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これは五つ子達がまだアパートに引っ越す前の話

「もぐもぐ......んぇ?私の家?」

ニ乃は昼休みに友人達と話をしていた

「そうそう!ニ乃の家広いんでしょ?見てみたいなぁって!」

「せっかくなら今度の休みにお泊り会しない?パジャマパーティーしようよ!」

「いいけど......」

こうして中野家でのお泊りが決まった

「えーっと......住所だと......えっ!?これ!?」

「大っきいマンション......マジ金持ちじゃん!」

「あれだけ食べ物買ってお金に困らないのも納得だね......」

2人はインターホンを押す

「はーい、入ってー」

自動ドアが開き、2人はエレベーターに乗り最上階に向かう

そして玄関のインターホンを押す

ドスッドスッドスッドスッ......

扉の向こうから重い足音が近づいてくると扉が開く

「ふぅ......いらっしゃい、上がって」

2人を出迎えたニ乃

その格好はフリルの付いた白シャツにサスペンダースカートだった

「ニ乃その服可愛いー、よくサイズあったね?」

「行きつけのビックサイズ専門店があるのよ」

「へー、サイズいくつ?」

「12L」

「あはは!何そのバカみたいな数字!」

3人は他愛の無い話をしながら廊下を進む

ドスッドスッドスッドスッ......

ニ乃の後ろを歩いているとニ乃が巨体を左右に揺すりながら贅肉を壁にぶつけながら歩いているのが分かる

普通なら並んで歩ける程の広さはあるのだがニ乃にはかなり手狭なようだ

その様子を見て2人は小声で話す

「......改めて見るとニ乃ってめっちゃ大きいね」

「......うん、普段学校か外でしか会わないから麻痺してたけど......」

ニ乃の巨大さを改めて認識する2人

そしてリビングに入ると2人は驚愕する

「寒っ!?」

「臭っ!?」

広いリビングはクーラーを全開にしており、2人は自分の肩を抱く

「ちょっとニ乃!?なんでクーラーなんか点けてんの!?」

「え?んぶぅ......だって暑いじゃない」

そう言うニ乃はじんわりと汗をかいており、シャツの首元や腋、背中に汗染みが広がっていた

「もう11月だよ......?」

息も白くなりだしたこの季節に暑いと言う巨デブに引き気味な2人

「それに何この臭い......?」

2人の鼻腔を刺激する臭い

その原因はキッチンだった

「あぁ、それね」

ニ乃はのしのしとキッチンに入ると火にかかっている巨大な寸胴の蓋を開ける

すると湯気と共に更に強烈な臭いが広がる

「に、ニ乃、それ何?」

「今日の夕飯の背脂を仕込んでるのよ、よく煮込んでドロドロにするから美味しいわよぉ......ぶふふ......」

ニ乃は顔をテカテカにしながらニタァッと笑う

ぐぎゅううぅぅぅぅぅぅぅ......

するとニ乃の腹から爆音の腹の虫が鳴る

「あ、お腹空いちゃったわ......ねぇ、テーブルの上のピザ運んでくれる?」

ニ乃が指差す先には大量の宅配ピザの箱が重ねられていた

2人はやれやれと一箱ずつ持つ

「ちょっと、そんなんじゃ足りないでしょ?」

ニ乃はそう言うと2人にピザを10箱程渡す

「マジで?」

「余ったら食べてあげるから安心しなさい」

ニ乃はムフーとドヤ顔をすると部屋に向かって歩き出したのだった

「「「かんぱーい!」」」

3人はそれぞれ飲み物を手に乾杯をする

「あむっ!がつがつがつがつがつがつ......ぶほっ!うんまぁ!」

ニ乃は両手にピザを持つと凄い勢いで食べ始める

「うわ......凄......」

「ピザってあんな早く食べれるんだ......」

2人はニ乃の食事スピードに圧倒される

「ニ乃......あんた、もっとよく噛んで食べなよ......?」

「んっぐっ!大丈夫よ、あむっ!私消化早いから!がつがつがつ......」

「そういう問題じゃ......」

ニ乃は2人の心配をよそにどんどん食べ進めていき、結局9割はニ乃が食べてしまった

「ゴクゴクゴクゴクゴクゴク......ぶはぁっ!食べたわぁ......ぐげええぇぇぇぇぇぇぇぇっぷっ!!」

コーラをラッパ飲みし、盛大にゲップをするニ乃

「おぶぅ......お腹パンッパン......ぐるじぃ......」

ニ乃のお腹は大きく膨らみ、スカートの生地をこれでもかと引き伸ばしていた

ギチ......ギチ......

ミチィ......

スカートから嫌な音が聞こえる

バツンッ!!

ビリィィィィィィィィィ!!

「ぶぉっ!?」

ニ乃のスカートの脇下の縫い目が弾けると縫い目に沿って一直線に裂ける

それによりスカートの中にパンパンに詰まっていた贅肉が溢れ出し、ニ乃のシルエットが一回り大きくなる

「うわっ!?」

「だから食べ過ぎなんだって!!」

2人は慌てふためき、ニ乃はバツが悪そうな表情を浮かべるのであった

「うぅ......これ結構高かったのになぁ......」

ニ乃は真っ二つになったスカートを眺めてボヤく

「スカートが破裂するところなんて初めて見たよ......」

「てゆーかニ乃、それ普段の部屋着?」

「そうよ?」

ニ乃が着替えたのは薄手のキャミソールにゴム生地のショートパンツ

キャミソールは丈が全く足りず、大きなお腹が丸出しで、ショートパンツも尻の肉が溢れ出しており、尻の谷間が出てしまっていた

「寒くないの?そんな薄着で......」

「寒い......ね......確か昔、そんな感覚があった気がするわ......」

「「??」」

ニ乃は遠い目をし、痩せていた頃を思い出す

白い息を吐き、寒さに震えていたあの頃

今では頭から白い湯気が立ち、贅肉を震わせている

人生何が起きるか分からないとしみじみ思うニ乃なのであった

「てゆーかニ乃、最近上杉君とはどうなの?」

「え?フー君?」

「そうそう!私も聞きたかった!」

「どうと言われても......あれ?てか私アンタ達にフー君の事話したっけ?」

「いや、直接は聞いてないけど......ねぇ?」

「うん......あれだけアプローチしてるの見たらね......」

2人は遠い目をして普段のニ乃を思い出す

「おはようフー君!はい!お腹揉む?」

「はぁ......はぁ......疲れちゃったわ......心臓爆発しちゃいそうよ......ほら触ってみて?」

「フー君一緒にお昼食べましょ!ステーキにとんかつにチキン南蛮に......あっ!フー君は私のお肉の方がいいかしら?ふふ💕」

「ホント......見るに堪えないと言うか......」

「よく上杉君もかわし続けるよね......」

「フー君って奥手なのよね💕でもいざって時は男らしくて私達の事を助けてくれるのよ💕はぁぁ......思い出しただけで堪らないわぁ💕」

ニ乃はだらしなくにやけながら風太郎の魅力を語る

「でも少しアピールが過剰じゃない?なんというか......下ネタ多めというか......」

「うっ......た、確かにそうかもしれないけど!うかうかしてたら他の子にフー君取られちゃうわ!」

「他って?」

「一花達よ、五つ子全員フー君の事好きだから」

「えー!?マジで!?」

「だから絶対負けられないの!」

しばらく雑談を楽しんだ後、3人はリビングに降り、ニ乃は夕食の準備を始めた

業務用の冷蔵庫から大量の食材を取り出し、手際良く調理していき、次々と料理を完成させていく

するとあっという間に料理はテーブルを覆い尽くしてしまう

「ち、ちょっとニ乃!?流石に多過ぎない?」

「流石のニ乃でも食べ切れないでしょ!?」

「分かってるわよ」

ニ乃はエプロンを脱ぐと階段の方を向く

「みんなー!ご飯よー!」

「「「「はーい!!」」」」

返事が返ってくるとドスッドスッと重い足音が近づいてくる

「ふぅ......お腹ペコペコぉ......」

「今日のご飯何かな......」

「ご飯ご飯〜♪」

「ニ乃遅いですよぉ......」

階段から次々と巨デブが降りてくる

「あ、いらっしゃーい」

「「お、お邪魔してまーす......」」

5人揃った巨デブの迫力に2人は圧倒される

しかも漏れなくみんなお腹丸出しの薄着だ

「それじゃ食べましょ」

「「「「いただきまーす!!」」」」

「「いただきまーす......」」

すると五つ子達はまるで何日も食事をしていなかったかのような勢いで料理を貪り食べる

実際にはみんな直前まで大量の間食をしていたのだが夕食は別腹のようだ

そして2人が目にした衝撃の光景

「ぶふふ......これこれぇ💕」

五つ子が全員全ての料理にかけている白くドロドロした気色の悪い物体

それはニ乃が丹精込めて仕込んでいた背脂だった

揚げ物にも炒め物にも遂には白米にまでかける始末

全てを脂まみれにしてかき込むその姿は2人にとって異次元の生物のように思えた

「「「「「ぶげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっぷ!!!」」」」」

あれだけ大量にあった料理のほとんどが五つ子の腹の中に収まり、盛大にゲップを吐き出す

その脂臭い吐息に2人は顔をしかめる

「ぶぐぅ......ふ、2人共ぉ......ぶげぇっぷっ!!んぶぅ......味はどうだったぁ......?」

ニ乃が息を切らし、ゲップをしながら尋ねる

「えっ!?あ、あー......美味しかったよ?ね?」

「う、うん!美味しかった美味しかった!その、凄いコッテリしてて......」

実際美味しかったのは本当だ

しかし、味の良さから量を食べてしまい、酷い胸焼けで苦しくなっている

「にしてもニ乃......お腹凄いよ?大丈夫?」

指摘されたニ乃の、いや、ニ乃だけではなく5人の腹は大きく膨れ上がり、まるでバランスボールでも抱えているかのようだった

「だ、大丈夫よぉ......ぐぷぅっ!少し休めば楽になるからぁ......ぶおぉぉぉっぷっ!!」

こうして2人はしばらく腹をさすりながらゲップをし続ける五つ子をただ待つという謎の時間を過ごした

「じゃあ電気消すわよー」

夜、12時を回り3人は布団に入る

「ねぇ、ニ乃」

「何?」

「私達ニ乃の事応援してるから」

「え?」

「最初の頃はニ乃のことものすごいデブなのにめっちゃプライド高いなぁって思ってたのね?」

「はぁっ!?」

「そうそう!めっちゃ太ってるのに自分の事痩せた美人みたいに話すイタイ子だって思ってた」

「マジで......?」

ニ乃は改変された過去の記憶はないため衝撃の事実を突き付けられ、青ざめる

「でも最近のニ乃変わったよね」

「うん、なんというか自然体?になった気がする」

「自然体?」

「だって前は人前で絶対大食いなんてしなかったじゃん?デブイジりしたらめっちゃ怒るし」

「うん、めっちゃコンプレックスなんだなぁって思ってた」

「そ、そう......」

「でも今はそんな事ないじゃん?めっちゃ食べるし、お洒落もするし、なんか楽しそうだなって」

「......楽しそうか......きっとそれもフー君のおかげよ」

「上杉君?」

「えぇ、フー君はどんなに太ってても私は私だって言ってくれたの、たくさん食べても汗だくでもニ乃はニ乃だって......」

暗くて分からないが恐らくニ乃の顔は真っ赤になっているだろう

「だからフー君に今の私をいっぱい見せて好きになってもらうの!たくさん食べてお肉揺らしてる私の事を大好きになってほしいの!」

「ふふ、そっか、頑張れ」

「てゆーか上杉君めっちゃイケメンじゃん、かっこよ」

「!?だ、ダメよ!?フー君盗っちゃ!」

「「盗らねーわ」」

3人は笑い合い、そのまま眠りに落ちた

「ぐごおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!ぶがああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「「うるせぇ!!このデブ!!」」

完

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