはずですよね?」


──ずるずるずる……♡ ゴクン……♡


空腹の理屈を持ち出しつつ。

催促の台詞と咀嚼音による圧力を重ね掛けしてくる。

小人達に拒否権など存在しない。


「い……いただきます……」


弱々しく礼を述べた上で床に散乱したキャベツに手を伸ばす。

それはヒナの口から排出された唾液の成分によって濡れ光り、嫌悪感を伴った触感。

しかし腹を空かせた状態では拒否することなどできない。 


「んむ……ぐむぅ……」


歯を立て噛み砕く。

咀嚼する度に口腔内に広がる粘度の高い液体の味。

それは本来のキャベツ本来の風味を殺し、ヒナの唾液が持つ独特の甘みと生物の臭みとが混淆した異質な風味となり口内を蹂躙する。


「どうですか~? おいしいですか~?」


無邪気に問うヒナに答える術もなく。

小人たちは黙々と齧り付くしかなかった。

自分たちを囲む"化物"が美味そうに食事を続ける中で。


「な、なぁ……」


隣でキャベツだったものを口に入れるもう一人に向かって一人がコソコソ話し始める。


「ほ、他の食べ物も全部……こういう風にするのか……?」


「さあね……だけどもし……あれがミス……じゃないとしたら……」


「──おいっっ!! しっ……静かにっ! 聞こえちゃう……!」


その忠告の矢先。

二人の傍に影がかかる。


──すっ……。


背後から音もなく伸びてきた腕。

そして掌があっという間にプラスチックケース内に侵入。

小人たちが慌てふためく間もなく、二本の指が一人の襟首を摘まみ上げ宙吊りにしてしまう。


挿絵 03_つまみ上げる



「あっ……! ちょっ……!」


抵抗する暇もなく。

摘まみ上げられた小人はヒナの顔の前に運ばれていく。


「……ん〜? 今何か言いました〜?」



挿絵 04_アップ



──ズイッ……♡


真上から降り注ぐ優しく囁く声音。

眼前に広がるのはヒナの微笑む表情。

柔和な笑顔に見えるがどこか凄味を感じさせた。


「いっ……いやその……ちょっと話してただけで……!」

「もしかして、ご用意した食事がお気に召さなかったのでしょうか〜?」


「あっ……あはは……そんなことないです! とても美味しいですよ!」


笑顔を崩さぬまま、徐々に接近していくヒナの唇。

その奥から唾液で潤った真っ赤な口腔内部が覗き見え、呼吸する度に熱気と湿気を帯びた吐息が噴き出し、さらに顔を近づけられて、硫黄にも似た香りが漂ってくる。


「そうですよね〜♡ だったら問題ありませんよね〜?」


──ニッコリ。


糸目の奥に彩られた瞳は見えない。

だが確かに分かる。

そこにたたえられている狂気の光を。


「はい! 問題ありません! ご馳走様でした!」


──ジュルッ……♡ ゴクリ……♡


ヒナが舌なめずりする音。

そして唾を飲み込む音。


「せっかくですから~、こちらのお肉料理もいかがですか~♡」


──がぱぁ……♡ べっちょぉ……♡


巨大な絨毯のような舌の上に乗せられていたのは、ヒナの口内で噛み砕かれた肉。

血の臭いと脂の香りを撒き散らし、唾液と共に泡立つように蠢く物体。


「えっ……そ……それは……」


小人の一人が慄くが、


「こちらも小さくしてあげましたから♡ さぁ召し上がってくださいな♡」


──ぐいっ……♡ むちゅぅぅっ♡♡♡

──むぎゅぎゅぅぅっっ♡♡♡

──ずりっ♡ ぬりゅっ♡ ぐちゅぅぅぅっっ♡♡♡


容赦なく押し付けられる舌の圧力。

小人の体は一瞬で唾液漬けとなり肉の破片が押しつぶされる。

そしてその体表面を滑るようになだれ込む粘着質の液体。


──じゅぷっ♡ ぬちゃぁぁぁっ……♡♡

──どろどろぉぉぉっっ♡♡


「あ"がぁぁっ!!」


絶叫を上げる小人に対し、ヒナは変わらぬ笑顔。


──ねちゃねちゃねちゃ……♡♡

──ぐちゅぐちゅ……♡♡


小人の体表を丹念に揉みほぐすように舌が蠢き回る。

食道に送られるべき肉片が小人の体にこびり付き、舌の表面に溢れる唾液と一緒に練りこまれていった。


「ほらぁ……♡ 優しくして差し上げているのですから暴れないで下さい~♡」


──むぐむぐむぐぅぅっっ♡♡

──むぎゅぅっっ♡♡ ぐちゅちゅっっ♡♡

──ずるるるるっっ♡♡


ヒナの舌は柔らかく生温かく。

また強い。

押し返そうと抵抗したところで、唾液にまみれた筋肉の塊はぬるりと滑り、小人の口内へ向けて給餌を続ける。


「ぐふっ……! あ"……がっ……!」


──ごぷぅっ……ごぽぉっ……。


口腔内の余剰な粘液が溢れだし、口角からこぼれ落ちる。

窒息寸前の瀕死状態にも関わらずヒナはまるで介護を施す看護師のように優しく穏やかに振る舞っていた。


「大丈夫です~♡ ゆっくりで良いんですよ〜♡」


──ずるずるずるぅぅ……♡ ちゅぽんっ♡

──ぶちゅぅ……♡ ぬぢゅぅぅっ♡

──ぢゅるぢゅるぢゅるぅぅっっ♡


そして最後には、最後の一滴まで搾り取るように吸引されてから離される舌。

その跡には、ヒナの涎とペースト状の肉片でべとべとになった小人の出来上がりである。


「ふふ♡ よくできましたね〜♡」


満足げに笑うヒナの指から解放されて、息も絶え絶えで倒れ伏す小人が一人。

他の四人も凄惨な光景を見せつけられて、すでに放心状態であった。


「まだまだありますからねぇ〜♡」


──にちゃぁぁっ……♡♡♡

──ねちゃっ♡ ねとぉぉ……♡


「ほらほらもっと食べないと〜♡」


──べとっ……♡ ぼとっ……♡ ぐっちゃぁ……♡


ヒナは次々と自分の食事を口に含み咀嚼し捏ね回す。

そして唾液に溶けてペースト状になった口内のそれを吐き出し、小人達に与える。

その行程の繰り返し。

拷問。

あるいは強制飲食。

人間としての尊厳を根こそぎ剥奪するような所業。


「お肉の次はご飯ですよ〜♡」


──あーむ♡ くっちゃ……♡ ばきっ♡ むぐっ……♡


「んふふ……♡ この粒々感がちょうど良い具合になってますよね~♡」


──ぺっ♡ ぶちゅッッ……♡


「あと野菜もバランス良くいただきましょうね〜♡」


──パキッ♡ べちょぉ……♡


「デザートの苺もありますよぉ♡」


──あーむ♡ むちゅっ♡ ぐちゃぁ……♡


「はいどうぞ〜♡ 甘い苺のジャムになりますよ~♡」


──べちゃぁぁ……♡


ヒナが一瞬口を開けた拍子に覗く口内。

それは肉と野菜とご飯粒の混ざった混沌とした世界。

歯列が並び無数の細菌が繁殖したであろうおぞましい空間。

小人たちにとって地獄の門に他ならない。

そしてその門から流れ落ちる粘膜と混合した固形物。

腐敗臭を伴いながら広がっていく悪夢。


………


「──じゃあ私はまた後で片付けに来るので、皆さんはゆっくり食べてくださいね〜♡」


そう言い残して、ヒナは再び箱の蓋を閉め立ち上がると卓上の食器類を持ち退出する。

部屋には小人たちだけが取り残された。

周囲は一面の薄茶色。

ペースト状に溶け崩れた肉野菜炒めと白米の海。

苺の果肉入りの赤茶色の染みと味噌汁の出汁が入り混じった汚濁の池。


「ひっ……ひっ……ははっ……」


もはや誰の声かすら判別できない。

壊れたような嗤い声だけが虚しく響く。

誰かが啜り泣きを始めても咎めない。

誰も動かない。

誰も喋らない。


「な、なぁ……。これ……本当に全部食べろってことなのか……?」


震える声で尋ねる者がいた。

もちろん返答できるものは居ない。


「だって……ヒナさんが言うには……"ちゃんと小さくなったから食べられます"って……言ってたじゃないか……」

「だからってこんなの……こんなの食べられるワケ無いだろっ……!?」


「……」


再びの沈黙。

耳が痛くなるほどの静寂。

ヒナの吐き出した咀嚼物から辺りを覆う腐臭だけが鮮明に香る。


「食べるしかないんじゃないか……?」


ぽつりと零れる声。


「な……何言ってんだ……?」


「だって……。このままじゃ飢え死にするぞ……。それとも殺されるほうがマシってか?」


ぴくりと体を震わせる全員。

そしてまた沈黙。

誰も口を聞かない。

だがそれぞれが何を考えているかはよくわかる。


「だって、食わなかったら……食わなかったらそれを理由にして殺されるかもしれないじゃん。現に一人は殺されはしなかったものの、あいつの舌で……ただ少し喋っただけなのに、それを理由に摘み上げられて……」


みなの視線が、プラスチックの上で横たわる一人へと向けられる。

他の4人とは違い、ヒナの舌の猛攻に遭った犠牲者は全身が汚れきっていた。

血や体液が混ざったと思しきシミに加え大量の粘液で体中がべとついている。

意識はあるようだが放心状態で起き上がる気配はない。


「クソ……!」


そんな絶望的な状況を受け入れざるを得ないとわかると残された者が一斉に動き出した。

ある者は諦めたように汚物に顔をうずめ舐め取り始める。

別の者は無心になってペーストを掬い上げ口に運ぶ。

別の者は俯き黙々と咀嚼。

さらには……泣きながら自棄になって飲み込み始めたり。

食い物に困窮した餓鬼に成り果てた彼らがいるだけの光景。


「うぷっ……うげぇぇっ……!」

「う……くそっ……なんで俺がこんな目に……」

「うっ……臭いがすごいな……。これ本気でヤバイぞ……」

「おえぇっ……吐きそう……。なんで私が……」


吐瀉物を撒き散らかされたような食事。

しかし小人達には選択肢など無い。


──ねちゃぁ……ぐちゅぐちゅぅ……、


──もぐもぐ……ごくんっ……。

──うぷぅ……げぇっほ……。

──ごくんっ。ごふっ……。


ヒナの咀嚼により原型を留めないまでに分解された食品の山々を口の中に入れただけで広がる腐乱臭と油の混ざった異臭に耐えようとするものの、鼻腔を突き抜ける刺激臭に耐えきれず咳き込む。

だが吐き出すこともできず胃袋に押し込むしか、彼らには方法はなかった──。


………

##P6 風呂@羞恥プレイ、洗濯と称して服を取り上げられる、防寒対策のパンスト布団(脱ぎたて)


結局全員が何とか完食した頃には夜の帳が下りていた。

部屋の照明も消され真っ暗な闇に支配される。

ただ窓から覗く月明かりが微かに箱の中を照らすのみ。

その光が照らし出すのは憔悴しきった面々の姿だった。


「ふぅ……はぁ……はぁ……」


荒い息遣いだけが響く。

腹は膨れているはずだが幸福感は欠片も感じられない。

ただただ恐怖だけがあった。

そして憂鬱。

明日以降もこんな日々が続くと考えると絶望的だった。


「……もう嫌だ……」


誰かが呟く。

それがきっかけとなり堰を切ったように不満や愚痴が飛び交う。


「どうしてこんな目に遭わなきゃいけないんだよ……!」


「そうだよ……! なんであんな化け物の玩具にならなきゃ……」

「ううっ……お母さん……! お父さん……!」

「私達が何したっていうの……!」


泣き声も交わり阿鼻叫喚の地獄絵図。

しかしそれも長くは続かない。

なぜなら。


──ずぅぅぅん……ずぅぅぅん……ずぅぅぅん……。


遠くからだんだん近づいてくる地響き。

小人たちは瞬時に反応し押し黙る。

恐ろしい予感。


──ずぅぅんッッ!! ずぅぅんッッ!!!


段々と大きくなる振動。

それとともに聞こえてくるのは甲高い鼻歌。

不吉な旋律。


──ずぅぅんッッ!!! ずぅぅんッッ!!!


それに反応して騒々しかった面々は一斉に静寂を取り戻す。

誰もがその方向を見上げる。

地を穿つ巨獣の行軍の方向を。

そして。


──パチン……。


蛍光灯のスイッチが入り室内が再び照らされる。 

そこに立っていたのは昼間とは全く違う様子のヒナの姿。




ピンク色の透けたベビードールを身に纏い、ぱっくりと割れた胸元は豊満な乳房が盛り上がりを見せていて。

衣服と呼ぶには無理があるほどのスケスケ素材の生地に覆われた乳房の頂点にはツンと尖った乳首が生地を押し上げ、ピンク色の乳輪の境界線までもが目視できる始末。

しかし、下半身に至っては、彼女の趣味趣向なのか、昼間と同じように黒色薄手のパンティストッキングに包まれており、艶やかな脚線美を相変わらず魅せつけていて。

全身を通してシースルー素材の生地は、そんなヒナの瑞々しい肢体を余すことなく強調していた。 


もし同じサイズの女の子がそんな恰好をしていれば男児であれば間違いなく劣情を抱いてしまうほどの扇情的な光景。


しかし。

今目の前にしているのは自分達よりも遥かに大きい"化物"。

そんな小人の心情に配慮する気などさらさら無いらしく彼女は平然と振舞う。


「お疲れ様でした〜♡」


──ずぅぅんッッ!! ずぅぅんッッ!!


「片付けにきましたよぉ〜♡」


──どぉぉん……! どぉぉん……!


歩行一つとっても規格外。


──たぷんっ……♡ たぱぁぁん……♡


彼女の胸が上下左右に弾み、そのたびに揺れ動く乳房がまるで意志を持つかのように跳ね回る。


「汚れちゃった床とかきれいにしなきゃですし~♡」


──ガシっ!!! ガガガっ!!!


「今日一日大変だったでしょうし~♡」


──バチンッッ!!!


ヒナの巨大な手が、ケースの蓋を乱雑に取り去る。

その振動だけで小人達は転びそうになってしまう。


「あらぁ~……♡ こんなにきれいに食べちゃったんですね〜♡」


ヒナはその巨大な指を箱の中に差し入れて、汚物で汚れた床を綺麗に拭き取り始めた。

まるで家政婦が掃除するかのような気軽さで彼女の指先が床を拭い去っていく。

だが、中の小人達の耳にはプラスチックと濡れた繊維とが擦れる轟音となって響き渡り。


──ギギィィ……ギギギギィ……!!


耳障りな摩擦音。

時折挟まれそうになり悲鳴をあげる者が出るも誰も逃げることができない。


「ふふっ♡ 皆さん偉いですね~♡ きちんと最後までご飯食べてくれて嬉しいですよ~♡」


指先がひとりひとりの頭を撫でていく。

しかしそれは決して優しくは無く、巨大な指先が頭を押さえ付け摩擦する圧迫感のほうを強く感じてしまう。

そんな状態でも反発することはできなかった。


「えらいえらい……♡ 私の食べ残しみたいなカスのぐちゃぐちゃで不潔な食べ物でも、残さず食べてくれるなんて……♡ ほんとに感謝ですぅ……♡」


その発言を聞くだけでみなの心に亀裂が走る。

ヒナの口から紡がれるのは、自分たちが置かれた状況の残酷さ。


「私を育ててくれたママが教えてくれたんです♡ "食べ物は大切にしなさい。そうでないと食べ物の神様から怒られてしまうわよ"って♡」


発言の内容に呆れかえる暇もなく、ヒナの巨大な手と言葉に心をすり潰されていき。


「……これでケースの中も綺麗になりましたし~、みなさんもお風呂に入りたいですよね~?」


ヒナの突然の人道的な提案に驚く小人達。


「でもぉ……私のお風呂って大きすぎて入れないんですよねぇ〜……♡ だから代わりに~……」


そこで一旦区切り。


「……これを使ってくださいね♡」


──どすっっ!!!


音を立ててケース内に置かれたのは、小さな陶器製のお皿。

そこにはなみなみと注がれた液体があった。

湯気を立てて泡立っているそれを覗き込むと仄かに柑橘系の香りが漂ってきて、それが風呂代わりになると、一人が直感的に理解した。

恐る恐る近寄ってみれば確かに水面には石鹸由来と思われる油脂が浮かんでおりいかにも入浴剤入りといった具合。

その臭いも嫌悪感を掻き立てるようなものではなく爽やかなイメージ。

今まで散々に汚されてきた体を洗い流せると思うとわずかに心躍るものがあった。

だが。


──じ~~~……。


透明なプラケースのすぐ外側には、自分たちを監視する巨像の視線。

ヒナの顔。

糸目にも拘わらずしっかりと見透かされているような錯覚。

机の上に顎を乗せ、透明な壁に肉薄した彼女の瞳。


──ゴクリッ……。


生唾を飲み込む音が全員から漏れ出ていた。

だが躊躇っていても仕方がない。

この異常事態の中で風呂に入れるという提案は渡りに船であることに違いなかった。


小さな一人が勇気を出して衣服を脱ぐ。


「あはっ……♡ ちっちゃぁ~い……♡」


その瞬間、からかうようなヒナの声が轟いた。


──シュルシュル……。


他の3人も次々と衣服を脱ぎ捨てる。

ヒナの声が耳に入らないくらいに一心不乱に衣服を脱ぎ捨てていった。


──ポイ……ポイ……。


「あぁ~♡ そんなに急いで脱がないでもいいのにぃ……♡」


箱の外側から響く艶っぽい声。

そんなものはどうでも良かった。

一刻も早くこの臭いものを洗い落としたい一心だった。


全裸になった4人はその小さな手で水面を掬い取り肌に擦り付けていく。

ヒナの吐き出した咀嚼物に混じった様々な分泌物が皮膚に張り付いてなかなか取れない。


──ぐしゃ……ぐしゃ……。


「あぁ~♡ それだけ塗り込めば……ふふっ……♡」


一心不乱に体を洗う小人たちを見下ろすヒナの顔には嘲弄が浮かぶ。

そんな視線など気にする余裕もないほどに体を洗い続ける小人たち。

小刻みに震えるその動きは見ていて滑稽でしかなかった。

しかし、一匹だけ動かないニンゲンがいた。

それは哀れな5人の中で唯一の女だった。

他の男たちが体を洗い流しても彼女は床の上で蹲ったまま動きを止めていた。

ヒナの視線を感じながらも自らの体を隠すように体を折り曲げていた。


「どうしましたぁ~……? 入らないんですかぁ~?」


──ずいっ……♡


ヒナがその体を傾けて目線を下げてくる。


「わ……わたしは……いいです……」


蚊の鳴くような声量で返事をする女の子。

涙目になりながらも懸命に拒否をしようとしている。

そんな反応を見せる相手の心理など、同性として簡単に推測できるだろうに、ヒナは敢えて質問する。


「どうしてですかぁ〜……?」


「わ……わたしが……入ったら……汚くなっちゃいますから……」


涙声で答える少女。

今すぐこの場から消えてしまいたいくらいだというのに、まだ言葉を紡げるだけの意思の強さが残っていた。

その健気さがかえっていじめたくなる心理をくすぐる。


「う~~ん、でもみなさん汚いのは一緒だと思うんですけど~……?」


「ちがっ……! みなさんのじゃないです……! 私は……その……! じ、実は今生理ですし……それに……」


少女は泣きながら訴える。

自分の排泄物で他人を汚してしまうのが申し訳ないと言う心情と羞恥心を抱えていた。


──くすくす……。


ヒナの唇が歪む。


「そういうことでしたか~♡ じゃあ尚更入ってもらわないとですね~♡ ……ただ、どうしても気になるというのであれば、みなさんが入り終わった後、最後に入れば解決しますね~♡ ということでぃ、はい♡ 答えは"YES"ですよね?♡」


──ずいぃっっ……♡


ヒナの顔面が急接近。

蓋の代わりに天井を埋め尽くす彼女の顔。

唇の端から漏れ出る息遣いの『ごぉごぉ♡』という唸りまで聞こえるほどの距離。

圧迫感に押し潰されそうになりつつも拒否などできるはずがなかった。

少女は涙を流しながら立ち上がり、ゆっくりと自らの衣服に手をかける。


「いい子です~♡ ほら、男子はさっさとどいてください? 今からレディが入りますから〜?」


男たちが退く。

そして少女がその小さな裸体を晒していく。


身に纏う布切れを剥いでいく過程で少女の肌が露になっていく。

胸の膨らみもほとんど平坦といってもよい成長途中の肢体。

幼いながらも女性らしいラインを持つ体型が段階的に見せつけられていく様は、見ていて非常にそそられるものが有るというもの。

やがて最後の一枚となった下着を足首から脱ぎ去ると彼女の全身が衆目の目に曝されることになった。

痩せ型ながらもしっかり肉がつきつつある胴回りや臀部から太ももへの緩やかな曲線。


そして股間部に付随する恥丘と陰毛も僅かばかり確認できた。


ヒナは目を細めて眺める。


「かわいい体ですね~♡」


言われて顔を赤らめる少女。

羞恥に耐える様を楽しむようにヒナの頬がさらに弛緩する。


「どうしましたぁ? 早く入らないといけないじゃないですか~♡」


ヒナの追撃に少女は屈辱的な気持ちでいっぱいだった。

それでも逆らうことなどできないので大人しく浴槽の役割を与えられた容器へと足を入れる。

ぬるりとした水の感触とともに体が冷やされる。


──ざぶざぶ……ざぶざぶ……。


両手で水を汲み取り肩からかけていく。

肌が粟立ち、鳥肌が立つ。

自分よりも遥かに巨大なヒナに見つめられているという状況で行われる入浴。

普段であれば当たり前に享受できる快楽でしかないはずなのに、この非日常の中で与えられる入浴は地獄のような拷問を強要されていた。

それでも洗わなければならない。

綺麗にしなければならない。


「はい♡ それでOKですよ~♡ でもぉ~、もぉ~っと近くで見てみたくなってしまいました~♡」


ヒナはそう言って左手で頬杖をつきながら右手の人差し指で、脱ぎ散らかされたニンゲンの衣服をそっと摘み上げてしまう。


「あっ……」


男たちの中の誰か一人が声を上げるがもう遅い。

ヒナの巨大な指先は小人達の衣服を絡め取ってしまっていた。


「そ、それは……か、返してくださ……い……」

「え~? だってみなさんのお洋服、私の食べかすで結構汚れてしまったでしょう? これはお洗濯が必要だと思いますね~♡」


「で……ですが……それを取られたら、俺達は着るものが……」

「ふふっ♡ 大丈夫ですよ~♡ ちゃんと洗いますから~♡ 安心してくださいね~♡」


「そ……そういう問題じゃ……」

「あれ? 洗濯しない方がいいんですか~? そのまま裸のままの方が宜しいんでしょうか~♡」


──くすくすっ♡


「……っ!」

「それともぉ、洗わないで返して欲しいということはぁ~、つまり、私の唾液やその他諸々を……♡ そのまま着て下さると受け取ってもいいんでしょうか~?♡」


「……」

「ねぇ、どうなんですか~? 教えてくださいよ~?♡ じゃないとお洗濯しちゃいますよ~?」


「……な……なんでも……ありま……せん……」

「……そう? 本当によろしいのですね?」


──にやり♡


「っ……!」

「まぁ、お洗濯しないと衛生面的によろしくないですからね~♡」


「じゃ……じゃあ……お願いします……」

「はい♡ 分かりました~♡ では洗濯してあげますね~♡」


「少し時間がかかると思いますので、その間に他の皆さんはゆっくりとご入浴を続けててくださ~い♡」


ヒナはそう言うなり席を立ち、左手には衣服を携えたまま部屋の外へと向かっていく。

再び訪れる静寂。

そして緊張感。

嵐の前の静けさを思わせる間が生まれ、その間にお湯はすっかり冷めてしまう。

元々ぬるめだったこともあり、水に近い温度になっていた。

少女も体を震わせている。

だが、誰も何も言い出せなかった。


「あ……あの……」


そんななかでヒナがいなくなってから口を開いたのは少女だった。


「き、聞いても良いかな……?」


「ん……な、何かな……?」


男のうちの一人が返事をする。


「あ、ありがと……その……みなさんは、どう思っているか分かりませんが……わたしは……もうイヤです……」


「っ……!」


男たちは無言になった。


「だ……だって、あんな化け物に……ずっとここにいて……しかもこんな服まで奪われてしまって……。いつか絶対殺されると思います……」

「で、でも、ヒナは優しかったし……ご飯だって……お風呂だって……」


「優しい? ふざけないで……! あんなもの優しさなんかじゃない! あれは……私達のことを完全に見下しているからこその、一種の余裕……なんですよ……」


「そ、そんなこと言ったってしょうがないじゃないか……!」

「じゃあなに? 彼女の機嫌を損ねないように媚びを売って生きろっていうの……? わたしは、イヤ。それなら……抵抗した方がマシ……」


「抵抗っていったってどうやって! 俺達の武器は何もないんだぞ!」

「だとしても……大人しく従っていても殺されるだけじゃん……」


「う……」

「わたしはもうヤだ……! みんなは違うの!?」


「うぅ……で、でもヒナさんは悪いひとじゃないかもしれないじゃないですか!」

「それなら最初から助けてくれてると思うけど!? なんで助けないといけないの!? わたし達を助けてくれる義理なんてないでしょ!?」


「そ、それは……」

「それに……わたし……あいつの視線が怖くて……。ずっと……ずっと見られている気がして……!」


「あ……そ、そうか……」

「ずっと……ずっと……わたしのことを品定めするみたいに見ていた気がするの……!」


「っ……!」


少女の声に誰もが押し黙ってしまう。

その通りだと感じたからだった。

ヒナの視線が自分たちへ向けられるときの感情には、確かに侮蔑以外のものは含まれていないように思えた。

そして、少女の話を聞いて改めて考える。

この状況はいつまで続くのか。

これからもずっとこの部屋の中で生活していくしかないのか。

そんな未来に希望は持てるものなのか。 

その時だった。


──ずぅぅん……!


再びの地響き。

恐怖感を煽るような特有の揺れと重圧。

先ほどまでの会話など忘れてしまうほどの絶望感が押し寄せてくる。

慌てて揺れの方を向く。  


──ずぅぅんッッ!! ずぅぅんッッ!!


「ふぃ〜……ただいま戻りましたよ~……♡」


その巨体が部屋の中に現れる。

ヒナだ。

両手には何も持っていない。


──ずぅぅんッッ!! ずぅぅんッッ!!


彼女はこちらを向いて早速微笑んでくる。

天使のような笑み。


「待たせてしまいましたか? でもおかげさまで、無事にお洗濯完了いたしましたよ~♡」


「え……あ…あぁ……」


男たちもようやく状況を把握したようで、彼女から視線を外せなくなる。

少女に関して言えば顔面蒼白になっている様子だ。

椅子に腰掛けて覗き込んでくるヒナに向かって、男がおそるおそる声をかける。


「あ……あの……ヒナ……さま……」


ヒナは笑顔のままだった。

糸目で表情は見えないが、それでも怒りの感情など全く感じなかった。

むしろ嬉しそうですらあるように見えた。


「はい? なんですか?」

「そ……その……お、俺たちの服はどこに行ったのでしょうか……?」


ヒナはしばらく沈黙してから口を開く。


「……えっと……もう、洗い終わっていますから、乾燥させてる最中です~♡」

「そ、そうですか……! ありがとうございます……!」


男の顔に笑顔が戻る。

他の3人も安堵の溜息を洩らした。


「いえいえ~♡ それぐらい朝飯前ですから~♡ さて、私はもう寝ますので、みなさんももう休んでください~♡ 色々あって疲れたことかと~♡」


それだけ告げたヒナがケースの蓋を閉めようとする。


「あ……あの!」

「はい? まだなにかご質問でしょうか~?」


「あ……いや、そうではないんですが……その……いつ頃乾くものなのかと……」


なにせ自分たちは裸なのだ。

裸のままでは心許ないというか、居心地が悪いというか。

せめて何か羽織る物があれば……というのが正直なところだった。

そもそも女子だっているのだ。

両手で身を隠し、震えている彼女を見やれば、その辛さも伝わってくる。

しかし。


「う~ん……そうですね~……。あと2日ぐらいはかかりそうですね~……。この時期は乾くのが遅くて困ります~……」


「そ……そんなに!?」

「……? 何か不都合なことでも?」


「そ……それだと、俺たちが……ずっと裸のままじゃないですか……」

「あら……♡ そういえばそうですね~……♡ ふふっ♡ 可愛いですねぇ~♡」


「や……やめてください! 俺たちは……その……恥ずかしいので……」

「あ、そうでしたね~♡ ごめんなさい~♡」


ヒナが頭を下げ謝罪する。

だが本気で悪いと思っているわけではないことくらいすぐに分かる。


「で、でも……2日も裸というのは……」

「でも、仕方ないじゃないですか。乾かすには時間を要しますし~♡」


「で……でも……」

「……もしかして、何か他の要求があって?」


「そ、それは……」

「例えばぁ、この部屋に何かしら置いてほしいとかぁ~?♡」


「え……いや、まあ……それは……」

「ん~、いいですよ~♡」


「え?」


あまりの即答に一瞬聞き間違いかと勘違いする。

そして次の瞬間には喜びで打ち震えた。


「本当ですか!? じゃあ、なんか敷物を敷いてもらえるとありがたいのですが!」

「ふふっ♡ もちろんいいですよ~♡ ではすぐに用意しますから~♡」


ヒナはそう言って立ち上がり、改めてケースに蓋をしてしまう。

そして奥へ消えていく。


「はあぁ~……よかったぁ……。これでひとまず安心だぜ……」

「そうだね……でもまさか、本当に了承してくれるとは思わなかったよ……」


「まあな……でも、やっぱりヒナさんっていい人なのかもな……」

「たしかに……。最初はすごく怖かったけど……意外といい娘かも……」


などと話していると、ヒナの気配が戻ってくる。

男たちは慌てて姿勢を正す。

何しろ相手は自分たちよりも遥かに大きな怪物なのだから。


──どぉぉん……! どぉぉん……!


重々しい地響きとともに姿を現すヒナ。

その手に何かを持っているようだ。


「おまたせしました~♡」


ヒナがケースの蓋を開ける。


「どうぞ使ってくださいませ~♡」


──ばさっ……♡


──むわぁぁぁ……♡♡♡


「うっ……!」


その途端に鼻腔を貫いたのは、生臭い香り。

むせ返るような酸っぱい臭いとすえた汗臭さが混在した異臭。

男たちは思わず顔を背ける。


「え……? えぇ……?」

「これは……一体……?」


ヒナの手から落とされたそれを見る。

それは黒い物体だった。

いや正確には真っ黒のパンスト。

ヒナはパンストを自分の足から引っこ抜いて小人達の箱の中に落としたのだ。

そしてそのまま蓋をしてしまう。


「これでしばらく過ごしてください~♡ 夜は寒いですからね~♡」


ヒナの足に密着して、その温もりを余すことなく記憶していたそれは、小人たちにとっては暖房器具にも匹敵する効果があるものだった。

しかしそれは同時に悪臭の大元でもあった。

ヒナの蒸れた足の匂いを凝縮した臭素が漂う小人達の小さな小さな城。

困惑する男たちをよそに、ヒナはクスクスと笑うだけ。


「では、私は眠りますので、みなさんも“あったかいお布団”の中でゆっくり休んでくださいね~♡」


──ぱたん……♡


蓋が完全に閉められる。


「おやすみなさ~い……♡」


ヒナがそう言い残し、部屋の明かりが落とされ、闇の中に取り残される5人の小人達。

彼らは呆然としていた。


「おい……どうすんだよこれ……」

「わかんないよ……でも……寒いし……使わないわけにはいかないよね……」

「だけどさぁ……この臭い……なんだよ……マジで……」

「確かにきついね……でも……我慢するしかないじゃない……」


「うーん……」


男たちは考え込む。

女子はといえば、隅の方で怯えたように膝を抱えている。

この異常な状況の中では仕方のないことだが、やはり年頃の娘としては複雑な気分なのだろう。


「どうする? 一度試してみるか?」

「だめ! 触らないで!」


女子が叫ぶ。

その声には恐怖が滲んでいた。


「ちょ……ちょっと待ってくれよ……! 別に何もしないって……!」

「でも……!」


「でもじゃなくてさ……ちょっと確かめるだけだって……! ヒナのおいていったパンストを……」

「それでもダメ……!」


「なんでだよ!」

「だって……絶対おかしいよ……! あんなの普通じゃないよ……!」


「そりゃそうだけど……! でも……とりあえず……暖を取らないと……! それに……このままじゃ寒くて寝られやしないだろうが……!」

「そうだけど……でも……怖いの……」


「怖いって……なんでそんなに怖がるんだ? それとも……なにか知ってるのか?」

「知らないよ……そんなの……でも……なんか……嫌な感じがするの……そこで寝たら……」


「嫌って……どんな感じに?」

「なんか……こう……ゾワゾワしてくるっていうか……」


「ゾワゾワって……なんか幽霊とか妖怪みたいなもんか?」

「わかんない……。でも……でも……」


女子は震えている。

その様子を見ているうちに、男たちも不安になってきた。


「なあ……やっぱり止めにしないか……?」

「いや……でも……本当にこれを使う以外に方法がないんじゃないか?」


「うーん……」

「じゃあ……少し調べるだけだからさ……」


男は女子の制止を振り切り、。パンストの上に体を預ける。

そして数秒後……。


「……ああ……すごい……これは……たしかに……あたたかいぞ……」


女子の懸念とは裏腹に、パンストからの熱量は凄まじかった。

室内の室温と比べると明らかに高い温度を保っており、まさに天然のカイロであった。

臭いがきついことと、少し湿度が高すぎることを除けば、非常に心地がよく、完璧な防寒アイテム。

そのうち自然と瞼が重くなり、意識が朦朧としてきた頃合いに、最初に飛び込んだ男子の一人が眠ってしまったようだった。


「え……マジか……」

「うん……こんなに暖かいとは思わなかった……」


「じゃあ……少しだけならいいかもな……」

「そうだな……俺もこっちに移ろうかな……」


「あ……」


女子が気づいたときには既に手遅れ。

自分を除く全員がヒナのパンストの温もりに身を委ねて眠りについてしまっていた。


「嘘……だよね……」


女子は愕然とした。

信じられない思いが湧き上がってくる。

だが、いくら願っても結果は変わらない。

たった今、この場に残されているのは自分1人だけだった。


「なんで……みんなあんなのに簡単に騙されて……」


女子は茫然自失といった様子で床の上に座り込んでいる。

その周りを包囲するように広がっている巨大な蜘蛛の巣のような、黒パンスト。

少し前まではヒナの足を包んでいた温もりが、今はまるで別の生き物のように蠢いている。

そしてその中心には、つい今しがたまで仲間であった4人が横たわり、まるで胎児のように丸まって眠っている。

ケースの中に充満する臭気は、寝息に乗って漂い、鼻孔から肺の奥まで染み込んでくる。


「くさい……臭い……臭い……臭い……臭い……」


女子の口から漏れる言葉には怨念すら込められている。

しかしそんな言葉とは裏腹に、身体は疼くような欲求に駆られていた。

足先をくすぐられるような衝動。

それはかつて経験したことのない程に、抗い難い欲望だった。

思わず手を伸ばしそうになって慌てて引っ込める。

しかし理性が制止してもなお、本能はその命令を拒絶していた。


「なにこれ……なんなの……? こんな気持ちになるなんておかしいよ……!」


自分の中で生まれつつある未知の感覚に戸惑いながらも必死に耐えていれば、いつの間にか硬いプラスチックの上で自然と眠りに落ちていた。


なぜか股間の逸物をギンギンにさせながら眠りこける4人がいるとも知らず、少女は束の間の眠りにつくのだった──。


………

……

…

##P7 二日目@女の子へのヒナの巨大な指先愛撫、淫紋


その翌日の午前9時ころのこと。

ヒナが二度寝から目を覚まして部屋に戻る。

ニンゲンたちを閉じ込めている箱の蓋を開けると、そこにはすっかり熟睡した五匹のニンゲンが横になっていた。

案の定というべきか、ニンゲンたちは一匹を除いてヒナの黒パンストの上で眠りについている。


「うふふ♡ そんなにこれが気に入ったんだ~?♡」


ヒナは口元に手を当てて可憐に微笑む。


昨晩の時点で、彼らがどうなるかある程度予想はできていた。

故にあえて何もせず放置したのだ。

案の定、男子たちはヒナの黒パンストの上で眠りこけている。

女子のみが避けているのも想定通り。


──むわぁぁ……♡♡♡


ケースの中にはむせ返るような酸っぱい香りとすえた汗臭さが混在した異臭が籠っている。


「あらあら……これはまた酷い有様ですね~……♡」


ヒナは苦笑する。

小人たちはパンストの上でいまだにぐっすりしているものの、その股間だけはしっかりと勃起させているようだった。

女子に関しては半裸で目を閉じているものの、その息遣いはかなり激しいものとなっている。

おそらくは彼らにとって生まれて初めて体験するであろう、異様な環境下における異常な性の目覚めの兆候と呼べるもの。


昨晩のお風呂のお湯の中にも念には念を入れて、媚薬成分入りのサキュバスの唾液を含ませていたのだから、効果は絶大で当然の結果といえる。

あとはこれをどう料理していくか。


「ん……ふあぁぁ……」


しばらくして女子の1人が目を覚まし、欠伸をしながら体を起こす。


「ん……? あれ……?」


ぼんやりとした目つきで周囲を見渡している。

どうやら寝惚けているようだ。

そこへヒナが声をかけた。


「おはようございます~♡」

「え……? あ……っ!?」


女子はビクッと肩を竦ませて、反射的に尻餅をつく。


「きゃっ……!」

「あら~♡ もしかして驚かせてしまいましたかね~?」


しかし、少女の目に映るヒナの巨大な顔は、昨日と少し違って見えた。

うまく説明できないが、なんというか、気配が違う。

昨日のような暴力的な威圧感を感じなくなっていたのだ。

その代わりと言っては何だが、慈愛に満ちた女神のようなオーラを感じさせていた。


「あの……えっと……ごめんなさい……」


女子は咄嵯に謝った。

何に対して謝っているのか自分でもよく分からない。


「ん~? どうして謝るんですか~? 私は全然怒ってないですよ~?」


ヒナは優しく語りかけ、そして人差し指を少女の身体に伸ばしてきた。

反射的に逃げようとする少女であったが、寝起きということもあって上手く体が動かない。

それに何より、この不思議な雰囲気を纏ったヒナから離れたくないという思いを、ほんの少しだけ心の内に抱いていた。

なぜかはわからない。

恐怖を感じるほどヒナは巨大であるのに。

この巨人は自分たちのことを餌としか思っていないはずなのに。

心臓の鼓動がどんどん大きくなるのを感じる。

頬が紅潮していくのがわかる。

喉の奥がカラカラに渇いていく。


そんな女子に向けて伸びてきたヒナの巨大な指先が、彼女の身体の表面を優しくなぞった。


「ひゃあ……!?」


ヒナの指に触れられてビクッと体を震わせる女子。

少女の腹部や胸板を軽く撫でる程度の接触であるが、女子の小さな肉体にとっては充分すぎるほどの刺激だった。

特に敏感な部分を何度も往復されれば、それだけで腰砕けになってしまいそうなほど。


「うふふ♡ どうしたの~?♡」

「あ……あの……そんなに触られると……」


「どうかしたの~? 顔真っ赤だよ~?♡」

「その……恥ずかしい……から……やめてください……」


「恥ずかしいんだ~♡ じゃあやめちゃうね~?♡」


──すぅ~……。


指が離れる。


「あっ……」


思わず声を漏らしてしまう少女。

しかしその言葉の意味とは裏腹に、どこか名残惜しそうな表情をしている。


「ふふっ♡ どうしたのかな~?♡」


再びヒナの指が接近する。

その速度はまるでナメクジのように緩慢であり、その間隔を埋めるために少女は何度も生唾を飲み込んでしまう。


「あ……あの……」

「ん~?♡」


「その……なんでもないです……」

「そっかそっか~♡」


──すかっ……♡ すかっ……♡


くねくねと蠢く指先が目の前の空気を掠め、虚空を掴む。


──すかっ……♡ すかっ……♡


「うふふ♡」

「あ……あぁ……」


少女の目の前で何度も同じ動作を繰り返すヒナの指。

その仕草があまりにも焦れったいものであるが故に、少女の中で、悶々とした感情が沸々と湧いていく。

しかし、少女はその巨大な指先に身を任せてしまいのをぐっと堪え、口を開く。


「ね……ねぇ……あなたはどうして私たちのことを……捕らえているの……?」

「ふふっ♡」


ヒナは少女の言葉を聞いて嬉しそうに笑った。


「あなたが今どんな気持ちなのか、手に取るようにわかりますよ~?♡」

「そ……そんなこと言われても……」


「うふふっ♡ 強がっても無駄ですよ~?♡」


──すりっ……♡ すりっ……♡


ヒナの指先が、今度は無遠慮に少女の身体を撫でる。

今度はよりダイレクトな接触となっており、少女の体が大きく仰け反った。


「ひゃん! あぅ……んっ……ん……」

「あらあら♡ どうしましたか~?♡」


──なでり♡ さすさす♡ つんっ♡


ヒナの指の動きは止まらず、むしろエスカレートしていく一方である。

少女の脇腹あたりを爪先で突っつき始め、その後は肋骨の間を縫うように指の腹を這わせていく。

まるで巨大な羽毛ペンでくすぐられているかのような感覚に襲われ、少女は思わず身悶えする。


「やっ……あん……♡ そ、そこはっ……!♡」


──つぅ~……♡ すりすり♡ さわさわ……♡


「ふぁぁ……♡ あっ……あん……♡ ああっ……♡」


ヒナの指先は少女の身体を執拗に撫で回す。

指先が通った後の肌はしっとりと湿り気を帯びており、ヒナの体から滲み出る分泌液のせいなのか、どこか淫靡な香りを漂わせていた。


「あっ……♡ ふぁぁっ……♡」


──すりっ……♡ かりかり……♡ なでなで……♡


ヒナの指先が少女の体を這い回るたびに、少女の口から艶めかしい吐息が漏れ出る。

それはもはや喘ぎ声と呼んでも差し支えないほどのものだった。


「んん……♡ はぁ……♡ はぁ……♡」

「どうして捕らえているの~、でしたっけ♡」


──くちゅっ……♡ ぬちゅっ……♡


ヒナの指先がとうとう、少女の一番大事な部分に到達する。

閉じようとする股の間に、本人よりも太い指先を捩じ込んで、人差し指の腹が割れ目の頂点をなぞっていく。

そんなヒナの唐突な行為に、少女は驚愕のあまり目を見開く。

けれども、肝心の身体はまったくといっていいほど動かすことができなかった。


「おやぁ~♡ こんなにも濡らしちゃって~♡ 身体は正直ですね~♡」


──くちゅくちゅ♡ ぬちゅぬちゅ♡


揺れる指先。

小刻みな振動。 

それが生み出す感覚は、少女にとって初めて味わうものであり、今まで感じたことのない新たな境地への扉を開く鍵となった。

生まれて初めて感じる快楽と興奮に溺れゆく少女の肉体は、抵抗するどころかむしろ積極的にそれを受け入れようとさえしていた。

少女は目を瞑り、唇を噛み締めて必死に耐えるが、どうしても漏れてしまう甘い声を抑えることができなかった。


「あっ……!♡ あん……♡ ああ……!♡」


「ふふっ♡ よい反応です♡」


──ぬちゃっ……♡ ぬちゅっ……♡


指の腹が割れ目を行ったり来たりするごとに、そこから分泌された愛液が糸を引く。

少女の秘裂はすっかり蕩けており、ヒナの指先に絡みついてくるほどであった。


「そろそろ答え合わせをしましょうか♡」


──くちゅっっ♡ ぐちゅぅぅぅ♡♡♡


悩ましく巻き付こうとしてくる少女の下半身に応えるように、ヒナは恥丘もろとも少女の下半身を指先で抑え込んだ。 

当然のごとく、少女の性器はヒナの指先で押し潰されてしまう。

けれども、少女の性感帯はヒナの指先を悦び、さらに強い刺激を求め、貪欲にヒナの指を引き寄せた。


「あ……んっ……♡ はぁ……はぁ……♡」


──くちゅっ♡ ぬちゅっ♡ にちゃぁっ♡


「あなたの質問の答えは、簡単ですよぉ~♡ 私の快楽のために捕まえたに決まってるじゃないですかぁ~♡」

「そ……そんなの……」


「だからぁ~♡ あなた達は私にとって大事な存在なんですよぉ~♡」


──ぐりっ♡ ぐりっ♡


「んん……♡ あぁっ……♡ あんっ……♡」

「だってぇ~♡ 普通の食べ物だったらすぐになくなっちゃうけど~、あなた達ニンゲンはちゃんとお世話をして躾けてやれば、上質な精液を定期的に収穫できるんですよぉ~♡」


「あ……そ……そん……な…」


ヒナの言葉の意味を理解した瞬間、少女の顔色が青ざめる。

自分がこれからどのような運命を辿るのか容易に想像がついたからだ。

それはあまりにも残酷で悲惨な未来。

ヒナに玩ばれ続け、死ぬまで奴隷として奉仕し続けなければならないという過酷な現実。

だが。


──ぬちっ♡ ぬちっ♡ ぬちっ♡


少女の思考を遮るように、ヒナの指が彼女の花弁を蹂躙する。


「あぁぁ……!♡ ああん……!♡」

「うふふっ♡ 大丈夫ですよぉ~♡ あなた達のことを大事に扱ってあげますからね~♡」


──ぐちゅっ♡ ぐちゅっ♡ ぐちゅっ♡


ヒナの指が激しく動く。


「それにぃ~♡ 飼ってる間に愛情を持って接すればぁ~♡ より濃厚で美味しい精子がいただけるようになるっていうデータもあるんですよぉ~♡」

「あっ……♡ あぁぁ……♡ だめ……♡ だめぇ……♡」


──ぐちゅっ♡ ぐちゅっ♡ ぐちゅっ♡


「うふふっ♡ 身体は素直ですね~♡ こんなにも蜜を垂れ流しちゃって~♡」


少女の腰が小刻みに揺れる。

快楽から逃げようとする意志の表れなのかもしれないが、少女の下半身はもっと嫐って欲しいと言わんばかりに、ヒナの指先に絡みついていた。


「やぁ……♡ んっ……♡ んんっ……♡」

「うふふっ♡ どうです?♡ 少しはわかってもらえましたか~?♡」


「あっ……♡ わ……わかりましぃ……♡ わかりましたぁ……♡ んっ……♡」


少女は必死に頭を縦に振る。

しかし、身体は快楽の沼に沈み込んでおり、とてもではないが正気を保っていられそうになかった。


「よかったです~……♡ ご理解いただけて……♡」


──ずるっ……♡


少女の股から引き抜かれていくヒナの指。

相変わらず少女の下半身は、名残惜しさを象徴するかのように絡みつき、ヒナの指先を引き留めようとしていた。


「ほんとはもっと沢山イカせてあげたいところなんですけど~……♡ あんまり時間かけすぎると他のニンゲンさん達が起きてしまいますから~……♡」


──ぶぢゅぅぅ♡


少女の性器から溢れ出した愛液が、ヒナの指先を伝って床に零れ落ちる。

その痕跡は、少女の身体の芯まで染み込んでいった。


「ふぅ……♡ ふぅ……♡」


少女は肩を大きく上下させ、荒い呼吸をする。

身体の火照りは一向に収まらず、少女の顔には紅潮した跡が残っていた。


「ふふっ♡ そんな顔したら駄目ですよ~?♡」


少女の汚したプラケースの辺りを、小さな布でさっと拭う。

何があったのかを他のニンゲン達に知らせないためである。

そして。


「えいっ……♡」


今一度、ヒナは指先で少女の下腹部を抑え込み、少し魔力を込めてやると、少女の全身が不思議な温かさに満ちていく。


「淫紋……♡ 刻んじゃいました~……♡」


少女の下腹部に浮かび上がるハートマークのような模様。 

ヒナによって刻み込まれた淫紋だ。


「これであなたは、私のモノですからね……♡ 勝手な真似はできなくなりましたよ~♡」


少女の口からは意味のある言葉は出てこない。

身体が熱いのだ。

ただ小さく呻くのみである。


「あぁ……♡ はぁ……♡ はぁ……♡ はぁ……♡」

「うふふっ♡ じゃあまた遊びましょうね~♡」


「え……? あ……はい……」


やっと解放された。

少女は思う。

そして、いち早くヒナの目的をみんなに話さなければ。


そうしてヒナは少女を残して去っていく。

その足取りは軽く、明らかに機嫌が良かった。

そんな彼女は部屋を出たところで立ち止まり。


「今日は一日遊ぶ約束をしたんですよね~……♡ 昨日からずっと楽しみにしてたんですよ~……♡」


「まずは……そうですね~……♡」


ヒナはゆっくりと自分の指を見つめる。

先程まで少女の大事なところを虐めていた指。


「今日は一日、そこで我慢しててくださいね……♡」


──ぺろっ……♡


その指を舐め上げ、妖艶な笑みを浮かべながら呟く。


「ふふっ♡ いい子いい子~……♡」


そして彼女は再び廊下の奥へと進んでいった。


………

##P8 二日目(男視点)@口封じの魔法、パンストの爪先部分で二度寝した男の末路、オナニー、自滅


女子の一人が目を覚ました数十分後のこと。

寝惚け眼のまま起き上がった他の四人。 

ヒナの姿は部屋にはない。

まだ起きてないのだろうか?

と、疑問を抱いたところで、昨晩最後までヒナに反感を抱いていた少女が口を開く。


「みんな起きたのね、あのヒナって巨人、今日は一日出かけるみたい。今朝会ったときにそう言ってたわ」


少女の言葉に一同は息を飲む。

今の状況で脱出するチャンスはこれ以上ないと思った。

だが、この小さな空間から抜け出す方法などあるわけもない。

全員がそう思った矢先、少女が再び話し始める。


「ちなみにだけど……あのヒナって巨人の……ッッ♡♡♡」


そう言いかけたところで、少女は下腹部を押さえて苦しみ出す。

突然の出来事に他の四人は慌てふためくが、当の本人はそれどころではなかった。


「んっ……♡ あっ……♡ なにこれ……♡」


──どくんっ♡ どくんっ♡ どくんっ♡


下腹部が脈打つように疼き出し、少女の意識が遠くなっていく。


「お……おい! 大丈夫か!」


「だめ……♡ 来ちゃだめ……♡ いやっ……♡ あぁぁ♡♡♡」


少女は悲鳴を上げてその場に崩れ落ちる。

体中から汗が噴き出し、呼吸も浅いものに、ひくりひくりと痙攣する身体。 

明らかに何かがおかしい。

それは傍から見ても明らかなことであり、少女は完全に放心状態へ陥っていた。


「お、おい……本当にどうしたんだ……?」


「あ……ああぁぁ……♡」


少女は呂律の回らない口調で何事かを呟くが、到底聞き取れる状態ではなかった。

ただ、かの巨人、ヒナについて重要なことを伝えようとしていたことだけは確かだ。


「くそっ、どうしたらいいんだ……?」


男の一人が苛立ち紛れに歯ぎしりする。

少女の異変の原因不明、加えてヒナの動向も掴めないとなれば、もはや為す術はない。


「と、とにかく休ませるべきなんじゃ……? あのヒナっていう子は、今日は外出してるみたいだし……」

「そ、そうだな……。すまん。冷静になれなかった」


その意見に賛同した残りの四人は痙攣を繰り返す少女の四肢を担ぎ上げて、その小さな体躯を、ケースの中にある唯一の繊維……つまりは、ヒナの匂いがたっぷりと染み込んだパンストの上に優しく横たえてやる。


「ちょッ♡ ちょっと待って……ッ♡ こ、ここで寝たら……ッ♡ だ、ダメッ♡ ヒナは……あいつは……──ッッ♡♡♡ そんな奴の……ッッ♡♡♡ そもそもなんで……い"ッッ♡♡ 匂いがッ♡♡ ヒナの……匂いがぁ♡♡ 」


少女の額に浮かぶ脂汗を見て、全員が顔を見合わせる。

パンストに包まれて身悶える姿は明らかに異常。

しかしこれ以上どうすることもできない。

今は見守ることしかできないのだ。


「はぁ……はぁ……♡ はぁ……はぁ……♡」


「お、落ち着いてくれよ……」


男達の呼び掛けにも虚しく、少女の容態はさらに悪化の一途を辿るばかり。


「んッッ♡ あァッ♡ んぅゥ……♡ やァ♡ アっ♡ 」


──ぴくんっ♡ ぴくっ♡ ぴくっ♡


しかし身悶えするものの暴れ出すこともなかったため、とうとう男達は少女の看病を諦め、残った四人で話し合うこととした。

そもそも素っ裸の年頃の女の子が乱れる様をじっと眺めているのはバツが悪い。

それにどうやら症状は深刻なようで、下手に介抱しても事態が好転するとは思えなかった。


「あの娘があんなになるなんて、いったいどういうことなんだ……?」


「分からん……。だが、少なくともここに閉じ込められて以降、あの子の様子が変わっていったのは確かだ」


「となると……ヒナに関係する可能性が高いとみていいのか……?」


「うん、そうだと思う」


「それじゃあ……どうすればいいんだろう……?」


「それは……」


話していても埒が明かない。

今わかることは、現状何もできないということだけだ。

ならばすべきことは一つ。

体力の消耗を避けるためにも休息をとること。


「一旦落ち着こう……。今はあの子のことを考えていても仕方がない」


男の提案に全員が同意し、そのまま二度寝の体制に入る。

昨日の夜、全員がヒナの黒パンストで快適な睡眠を得たこともあり、精神的には幾分か余裕ができていた。

しかしその副作用は確実にその身に蓄積していたのだが、そんなことにも気づかず彼らは眠りについていた──。


………


──むんむん……♡


昨晩、ヒナのパンストの上で寝てからというもの、一人の男の体に異変が起きていた。

黒パンストの上は、柔らかな手触りに加えて適度な温もりと蒸れによる適度な湿度も保持されており、とても心地よいものだった。

おかげで彼はぐっすりと眠ることができたのだが。


──むんむん……♡ むわわわ……♡


気づけば体中にヒナの蒸れた足の匂いが纏わりついてしまっていたのだ。

巨人と言えど年頃の女の子の、秘密の匂い。

あんなにも見目麗しく、またスタイルだって抜群の女の子の足の匂いが、自分を包みこんでいるという背徳感。

そのせいでか、気づけば彼のペニスは固く天を向いて反り上がっていた。

彼女とのセックスをする際にもここまで勃起したことはない。


「うぅ……」


意識しないようにしてみても、息を吸えば鼻腔に飛び込んでくるのはヒナの足の濃厚な匂い。

汗の混じったそれが肺を満たしていく。


──むわぁぁ♡


「我慢しないと……」


小さく呟き、自らを奮い立たせてみるものの、昂る劣情を抑え込むには至らない。

むしろ思考がピンク色に染め上げられていくばかり。

下半身からはじんわりと温かい感覚が広がり、ますます鼓動が加速していく。


──むわぁ♡ むわぁ♡ むわぁ♡


「うぅ……くっ……」


いつの間にか、周囲の匂いを意識する度に、無意識に腰が動いていた。


──カクっ。カクっ。カクっ。


「なんで……こんなに……」


──ムラムラするのか。


二度寝の場所もよくなかった。

昨日彼が寝ついた場所は、あまり匂いが濃くない太もも部分。

しかし、今日二度寝のために適当に寝そべった場所は、ヒナの足の裏が密着していたであろう場所。

恐らく靴を脱いだ後の最も蒸れている場所だった。

それこそ鼻を近づけずとも、足の香りが色濃く漂ってくるほどに。


──むわぁぁぁぁ……♡♡♡


匂いが頭の中に蔓延していく。

脳細胞を侵食し、思考回路を狂わせる。

抗えない誘惑。


──くんくん♡


いつの間にか、彼はヒナのパンストの匂いを嗅いでいた。

自分の意思とは関係なしに、ただ無意識のうちに、匂いの濃い部分を求めて彷徨い歩くように、黒パンストの上を這っていく。


──ずずずずず……♡


そうなれば当然、勃起した股間はパンストの繊維に擦り付けられる。

床オナのような体勢。

本来であれば痛みを伴うはずの行動であるのだが、今の彼にとっては快感以外の何物でもなかった。


──ぬるっ……♡ ずりずり……♡ ぐちゃっ……♡


竿だけでなく、袋全体が摩擦により刺激される。

しかし、それがたまらなく気持ち良い。

亀頭からは先走り汁が溢れ出ており、それが潤滑油となってさらに動きやすくなった。

パンストに鼻を押し付け、ゆっくりヘコヘコと腰を振る。

あまり早すぎるとすぐイキそうになってしまうため、敢えてのんびり動く。

こんなところで射精なんてしたら他のやつにバレてしまう。

そんな考えが僅かに残っていた。


──すんすん……♡ すぅー……♡


深い呼吸と共にヒナの匂いを吸い込む。


──すぅー……♡ すぅー……♡


体が火照ってくる。

ペニスの疼きが増していく。

もっと強く擦り付けたい。

もっと深く嗅ぎたい。

もっと嗅ぎながらオナニーしたい。


──すぅー……♡ すッッ♡♡♡


そんな時だった。

ひときわ蒸れた部分を見つけたのは。

そこから溢れ出る芳醇な香り。

ヒナの足裏から発せられ、生地に染み付いた魔性の匂い。


──ぐいぃぃ……♡


思いっきり顔を押し付ける。

息を深く吸う度に、幸福感が脳髄を駆け巡る。

汗と皮脂が混ざり合った独特の酸っぱい香り。

それが脳内で麻薬となり、快楽中枢を破壊していく。


──すぅー……♡ すぅー……♡


「あぁ……♡」


声が出る。

あまりの恍惚感に堪らず吐息を漏らす。

もはや抵抗するつもりなど微塵もなく、完全に堕ちきってしまったオスは、ただただ己の欲望に忠実になるばかり。

全身をパンストに擦り付けながら、ヒナの匂いを貪り尽くし──。


「ん"ん"ん"ん"ッッッ……♡♡♡」


──どぷどぷどぷぅぅぅ……♡♡♡


盛大に射精した。

我慢しようと思ってもできなかった。

頭が痺れるような絶頂感が彼を包み込む。

人生最大の快楽だった。

自慰行為なんか比べ物にならないほどの濃密で濃厚な快感。


「はぁ……♡ はぁ……♡」


──どくんっ♡ どくんっ♡ どくんっ♡


一度出してしまえば止まらなかった。

意識は既に飛んでいるに等しく、あるのはただ射精したいという衝動だけ。 

そこから先はひたすらに腰を振り続けた。

床の上で倒れ伏したまま、ヒナのパンストをまさぐり、ひたすらに精液を吐き出していた。

他の者達は目を覚ましており、そんな彼の痴態を、何事かと呆然と眺めていることも気づかずに──。


………

##P9 二人目の異常者@幕間


「な、なぁ……あれ……」

「う、うん……」


三人は驚きの光景を目にして、絶句していた。

仲間の男が、一心不乱にパンストの上でオナニーしている。

時折獣のような雄叫びを上げては、大量の精液を放出している。

最初に目を覚ました男はその現場を発見し、すぐさま仲間を叩き起こして状況を共有したのだが、この

有り様だった。


──にゅるんっ……♡ にゅるんっ……♡


パンストの上で蠢く身体。

まるで触手生物のような動きを見せるソレ。

その中心にあるものはもちろん、萎える様子を見せない陰茎。

皮を被ったままのペニスは、ヒナの匂いを嗅ぎながら何度も跳ね踊る。

その度に周囲に精液が飛び散っていく。

当然声は掛けた。

肩も叩いた。

しかし返事が無い。

それどころか、こちらを見向きもしない。

瞳孔が開ききっており、焦点も定まっておらず、意識が無いに等しい。

もはやそこに自我はなく、ただひたすらに性欲を貪る獣に成り下がっていた。


「み、見ないようにしようぜ……。無駄に体力消費させてもしょうがないし……」


男の一人が苦々しく呟くと、残った二人は静かに頷いた。

その言葉通り、彼らは彼に背を向けて壁際の方でうずくまる。

だがそれでも、彼らの耳に届くのは、繊維と擦れる音と熱っぽい吐息の音。

視界を覆っても聴覚はどうしようもなく、さらに辺り一面にはケース内を埋め尽くすパンストが放つヒナの足の濃厚な匂いが漂っているのだ。

昨晩放り込まれてから今に至るまで、それは全く収まる気配はない。

そんな匂いに包まれて、パンストの上でオナニーする仲間の姿を見ずとも、次第に三人のペニスも硬度を帯び始めていた。

それを悟られないように努めるが、全裸のままでは勃起具合までは誤魔化せない。


「なぁ……なんでお前この状況で勃ってんだよ……」


壁に顔を向けたまま、もう片方の男が聞く。

彼もすでに息が荒くなっているが、それを誤魔化すためか語気を強めに言う。

問いかけられた側も、なるべく平静を装いつつ答える。


「しょうがないだろ……このパンストの匂い……これがあの巨人の足から放たれた匂いなんだって意識したら、なんか変な気持ちに……」


それを聞いた他の二人は押し黙る。

まさか自分も同じ理由で勃起しているなど言えるはずもない。

言い淀む二人の態度を察したのか、最初に声をかけられた男は嘆息しながら続ける。


「俺たち……やっぱりおかしくなってきてるのかな……。こんな状況で……興奮しちゃうなんて……。現に、あの男と女はおかしくなってるわけだし……」


事実、そうかもしれなかった。

少なくともここにいる全員は正常とはいえない状態にある。

全員裸という異常な環境下では、五感全てが研ぎ澄まされてしまう。

そして最も敏感な嗅覚から体内に入って来る刺激物。

それがヒナの足の匂いだ。

ヒナの足から発せられる腐敗臭交じりの酸っぱさと汗臭さ、そこに年頃の女の甘美さが合わさったような絶妙なバランスの香り。

それが染み付いたパンストは刺激物でしかなく。

四方八方、目を向ければどこまでも広がる蒸れた生地は、巨人の少女の濃厚な足の臭いを撒き散らし続けているのだ。


それを認識した瞬間、三人は同時に理解する。

このままここにいたら、自分達もいずれ壊れてしまうかもしれない。

今でさえ理性を保っているのが奇跡のようなもの。

あとどれだけ耐えられるのか、その限界値が分からない。


既に頭がおかしくなってオナニーに夢中の彼の様子を見ていると、否応なしに想像してしまう。

もし、もしも、あの巨大な足に踏みつけられたら……。

果たして自分は正気でいられるのだろうか?


「と、とりあえず、一旦落ち着こうぜ……」


男が言う。


「う、うん……」


「そ、そうだな……」


三人は小さく首肯し合う。

それぞれの腕に爪を立てて抓り、無理やり痛みで気を紛らわす。

そうすることでしか己を保てないと判断したのだ。

 

そして改めて、残された皆で状況を整理することにした。


………

##P10 異常者へのご褒美@オナニーした男を指で愛撫する


一通り整理したところで、現在の状況は完全に詰んでいると結論付けた。

仮にここから出れたとしても、行き着く先はあの巨人、ヒナの部屋だ。

いずれ捕まり、この部屋に戻されるのが関の山。

いや、そもそもここから出ることが可能なのか?

出入り口は一つしかない。

巨大な虫カゴのような天井。

プラスチック同士がしっかりと嵌合し、隙間など見当たらない。

例えどれだけ頑張ったとしても、今の非力な体格では、ピクリとも動かすことはできないだろう。

そもそもこのケースの壁は高く、自力で越えられる自信がなかった。

天井部に嵌っているプラスチック版に手をかけるどころか、そこに至るまでに垂直に伸びるプラスチックの壁をよじ登らなければならない。

もし足場になり得そうな障害物があるならば別だが、ここには彼らとヒナの黒パンストしかない。

ヒナが与えてくれたものを利用するのは、果たしてどうかと全員が考えたが、現状打破する手段が他に見つからないため、致し方ない措置と考えた。

そうして黒パンストを天井に向けて放り投げるも、ケースの上方まで届くはずもなく、さらにはヒナの濃密な足の匂いを撒き散らして、彼らのペニスに悪い影響を与えるだけに終わる。


こうして徒労に終わった自分達の行為を顧みて、ぐったりとしていた時だった。

ケースの向こう側、遠い窓の陽の光も傾いた時分。

遠くの方から、地鳴りの如き轟音が聞こえてきたのは。


──ずん……ずぅん……ずぅぅん……。


部屋全体が揺れ動くほどの振動。

その距離が徐々に縮まり、彼らがいる場所へと向かってきていることが判る。

音が近づくにつれ、段々と強くなる振動に恐怖心を抱く。

もう何度目ともなる地響きだが、未だ慣れることはなく、本能的な畏怖の念は募っていくばかり。

またあの怪物が来てしまった。

その事実は彼らに絶望の影を落とす。


やがてその音源はこの部屋の前で停止する。

次いでドアノブが捻られ、蝶番の軋む音と共に、部屋の主が帰還する。


「ふぃぃ~……。疲れたぁ~……♡」


入ってきたのは当然ながら件の巨人。

これまで数多くのニンゲンの精液を啜ってきた嗜虐趣味を持つ少女、ヒナ。

だがそんな事実を知る由もない彼らは、ただただその威容に慄くのみ。


「はぁ~……♡ なんだか、久しぶりにお出かけした気がしますねぇ~……♡」


彼女はそのまま一直線に虫カゴの前に向かうと、身をかがませて彼らを見下ろす形になる。

そして彼女は、己の巨大な影で覆い尽くされ今にも泣き出しそうな人間達を前にして、にっこりと微笑みかける。


「あら~♡ みなさん、お留守番できて偉いですよ~♡」


その笑顔には一片の曇りもない。

純粋な喜びに満ち溢れた表情で、彼女は再びケースの蓋を開け放つ。


「……ッ!」


「……」


男達は警戒心を露わにする。

今までは何とか宥められて来たが、今回はどうだろうか。

まさかこのまま全員連れていかれて、踏み潰されはしないか。

そう不安になるほどに、彼らの心には余裕がなかった。

ヒナの気まぐれ次第では、いつでも殺される覚悟が必要なのだ。

全員が互いに目配せしつつ、ヒナの次の行動を伺う。


「ふふっ♡ そんなに怯えないでくださ~い……♡」


ヒナがキョロキョロと視線を彷徨わせる。

まるで獲物を探す狩人のごとき視線の運び方。


「クスっ……♡ 女の子、どうやら勝手なことをしようとしたみたいですね……♡」


ヒナの口角が吊り上がる。

今朝のうちに散々気持ちよくしてあげて、淫紋を植え付けて、念には念をと口封じの魔法をかけておいたのだ。

その魔法が見事に発動して、今も淫紋に刺激を送り続けてあげているのだから、女がどんな状態になっているかは想像に難くない。

けれども、ヒナの責める矛先はその場に居る残りのニンゲン達にも向けられる。


「あらあら~……♡ その匂い……まさか〜……♡」


一人の男の下半身の一点から漂うオス臭に、ヒナは目を輝かせた。

そしてそのままニヤリと微笑んだ。


「あらあら♡ 出してしまったんですねぇ〜♡ こんな素敵な香りを独り占めなんて酷いなぁ〜♡」


ヒナは上機嫌に彼らを見つめていた。

そして彼女はおもむろに、そのまま右手の人差し指を伸ばして、問題の男の股間へと迫らせる。


「い、いや……これは違っ……」


「んふふ……♡ いいのですよ〜……♡ 皆さんまだまだイキがい……じゃなくて、お若いですし~♡ 我慢できなくても仕方ありませんからね〜♡」


ヒナは全く気にした素振りを見せず、淡々と指を男のペニスへと近づけていく。

男は思わず後退りしようとするものの、パンストの繊維が絡まって

思うように進めない。

結局、その距離がゼロになった時、その指先は彼の肉棒へと接触する。


──ぴと……♡


「はぅぁっっ♡♡♡ んんっっ♡♡♡」

「あらあら……♡ とっても熱いですね〜♡ しかも……ベトベトじゃないですかぁ……♡ うふふ……♡」


突如訪れた冷たくしなやかな感触に男は情け無い声を上げた。

そしてその大きさゆえに、指先だけで身体全部がすっぽりと隠れてしまう。

いくら押し返そうと力んでも、ヒナの指はびくともしない。

それどころか、その圧倒的な質量に逆に押し潰されそうになる。

もはや逃れる術はない。

男の心にはただ絶望感だけが渦巻いていた。


「まぁまぁ〜♡ 慌てないで下さいね〜♡ ちゃんとお掃除させて頂きますよ〜♡」


そしてその指はゆっくりと彼の股間を嫐り始めた。


──すりゅ……♡ すりゅりゅ……♡


「あっ……♡ んんっ……♡」

「うふふ……♡ ほらほら……♡」


その重量感に反して繊細な手付きは、決して乱暴な訳ではなく、どこまでも優しい愛撫であった。

しかし、その優しさは男達にとって却って毒になる。

その快感に男の口から漏れたのは、蕩けた甘美の吐息のみ。

巨人の柔らかくて暖かい皮膚が全身を覆い、刻まれた無数の指紋の溝が優しく股間を撫でていく。

巨木のような指がもたらす圧迫感は、圧倒的なまでの被征服欲を男の脳内に注ぎ込み、恐怖と悦楽が混ざり合い、形容し難い感情がこみ上げてくる。


「ふふふっ♡ こんなにビクビクさせてぇ〜……♡ 本当に可愛いですね〜♡」


ヒナが心底楽しそうに微笑みを浮かべる。

その口元には妖艶な朱唇が覗き、その奥には舌先がちらりと覗く。


「ほーら♡ よちよちされて『ぴゅ〜♡』することを覚えましょうね〜……♡」

「ううっ……♡」


男の頭には否定の言葉が浮かぶが、それは口から出て来なかった。

自分の下半身を覆い尽くす巨人の指先に触れられると、自分の意思とは関係なく身体が快感に反応してしまうのだ。

それに何より、あまりにも小さい自分の体では、巨人の指は一本とはいえ、両手を広げても足りないほどなのだ。

例えそれが指一本だけであろうと、それこそが自分達を支配する強大な力の象徴であり、到底逆らうことなんてできなかった。


「うふふ……♡ それじゃあ〜……♡ 行きますよ〜……♡」


そう言うと、ヒナはゆっくりと、男の股間全体へと小さな振動を送り込み始める。


「あ"っ"……!♡ あ"っ"……♡ あ"っ"……!♡」

「んふふ……♡ 可愛い声出しちゃってぇ……♡」


ヒナは微笑ましそうな表情を浮かべつつ、その速度は徐々に加速していく。

まるで子供をあやす母親のような仕草だが、行っていることは至極卑猥な行為。

だがそれに対しても一切臆することなく、むしろ愉しんでいる節さえある。


「んふふ……♡ こうやって揺すられると〜……♡ 気持ちよくて、すぐにイッちゃいますよね〜♡」

「そ、そんな……っっ♡ くっ……♡」


「ほらほらぁ〜……♡」


その激しい揺れに合わせて、男の陰茎も上下左右に振り回されていた。


「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あぁぁ……♡」

「は〜い……♡ ぴゅぅ〜……♡」


──ぶびっ♡


「あ"ぁ"あ"ぁ"♡♡♡」


──ぶびびっっ♡♡ ぶびゅっっっ♡♡♡


男の下腹部から迸った粘っこい液体が、ヒナの指先に打ち付けられる。

しかしヒナは、それを当たり前のように受け止めると、何事もなかったかのように指を引き抜いた。

そしてヒナの指の隙間には白濁色の液体が糸を引いており、それを恍惚とした面持ちで眺めた後、その指を口に含む。


──ちゅぱぁ……♡


「んん〜♡ 美味し〜♡」


一人の男から巨人は指先一本で精を搾り取る──そんな光景を見せつけられて残りの三人は、ヒナの真意を計りかねていた。

当初、保護するからという口実で連れてこられて来た先がここだった。

突如迷い込んだ世界で頼るあてもなく、この巨人に縋るしか選択肢がなかったから従ってきたものの、ヒナという少女は紛うことなき怪物であることに変わりはない。

見た目は同じ人間そのものながら、長い尻尾が生えていること、それに何より身体が自分達に比べてありえないほど大きいのだ。

それこそ指先一つで簡単に捻り潰されてしまうほど……。

自分達がこの巨人の用意したプラケースの中から逃れられない以上、ヒナの気分次第で生死を弄ばれる立場なのだ。


「あっ……うぁ……」

「ん〜? 少しこわがらせてしまったみたいですね〜……♡ んちゅぅっ……ぱっ♡」


指をしゃぶりながら、男達を見下ろすヒナの視線が降り注ぐ。

それはまるで品定めするかのような、いやらしさを孕んだ眼差し。

全身を舐め回される心地になっていく。


「……ん、あぁ、こうして搾ってあげてるのは、あなたたちのためでもあるんですよ〜? だってムラムラしたまま放っておいたら、あなたたち同士であの女の子を巡って争いが起きちゃうじゃないですか〜♡ だって現に、今もムラムラしちゃってるんですよね〜?♡」


ヒナの視線が男達の股間へと移る。

そこにはギンギンに勃起して、ヒクついているチンコが三本あった。

それを見たヒナの口元が緩む。


「ほら〜♡ こうやって見てあげてるだけでも反応しちゃいますし〜♡」

「……!!」「そ、それは……その……しばらく抜いてなくて……」「な、なぁ、ヒナさん……俺たちはここから出してもらえるんだよな……?」


男達が口々に言い訳を並べる中、一人の男が核心を突く問いかけをした。

そしてその質問に対して、ヒナの答えはこうだった。


「うーん……♡ じゃあ一人だけ、少し外に連れて行ってあげましょうか〜?♡」


その言葉に男達の顔色が変わる。

ここから出られるかもしれない期待と、巨人に操られるのではないかという不安の入り混じった複雑な心情。

果たしてどちらを選べば正解なのか。

あるいは選ぶこと自体が間違いなのか。

判断しかねるままに、彼らは黙り込むしかなかった。


「ん? せっかくお外に出られるっていうのに〜、みなさんどうしたんですか〜? 喜んでもらえませんか〜?」


その声色はどこまでも明るく弾んでいる。

しかしその中には確かに、挑発的な意図が含まれているような気がしてならない。


「だ、誰が行くんだ……」「そ、そうだな……じゃあ順番決めで……」「でもそれで負けたらどうするんだよ……」

「決められないんですか〜? なら私が適当に選びますね〜♡」


ヒナの言葉と共に巨大な手の太い指先が、三人に向かってゆっくりと迫る。

この箱を平易に蓋を出来る指先は、ヒナとしては小さく繊細な造形のはず。

しかし彼らにとってそのサイズは、建物を何棟も薙ぎ払ってしまうかのような、災害級の存在だった。


「うっ……」「あぁぁ……」「ちょ、ちょっと待ってくれ……!!」


「待ちません♡」


──ぎゅむぅ……♡


ヒナの指先が捉えたのは、先ほど質問をしてきた

男だった。

その指先は優しく、それでいて確実に彼の身体を押さえつけ、その大きな指で男の体を軽く摘んだ。


「あっ……ぁぁぁ……た、たすけ……!」


男はすぐに目を白黒させる。

指に拘束され、為す術もなく。

指がぐんぐんと上昇していき、Gを伴って地面がどんどん遠のいていく。

あっという間にプラケースから持ち上げられると、そのままヒナの眼前へと運ばれた。

至近距離からのヒナの顔はやはり美しく、普段の人間であれば一目惚れしてしまうかもしれない美貌の持ち主ではある。

しかし、彼にとってその姿は今や恐ろしい化け物でしかなかった。

この巨人の前では、人間など矮小な存在に過ぎないのである。


「あっ……あっ……うぁ……た、助けて……くれ……」

「ふふっ……♡ それが助けを求める態度と言葉遣いでしょうか……?♡」


「こ、こんなことしてなんになるんだよ……?! は、早く離してくれ……」


ヒナの指に挟まれたまま空中に浮いた状態の男は、懸命に哀願する。


──ぐぐぐ……。


しかしヒナの指から力が緩むことはなく、むしろより強く締め付けられた。


「痛いっ……!」

「ふふ……♡ そうですよ? 今、私が少し力を入れれば簡単に潰れてしまいますよね? なのにどうしてそんなことを仰るのでしょう?♡」


「そ、そんなこと言ったって……」

「あぁ〜……♡ まだわかっていないみたいですね〜……♡」


──ぎゅぎゅぅぅぅ……!


男の胴体をきつく圧迫するヒナの指先。

男はその圧迫感に悶絶し、悲鳴を上げざるをえず、そしてヒナは嬉々としてそんな男の反応を見下ろしていた。


「まぁいいです、これから別室であなたとは少しお話をしたいと思っていましたから〜♡」


開かれたヒナの指先から、男が真っ逆さまに落ちていく。

それをヒナは反対の手のひらで受け止めると、片手を器のように窄めて、男のことを別の部屋へと連れ去って行く。


「大丈夫ですよ〜、すぐ戻ってきますから〜」


そう言い残してヒナの姿が見えなくなったあと、残されたまだまともな二人は、顔を青ざめさせる。

あの男はいったいどこに連れて行かれてしまったのか。

恐怖に囚われた彼等の頭には、最悪のイメージだけが次々と思い浮かぶのであった──。


………

##P11 お話という名の調教@事実を知った男、クサ足でのプレッシャー、足臭責め、足でサンドイッチ、連続射精


──別室にて。


男が連れて行かれたのはヒナの住んでいる部屋のリビング。

この家のメインスペースとなっており、テーブルも椅子も置いてある普通の部屋。

しかし、巨人の住処であるため、家具のサイズは人間にとって規格外の大きさをしており、男にとって、これらは人智を超えたスケールの建造物そのものだった。

そんな巨大な家具に囲まれたリビングの中央にあるソファとローテーブル。

ティーセットなどが乗ったままのテーブルの上に、男はそっと下ろされた。


「少しお話しがしたいと思いましてね〜?」


──ギギギギ……!!ギシギシギシィィィ!!


すぐそばのソファに腰掛け、座面がヒナの体重によって軋みながら凹んでいく。

圧倒的な大きさと質量。

ただ女の子がソファに座っただけ。

それなのに、今まで聞いたこともないような轟音が、鼓膜を突き破らんとばかりに響き渡る。


──ずぅぅぅぅぅっ……しぃぃぃぃぃ……♡




「よいしょっと……」


完全に着席したヒナは、大胆にもソファの上で大股を広げ、両足を大きく開いた。

これにより彼女の下着は丸見え、更にはその奥の縦筋までもが生地の表面に浮かび上がっていて、あまりの淫靡さに目眩がするほどだった。

なにせ年頃の女が、それも同じサイズであれば極上と言われても遜色ない美貌の少女が、足をおおっぴろげにしているのだ。

たとえ頭の中では化物だとわかっていたとしても、目の前の光景は雄として興奮せざるを得ないものである一方で、ヒナが自分たちの視線などまるで気にする素振りを見せていないことに対して、男は複雑な感情を抱いていた。


「さてと……」


彼女はローテーブルの上のカップを手に取り、優雅に口を付けながらゆっくりとその水面を眺めていた。

しかしそれもつかの間、カップを元の位置に戻すと、再びヒナは男を見下ろした。


「何か聞きたいことは? こうしてわざわざここに連れてきてあげたんですし、特別に何でも答えてあげますよ?」

「……」


男は困惑していた。

何でも答えると言われても、いざそう言われると何から尋ねたら良いものかまるで見当がつかない。

それに万が一、余計なことを訊いてヒナの機嫌を損ねでもしたら……。

いやそんなことより、まずは一番知りたいのは……。


「あの……まずはじめに聞きたいんだけど……君は一体なんなんだ?」

「ヒナです」


男は少々拍子抜けした。

自分の名前が聞かれたと勘違いしたのか、あるいは単純に無意識に出た答えだったのか、どちらにせよ予想していた答えとは違っていた。


「あぁいや、そうじゃなくて……あの、なんと言うか……あなたは人間なのかい? こんなに体が大きいんだから当然そういうことにはならないんだろうけどさ……。もしかして、違う生き物とかだったりするのかなって思ってさ」


男の言葉を受けてヒナは目を丸くする。

そんなこと訊かれるとは思わなかったと言わんばかりの表情だった。


「ふむ……そうですねぇ……」


彼女は少し考え込むような仕草を見せた後に、ぽつりぽつりと話し始めた。


「そうですね〜……簡単に言えば私はサキュバス……魔物です」

「サキュバス……魔物……」


魔物。

昔読んだ童話などで出てくるあの魔物だ。

男の精を喰らい、時には夢の中にまで入り込み、人々を魅了して惑わすなどと言われている怪物。

そして、実際に存在しているという事実。

にわかには信じ難い話だった。

だがしかし、この目の前にいる巨大な女が本当にそのサキュバスだとしたら納得はできる。


「そのサキュバスとやらが、どうして俺たちを捕まえてるんだ? 捕まえてどうするつもりなんだ?」


ヒナは頬杖をつきながら笑う。

その仕草はどことなく小悪魔的で、それでいて愛らしい。

それはまさに彼女がサキュバスであることの証左のように思えた。


「な、何がおかしい……!」

「いえ、あの、ちょっと生意気だな~って思いまして~……♡」


──ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……♡


大股を開いていた脚が、ゆっくりと組まれていく。


──ずずずずずずずずずず……♡


肉肉しい太ももが潰れ、生地同士が擦れ合う音が耳をつんざく。

先程同様聞いたことのない音量。

だがそれはヒナという巨人が日常生活を送っていれば自然に発せられる程度の音量。

けれど男の耳にはそうは聞こえない。

圧倒的な巨体から生まれる音響は、まるで砲弾を撃ち込まれたかのように、激しく鼓膜を震わせるのであった。


「ふふっ♡ あなた方が住んでいるところでは知らないかもしれませんけど……私たちの住む街では、サキュバスというのはとてもメジャーな種族なんですよ~♡」


そう言ってヒナは、さらに脚を動かしていく。


──どっっっっすぅぅぅぅぅぅぅぅん…………♡


ローテーブルの上に左足の踵を乗せて、足首同士を絡ませ、クロスさせていく。

彼女のしてみれば些細な動作。 

しかし男の目の前に掲げられたのは、大型トラックほどもある黒い物体。


「うぁ……」


巨大すぎる足。

男の視界を塞ぐ黒の塊。

目の前にそり立った壁のごとくの超特大の足底。

それが今まさに、自分の方向に向けられている。


「で……なんでしたっけ~?♡」



「あ……いや、それは……」


男は言葉を失う。

あまりにも巨大すぎて、もはや何を話していたかも忘れてしまっていた。

ただわかるのは、これが自分よりも遥かに大きな怪物の、ただの一部位であることだけ。

その事実が何より恐ろしかった。


「ふふっ……♡ 恐れることはありませんよ〜♡ 今日は話をしようと言ったではありませんか〜♡」

「あっ……いやその、えっと……」


先程までの威勢はどこへやら。

ヒナの足のあまりの大きさと迫力に気圧されていると、ヒナは何を思ったのか、さらに足を近づけてきた。


──ずず……ずずずずずず……♡


足裏が迫るにつれて、鼻腔を刺すような臭気が漂ってくる。

湿気の多い季節でなくても太陽にジリジリと焼かれて気温の高いこの時期。

それも一日中外出していたヒナは、指間が足汗のせいでねちゃつくこともいとわずに革のローファーを一度も脱ぐことなく、歩く時はもちろん座っている時も蒸れっぱなしでいることなど日常茶飯事。

それを半日近く履き続けていたこともあって、蒸れて蒸れて蒸れきった足の裏は想像以上の強烈な臭気を放っていた。

なぜそこまで自らも不快な思いをしながら足を蒸らすのか。

簡単である。

小人達に見せつけて、その臭いで籠絡するため。

くっさい足の裏に悶絶し、それなのにくっさい足の裏に魅了される様を鑑賞するのが、この上なく好きな変態なのだ。

だから彼女は、靴を買い替えるようなことはせず、あえて蒸れやすい状況を作り出し、更に念には念をとストッキングを洗濯することもしない徹底ぶりなのだ。


「う"……ぁ"……」

「どうしました~?♡ 私の話を聞いていないみたいですが~?♡」


「うぐ……んぐ……ぅぅ……」


男の目から涙がこぼれ落ちる。

あまりの異臭。

嗅いだことのない臭い。  

それはまさに生き地獄。

まるで拷問のようだった。

息を吸おうとすればするほど、充満した酸っぱさにより喉の奥まで痛みが走る。

鼻は曲がり、目は充血し、ついには脳まで侵されていくような感覚に襲われる。

それでもなお、ヒナは足を下げることはなかった。


「ん~?♡ 聞こえてます~?♡」


──ずずずずずずずぅ……♡


近づく足裏。

靴の中で密閉されていた足先は、汗に濡れた黒パンストの繊維が張り付き、まるで雨に降られたかのような湿気を放っていた。

故に、ミストの如く降り注ぐ足汗の湯気。

それはかつてないほどの凶悪さを持ったガス。

足の裏に堆積した皮脂汚れや垢などの老廃物、そこに混ざり込んだ砂埃、足の裏や指の間から染み出してきた汗が化繊素材であるパンストの中に閉じ込められたことにより発酵が進み、細菌が増殖し、熟成された蒸れの産物。

そこへヒナという女の子の、熟した桃のような甘い芳香が混ざり込むことで完成する、極上の足裏フェロモン。

そんな魔性の毒素を、男は間近で浴びせられている。


「う"あ"……!! くっせ……あ"ぁ"ぁ"……!!」

「ん〜?♡ どうしたんですか~?♡ そんな辛そうな顔をしちゃって〜♡」


「う"あ"ぁ"……!! あ"ぁ"ぁ"……!!」


あまりの臭気に悶え苦しむ男。

だが不思議なことに、それはいくらでも嗅いでいられる奇妙な中毒性を秘めていた。

まるで媚薬の一種のような効果を持っているのだ。

嗅覚が気絶するほどの激臭にも関わらず、もっと嗅ぎたいと思ってしまう。

そんな不可思議な矛盾が、男の意識を蝕んでいた。


「あははっ♡ やだ、そんなに泣いちゃうほど臭かったんですか~?♡」

「くせぇ……くさい……くさい……なのに……ッッ♡♡♡ なんでぇッッ♡♡♡」


「それじゃあ、もっと近づけてあげましょうか~♡」


──ずず……ずずずずずず……♡


「お"ッッ♡♡♡ お"ぉ"ぉ"ッッ♡♡♡」


臭いが一層強烈になるにつれて男は激しく喘いだ。

それは拒絶反応か、あるいは快感からくる生理的な反応なのかわからない。

だが確かに、男の口元は歪み、愉悦に浸っていた。


「臭い臭いって言う割には〜……クスっ♡ 勃起……してません?♡」

「そ、そんなわけない……ッッ♡♡♡」


男は咄嵯に否定した。

しかし彼の肉体は嘘をつけてはいなかった。

彼の言葉とは裏腹に、股間にそそり立つ肉竿は、自分史上過去に類をみないほど、激しく天を仰いでいた。


「へぇ~♡ そうなんですねぇ~♡ 」

「あッ……♡ ち、違うんだ……これは……ッッ♡♡♡」


「ふ~ん……♡」


男の股間に向いたヒナの鋭い眼光。

決して開かれることのなかった細い目が開眼し、文字通り人間離れした黄色い虹彩が露わになる。


「あ、いや、えっと……」

「いいんです……♡ 気にしないでくださいね〜♡ 私は怒っているわけではないので〜♡」


──どっっっすぅ……♡


「ひっ……」


急に足が降下してきた。

ヒナが組んでいた足首をほどき、両足とも投げ出すように、踵をテーブルの上に乗せたのだ。

地鳴りのような響き。

彼の目の前に鎮座するヒナの足は、最早生身の部位とは思えぬ重量感と威圧感を放っている。


「でも……あなた方にとって、私たちは得体のしれない怪物でしょうから〜……♡ 怖いのもわかりますよ〜♡」


──ず、ず、ず、ず、ず、……♡


「あ……ッッ♡♡♡」


ヒナの足が再び近づいてきた。

先程までと同じように、ゆっくりと時間をかけた動き。


だが今回はただ近づいてくるだけでない。

足の側面──小指側をテーブルにつけ、足の裏同士を向かい合わせる形で、じわじわと距離を詰めてきているのだ。



「う"……あ"ッ……」


男は圧倒されてしまう。

故に男は咄嗟に後ろを向いてしまった。

このままでは自分が自分でなくなってしまうという恐怖。

今ここで逃げなければ自分は変になってしまう。

そう思い、出口を探そうと後ろを向いたのだ。

が。


「あはは、こんなに狭いテーブルの上なのに……一体どこへ逃げようとでも?♡ あぁ、あなたにとっては十分広いのかもしれませんが……私の足にとっては歩幅一歩以下ですよ〜♡」


──ず、ず、ず、ず、ず、……♡


彼の希望はすぐさま打ち砕かれる。

振り返って目に映ったのは、ヒナの巨大な足がゆっくりと、しかし確実に迫ってきている光景。


「や、やめろ……来るな……」


しかしヒナの足は止まらない。

男を追い詰めるようにして、ゆっくりと一定のスピードを保ちながら、その圧倒的な体積をもって迫り来る。


──ず、ず、ず、ず、ず、……♡


「あ……あぁ……」


男は足裏のあまりの圧倒的な迫力に、膝をついてしまう。

こんなにも大きな物体を見るのは生まれて初めての経験。

足の裏と呼ぶにはあまりにも異質すぎる……言うなれば、漆黒の壁。

近づけば近づくほど、その足裏の壁の大きさは際立ち、黒パンスト越しでも感じ取れる熱と湿度により、足裏から溢れる腐敗した汗と酸っぱい老廃物の臭気が、まるで沼地の瘴気のように漂い出していた。


「あ、あ"ぁ"……」


男は目の前まで近づいてきた足を凝視する。

近くで見れば見るほど、その細部の造りは精巧で、緻密で、きめ細やかな女の足裏であることに間違いはなく。

しかして、その大きさは常識では考えられないほどに巨大で、黒く、艶めかしく、尊大

で、禍々しくて。

そんなアンバランスな要素をすべて兼ね備えた、怪奇で淫靡な生物の足裏を前に、男は釘付けになっていた。


──ず、ず、ず、ず、ず、……♡




「あぁ、だ、だめだ、こっちに……」


男の身体は恐怖ではなく、その足の美しさに魅了されていた。

この美しくも不気味な足は、自分を一体どこへ連れて行こうというのか。

そんな思考に全てを支配されつつあった男の周囲を、ヒナの足裏が取り囲んだ。


「は〜い♡ やっと捕まえましたよ〜♡」

「う"……う"ぁ"……」


ヒナが笑みを浮かべて告げる。


──ずず……ずずず……ずずぅ……♡


足の親指が曲がる。

同時に他の指もゆっくりと曲がり、閉じていく。

足の間にできた空間に、男はすっぽりとおさまるような形となった。

そこはヒナの足の裏で作られた、狭い狭い檻の中。


「う"あ"ぁ"ぁ"……!!」

「うふふ……♡ ここがあなたの新しいお部屋です〜♡」


気が狂いそうだった。

天井と床を除く、ぐるりと周囲360度、黒いストッキングの繊維が張り巡らされた足の裏に包囲され。

まるで監禁されたような感覚。


「う"あ"ぁ"ぁ"!! んぐッッ♡♡♡ くっせぇ……ッッ♡♡♡ あ"ぁ"ぁ"……ッッ♡♡♡」


そして何より強烈だったのは臭い。

一目瞭然の、極度の蒸れ。

到底ヒトの足とは思えない、凄まじい臭気。

ただ壁として立ちはだかるだけで、その臭気の凄まじさをまざまざと感じさせられる。

それほどの臭いを誇る足裏にすっぽりと囲われてみればただでは済まない。

その強烈さたるや、鼻腔粘膜を焼き焦がすが如くの猛毒さ。

足の間に密集された空気は非常に濃密で、窒息寸前になるほど酸素が薄い。

故にどうしても、この蒸れた臭いを大量に吸い込まなければならなくなり、ヒナの蒸れた足の臭いで肺を満たすことになってしまうのだ。


「あ"ぁ"ぁ"!! んぐッッ♡♡♡ んぐッッ♡♡♡」


足の間、指の股から漂う強烈な腐敗臭。

そのくせ、甘ったるいような、香水のような匂いも感じられ、そんな匂いの檻に閉じ込められた男の股間は一際硬くなり、そして気づいてしまう。

 

くっさい足の臭いが、もっと欲しいと。

もっと近くで、嗅ぎたいと。


「あ"ぁ"ぁ"……あ"ッッ♡♡♡ んぐッッ♡♡♡」

「あらあら……♡ 意外と早かったですね〜♡」


男は必死に堪えようとするが、無意識にその黒くも神秘的なパンストに包まれた足に顔を寄せてしまっていた。

黒い繊維の奥からは健康的な朱色が、汗に濡れたためかうっすらと透けていて、指と指の間に溜まった腐海の淀みから放たれる激烈な匂いを放ち、男を誘惑する。


「うふふ♡ ほらほら〜♡ いいんですよ〜♡ もし我慢できなくなったら、遠慮しないで全身で抱きついていいですからね〜♡」

「あ"ぁ"ぁ"……んぐッッ♡♡♡」


心と身体の動きは真逆だった。

頭の中ではダメだとわかっていながら、身体は言う事を聞かない。

ヒナの甘言に誘われるまま、まるで操られているかのように、両腕が伸びていく。


「う"ッッ♡♡ あ"あ"あ"ッッッ♡♡♡ くそっっっ♡♡♡」


欲望の赴くまま、手を足の指の付け根に添えた。

その瞬間、手のひらから伝わるのは、ゴムのような、でも弾力のある感触。

汗を吸った黒パンストが生む独特の質感。


「あぁ♡ 触っちゃったんですね〜♡」

「ッッ♡♡♡」


男は反射的に、手を引っ込めようとした。

最後に働いた防衛本能。

しかし足の指が、彼の手を捕えていた。


──ぎゅむぅっ……♡♡♡


「あ"……!!」


一本一本が自らの身長よりも長く、胴回りの何倍も太い、巨大な足の指。

指間同士を『ぎゅっ♡』っと閉じるだけで、男の手首は完全にロックされ、逃れられない。 


「うふふ……♡ もう遅いです〜♡ 今更手足をじたばたと暴れさせても〜……♡ あなたの小さな手足では、この足はびくともしないんですから〜……♡」


ヒナの足が閉じ、男は完全に指の付け根に囚われた。

ここに来て、ようやく己の身に何が起こっているのかを理解し始めた。

自分は今、足に食べられている。


──ごごごごごごご……♡♡♡


恐怖を感じる暇もなく、背後に迫った足裏。 

男は足裏に背中を押されるようにして、ヒナの足裏の狭間へと誘い込まれ──。


──ぎゅむぅっ……♡♡♡


「お"ッッ♡♡♡」


ヒナの足に挟まれた。

その瞬間、とてつもない多幸感が全身を貫いた。


「あ"……ッッ♡♡♡ あ"ぁ"ぁ"……ッッ♡♡♡」


腰の奥から湧き上がった甘い痺れが、頭や指先の末端へと駆け巡る。


背中に感じる柔らかくも弾力のある肉の感触。

胸板に押し当てられる熱。

そして顔いっぱいに広がる黒ストッキング越しの肌色。


「ん"……ッッ♡♡♡」


ヒナの足は大きい。

そして柔らかい。

男の全てを受け止めてくれる、巨大な女体の一部。


「だめ……ッッ♡♡♡」


そして何より、この強烈な臭い。

ヒナの足が男を歓迎するかのように、むわっと、汗臭い匂いを放つ。

足の間から漂う匂いは濃密で、鼻の穴を通して身体の隅々にまで染み渡る。


「だめぇ……ッッ♡♡♡」

「うふふ……♡ しっかり抱きつけて偉いですね〜♡」


「あ"ぁ"ぁ"……ッッ♡♡♡」


しかし、ヒナの足裏の抱擁はどこまでも優しく、甘やかで。

故に男は自ら積極的に身を預けてしまう。

足裏が与える圧迫感は心地よく、ヒナの体温や匂いと合わさって、絶妙な安らぎすら感じてしまうほどに。


「ふふっ……♡ かわいい~……♡」


足の間の温もりが、男を陶酔させていく。

頭の中で靄がかかっていく。

それは幸福の象徴。

それはヒナの足の指が作り出す、究極のハーレム空間。

たとえ意識があっても、男の身体は完全に掌握されたも同然だった。


「いいですよ? 出しても……♡ 我慢しなくていいですからね〜♡」


ヒナの足が少しだけ動く。

軽く身じろぎするだけで、指の動きに翻弄される。

まるで恋人を慈しむかのような、甘美な指の運動。

男の中心に流れる熱いものが、腰の奥から噴出し、睾丸を通り抜ける。


しかし、男はここまでそれだけは避けていた。

股間への直接的な刺激。  

ヒナの足は全身を包み込んでいたが、決して無理やり圧迫することはなかった。

故に男は、そこだけは死守していた。


「だめだ……ッッ♡♡♡ そこだけはぁ……ッッ♡♡♡」


ヒナは男の懇願を聞いて微笑んだ。 

そして男の期待とは裏腹に、ヒナはゆっくりと足を閉じていく。


「うふふ……♡ やめませんよ〜♡」


──ずずずずず……♡♡♡


少しだけ開いていた足。

その隙間をそっと埋めるように、ヒナの足はゆっくりと閉じていき、遂に足裏同士が密着。


──ぎゅうううう……♡♡♡


「お"ッッ♡♡♡ あ"ぁ"ぁ"……ッッ♡♡♡」


そしてその瞬間、男の脳天を貫く強烈な快感。

睾丸から湧き上がる甘い疼き。

同時に足裏の間から伝わる、強烈な匂いと熱。

全身を包み込む圧迫感と多幸感。

それはもはや暴力的とも言える刺激だった。


──びゅるっ……♡♡♡


「ふふ……♡ 出ちゃいましたね〜♡」


男の意識は一瞬にして消し飛ばされた。

そしてその代わりに現れたのは、真っ白な幸せ。

黒いストッキングを白く汚す、勢いよく放たれる大量の精液。


──どぷっ♡ どぷどぷ……♡


「あ"ぁ"ぁ"……ッッ♡♡♡」


身を捩らせながら、足の間にて精を漏らしていく男。

その間もヒナは優しく微笑みながら、最高の快楽を与え続ける。

男の脳を溶かすような足の圧迫と温度と香りを与え続け、絶頂を促し、男に射精の癖を刻み込むように。 


「ほ〜ら♡ ぴゅうぴゅう気持ちよく吐き出しましょうね〜♡」


──ぎゅむぅっ……♡♡♡


甘く声をかけ、足の指で全身を『ぎゅむっ……♡』と握るたびに、男は狂ったように精を垂れ流す。

その姿はまるで幼子のようで、ヒナはそんな彼を見て微笑みを絶やさない。


「あ"ッッ♡♡♡ あ"ぁ"ぁ"……ッッ♡♡♡」


──ずりぃ……♡


ここで初めて、足裏を少しだけ擦り合わせた。 


──びくっ♡


「あ"……ッッ♡♡♡」


今までずっと圧迫だけを繰り返していたヒナの足が、微動だにした。

それだけだというのに、男の股間がまた一つ膨れ上がる。


──ずりっ……ずり……♡


繊維と繊維の狭間。 

黒と黒の壁に挟まれ、男の体ごと、股間部分を磨り潰す。


──びゅくびゅくびゅくぅぅぅッッッ♡♡♡


それはほんの一瞬の出来事だったが、男にとっては何秒にも感じる時間。

だがヒナにとっては、ほんの少し、足裏同士を擦り合わせただけ。

たったそれだけのこと。

たったそれだけのことで、股間から凄まじい快感が迸る。

限界の向こう側。

射精直後の過敏になっているペニスに、容赦なく与えられる新たな刺激。  

ヒナにとっては微弱な摩擦。

男にとっては最大級の苦痛に等しい拷問。

そのギャップが醸し出す、あまりの落差が男の精神をさらに蝕む。


──ずり……♡ ずり……♡ ずり……♡


繊維の擦れ合う音が、全身を通して鳴り響く。

その音が男の心を粉々に粉砕していく。

気持ちいい。

気持ちがいい。

これ以上気持ちよくなるとおかしくなる。

そう思って、まだ自由な手足を使って抵抗を試みる。

柔らかくて、温かくて、力を込めればぷにぷにと押し返してくれる弾力性をもった、少女の肌でありながら、足裏の壁──。


──ぎゅむぅっ……♡♡♡


「ん"ん"ん"ッッッ♡♡♡」


ヒナが足に僅かな力を込めれば、そんな抵抗も容易く陥落してしまう。

まるで母親が子に言い聞かせるように、そっと力を込めて、男の非力さと矮小さを思い知らせる。


「だ〜め〜……♡」


──ずりっ……ずりっ……ずりっ……♡


「あ"ッッ♡♡♡ あ"ぁ"ぁ"……ッッ♡♡♡」


お仕置きとばかりに容赦のない足裏による蹂躙、快楽攻撃。

それは決して激しいものではない。

ただただゆったりと、かつ丁寧に、男の身体に自分の存在を教え込むようにして行われる、いわば種としての調教行為。


「ん〜、こんなに小さくて儚い身体で〜……♡ どうやって抵抗しようと思ったのでしょうか〜……♡」


──ずりぃぃぃぃ~~~……♡♡♡


圧倒的な暴力と、それ以上の快楽で屈服させる。

自らが従属する相手をわからせ、そしてその相手の足にしがみつき、一生を捧げ、忠誠を誓わせる。


「キスしてもいいですよ〜……♡」


──ぎゅうう……♡♡♡


男の身体にかかる圧迫感が強まる。

足裏に完全に飲み込まれた男は、足の指の間で溺れている。

そんな中、ヒナは優しく語りかける。


「ほら……♡ 早く……♡」


ヒナの言葉がトリガーとなり、男の理性が崩壊した。

まるで操り人形のように、その指に誘われるようにして、足の指の腹に、その唇を寄せる。

自らの意志で、この足に従属する。


──ちゅ……♡


「ん"ん"ん"……ッッ♡♡♡」


ヒナの足は巨大で、太くて、柔らかくて、温かくて、心地がいい。

匂いは濃厚で、甘くて、しょっぱくて、たまらない。


「ん"ん"ん"ん"……ッッ♡♡♡」


脳が痺れる。

何も考えられない。

ただひたすらに足に奉仕するだけの、そんな存在に成り果てる。


──ちゅ♡ ちゅぱ♡ ちゅぅ♡


「ん"ん"ん"ん"……ッッ♡♡♡」


足の指の間で藻搔きながら、何度も何度も、指先に接吻を繰り返す。

もうこの足のない生活なんて考えられないくらいに、この短時間で依存してしまっていた。


「ん~、ちゅうちゅう吸い付く赤ちゃんみたいです♡」


ヒナの言葉を聞き、足に抱きつく。

この指に噛みつくようにして、もっと快楽を貪ろうとする。

それは子供が母の乳房に吸い付くかのような姿であった。


──ちゅぱっ……♡ ちゅぱっ……♡ ちゅぱっ……♡


足裏同士の距離がいっそう狭くなる。

互いの肌が触れ合うほどに接近したことで、足の間にある男の姿は、ほぼ完全に見えなくなる。

足の指の間にできた極小スペース。

男の小さな体は、窮屈に収納されて、動くことも困難になっている。


──どぷっ♡


そんな中で、ヒナの足裏に再び精を注ぎ込む。

我慢できるはずがなかった。

射精してすっきりするどころか、余計に欲求不満が加速する。

足の指の動きに合わせて、腰を振り、一心不乱にペニスを足の指に擦り付ける。


──ずりっ……ずりっ……ずり……♡


そして最後の一滴まで搾り尽くすかのように、ヒナは足の裏を動かし始めた。

射精しようがしまいが関係ない。

自らが満足するまで、男を使い続ける──。


………


──ぴゅるっ……♡


「ん〜♡ もう限界みたいです〜♡」


──がぱぁ……♡


男を足指の檻の中に捕らえてから小一時間、股間から何も出なくなったところでヒナはようやく男を解放した。

足裏同士が離れていくと、今まで密着していた足裏の空間が解放され、新鮮な空気が一気に流れ込んでくる。

途端に意識を取り戻す男だったが、すでに身体はぐったりとしていて、四肢には力が入らず、立ち上がることができない。


「……ッッッ♡♡♡」

「おつかれさまでした~♡」


ヒナの指先が、そんな男の胴を挟み、そっと持ち上げた。 

その指の動きはとても優しく、傷つけることのないように繊細な手つき。

それでいてしっかりと力を込めて、男の身体を持ち上げる。


「ん〜♡ たくさん出しましたね〜♡ こんなに真っ白ですよ〜♡」


──ぐぐぐぐ……♡


ヒナがその巨体を曲げ、男へと足の裏を見せつけるようにして差し出した。

男は呆然としながら、その足を見る。

男が囚われていた指の根本には、白濁色の液体がべっとりと付着していた。


──くんくん……♡


「あ〜……♡ 臭っさ〜い……♡」


ヒナはこの瞬間がたまらなく好きだった。

自らの育てた臭い足と、丹精込めて世話をした男から放たれた精液の匂いが交じり合ったとき、足が心地よく火照る。


「それじゃあいただいちゃいますね~」


そう、彼女はフットサキュバスなのだ。

足に放たれた精液は、最高の御馳走だった。

ただ彼女は極度の美食家であり、味付けも調理法も非常に厳しい。

中途半端なものでは満足しない。

そのため、男の精を極限まで高めてから、ようやく食す。


──しゅぅぅぅぅぅ……♡


足の裏に付着していた白濁が消えてゆく。 

跡形もなく。

まるで最初からそこに存在しなかったかのように。


「ん~、美味しい……♡」


ヒナの目論見は成功。

丹念に熟成させた足で、男に快楽を与え、堕落。

足だけを求め崇拝するように仕上げて、その成果として出てきた精液は、ヒナの肥えた舌を唸らせる素晴らしい代物であった。


この瞬間がたまらない。

これこそが、フットサキュバスである彼女の至福のひとときだった──。


………

##P12 二日目の夜@ペースト状の給餌、連履きパンストの布団


ケースの中に男が戻されたと同時に、中に入っていたパンストが取り払われる。

絶頂を繰り返す女と爪先部分でオナニーを繰り返していた男が抵抗の素振りを見せたものの、ヒナはそれを指先で容易く制した。


「栄養バランスを考えた食事を召し上がってもらわないといけませんからね~……♡ みんなでお食事タイムですよ~♡ ん~~~……♡」


──ぼとぼとぼと……♡ べちゃべちゃべちゃ……♡


ケースの上で口を開けたヒナの舌先から零れ落ちていく、粘性を帯びた餌。

黄白色のどろどろとしたペースト状のそれは、サラダのレタス、パン、卵焼き、ウィンナーを口に含み、丹念に唾液と混ぜ合わせた特製メニュー。


「しっかり感謝して召し上がってくださいね~♡ 私の大好物のウィンナーも一緒に口に入れていますから、栄養価も抜群……♡ お残し厳禁ですので、責任持って食べきってくださいね〜♡ あ、もし残しちゃうような方がいらっしゃったら、別室でお話しさせてもらいますので~……♡」


……お話し。


そう、ヒナがお話しと称して連れて行った仲間の一人が、先ほど帰ってきたばかり。

どうなってしまったのか、何があったのかについては、その男以外にはわからない。

しかしあの男は戻ってきて以降、何も話さない。

というか話さないどころか、誰とも目を合わせない。

ただヒナを見つめながら、うわ言のようにヒナの名前を呟いていた。

時折、口から涎が垂れ落ちているのが気になる。


「まあ、お話といっても大したことではありませんよ~……♡ たったの2、3時間お喋りしたり、一緒に遊んだりしただけですから~♡」


にこやかに言葉を述べるヒナは、あくまでも健全な交流であったということを強調しているが、それにしてはあの男の様子がおかしい。

明らかに何かあったはずなのだが、それについてヒナは触れることはなかった。


「さあ~……♡ 食べてください……♡」


ヒナの言葉とともに、二人の男以外が一斉にその場に這いつくばり、粘度の高いペーストを啜り始める。

昨晩あれほど嫌悪感を露わにしていたのに、今は競い合うようにして貪り喰らっている。


──むしゃむしゃ……♡ むしゃむしゃ……♡


「美味しいですか~……?♡」

「ッッ♡♡♡」


「あぁ、よかったぁ~……♡」


美味いか否かは本人のみぞ知る所。

しかしその表情を見ていれば察しはつく。

極上のディナーでも目の前に並べられているかのように、ヒナの咀嚼により原型を留めないまでに分解された食品の山々を口いっぱいに頬張る姿は、至高の一皿を堪能する表情そのものであった。


──ずるる……♡ ずるる……♡


「……」


その一方で、未だに食欲が沸かない男達がいた。

なんとか正気を保っている男二人である。

目の前に吐き出されたヒナの唾液まみれのゲロペーストに、どうしても食指が動かない。


「あ、もしかして残そうとか思ってたりします……?」

「い、いや……」


男達は恐怖の表情を浮かべた。

この巨人の性格を考えれば、断ることは許されないだろう。


「い、いえ……ぜひいただいてみたいと思います……」

「そうですか~……♡ それならば良かったです♡ 私の自慢の逸品ですから、美味しさには自信がありますし、是非食べてみて欲しいな~、と……♡」


自慢の逸品……?

自分で吐き出したゲロをそう呼べるのがすごいと思う。

男たちは心の中でそう思うが口には出さなかった。

今の自分たちの立場で、そんなことを口走ってしまえばどうなるか。


「うふふ……♡ 大丈夫ですよ~♡ 残しても罰を与えるなんてことはしませんから~♡ ただ少しだけお話しを伺わなければならないので……♡ 別室に連れて行かせてもらうだけです~……♡ ふふふ……♡」


それはつまり、今のヒナのお喋りの犠牲者のようになった男と同じ扱いを受けるということで。


二人の男は、そんな未来は望まないとばかりに、競い合うようにして床に積み重なったヒナの排泄物を頬張るしかなかった──。


………


食事が終われば、巨人の手による掃除が始まり、そしてお風呂の時間が過ぎていく。

昨日あれだけ抵抗した女もおかしくなった後からは、この巨人に反抗する素振りは見せない。


「は~い、みなさんお風呂は終わりましたか~?♡ それじゃあそろそろ寝ましょうか~♡ 皆さんそろそろお疲れですよね~? あ、今日もみなさんのお布団を用意してありますので、今晩もぐっすり眠れますからね~♡」


立ち上がったヒナが、自らが履いているパンストを片足ずつ脱ぎ始める。


──みちみちみちぃぃぃ……♡


はち切れんばかりに押し広げられた黒い繊維が、元の形へと戻っていく音。

普通サイズの人間では決して奏でられることのない音色は、彼女が圧倒的な力を持つ巨人であるという証。


──ずずずずずずずず…………♡


「うふふ……♡ これを履いていたのは、実は昨日からなんですよ~……♡ お風呂上がりに履いて、そのまま寝て……寝汗をたっぷり吸った状態で、履き替えずに今日一日過ごしました~……♡ お友達とヨガ教室とかに行って汗だくになったり~……♡ お外でウォーキングしたりして、たくさん足を蒸らしてきたんですよ~……♡」


冗談ではなかった。

昨晩でさえ強烈な匂いを放っていたというのに、今日一日中どころか、昨晩から履き続けているとなればその臭いは想像を絶する。 

その言葉を聞いた男達は顔を見合わせた。


「あ、ちなみにですが~……♡ このパンストは洗濯せずに、明日の朝にも履いていますので~……♡ 破いたりしないでくださいね~……♡」


黒い繊維の影。

巨人の足を覆っていた布の塊が宙を舞い、そのまま彼らがいるケースの中へと落下する。


──ばさぁぁぁぁぁぁぁ……♡♡♡


黒い繊維の内側から漂ってくる悪臭。

鼻が曲がるかのような強烈な匂い。


「女の子の朝は忙しいので~、万が一パンストの中で誰かさんが眠っちゃったりしてたら……♡ そのまま気づかず履いちゃうかもしれませんから、気を付けてくださいね~……♡」


誰がそんなことするか……!


と心の中で叫ぶものの、実際に口に出す勇気はなく。

昨晩とは異なり、巨人のパンストからなるべく距離を取るようにして、二人は横になり、就寝の準備に入った。


………

……

…

##P13 真夜中の決意@幕間


「あぁ……臭ぇ……」

「しっ……静かに……」


夜が更けた深夜。

周囲が寝息を立てている中、二人は目を覚まし、ひそひそと会話をする。  


「おい……やるぞ……」


男の一人が立ち上がる。

そしてケースの天井……硬質なプラ容器の蓋に向かって、脱獄を図ろうというのだ。


「やっぱり……」

「ん……?」


しかしそんな男の肩を掴んで制止したのは、もう一人の男だった。


「やっぱりやめとこうぜ……お前も見ただろう? 昨日まで一緒だったあいつが……別人みたいになって帰ってきたところを……」

「……」


一人の男は諦めかけていた。

男の一人が連れて行かれてからというもの、巨人の力と恐ろしさを改めて思い知り、もう二度とここから出られないのだろうと悟っていた。


「……いや、俺はやるぞ……」


しかしもう一人の男は違った。

たとえどんな手段を使ったとしても、脱出する覚悟を持っていた。

いくら巨人との力の差があるとはいえ、何十人……いや、何百人という人間が力を合わせれば、あの巨人を制圧できるのではないだろうか。

仮に自分たちの力不足で不可能だったとしても、外部から助けを呼べばあるいは。


「おい……正気かよ……」


男は信じられないと言わんばかりの表情で、仲間を見つめた。


「ああ、俺は本気だ……必ずこの忌々しい牢獄から脱出してやる……」


そう意気込む仲間に対し、男は眉をひそめる。


「なあ……考え直そうぜ……」


男は仲間の行動を阻止しようと説得するが、その言葉は届かない。


「お前も見ただろ? 昨日まで一緒だったあいつの変わり果てた姿を……」

「あぁ、わかっている……だけど、俺にいい考えがあるんだ」


脱獄を否定する男の言葉を遮り、真剣な眼差しで、男は語り掛ける。


「お前……本気で言ってるのか……?」


そんな男の提案内容は荒唐無稽すぎた。

ただそれは男の考えではあったが、しかし意外と成功率が高いのではないだろうか……と、思い至る。


「ああ、上手くいけばここから出られる」

「……」


男は沈黙した。

仲間の突拍子もないアイデアに驚愕して、言葉が出なかったのだ。

しかし、それでも仲間を信じて送り出すしかない。


「……わかった、だが俺はここに残る」

「ああ、お前は安全なところで待っていてくれ」


男は覚悟を決めた目で言った。


「成功を祈ってるぜ……」


仲間を信じて見送る。

それが、ここに残ると決めた男ができる唯一のことであった──。



………

……

…


##P14 ニンゲンの策略@パンストごと小人を履く

──翌朝。


「あ~~~~~、このままじゃ遅刻しちゃいます~! もうお弁当は作っているので、着替えてパンストを履いて……あぁ、パンストは確かニンゲンさん達のケースに入れてて……」


寝坊したヒナは急いで支度を済ませるために、慌てて勉強机に向かう。

そして透明なケースの中に放り投げていた、綿の塊のように皺のついた黒パンストを見つけると、中で眠っている小人達の様子は気にも留めず、そのまま引っ張り上げてしまう。


──ずるるるるるるるる……!!


「わわっ……あっ! パンストの中に一匹……!」


引き揚げたパンストに足を突っ込んだところで、一匹のニンゲンが紛れ込んでいることに気づく。

どうやら足の匂いに釣られて、自ら潜り込んだようだ。

しかもよく見るとそのニンゲン、昨晩の夕食時に料理を残そうとしたあのニンゲンではなかろうか?


「困りましたね~……朝はあれだけ忙しいって注意したのに……。私はこれから学校に行かないといけないので~……そんなに臭いのがお気に入りなら、このまま一緒に履いていってあげますね……♡」


足をどんどん締め付けていく黒パンスト。

繊維と肌の隙間に生まれた空間にニンゲンが一匹。

身を縮こまらせながら、足に踏み潰されないよう祈っているのだろう。


──ずずずずずず……♡


長い足の先をピンと伸ばすと、冷たくてしっとりとした繊維の奥に向けて、更に足を突っ込んでいく。

そのまま爪先が滑り込み、パンスト生地がヒナの足へと順番に被されていき、どんどん飲み込まれていってしまう。

その途中、彼女の爪先に当たったものがあった。

硬くもなく柔らかくもなく。

ただただ小さいもの。

ヒナは、すぐにそれが昨日食事を残そうとしたニンゲンだと理解した。


「あは♡」


ニンゲンの姿を見つけたヒナは、パンストに足を通しながらも、器用に足指の隙間にニンゲンを挟んでおく。

これから一歩、また一歩と足を進めることになるが、その際に自分の指に挟まっているニンゲンがどうなってしまうのかを想像するだけで、口角が上がってしまう。

まさかこの小さなニンゲンが、自分から飛び込んできたなんて信じられない。

でもそれが事実だし、実際に今足の中にいる。


「ふふ♡ あなたは勇敢ですね~……♡」


──ぐぐぐ……♡ ミチミチミチ……♡


最後にパンスト全体を引っ張れば、ヒナのフットサキュバスとしてのいつものスタイルの完成だ。

ただし、今日はいつもと違って足の中に一人。

歩く度にこのニンゲンの小さな体にどれほどの衝撃が加わるのだろうか。

少し想像してみただけでも足が疼き、股の内側が潤んでくる。

彼女の口元が緩むのは決して笑いが抑えられないからではなく、もっと別の感情からくるものだった。

きっとこのニンゲンも喜んでくれると思う。


「うふふ……♡ いってきま~す♡」


そしてヒナは学校へと出発して行った。


………

##P15 人間の策略@看過された作戦、パンストと生足に包まれる


──ヒナが起床する数十分前。


脱獄の糸口を見つけた男は、ケースの中で寝息を立てるほかの小人達を起こさないようにと、慎重に移動を始める。

向かった先は黒い山。

皺が重なり合い立体的な影ができた漆黒の山の内部を目指す。

その途中で昨日ヒナに連れて行かれた男と目が合った。

彼はこちらが目覚めていることに一切気づかず、ただ虚ろな目でヒナのパンストの残骸に抱きつき、一心不乱に腰を振っていた。

彼がどうなったのかは知らない。

ただ、自分もああなっていたのかもしれないと思いながら、ヒナの黒いパンストの残骸の内側を目指す。


──ず……ず……。


昨日に引き続き本日の寝床であるヒナの黒パンスト。

足先や足裏、股の部分など、特に匂いの濃い部分でなければ、耐えられないほどに臭くはない。

巨人の足を覆っていた、巨大で広大な筒の中へと潜り込んでいく。


男は、彼女が普段着用している衣服の残骸に自分から潜り込むことで脱獄を試みようとしていたのだ。

それは確かにリスクを伴う選択肢ではある。

もし脱獄を企てたことが露見すれば、巨人に捻り潰されるかもしれないし、そもそも全く気づかれずに履き込まれて、足にぺちゃんこに踏み潰される可能性だってある。

しかし、それにも関わらず、男がこの方法を選んだのには理由があった。


ひとつは、あのケースの中にいたままでは脱出できる可能性は限りなくゼロである、ということ。

巨人の持つ圧倒的な力の前に、相対的に小人である自分は為す術がない。

それこそ巨人が目の前に入ればあの透明なプラケースの中からこっそり抜け出すなんて芸当は到底不可能だろう。

羽が生えていたって捕らわれるのが目に見えている。


もう一つの理由は、巨人の性格である。

あの巨人は残忍だが、同時に愚かでもある。

寝床にするために放り込んだパンストを、翌日も履いていくと“わざわざ”宣言していた。

つまり、パンストにさえ潜り込んでいれば、外には連れ出される。

外はどこかは不明だが、少なくともこのケースから出るチャンスはある。

男は、巨人の足に巻かれた繊維の中で息を殺し、チャンスを窺うことにしたのだ。


………


──ずずずずずず……♡


──来たッ!


男が待ち望んでいた瞬間が訪れる。


ケースの中で眠っていた男達には気にも留めず、巨人の手によって引っ張り上げられていく黒パンスト。

男はなるべく巨人の目に入らぬよう、姿を隠していたため、おそらく気づかれてはいない。


──ずず……ずず……♡


(足先を突っ込む前にパンストを確認すらしていない……)


巨人にとっては当たり前の習慣。

だからこそ盲点となり、男の存在は気づかれずに済んだ。

その時だった。


「わわっ……あっ! パンストの中に一匹……!」


──!!


巨人の目がこちらに向けられた。

しかし、既に足を突っ込まれており、かなりの速さで裾が引き上げられ、入り口が足に埋め尽くされてしまう。

そうなると今さら出ていくことはできない。


「困りましたね~……朝はあれだけ忙しいって注意したのに……。私はこれから学校に行かないといけないので~……そんなに臭いのがお気に入りなら、このまま一緒に履いていってあげますね……♡」


巨人の声が聞こえる。

このタイミングで見つかってしまったせいで、事前に想定していた計画とは大幅に異なっていた。

もし巨人に気配を察知されないように、目につかない部分に隠れたまま、ゆっくりと運搬されることができたら理想的だった。

それなら、巨人の目を盗んでうまく脱出できる可能性もあったかもしれない。

しかし、このような最悪の形で見つかってしまうとは。  

やはり自分には運がない。


──ずずずずずず……♡


そうこうしている間に、入り口から巨人の生足が降ってくる。 

暗闇の中でもわかるほどの密度と質量を持ったシルエット。

それに伴って急速に減少する酸素量。

徐々に視界が奪われ、代わりに強烈な匂いが鼻腔を埋めていった。


「あは♡」


巨人が何か楽しげに笑っているが、そんなものは男にとってはどうでもよかった。

一刻も早くこの圧迫感から解放されることを考えるべきであった。

ところが。


「ふふ♡ あなたは勇敢ですね~……♡」


──ぐごごごごごごごごご…………♡ ミチミチミチィィィッッッ♡♡♡


パンストが巨人の手によって引き絞られる。

指や足首の輪郭がくっきりと浮かび上がるほどに圧迫された繊維は、分厚い壁となって、男を巨人の足へと縫い付ける。


一歩も動けない。


周囲に広がっていた漆黒の世界が一気に狭まり、手足を拘束された男は、パンストの壁と巨人の足の指に縫い付けられるように挟まれ、身動きが取れなくなってしまった。


「うふふ……♡ いってきま~す♡」


巨人が部屋を後にした。


──ずん……ずん……ずん……!!


巨体が大地を踏み鳴らす音が直に聞こえる。

上下に大きく揺れて、振動がダイレクトに骨身に伝わる。

男の体重何千、何万倍もの圧力をもって繰り出される地響きが、パンストの外側で轟き、その都度男の全身が軋む。


(ッッ……!! 死ぬ……!!)


巨人が歩くたびに振動が起こり、男はその度に圧迫される。

そしてそれが止んだと思うと、次の衝撃が来る。

まるで人の安全なんて全く考慮されずに設計されたジェットコースターそのものだ。


──ずん……ずん……ずん……!!


巨人の足の歩みは早い。

しかし巨人の一歩は広大な草原を跨ぐほどに長い。

黒の繊維の向こうの地面の景色が目まぐるしく変わる。

毛足の長いカーペットから木の板の廊下など……そのまま巨人の歩みに合わせて外の景色が流れていく。 


(っ……う"っ……!! く"っ……!!)


しかし男は、巨人の歩行のリズムに合わせて上下左右にシェイクされるばかりで、流れ行く外の情報をうまく処理できない。

それでも懸命に目を開ければ、すぐ傍に巨人の生足。

黒い繊維の内側に一緒に閉じ込められている巨大な足と比べて、あまりにも矮小な自分が情けなくてたまらない。

巨人の歩みが止まれば、一時の平穏が訪れる。

その瞬間に深呼吸をして落ち着こうとするが、すぐさま次の振動が襲ってくる。

これでは休むことができない。


──ずん……ずん……ずん……!!


(し、死ぬ……)


平衡感覚を保てないほどに揺られ続けるうちに、次第に男の意識は朦朧としていく。


「あは♡ ちゃんとしがみついてます~?♡ そこだったら落ちませんよ~♡」


──ぐにゅぅ……♡


突然巨人の声が響いたかと思うと、今度は視界が真っ暗に包まれた。


──ゴツンッ♡ ゴツンッ♡ ゴツンッ♡


辺り一面に響き渡る鈍い打撃音。

それは何か固いものが何度も地面を殴っているような音。

巨人が靴を履いたのだと、直感的に察する。


──ずしん……ずしん……ずしん……!!


すると再び、巨人が歩き出す。

さっきよりも強い衝撃と揺れ。


「今日は学校帰りにお友達とお買い物の予定があるので、いつもよりたくさん歩いちゃうかもですね~♡ あ、そういえば今日の午前の体育の授業は陸上競技でした~♡ 先週からマラソンが課題になってまして、今日は午前の間に全力で走りますので~……♡ 上級生と合同で行うのですが、その中でも同じくサキュバス族のヤマト先輩は結構鬼トレーナーさんですから~♡ ちゃんと本気でやらないと叱られますので、ニンゲンさんも私の足の下で頑張ってください~♡ あ、もちろん体育用の運動靴を洗ったことはありませんので、そのこともご留意のほどを~♡」


──ずしん……ずしん……ずしん……!!


挿絵 14_登校



巨人の言葉が耳に入るが、内容はほとんど理解できない。

耳を傾け理解しようと働く脳のキャパはすでになくなっていた。

巨人が歩いても、止まっても、地面を踏みしめても、男は休むことができない。

そして、この後さらに酷くなるであろう地獄の兆しを前にして、絶望しかなかった。

男は考えるのをやめ、ただただ巨人の足に挟まれながら耐えるだけの肉塊と化してしまった。


「ふふ♡ 頑張ってくださ~い♡」


………

##P16 学校@午前の授業P15 人間の策略@看過された作戦、パンストと生足に包まれる


昼休み──。 


「はぁ~~……♡ 心地よい疲労感です……♡ さて、お友達のお昼のお誘いもありますけれど、ちょっと足の方を確認しないとですね~……♡ まあ、多分気絶してると思いますけど……♡」


ヒナは教室に戻ると、椅子に腰をかけ、右足の靴紐を解き始めた。 


──ぽいっ……♡


汗と土とに塗れた運動靴を、足を下ろさずとも簡単に脱ぎ捨てる。 

靴の中から溢れ出る湿気。

むわりとした熱気を帯びた蒸気が溢れ出してくる。


「うわぁ~……♡」


さすがのヒナも鼻を摘み、苦笑する。

自分の足裏から発せられるこの匂いには慣れているとはいえ、他人が少しでもこれを嗅げば顔をしかめるだろう。

しかしヒナはそれを意にも介さず、自身の右足に目を向ける。


──ずず……♡


黒パンストの内側、指の付け根の部分に小さな膨らみが見える。

足の指の間に挟まっている小さな存在。

今朝自らパンストの内側へと入ってきた、愚かなニンゲン。


「あ~、まだ生きてるみたいですね~……♡ すご~い♡」


ニンゲンはまだ辛うじて生きているようだった。

体が痙攣し、小刻みに震えている。

しかし、大量の汗で濡れたパンストが足の形に沿って張り付き、余計な隙間など一片たりとも無い。 

故に彼にできるのは、足の指に触れて、圧迫を和らげる努力だけだった。

だが、その結果はお世辞にも良好とはいえない。


「うふふ……♡ 踏まれすぎて気持ちよくなっちゃったのかな……?♡」


彼の意思とは関係なしに勃起しているペニスが、ヒナの足指の隙間にはまり込んでいたのだ。


──ぐにゅっ♡


「おっと……♡ 動きました……♡」


ヒナは足の指に力を入れて、その位置を固定した。

そしてさらに上体をかがめて、顔を近づける。

目を細め、その指の隙間から漏れ出ている少量の白濁を目視する。


「あはは……♡ たくさん出しちゃったんですね~♡ おちんちんもこ~んなに元気いっぱいで……♡」


──ぐにぃ~……♡


「おっ、おぉ……♡ まだまだたくさん出ますね~♡ でも残念♡ 私は食事を済ませてからじゃないとお菓子を食べちゃいけないルールにしてますので~……♡ お味見はお預けです♡」


ヒナは足指を軽く開閉しながら、獲物が暴れないよう巧みに弄ぶ。

パンストの中で無防備に晒された哀れな雄。

そのちっぽけで愛おしい姿が、足裏とパンストとの間で、もがき苦しんでいる様を見ているだけでゾクゾクする。


──ぐにゅっ♡ ぐにっ♡ ぐにゅぅぅ……♡


「お友達に待ってもらってますので、私もう行きますね……♡」


少し足指を擦り合わせ、多少搾り取ってから、ヒナは足をローファーの中へと差し込んでいく。

そして、スカートのポケットからスマホを取り出して電話をかける。


「もしもし、シオリちゃん?♡ ごめんね、待たせちゃって~……♡ うんうん、あと少しだけ待ってもらえるかな?♡ ありがとう♡ 私もうすぐ着くから……♡ うん、じゃあ待っててね~♡ お昼は学食に行くよね?♡ 私、シオリちゃんとお喋りしたいことがあるんだけど~……♡ うん、そうそう! この前偶然ニンゲンを5匹も捕まえちゃってさ~……♡」


電話の相手はクラスメイトのシオリだった。

彼女は同じフットサキュバスでありながら、学年一のおっぱいの持ち主。

それでいて当然、彼女の足の造形もまた完璧。

女子生徒達から羨望の眼差しを集めている憧れの存在で、出自も完璧ないわゆるいいところのお嬢様。

そんな完璧なサキュバスに対しても、マイペースで物怖じしないヒナとシオリは親友といってもいい関係性であった。


「あはは!♡ そうだよ~♡ 五匹中、もう三匹堕としてさ~……♡ 今は四匹目を調教中なんだけど~……♡ シオリちゃんも一匹ほしい?♡ そしたら私がおすすめのニンゲンをプレゼントしてあげるよ~♡ とってもかわいい女の子なんだけど……最初は抵抗してたのに、ちょっと指で撫でてあげたら即堕ちちゃって~……♡ あ~、うんうん、お股にお口つけての直吸いはまだだから、それはシオリちゃんのために取っとくよ~♡ えっぐい舌責めと口吸い期待してるからね~♡」


──ピッ♡


学園生活で唯一無二の親友と他愛もない通話中、当然足に踏みつけられて精を搾り取られている男など眼中になく、むしろその存在を意識することさえしない。

無論、電話中も手慰み……いや、足慰みをするように、足の指同士を擦り合わせ、パンストの中で悶え喘ぐそのニンゲンを射精させ続けていたことは言うまでもない。


─がたっ……♡


スマホをしまい、席を立ちあがる。 

スカートの中の太腿のあたりをぽんぽんと叩き、服のシワを伸ばして整え終えると、悠然と歩き出す。

友人のシオリを待たせてはならないと、ヒナは颯爽と教室を後にした──。


──ずしん……ずしん……ずしぃぃぃん……!!


………

##P17 学校@午後の授業、足慰み


昼食が終われば、午後の授業。

科目はヒナの得意な数学の座学だ。

故に退屈な講義の時間をぼうっと過ごしながら、眠くならないように足裏で適宜ニンゲンを刺激して快楽を与え、気晴らしをしていたとき、ふと思いつく。


そうだ、靴を脱いでしまおう……と。


──かぽっ……♡


ローファーから踵をずらし、足を滑らせるようにして、靴を脱ぐ。

蒸し暑くなった靴の中に押し込められていた蒸気や汗、様々な要素が解き放たれる。


「……ちょっと! ヒナ、靴脱いだでしょ~~~! あんたのはほんとくっさいんだから!」


前の席に座る生徒が振り向き少し顔をしかめるが、本人はそれを気にもせず、左のローファーに続いて右のローファーも脱いでしまう。

そして机の下でふらふらと揺れる足先。


「あはは~♡ ごめんごめ~ん……♡」


──むわり……♡


つい数十秒前まで彼女の足が入っていたローファー。

その内部は、汗と汚れに塗れ、異臭を放っている。

これが単なる土ぼこり程度ならば良かったものの、生憎ここはサキュバス達の高校のようなもの。

運動量も多く活発な女子生徒が多く集まる場所なのだ。

そんな彼女達の足から滲み出た汗は、靴底にこびりつき、乾燥する間に独特の匂いを放つ。

これは誰のせいでもない。

仕方のないことなのだ。

それを承知で脱ぎ散らかすヒナも悪いが、教師も注意することなく授業を続行している。

どうやら彼女達にとって、教室に充満する足汗や体臭など、日常茶飯事なのだろう。


「あ、あの先生……」

「どうしました? 席についてください」


「……ええと、ヒナさんの匂いが強くなってきてるので……窓を開けましょうか」

「……好きにしなさい」


「ありがとうございます……!」


教師も内心辟易していた。

しかし彼女自身、その件に関しては最早諦めの境地に到達していたため、敢えて触れないという判断をしただけである。

仮に、本当にヒナの匂いが強すぎて集中できなくなった生徒がいれば、その時はまた別の対策を考えればいい。


──ゆらゆら……ゆらゆら……♡


ヒナは授業中にも関わらず、両足をパタパタと宙で揺らす。

その動きに合わせて、パンストに包まれた足指が蠢く。

授業への興味はもう失せてしまったらしい。

ただ淡々と問題を解き、時折ちらりと教科書を眺め、先生の声に耳を傾けるだけ。

なので集中力のほとんどを足先のニンゲンへと向けてしまう。


──ぐにぃ……♡


足の裏をくっつけて、足の指同士を絡ませる。 

まだ足指の中に収まっているニンゲンが、パンスト内で必死に抵抗しようとしているが、無駄だ。

こんな小さな体で足に勝てるはずがない。


──ぐにゅぅぅ~……♡♡♡


強く足を握り込み、足指同士を擦り合わせて射精を促す。

そして、そのまま指を開いて、再び閉じて、締め付ける。

するとニンゲンの全身が震え始め、吐息が漏れ出す。


──ぐにっ♡ ぐにっ♡ ぐにぃぃ~~……♡♡♡


足指の中で悶え苦しむニンゲンの痴態を想像しながら、ヒナは妖艶な笑みを浮かべた。

授業終了まで残り約40分ほど。 

午後の授業はまだまだ続く。

そして彼女が飽きるまで、足慰みは止まらなかった──。


………

##P18 学校@放課後、衆人環視の中パンストの中で見世物になる、崇拝


──放課後。


ヒナの足裏は衆人環視の中、机の上で晒されていた。

こうなったのも、ヒナがついうっかり口を滑らせたのがきっかけだった。


「えっ……ヒナちゃん、パンストの中でニンゲンを踏んづけてるの!?♡」

「あ、まずい……」


可愛らしいピンクのボブヘアー。

制服を着崩したお調子者、サナエの勘が珍しく働いた。

体育の着替えの時から、足の指をもぞもぞと動かしていたヒナの足先が膨らんでいるのを見つけたのは数学の授業中のこと。

足の裏を擦り合わせたり、足の指で何かを握りしめたりと、普段のヒナらしからぬ挙動を不審に思ったサナエが声をかけたことで、その正体が明かされることとなる。


「ねぇ、見せてよ~♡」

「だ、ダメですよ~……♡」


「ねえねえ、私も見てみたいなぁ♡」「サナエちゃんはこのまえ何匹か捕まえてたでしょ~……♡ 今日は私に譲ってよ~……♡」「そんなケチ臭いこと言わないでさぁ♡」


「あはは~……♡ そ、それじゃあ少し見るだけですよ~……?♡」


クラスメイトに取り囲まれて困り果てたヒナは、靴を脱ぎ、足を机の上に乗せると、ニンゲンをパンスト越しに披露することとなった。

そして今に至るというわけだ。



挿絵 15_ヒナの足裏



「ほらっ、見える?♡」


「ちょ、ちょっと近づきすぎ……♡」

「え~、いいじゃん!♡ てかヒナちゃんの足可愛いね~♡ 触ってもいい?♡」


「こらぁ! サナエ! あんたそんなことしたらヒナのニンゲンが潰れちゃうでしょ!♡」

「ちぇ~、なんだよ~……ね、ちょっと背中撫でるだけだから……♡」


「ちょ、ちょっとだけなら……」

「やりぃ~♡」


──さわさわさわ……♡


「うわっ……♡ やば……♡ スベスベなのになんかジトッとしてるし……♡」


「ほらほら、パンストもだんだん白くなってきちゃってる……♡」

「ヒナちゃんのお友達ニンゲン、超敏感なんじゃね……?♡」


「い、いまヒナちゃんの足の上でぴくぴくって反応したよね……?♡」

「あ、本当だ!♡ サナエが触ってるせいでびくって跳ねたよ~!♡」

「うわ、ウケる……♡ サナエが触るから、ヒナの足指の隙間にめり込んでるんですけど……♡」

「ヒナの足ってこんなに臭いのに、なんでニンゲンは気持ちよくなるんだろう……?♡」


「ニンゲンってマゾなのかしら……♡」

「あたし、食用ニンゲンを一匹飼ってみたけど、全然言うこと聞かなくって……♡」

「え、虐待したんじゃないの……?♡」

「違うし! あまりにも美味しかったから、ちょうど良いと思ってちょっと虐めてあげただけだし……!♡ そしたらすぐ動かなくなって……」


「あはは~……♡」

「えっ、でもヒナのニンゲンもこんなにも気持ち良さそうなのに……なんで死んでないの?♡」


──ずりっ♡ ずり……♡ ずりずり……♡


「んっ……♡」


「うわっ、ヒナちゃんの足に頬ずりし始めた……あそこ指の股なのに……♡」

「あ~……♡ もう完全に調教済みって感じ……♡」


「ま、まだ捕まえて三日目なんですけど~……♡」

「あははっ、じゃあやっぱヒナの足ってニンゲンにとったら、超毒なんじゃな~い?♡」


「ちょ、ちょっと……♡ 冗談やめてくださいよ~♡」

「あはは~……♡ でもヒナが大事に育てたおかげで、こいつすごく幸せそうな顔してるよ~……♡」

「本当だ~!♡ なんか微笑んでるように見える……♡」


──わいわいがやがや……♡


ヒナの足の先で震える、小さな小さな男。


クラスメートの女子の声が聞こえてくる。

その声に怯え、萎縮し、震え上がる。

だが幸運なことに、ヒナの足の先、パンストの中という隔絶された環境では、彼女らの姿は見えない。

男性は、母に甘える赤子のように、ヒナの足指の付け根を舐めて媚びた。

ヒナの足の臭いは、先ほどまでの激しい運動と長時間の靴の着用によるもので、それは尋常ではないものだった。

彼女の足から分泌された汗を舐め取るたびに、男は恍惚と陶酔に浸り、痙攣し、腰を打ち付けて射精する。

恐怖と快楽の二律背反で脳が麻痺しているのだ。

もはや正常な判断能力など持ち合わせていない。

ただただひたすらにヒナ様の足を舐め続け、精を吐き散らすのみ。

ヒナ様に拾われ、ヒナ様の所有物になることを幸せだと思うだけの奴隷。


「うわ、凄い光景……♡」

「ねえねえ、ニンゲンさん。ここから助けてあげよっか?♡」

「サナエ……♡ その子、ヒナちゃんのお気に入りなんだから、からかっちゃダメだよ……♡」

「ええ~♡ 可哀想じゃない?♡ だってこの子、ずっとここでヒナの足の裏舐めてるんでしょ?♡ こんなの拷問じゃん……♡」


サナエとか呼ばれた巨人が何か言っている。

しかし、そんなことは些末なことだ。

もう自分はこの世界の住人ではないのだ。

この場所で、ヒナ様の足の臭いを嗅ぐだけで満たされている。

そして、自らの奉仕行為に応えて下さるヒナ様の足指様に、愛情を持って、ご奉仕するのが使命なのだ。


「んっ……♡」

「ほら、またびくってした……♡」


ヒナ様の足の裏がピクリと反応した。

どうやら足が気持ちよくなっているらしい。

自分のような微小生物の舌で感じる感覚など、大した刺激になるまい。

しかし、それでも何かをしてあげられることが嬉しい。

これからも一生懸命、ヒナ様の足様のご機嫌をとって、悦ばせよう。

そのためであれば、どのような苦痛にも耐え忍ぶことができる。

ヒナ様が喜ぶのであれば、全てを受け入れよう。

この身を捧げ、ヒナ様と共に在ろう。


──ぐぐ……♡ ぎちぎち……♡


パンストが蠢き、ヒナ様の足が動き出した。

きっと足の指様もお悦びなのだろう。

これからまた、ヒナ様の足の指様と戯れる時がやってきた。

もっともっと気持ち良くして差し上げよう。

ヒナ様に喜んでいただくために、自分は存在しているのだから……♡


「うわ~……♡ これ喜んでんじゃね……?♡」

「うん、私もそう思う……♡」

「ほらっ、ニンゲン君!♡ 一緒に逃げよっ……あ、足閉じちゃった……」

「ヒナ、そこまでしちゃうんだ……♡」


「もう見学は終わりです~……♡ さ、さすがにここまでジロジロ見られると恥ずかしいので~……♡」

「あはは!♡ そうだよね~♡ じゃあ最後に写真撮るから、そのまま足開いててくれない?♡」


「え、それはちょっと……」

「お願い~!♡ 一瞬だけだから~!♡」


「ま、まあそれくらいなら……♡」


──パシャシャッ!


ヒナ様の足が開かれ、眼前に広がるのはパンストの薄い生地と朱色に染まった足の肌。

この大きな大地の持ち主がヒナ様の生足だということ。

嗚呼、なんて麗しい御身なのでしょうか。

このニンゲンは感激のあまり涙を流します。

ヒナ様が与えて下さる幸福は何ものにも勝るものなのです。

この幸運を噛み締めつつ、生涯を捧げさせて頂きたく思います。


「ほら見てよ~♡ これ、ヒナの足の裏……♡」

「うわっ、でかっ……♡」

「あはは!♡ これ絶対ハッシュタグ『#餌の飼い方』でバズるでしょ……♡」

「あ~、最近流行ってるよね~……♡ ニンゲンの飼育方法の写真撮って、それを『サキュリアル』に上げるヤツ……♡」

「そうそう、SNSでも大人気……♡ えっと、投稿ボタンを押して~……♡」


──ふわりっ……♡


サナエが携帯端末でヒナの足の下の光景をアップロードしていると、ヒナがローファーを手に取り、履き直す準備を進める。 


「え、ヒナちゃんもう帰るの?♡」

「ヒナちゃ~ん!♡ ちゃんとお世話してあげなよ~!♡」

「ちょっ……♡ あんまり邪魔しないでください~……♡」


「だってヒナのパンストの中って快適そうだし~♡ こんな天国みたいな場所なら死んでもいいって思えるよ……♡」

「ね、私もそこ行きたい……♡」

「えぇ……♡ それはさすがに無理ですよ~……♡」


「あはは~♡ 冗談冗談~♡ こんなにもくっさいのに、死んでもやだわ~♡」

「ひどー!」


──ぎゅぅぅ……♡


靴のつま先、狭くなった部分で、足指同士が身を寄せ合ってぎゅうぎゅうに詰まったパンストの中で生まれた僅かな隙間にニンゲンが囚われる。

そのまま指を丸め、ニンゲンの体を足の指で包み込む。 


今から始まるのはヒナ様の帰宅の道程。

きっとまたニンゲンは蹂躙されるのだろう。

またしばらくは足の指の間で踊らされ、体中が汗だくになって、全身から蒸気が噴き出し続けることになる。


しかし、それもまた至福の時間だ。

ヒナ様に奉仕できて、ヒナ様と一緒に居られる。

それが何よりも幸福なこと。


──ぎゅむ……♡


「それじゃあ私はもう帰りますね~……♡」


「ヒナちゃ~ん!♡ また明日ね~!♡」

「バイバーイ♡」


………

##P19 帰宅@幕間


──ヒナの部屋。


──ずしん……ずしん……!


「ただいま帰りました~……♡」


ヒナが部屋に戻ってきた。

いつものように鞄を置いて、制服をハンガーに掛け、クローゼットの中に仕舞い込むと、勉強机の上に置かれていた透明なケースを手に取った。

そこには、既にヒナによって調教された三匹のニンゲンがうつ伏せで寝転がり、足先を求めて、悶え苦しんでいた。

一方でまだ隅で震えているニンゲンも一人。  


「ほら、お前達~……♡ ちゃんとご主人様に挨拶なさい~……♡」

「あはぁ……♡」

「ご、ご主人様ぁ……♡」

「お、おかえりなさいませぇ……♡」


「はい、よろしい~……♡ あなた達は今日からこっちのケースに移り住んでもらいます~……♡」


そう言いながらヒナが取り出したのは新しい透明ケース。

その中に、今まで使っていた小さな容器から、三匹のニンゲンを移し替えていく。

新たな住まいは以前のものと比べて遥かに大きい。

だが、その内部に敷き詰められていたのは、巨大な黒い物体の山々。

ヒナが長年履き潰してきたパンストだ。

その数は優に十枚を超える。

表面には汚れやほつれがあり、随分と使い古された様子だ。

まさに年代モノ。

ヒナにとっても思い出深い品々だろう。


「うふふ……♡ ここがあなた達の寝室です~♡」


新しい容器に入れた途端、ニンゲン達は歓喜した。

汚れた靴下を穿いた足と同じかそれ以上に臭いというのに、まるで楽園を見つけたかのように飛び跳ね回る。


「ふふ……♡」


そんなニンゲン達を見て微笑むヒナ。

その優しい眼差しは慈愛に満ちた女神のようだ。

そのケースをすぐそばの飼育スペースに配置すると、ヒナは改めて勉強机の上に放置されている透明なケースへと視線を向ける。

ケースの中には残された最後のニンゲンが一人。

怯えた様子でガタガタと震えていた──。


………

##P20 最後の一人@全てを奪った巨人の無言の調教、足崇拝


巨人は俺から全てを奪っていった。

気の狂ったとは言え、同じ種族である同類三名。

そして唯一まともだった男も、今朝この巨人にさらわれたきり未だ戻ってきていない。

おそらくはその男も、他の三人同様に精神を病んでしまったか、あるいは巨人によって殺されたか……いや、もしかすると脱出できて、自分だけが見捨てられたのかもしれない。

いずれにせよ、俺を除いた仲間達は全員消えた。

一人になった。

生き残ったのは自分だけだ。

かつて仲間だった者たちが次々と消失していく様を目の当たりにして、冷静でいられるはずがない。

今や残された希望は、巨人の気が変わって解放してくれることのみ。

しかし、そう上手くはいかないだろう。

そんなことはわかっている。

それでも藁にも縋る思いで、必死に願うしかなかった。

いつの間にか、心のどこかでこの残酷な巨人の慈悲を求めてしまっている自分がいた。


「……こ、ここから……出して……ください……」


蚊が鳴くような声だった。

自分でも驚くほど小さい。

情けない。


「…………」


巨人からの返答は無し。

それもそうだ。

これまで散々彼女の機嫌を損ねてきた。

こんな状況で助けてもらえるとはとても思えない。


「お、お願い……します……」


だが、もう他に手段がない。

何とかして懇願し続けないと。

口下手な俺は、頭を下げてただひたすらに繰り返すだけだ。


「……お願い……します……」

「…………」


相変わらず巨人の反応はない。

しかし、微かに彼女の口角が上がった気がした。

やはり聞こえているのだ。

ならば尚更頑張らねば。

少しでも生存率を上げるために、できる限り誠意を見せねば。

それが例え無駄な努力であっても構わない。

少しでも長く生きたかった。


「おねがい……します……」

「……」


「こ、ころさないで……ください……」

「……」


「な、なんでもします……」


そのときだった。

巨人がゆっくりと動き出したのは。

その巨体がケースを掴み、持ち上げる。

目の前の巨人の大きさはまさにビルに等しい。

そんな規格外の存在が目の前にそびえ立ったとき、恐怖で心臓が破裂しそうだった。

一瞬にして、血の気が引いていく。

呼吸をするのも忘れるほどに意識が遠くなる。

自分が今どういう状態なのかわからないほど、呆然と見上げることしか出来なかった。


そして次の瞬間には急降下を始める。


──ずしん……!


あまりのスピードに目が追いつかない。

ただ気付いたときには既に着地をしていた。

巨人が座っている位置に合わせてケースが移動させられているのだろう。

どうやらケースは、今まで置かれていた机の上から、机の下のスペースへと運ばれたらしい。

薄暗く陰鬱な空間だ。

四方八方を覆い尽くす巨大な木の建造物が、まるで監獄のように自分を囲んでいる。

そして向かい側には、この巨大な監獄の看守である巨人の下半身が鎮座していた。

短いスカートの内側から伸びている、黒く長い脚。



挿絵 16_机の下



顔は机の影に隠れていて見えないが、その威圧感のある下半身が迫りくる恐怖を増幅させる。


「……あ、あの……!」


反射的に声を出してしまう。

しかし、喉の奥から絞り出された音は、あまりに弱々しいものだった。

巨人の前では塵芥に等しい。

そんな脆弱な自分が情けなくて悔しかった。


「あ、の……」

「……」


「た……す、けて……」


かろうじて絞り出せたのはその一言のみ。

それ以上は何も言えなかった。

これ以上何か言えば逆鱗に触れかねないと思ったからだ。

だからとにかく許しを乞うことだけを考える。

震える四肢を押さえつけながら頭を垂れ、ひたすら懇願する。

もはやプライドなど欠片も残っていない。

ただ助かるためならばどんな醜態でも晒そう。


「……」


相変わらず巨人は無言のままだ。

怒っているのか呆れているのか分からない。


「ごめんなさい……すいませんでした……」


しかし巨人に動きはあった。

足が徐々に近づいてくるのだ。

その巨足が放つ圧迫感は尋常なものではない。

建物から押し寄せてくる壁の如き重圧が、自らの方向へ向かってくる。

その大きさたるや、比較対象として認識可能な範疇を超えている。

自分など一瞬にして踏み潰されて骨すら残らないだろう。

そんな現実を突きつけられて、圧倒的な格差を見せつけられている気分になる。




「ごめんなさい……ゆるしてください……」


今すぐにでも謝罪の言葉を並べなければならない。

そうしないと殺される。


「ゆるして……ください……」


泣きながら謝ることしかできない自分が惨めで仕方がなかった。


「ごめんなさい……もうしません……」


それでも止まらない恐怖。

目の前の巨人は動かず、ただ迫ってくる足裏を眺める事しか出来ない。

それ以外何もできなかった。


「ゆるして……」


涙腺から溢れた液体が頬を伝う感触すら無かった。

ただひたすら謝罪の言葉を述べ続ける。


「ごめんなさい……」


黙ったままの巨人が足の指を広げている。

まるでケースを踏みつけるための準備を整えているかのようだ。


「ごめんなさい……」


「ゆるして……ください……」


「ゆるして……ゆるして……ゆるして……」


そして。


「……」


ゆっくりと、ケースの上に足が置かれた。


──がしゃぁぁぁぁぁんッッッ!!!


ケースの上に載せられた足。

その重量は想像以上だった。

まるで天井から吊るされている照明器具が落ちてきたような感覚。

いや、それ以上の重量を感じた。

天井だ。

この真っ黒な足は天井そのものだ。

天井が落ちてきて、自分を押し潰そうととしているんだ。


「い、やだ……やめて……ゆるして……」


巨足の天井は当然聞く耳など持たない。

ケースの縁から溢れ出すように黒い繊維が垂れ下がり、内側へ侵入してくる。

次第に増え続けるそれらによって、箱の中の空間が狭くなっていく。

同時に、酸素濃度が低下し始めたことを察知した脳が警告信号を発する。

息が詰まりそうで苦しい。

鼻と口の両方が塞がったみたいだ。


「ごめんなさい……たすけて……ゆるして……」


酸素不足により頭がぼんやりしてくる。

体に力が入らない。

だけど逃げ場なんてなかった。

この広大なプラケースは、巨人の足にとっては小さすぎたのだ。

爪先から踵まで、ケースの中をいっぱいに満たそうとしている。


「ゆるして……ゆるして……」


そんなことをしているうちにも、周囲の空間が減っていく。

ケースの天井を埋め尽くし、底面に辿り着けば、さらに押し潰されて、黒い布と一体化してしまいかねない勢い。 

無駄なあがきだとわかっていても、両手を伸ばして押し返そうとするが、ビクともしない。

むしろ、余計に押し込まれていく。


自分を追い詰めているのは間違いなくこの怪物だ。

それは分かっているのに、何故か自分の方が悪い気がしてくる。

この巨人の要求に従わなければならない気がしてくるのだ。

きっと自分が悪いのだと言い聞かせ、何度も呟き続ける。


「ごべ……ごべんなざい……ゆるじで……」


思考能力が著しく低下するにつれて、意識も希薄になり、もはや自分が何を言っているのか把握できない。

ただ謝罪の言葉を繰り返しているだけだった。


──ぎぢぎぢぎぢ……♡♡♡


とうとう底面に達した足。

完全に密着している状態。

プラケースの中で足に踏み潰されて、もはや身動き一つ取れなくなっていた。


「ゆ……ゆるじで……ゆるじで……ゆるじて……」


涙を流し、嗚咽を漏らす。

しかしどれだけ懇願しても、巨人の足は俺を踏みつけたまま微動だにしない。

まるで石像のように固まって静止している。

呼吸さえ忘れるほどの緊張感が全身を支配した。

恐怖によって震え上がる体。

足裏の天井を抱きしめながら、必死に耐える。


「ゆるじで……ゆるじで……ゆるじで……」


一体どのくらい時間が過ぎただろうか。

永遠にも思える時間が流れている。

巨人が動く気配はない。


「ゆるじで……ゆるじて……」


いつまでも続くと思われていた地獄のような時間の中で、世界が足裏だけに包まれていた。

周りが暗すぎて、暗すぎるからこそ、そこに足があることを認識する。

暗い世界で唯一輝く肌の白色。

発汗した肌は血色が良く朱色にきらめき、訴えかけてくる。


自分を攻撃するために存在している怪物の一部なのに、何故だか心惹かれてしまう。

恐ろしく、忌むべき相手であるはずなのに、どうしても意識せざるを得なかった。


どれだけ懇願しても決して許されることのない絶望的な状況であるにもかかわらず、その巨足からは温もりを感じる。

体を通して伝わってくる体温。


訴えに優しく耳を傾けてくれているような神性を孕んだ暖かさだ。

自分というちっぽけな存在を許容してくれるような慈愛溢れる聖域。

暴力と安らぎを兼ね備えた矛盾した概念を孕んだ聖なる領域。


そのような相反する属性を持つ特異点のような足裏は、己が知る中で最も崇高な存在であった。


「あ……ありがどう……ございばず……」


自然と感謝の言葉が出た。

それは自分の意思ではなく、この肉体がそう求めているのだと確信した。

全身で喜びを感じいた。

今ここにある足裏に対して敬意を表したいと思う。

全身全霊で崇めたいと考える。


「あぁ……ありがどうございます……」


足に触れると、弾力がある。

そして熱を持っている。

人肌よりも更に高温。

蒸された熱。

その高熱で自らの身体を溶かされても構わないと思い始めていた。


この無限に広がる黒い大地に舌を這わせてみる。

すべらかな足裏は瑞々しい弾力を持っており、非常に心地良い。


──べろっ……♡ べろべろべろ……♡


味は微妙どころか酷いものだった。

汗の塩辛さの中に混じる腐敗臭、皮脂と汗と埃とが混ざった得も言われぬ味。


それでも止められなかった。


──れろぉ……♡ れろれろれろ……♡


今度は唾液を絡ませて舐めてみる。

案の定塩気が強かったが、それがかえって癖になる。


「おいしいれす……♡ もっと……もっとくださいぃ……♡」


求めるままに貪れば良いのだと直感的に悟った。

そう思えば自然と行動に移っていた。

舌の動きが激しさを増し、舌全体を使って刺激を与える。


──ずぞぞぉぉぉおお♡


吸盤のように唇を押し当てながら、足裏の中心から放射状に円を描くように吸い上げる。

同時に腰を少しだけ動かして、股間を擦り付けていく。


するとたちまち快楽の波が押し寄せてくる。

痛みを感じることは無く、むしろ気持ち良さだけが増していく。


「あひっ♡ あへぇっ♡」


興奮していた。

間違いなく性的な意味での興奮だ。

本来なら有り得ない現象。

あんなに苦痛と恐怖を感じていた足に対し、欲情している自分がいた。


──びゅくびゅくびゅくぅぅぅ♡♡♡


一度射精してしまった。

だが興奮が収まる気配はない。

寧ろ激しさを増すばかりだった。


──ぐりっ♡


「んぐぅぅ♡♡♡」


睾丸ごと股間を足裏に擦り付ける。


──ぐりゅぐりゅっ♡


「んひっ♡♡」


陰嚢が押し潰され、尿道に詰まった精液が搾り出される。


「あぁ……きもちいぃです……もっともっとぉぉ……♡♡♡」


──ミシミシミシ……♡♡♡


すると、女神様からのメッセージが届く。

高まる圧力。

増すプレッシャー。


「あはぁぁぁぁ……♡♡♡ すごいぃぃぃ……♡♡♡」


無表情、無感情の女神様の足裏様から伝わってくるのは、至上の悦楽。

それはまさに神罰であり、救済。

この世の何よりも尊く、偉大なる存在からの賜物。


──ギュゥゥウゥゥゥゥゥゥ♡♡♡


「あはあああぁぁあぁあああぁぁぁああ♡♡♡」


──ぶびゅるるるるるるぅぅぅぅぅ♡♡♡


………

##P21 堕ちた餌@巨人の放尿、エンディング


今日は宿題が多い。

机に向かって算数の問題を解きながら、時折ペンを止め、椅子の座面の下に目を遣る。

そこには、先日捕らえたばかりのニンゲンがいた。 

今、私の足元にある透明ケースの中で、一人のニンゲンが足の裏に押し潰されている。


「ふむぅ……♡」


腕を組みながら、ケースの中いっぱいに突き刺さっている爪先を見下ろす。 

最初は命乞いまでして嫌がってたのに、今はもうすっかり従順になったようで、一生懸命足の裏を舐める感覚が足裏から伝わってくる。


「あはは……♡」


思わず笑ってしまう。

こういう素直な子は大好きだ。

いくら反抗したところで結局は負ける運命にあるのだ。

早めに諦めた方が賢明というものではないだろうか。


「んっ……♡」


一方で、私はニンゲンに足を舐めさせるのが好きだった。 

特に舌で丹念に唾液を塗りたくってもらい、綺麗にしてもらう感覚がたまらない。

もちろん臭いと言われることもあるけれど、それは別に悪い気はしない。

むしろそういうことを言うニンゲンほど、結局最後には私の足を好いてくれる場合が多いのだ。


「うふふ……♡」


思わずニヤけてしまう。

そうそう、『私の足裏は美味しいんだぞ~……♡』と言わんばかりに誇示してやるのだ。

この子もきっと今頃、足の味に夢中になっているに違いない。


「さて……♡」


机上のノートに再び視線を落とす。

今取り組んでいる問題は複雑な計算式が必要で、なかなか難儀だ。

私はこういうパズル系の問題が苦手で、解答を見ても納得できないことがしばしばある。


「んー……こう、かな……?」


参考書と睨めっこをしながら悩みつつ、ペン先を動かす。

その間にも足裏ではニンゲンが足を舐めている。


「ふふ……♡」


きっと必死になっていることだろう。

可哀想なくらい健気に足に舌を這わせてくれる姿を想像すると、胸がキュンとなる。


──ミヂヂヂヂッ♡


少しだけ、圧を強めてみる。

すると、ニンゲンの体が軋む音が足に伝わってくると同時に、甘い吐息が聞こえるようになった。

どうやら感じているらしい。


「あはっ……♡」


可愛い反応だ。

このまま徹底的に服従させて、自分の足ペットにしてしまうのも良いかもしれない。


「うふふふふ……♡」


試しに少し爪先を丸めてみると、また可愛らしい悲鳴が上がる。

我慢できず笑ってしまった。


──ミシミシッ……♡♡


足指の腹で、ゆっくりと捻り込むように踏みしめる。

足に伝わってくる細かな振動に、ニンゲンの喜びの叫びが乗っている。


「うふふ……♡」


ニンゲンの弱々しい呻き声をBGMに、宿題を進める。

そうやって20分ほど経過しただろうか、ついに最後の問題が終わった。

答え合わせをしようとした時、不意にトイレに行きたくなる衝動に駆られた。


「あっ……♡」


今の今まで全く気付かなかったが、膀胱に溜まった水分を放出したいという欲求が突如として湧き上がってきた。


「ふふ……♡」


トイレに行く必要がない。

足元にある透明ケースから足をどければ、お手洗いができるのだから。


「ふぅ……♡」


スカートの下からパンティを下ろす。

露わになった割れ目から溢れ出てくる蜜が糸を引く。


「んっ……♡」


透明ケースの中は狭い。

私が足を入れただけでいっぱいになるのに、さらにそこへ尿を注ぎ込もうと言うのだから。

当然排泄物で満たされたケースの中でニンゲンは溺れることになる。


「んっ……♡」


──ぷしっ……♡


温水が零れ落ちる。

それは透明ケースの中へ流れ込み、中にいるニンゲンの全身を飲み込む。


「んふふ……♡」


──チョロロォォ……♡♡♡


挿絵 18_放尿



私は小水を飲ませるのも大好きだった。

特にニンゲンのように小さくて非力な生命体には効果抜群。

窒息寸前になっても必死に飲み干そうとしてくれる姿を見るのが楽しみで仕方がないのだ。


──しゃぁぁぁぁぁ……♡♡♡


──ぽたぽた……♡


──ぴちゃん……♡ ぴちゃん……♡ ぴちゃん……♡


尿が滴り落ちる音が耳に心地良い。

透明ケースの中で溺れているニンゲンの姿を妄想すると、ますます気持ちが昂っていく。


「あっ……♡」


──ぺちゃ……♡


最後の一滴まで出しきったところで、私は満足げに微笑んだ。

すっきりとした気分である。


「はぁ……♡」


はしたないと思いつつも、軽く息をつく。

さあ、続きに取りかかるとしよう。

宿題はあと少し残っている。

私は歴史の教材を取り出すと、また机に向かう。


あ、そうだ、今度この躾けた小人達を学校へ持っていこう。

シオリに女のニンゲンをあげる約束もしたし、何より来週のリサ先生の授業までに小人を学校へ連れて行くのに慣らしておかないと。

そうして勉強机の横の棚から空っぽの虫籠を取り出して、お風呂場に持って行って洗剤とブラシでごしごし洗浄する。

洗い終わったら綺麗に水気を拭き取って、机の上の小人達をそれぞれ入れていく。

まずは男のニンゲンを……次に女のニンゲン……最後はまた別の男のニンゲン……。

あ、一匹はまだパンストの中に入れたままだった。

洗濯物の衣装ケースの一番上から新しいパンストを手に取る。

パンストを脱いで、足の指先の間に挟まったままのニンゲンを取り出す。

そして新しいパンストを履いて、裸になった小人を机の上に置いておいた空っぽの虫籠に入れる。

床に敷いてある絨毯に、使用済みの黒パンストを丸めて投げ捨てる。

これから毎日学校でニンゲン達を履いて過ごすことになるから、使い古したパンストをローテしよう。


後もう一人は、今おしっこしたばかりのケースで溺れてるから後にして……。


ふと、机の上に目を遣ると、そこにはもう一人のニンゲンが居た。


「ん……♡ あれ……?」


どうやらまたこの世界に迷い込んじゃった子がいるようだ。 


「うふふ……♡」


さて、どうしたものか。

まあとりあえず、また保護するふりをしておくか。


「……元の世界に戻れる手立てが見つかるまで、私が大切に預かってあげますからね♡」


優しく囁いて、そっと抱き上げる。

この世界で生きていく術を持たないニンゲンは、誰かが保護してやらなければ、いずれ飢え死にしてしまうだろう。

だからこの子も私がしっかり養ってあげなければいけない。


「大丈夫ですよ……♡ きっと元の世界に帰れますからね~……♡」


私は、手の中のニンゲンに向かって囁く。

すると、その小さな生命体がこちらを見上げてくる。


「うふふ……♡」


その無垢な瞳を見ていると、何だか愛おしく思えてきた。

こんなにも小さいのに、必死に生きようと足掻いている。

どう頑張っても元の世界になんて絶対に帰れないのに、このニンゲンはそんなことすら分かっていない。

なんて憐れなんだろうか。


「これからよろしくお願いしますね~……♡ 仲良くしましょう~……♡」


とりあえず、ケースに入れておこう。

机の引き出しを開けて、もう一つ透明なプラケースを用意する。

ケースの蓋を外し、中にニンゲンを入れる。

ふふ、これで六匹目。

さて、学校には何人持っていこうかな?


「うふふ……♡」


ニンゲンは、この世界においてはペット兼ただの餌。

多くのサキュバスが餌として吸い尽くして殺してしまうけど、私は長く味わいたいから、ちゃんと世話してあげて、長生きさせてあげる。


将来の夢はコックさんか……はたまたニンゲンショップの店員さんか。


ヒナのサキュバスとしての嗜好性が今後どのように成長していくのかは分からない。

ただ、一つだけ確かなことがあるとすれば、


──この先ずっと、ニンゲンを使い潰す人生が待ち受けているということだけだった。


【終わり】


Files

Comments

No comments found for this post.