南国漂流記 (Pixiv Fanbox)
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夏休み
五つ子達はクルーザーに乗り、海を満喫していた
「上杉さん来れなくて残念だったね......」
「しょうがないですよ、熱が39度もあるんじゃ......」
五つ子達は夏休みを利用して風太郎と南の島に旅行する計画をしていた
しかし風太郎が熱を出してしまい、結局旅行は五つ子だけで行くことになったのだ
「はぁ......フー君に水着見せたかったわ......」
「夜にいっぱい話せると思ったのに......」
「ほらほら!落ち込んでてもしょうがないよ!いっぱい楽しんでフータロー君に写真送ってあげようよ」
一花はスマホを構えると5人集まり、写真を撮る
そして風太郎に送信する
そしてこれが五つ子達からの最後の連絡となったのだ......
5人は気がつくと砂浜に倒れていた
辺りは雷が鳴り響き、大嵐となっている
そして5人が乗っていたクルーザーは粉々になっており、運転手は行方不明となった
5人がこの状況に絶望していると草むらがガサガサと動く
そこから現れたのは黒い肌に紋様が描かれ、唇には大きな皿が入れられている人々
所謂部族と言われる人々であった
5人はもはや抵抗する気力も無く、集落に連れていかれる
するとその部族は皆、5人に優しく微笑みかけ、手厚く歓迎をしたのだ
「ど、どうするの?」
「どうするって言ったって......ここでお世話になるしかないよ......帰るあても無いわけだし......」
警戒していると5人にお椀が渡される
中には白くドロッとした液体が入っていた
部族の人達を見るとそれを美味しそうに飲んでいた
笑顔で勧められたため飲まない訳にもいかず、5人は液体を飲む
少し甘ったるいが思いの外美味しく、5人は空腹だった事もあり飲み干してしまった
すると部族の人々は拍手をし、盛り上がった
こうして5人は部族の集落で生活する事になった
翌日になると嵐はすっかり過ぎ、見事な快晴になった
5人は集落を見て回る
すると一つ気がつく
「ね、ねぇ......ここの女の人って......」
「ええ......みなさん物凄く太ってますね......」
男性は筋肉質なのだが女性はこれでもかと肥え太っており、巨体を重そうに揺らしながら歩いていた
「な、なんか怖いね......」
「まぁ、世界には色んな文化があるからね......向こうからしたら日本の文化が異質な訳だし......」
5人はあまり深く考えないようにした
5人はこの数日間、どうにか帰れないかと試行錯誤した
しかし船も無く、島の位置もわからない
もし仮に船があったとしても闇雲に海に出たら漂流するのがオチだ
結局誰かが助けに来てくれるのを待つという結論になった
きっとすぐに助けが来る
5人の期待とは裏腹に時間は過ぎていった
1ヵ月後
5人は未だに集落で生活していた
集落での生活にも流石に慣れ、衣食住もしっかり保証して貰っているため割と快適に過ごしていた
しかし5人の身体は緩やかに変化しつつあったのだ
まずは肌だ
南国の直射日光を浴び続けた5人の肌は見事に焼け、小麦色なんてとっくに通り越した黒さになっていた
「みんなすっかり真っ黒だね......」
「日焼け止めなんて無いんだもの......シミとか出来ないかしら.......」
そして体型だ
この部族の女性は太っている
そんな彼女達と同じ食事を摂ればどうなるか想像は難しくない
5人の身体はどんどん太りだしていた
お腹はぽっこりと出始め、胸や尻も大きく、手足も太くなり、顔も丸くなっていた
しかし人間とは恐ろしいもので周りの女性が物凄く太っている状況にも慣れてしまい、自分達の体型にもあまり頓着しなくなっていたのだ
「みんなまた太ったね......」
「うん、みんなぷよぷよだね......服がキツいよぉ......」
「ここの食事......恐らくとんでもなくカロリーが高いのでしょうね......しかもみんな日に日に食べる量が増えています......少し控えないと取り返しがつかなくなるかも......」
太っていく自覚があっても5人は既に部族の食事の虜になっていた
獣の肉に見た事の無い濃厚な果実
特に果実は物凄い甘さで部族女性達は四六時中この果実を食べて過ごしている
5人も暇さえあればつまむようになり、1日に10個以上食べるようになった
そして一緒に食事を共にするようになり、部族女性と仲良くなった
最近では部族女性とのスキンシップも取るようになり、よく抱き付いたり贅肉を揉んだりしている
その包容力に5人は癒しを覚えていた
ある意味での現実逃避
5人は無意識のうちに自らの心を守らんとする
その答えがこの部族に染まることだった
半年後
照りつける太陽の下
5人は歩いていた
ドスンッドスンッドスンッドスンッドスンッ......
その姿はとてつもなかった
身体は大きく肥え太り、元の服は着られなくなったため部族の衣装を着ている
衣装と言っても葉っぱの腰蓑に貝殻の首飾りのみなのでほぼほぼ全裸だ
そのため歩くたびに贅肉が揺れ動き、汗が飛び散る
肌は更に焼け、もはや部族の女性と区別が付かない程になった
更に髪の毛が焼けたせいなのか水分を失ったかのようにチリチリになりモジャモジャとボリュームが出てしまった
そして5人は顔付きまで変わっていた
鼻は潰れ、唇はボリューム満点のタラコ唇になり、彫りがかなり深くなりまるで外国人のような顔付きになってしまった
そして日に日に日本語が片言になってきている
「ブフゥ......ワ、ワタシタチ、ドウ、ナッテル?」
「オゥ......ワ、ワカラナイ......コ、コンナノ......イヤヨォ......」
「ウ、ウマク......ハナシ......デキナイヨ......」
「ナ、ナニガ......ドウナッテ......ル?」
「ワ、ワカリ......マセン......コトバ......デテキマセェン......」
日本語を覚えたての外国人のような喋り方しかできなくなってしまった
「あら?あなた達何してるの?こっちで一緒にご飯食べましょ!」
部族女性に話しかけられる
しかもその言葉を完全に理解できるようになった
日本語よりも部族の言葉の方が理解できる
そして遂に5人は部族の言葉を話すようになり、日本語を口にする事は無くなってしまった
1年後
5人は四六時中食べ物を食べ、太り続ける生活を送っていた
体重にして約500kg
一人一人に部族の男性がサポートに付いており歩行の介助から下の世話まで任せていた
更に5人の身体には部族の紋様が描かれ、唇には大きな皿が入れられていた
その姿は部族女性そのもので、日本人としての面影は微塵も無かった
5人も日本の事を思い出すことはほとんど無くなり、部族の一員として過ごしていた
ある日、集落が騒がしい
「もぐもぐ......何かあったの?」
「外から人が来たらしい、集落に招くそうだ」
「へぇ、珍しいわね、あむぅ......」
「どんな人なんだろ......げぇっぷ!」
「お客さんかぁ......ゴクゴク......仲良くなれたらいいね!」
「ぶもぉ......ごくんっ!そうですねぇ......あっ、来たみたいですよ?」
すると部族男性に連れられて1人の男性が集落にやって来た
その男性は5人にとって記憶を取り戻すには十分な引き金となった
「え、あの人......フータロー君?」
「フータローって......フー君!?」
「ほ、本当だ......フータローだ......!」
「う、上杉さん!?」
「上杉君!?どうしてここに!?」
すると5人はパートナーに風太郎の元に連れて行って欲しいと頼む
「この島にあいつらの乗ってたクルーザーの残骸がたくさんあった......この島に流れ着いているかもしれない......一体どこに......」
「yfucuxygivkcyc!!」
「?」
風太郎は声のする方を振り向く
そこには5人の物凄く太った部族女性がいた
そして風太郎にすがりつく
「dijxiblvjclbkvk!」
「hdjftyojjplgjvivibllbllo!」
「gigivhydivuchv!」
「vjchzgfigkv!」
「chdjvkchjvivkv!」
5人は風太郎に必死に何かを訴えているようだ
「な、何だこいつら!?臭っ!?しかも何語だ?何を言ってるんだ!?」
5人は逆に風太郎が何を言っているか分からなかった
「フータロー君!私だよ一花だよ!分かる言葉話してよ!」
「フー君!助けにきてくれたのね!」
「フータロー!私だよ!分からないの!?」
「上杉さん!助けて下さい!」
「上杉君!五月です!一緒に帰りましょう!」
風太郎は困ったような嫌悪の表情を浮かべると後退り、小走りで集落を後にする
そして浜辺のボートに乗り込む
「ま、待って!?フータロー君!」
「フー君!?行かないで!」
「フータロー!!」
「上杉さん!私も乗せて下さい!!」
「待って下さい!!上杉君!私達も一緒に......!」
風太郎はボートのエンジンをかけ、島を後にする
「お、追ってきた!?なんなんだあいつら!?」
「vichcivjcigojcu!!」
「guxhgovivuvh!!」
「kvjchblbkvjobvivi!!」
「kcygiblvkvknpbk!!」
「hcjblbkbknlbjvi!!」
5人は口々に叫んでいるが風太郎には全く伝わらない
こうして5人は日本に帰るチャンスを逃してしまった
「いやぁぁぁ!フータローくぅぅん!!」
「フー君......!フーくぅぅん!!」
「フータロォォ!!行かないでぇぇ!!」
「上杉さぁぁぁん!!」
「帰りたいぃぃ......助けてくださいぃぃ......!」
阿鼻叫喚とはこの事だろう
涙と鼻水、ヨダレが垂れ、唇の皿に溜まる
5人の絶叫が島にこだまし続けた
あれから数年
日本では5人の葬儀が行われた
空の棺桶が5つ
火葬場で焼かれ、煙が空高く登って行った
そして5人はというと
「あー......気持ちいぃ......えへぇ......」
「ひぎぃ......あ、赤ちゃん......う、産まれるぅ......!」
「おっぱい美味しぃ?いっぱい飲んでねぇ......」
「がっついちゃダメですよぉ......一度に4人までですよぉ......おぉぉん......」
「はぐっ!もぐもぐもぐもぐもぐもぐ......ぶもぉぉ......もっとぉ......もっと食べますぅ......ぶげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっぷっ!!!!」
四六時中
食べたい時に食べ、眠りたい時に眠る
そして部族男性の相手をし、子供を産む
5人の目にはもはや光は無く、力無く笑っている
心は壊れ、自分が日本人だったことは完全に忘れてしまった
しかし時折無意識に5人の口から漏れ出る
「フゥタロォ......クゥン......」
「フゥ......クゥン......」
「フゥ......タロォォ......」
「ウゥエスゥギィ......サァン......」
「ウゥエスゥギィ......クゥン......」
5人は理解不能な言葉を呟きながら部族繁栄のために太り続け、子種を受け止め続けるのであった
完