P1~11 導入/スライム娘達との出会いと捕獲 (Pixiv Fanbox)
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「ん……ここは……」
柔らかな草がびっしりと敷き詰められた地面の上に寝転んでいた男子中学生の少年は、意識を覚醒させると同時にゆっくりと目蓋を開いた。
(僕は一体何をしていたんだろう? 確か今日も学校に行って……)
ぼんやりとした意識の中、彼は自分が何をしていたのかを思い出そうとしていた。
しかし、上手く頭が回っていないようでキョロキョロと辺りを見回すばかり。
そんな時だった。
「よぉ! やっと目覚めたか、ヒロ!」
聞き覚えのある声に名前を呼ばれて顔を向けるとそこには、クラスメイトで友人でもある少年の姿があった。
「いつつ……こ、ここは……?」
ヒロと呼ばれた少年は、身体を起こすと頭を抑えながら周囲を見渡した。
するとそこは薄暗い森の入り口であり、周りには自分と同じように地面に横になっている同級生達の姿が見受けられた。
「おーい、みんな起きろー」
その呼びかけに反応して次々に目を覚ますクラスメイト達。
彼らは皆一様に混乱している様子であったが、その中でも特に酷かったのは──。
「おい、リョウタ!! てめぇ!! なんで俺たちがこんな目に遭わなきゃなんねぇんだよ!!」
「そんなこと俺が知るかよ! ユウタ、だいたいお前はいつもいつも──」
ユウタと呼ばれた少し荒っぽい少年と、彼を諌めるのはリョウタと呼ばれる少し大人っぽい少年。
二人はお互いに睨み合い、今にも殴りかからん勢いで口論を開始する。
巨大な影が彼らに忍び寄っているとも知らずに──。
「ん……あれー……なんか喧嘩してんじゃん……」
「よわっちい者同士、小人は仲良くしないとダメでちゅよー♡ わるぅいスライムお姉ちゃんに捕まっちゃいまちゅよ〜♡」
「え……?」「あ……?」「は……?」「な、なんだあいつら……」「で、でかすぎる……」
「あはは♡ 魔物を見るのは初めてかなー?♡ 混乱しちゃってるみたいでちゅねー♡」
「まぁまぁ……無理もないって。こいつら、転送されてすぐだからまだ状況を飲み込めていないだろうからさ……なぁ? そうだろ? 君たち♡」
少年たちの目の前に現れた巨大な人型のシルエット。
それは彼らの背丈を優に超えるほどの大きさを持つ、艶やかな紫色と可愛らしいピンクの色をした女性型モンスター。
だが彼女らの身体は、ところどころが半透明になっており、向こう側の風景が透けて見えるようになっていて。
二匹は『スライム娘』と呼ばれる種族の魔物であった。
「ど、どうするよ……これ……」
「とりあえず逃げた方が良さそうだけど……」
ヒロの言葉に同意を示すように他の生徒達も頷く。
しかし、彼らが逃げ出そうとしたその時だった。
「はいはーい♡ 逃さないからね〜♡」
ピンクの巨大スライム娘が伸ばした手が、一人の男子生徒の足を掴む。
そしてそのままグイッと引き寄せられると、彼の身体は軽々と持ち上げられてしまった。
「うわわっ!?」
「こらっ♡ 暴れちゃダメでしょ〜♡」
必死に暴れる男子生徒だったが、抵抗虚しく宙吊り状態になってしまう。
「ふふふ……こっちも捕まえた……♡」
そう言って妖しく笑うのは紫色のスライム娘。
彼女は自らの手の中に収める形で、男子生徒の一人を握り込んでいた。
「ゆ、ユウタとリョウタが……!」
「お、俺じゃねぇぞ!? これはあのでっかいスライムの仕業だ!」
「そ、そうだぜ! そもそも俺たちは何もしてないじゃないか!」
仲間割れを始める残された生徒達。
そんな彼らに向かって、紫色のスライム娘が嗜虐的な笑みを浮かべてみせた。
「どうする〜?♡ 君たちのお仲間が捕まっちゃったけど……♡ このまま見殺しにしちゃうのかな……?♡」
その言葉にハッとして振り返る生徒一同。
するとそこには、全身を粘液まみれにされながら悶えているユウタとリョウタの姿があった。
「うぁあっ……く、くそっ……! 離せぇえええっ!!」
「うぅうっ……!! か、身体が……沈んでいくぅううぅぅ! 助けて!! たすけっっ! わっぷ!!」
「こ、こんなの……」
「無理だ……」
残された彼らを包み込んだのは絶望。
二匹の巨大なスライム娘相手に、リョウタとユウタを助けるなどという気すら起きないほどの恐怖に支配されていて──。
「に、逃げろ……」
「「「うわぁぁぁぁぁ!!!」」」
「ま、まって!! おい!! お前ら!!」
「んぶっっ!! んぶぶっっ!! ぷはぁ!! た、たすけてっっ!!」
スライム娘に囚われた二人を差し置き、ヒロ達残された少年らは蜘蛛の子を散らすように逃げ出してしまった。
「クソ……お前ら……待てよ……助けてくれよぉ……!!」
「あ……あぁ……」
「クスクス♡ 仲間割れしちゃったのかなー?♡ 置いてかれてかわいそー……♡」
「喧嘩なんかしてるから見捨てられちゃうんでちゅよ〜♡ 二人とも悪い子でちゅね〜♡」
「これはお仕置きが必要……かな♡」
「そうでちゅね〜♡ 私たちから逃げようとした罰を与えないといけまちぇんね〜♡」
ニヤニヤと笑う二人のスライム娘。
彼女たちはそれぞれ捕らえた獲物を見せつけるようにして、巣へと持ち帰っていくのだった。
「ひっ……や、やめろぉおおおぉぉおおぉっ!!!」
「ひ、ひぃいいいっ!!! お、俺たちが悪かったから許してくれぇっ!」
………
……
…