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中野五月22歳

晴れて大学を卒業し、念願の教職に就くことになった五月

真新しいスーツに袖を通し、新生活に赴く

しかし赴任先の学校に行くと五月は驚いた

「こ、ここ......?」

その学校は田舎の木造校舎に生徒数は100人に満たない所謂過疎校と言われる学校であった

五月が学校に打ち解けるのに時間は掛からなかった

生徒達も五月に懐き、問題なく日々は過ぎていった

ある日の放課後

五月は学校を見回っていた

すると教室に1人の女子生徒が残っていた

「あら?どうしたの?下校時間は過ぎてますよ?」

「あ、先生」

(あら?こんな生徒いたでしょうか......見覚えが......)

「五月先生?」

「あ、ごめんなさい、1人でどうしたの?」

「うん、みんながね......私を嘘つきって言うの......」

「嘘つき?」

「うん、誰も信じてくれないの......」

「いったいどんな話なの?」

「先生って......幽霊って信じる?」

「ゆ、幽霊?」

「うん、この学校には幽霊が出るの」

「へ、へぇ、七不思議みたいなものですか?」

「そんな大層なものじゃないけど......興味ある?」

五月は孤立している生徒を放っておけず、渋々頷く

「じゃあ付いてきて?」

少女は五月の手を引き、とある空き教室に入る

「こ、ここは?」

「昔この学校にはある女の子がいたの」

「え?」

「その子は優しくて思いやりがあって友達もちゃんといた、でもその子は太っていたの、ある日からその子は太っていることでからかわれ始めた」

少女は拳を握りしめる

「それは次第にエスカレートしていった......デブとか豚とか言われ出して、遂には服を脱がされたり、暴力を振るわれたり......」

少女は肩を震わせながら語る

その迫力に五月は生唾を飲む

「その子は結局イジメに耐えきれずに自殺しちゃった......先生......どう思う?」

「何というか......やり切れないですね」

「先生だったら......助けてくれる?」

「もちろんです!それが先生というものです!」

「へぇ......そっかぁ......」

ぶくんっ!

「えっ?」

目の前の少女の身体が膨らみだす

ぶくんっ!ぶくんっ!

ぶくぶくぶくぶくぶく......

するとあっという間に少女は贅肉まみれの肥満体になってしまう

五月は驚き、その場にへたり込んでしまう

「あ、あなた......い、いったい......」

「苦しい......悲しい......助けて......」

少女は五月に近寄る

すると少女の身体がドロッと溶け始める

「ひっ!?」

するとドロドロになった少女の身体は五月の口目掛けて飛んでくる

「ぶぼぉっ!!?」

五月は咄嗟の事で口を塞げず、少女の侵入を許してしまう

「んごぉっ!?ごぼぉっ!?」

少女はどんどん五月の中に入っていく

物凄い量のため五月の腹はどんどん膨らんでいく

「ごぷっ!んぶっ!」

全て飲み込んでしまい、五月の腹はシャツのボタンを弾き飛ばしてまるで妊婦のようになってしまった

そして五月はそのまま意識を手放した

「ぐごおぉぉぉぉぉ......ぶがぁぁぁぁぁぁ......」

アパートに響く騒音

食べ物のゴミが散乱し、異臭がする部屋

ベッドがギシギシと軋みながら大きく盛り上がった布団がモゾモゾと動く

「んぶぅぅ......もう朝......お腹空いたぁ......」

布団の中から出てきたのは全身が大量の贅肉にまみれた巨デブ女だった

「どっこいしょおぉぉ......」

巨デブ女は反動を付けてベッドから立ち上がると頭と腹をボリボリ掻きながら巨体を左右に揺らし歩いて冷蔵庫に向かう

そして2Lサイズのコーラを取り出すとそのままラップ飲みする

「んごっ!ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク......」

炭酸をものともせずどんどん飲み進めていき、ほんの数秒で飲み切ってしまう

「ぶはぁっ!ぐぅぅっぷ!ごぶえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっぷっ!!」

気持ち良さそうに大きなゲップをする

そして大量のジャンクフードを取り出すと一心不乱に食べ始める

ピザにハンバーガー、大量のフライドポテト

さながら病的肥満のアメリカ人のような食事だ

その大量のジャンクフードも僅か十数分で完食してしまう

「ぐえぇっぷっ!!」

巨デブ女は一回り膨らんだ腹をさする

「よぉし......仕事行かなくちゃ......」

巨デブ女は脱ぎ捨てられたワイシャツを手に取る

それは元は白かったはずだが全体的に黄ばみ、首元や腋の部分には目立つシミが出来ていた

「うーん......まぁいっか......」

気にせずそれを着る

そしてパツパツのスーツを着て首から名札をさげる

そこには「中野五月」の名前があった

「んぶぅ......また太ったでしょうか......?」

そう、この巨デブ女は五月だったのだ

ドスンッドスンッドスンッドスンッ......

汗だくになりながら学校に到着する

「ぶふぅ......お、おはよぉ......ございますぅ......ぶひゅうぅ......」

生徒達に挨拶する五月

しかし生徒達は一瞬五月を見てそのまま走り去ってしまう

そして口々に「うぇー!デブ野に話しかけられたー!」「デブ菌が感染るぞー!逃げろー!」と五月の悪口を言うのだ

五月はいつもの事だと半ば諦め、学校に入る

ギシィ......ギシィ......

古い校舎のため五月の体重で床が軋む

今にも踏み抜きそうだ

そして教室に行くと生徒達は黒板を見てクスクスと笑っている

五月は何かと思い、黒板を見るとそこには豚のように醜く描かれた五月の絵が大きく描かれており豚だのデブだの書き殴られていた

「!?」

五月は慌ててその絵を消す

「だ、誰が描いたんですかぁ......?」

五月が聞いてもクスクス笑うだけで誰も答えない

「だ、ダメですよぉ......こんな事しちゃあ......」

五月はそれ以上追及できず、うやむやになった

授業が始まる

五月が黒板に板書しているとまた生徒達の笑い声が聞こえる

五月は今度はなんだと思い、自身を見る

すると五月の大きく前に突き出した腹が黒板に当たり、板書の下半分を消してしまっていたのだ

「あぁ......!」

黒のスーツが白く染まり、咄嗟に叩くとチョークの粉が舞い、贅肉が揺れる

その様子を見て生徒達はまた笑う

「うへへ......」

五月は顔を赤らめながら苦笑いを浮かべるしかなかった

給食の時間

五月は目の色を変えて給食にがっつく

「あむぅっ!がつがつがつ......ゴクゴクゴク......」

あっという間に一人前を完食すると五月は生徒達に尋ねる

「も、もうおかわりする人はいませんかぁ?い、いませんねぇ?食べちゃいますよぉ?」

生徒達は誰も反応しない

「やったぁ......!はぐっ!がつがつがつがつがつがつ......んぼおぉぉぉぉぉ......!」

五月は給食の台座の前に移動し、直接食べ始める

しゃもじで直接ご飯をかき込み、スープの寸胴を持ち上げると直接飲み出す

五月の腹はみるみる膨らんでいき、ただでさえパツパツだったスーツのボタンは見事に弾け飛び、教室の壁に直撃する

しかし五月はお腹が楽になったぐらいにしか考えておらず、構わず食べ続けた

そしてしっかり完食し、大きく膨らんだ腹をさする

「ぶはぁっ......!食べましたぁ......!ぶげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっぷっ!!」

その姿を見て生徒達は笑う者、引く者、反応は様々たが誰一人五月を尊敬する者がいない事だけは確かだった

放課後、五月は一人残り、菓子パンを食べながら書類仕事をしていた

「あむっ!もぐもぐ......あー、早く終わらせてご飯食べたいですぅ......」

五月は何個目か分からない菓子パンの袋を開けて頬張る

「あはは!凄い食欲ですね!五月先生!」

「んぶっ!?だ、誰ですかぁ?」

五月は突然聞こえてきた声に驚き辺りを見回す

しかし誰の姿も見えない

「ど、どこですかぁ?」

「五月先生、ここですよ!ここ!」

五月は落ち着いて声の出所を探る

声はかなり近くから聞こえる

五月は視線を落とす

「やっとこっち見た!」

「ま、まさか......」

謎の声は五月の腹から聞こえてきていたのだ

「な、何ですかこれぇ!?んぐぷっ!?」

五月は急激に腹の張りを感じると何かが迫り上がってくるのを感じる

「おえっ!?うげえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!??」

五月の口からドロドロした液体が吐き出される

その液体は床に広がったかと思うとひとりでに動き出し、形を変える

「昨日ぶりですね五月先生!」

その液体は少女の形となった

「あ、あなた......は......うっ!?」

五月は頭を抱える

まるで霧が晴れたかのように昨日の記憶が蘇る

謎の女子生徒に幽霊の話

そして生徒に慕われていた痩せている五月

「あ......あぁ......わ、私の身体......どうなって......」

五月は改めて自分の身体を見回す

贅肉にまみれたその巨体は確かに現実だ

そして自身が晒した醜態の数々もまごう事なき現実だった

「い、いやあぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

「やっぱり外から見るとめっちゃデブですね!腹デッカ!二重顎ヤバ!」

「な、何でこんなに太って......!それに生徒達も私の事を......!」

「私の力ですよ!五月先生は元から食べる事しか頭に無いくっさくて不潔な巨デブ先生になったんです!」

「な、何でこんな事を!?」

「先生言ったじゃないですか?助けてくれるって」

「え?」

五月は記憶を辿る

確かに少女の問いにそう答えていた

「私、自分より下の存在がいると思うと安心するんですよ、だから先生にはこれからもずっと巨デブ先生でいてもらいます!」

「そ、そんなの嫌です!!元に戻して!!」

五月は少女に掴みかかろうとする

しかし五月の手は少女の身体をすり抜け、そのままバランスを崩して倒れてしまう

ずっしーん!!

「うぶぎゅっ!?」

「あはは!五月先生トドみたーい!」

「う......うぅ......」

五月は涙を流す

「辛いよね先生?でも大丈夫!」

少女はそう言うと五月の口に指を突っ込む

「んぶっ!?おごぉぉ!?」

すると口の中で指が溶け、五月の体内に入っていく

五月は抗えず液体の侵入を許してしまう

「はい!また私の一部を先生に取り憑かせましたからね!せっかくだから意識はそのままにしてあげます!心は美人の五月先生がそのデブデブの身体に振り回されるの絶対面白そう!」

「な、何を言って......」

ぐぎゅううぅぅぅぅぅぅぅ......

「!?」

五月の腹の虫が鳴り響く

「あはは!早速お腹空いてきましたね!」

「あぁ......!ダメぇ......!」

五月の頭の中がどんどん食べ物で埋め尽くされていく

「こ、こんなの......いやぁぁ......」

「じゃあ先生、これからもいいおデブっぷり期待してますね!」

そう言うと少女の身体は透け始める

「ま、待ってぇ!?」

五月の叫びも虚しく、少女は消え、五月一人残された

ぐぎゅううぅぅぅぅぅぅぅ......

ぐろろろろろぉぉぉぉぉぉぉ......

そして耐えがたい空腹が五月を襲い続けるのであった

「あむぅっ!がつがつがつがつがつがつ......ぶほぉぉ......美味しい......美味しいでふぅ......」

五月の食事量は一般女性の10倍以上だ

授業中ですら我慢出来ず、教卓の引き出しには大量の菓子が詰め込まれ、授業中も食べ続ける

休みの日は一日中家の中でひたすら食っちゃ寝をする

寝落ちするまで食べ続け、起きたらまた腹が減っている

眠っている間だけ五月は呪われた食欲から解放されるのだ

「ぐげええぇぇぇぇぇぇっぷっ!!ぶふぅ......やっと......お腹いっぱい......眠れますぅ......」

五月はベッドの上で食べカスにまみれたまま眠りにつき、爆音のイビキをかきだす

その間にもの凄いスピードで五月の腹は消化を進めていき、パンパンだった腹が萎んでいく

2、3時間で胃は空っぽになり、食べ物を求めて悲鳴をあげる

ぐぎゅううぅぅぅぅぅぅぅ......

「んごおおぉぉぉぉ......んぶぅ......お、お腹がぁ......空きましたぁ......」

五月は目を覚ますとすぐさま食べ始める

そんな生活を繰り返した結果

「ぜひゅうぅ!ぶひゅうぅ!お、おはよぉ......ぜひゅうぅぅ!ご、ございますぅ......」

五月は息も絶え絶えになりながら学校へやってくる

あれから五月の身体はブクブクと太っていき、最初の太らされた姿が可愛く見える程の凄まじい肥満体になってしまった

体重にして約500kg

五月はまともに歩けなくなり、杖をついて尚且つこまめな休憩をしなければいけなくなった

徒歩5分の距離を30分かけて歩く

そして休憩の度に食べ物を食べる

そのため出勤するのに余裕で1時間以上かかってしまう

学校に着く頃には特注サイズのスーツは汗でびしょびしょになり、身体中から異臭が漂う

それもそのはずだ

五月はあれから風呂に入っていない

風呂入ろうと思っても食欲が勝ってしまうのだ

そのため五月の身体は常に異臭を放ち、肌はベタベタ、髪の毛もギトギトになり大量のフケが付着している

そんな五月を生徒達が快く思うはずもなく、基本的に無視、陰口、学級崩壊とも言える状況となった

本来ならすぐにでも五月は学校を辞めることになるだろう

しかし、五月に取り憑いた少女の一部がそれを許さない

退職届を書こうとしても手が動かなくなり、口にも出せない

しかも少女は周りの人間にも干渉し、絶対に五月を辞めさせないようにしているのだ

これから五月は死ぬまでこの学校で教師を続ける

死ぬまで太り続けるのだ

「ふふふ、ずっと一緒だよ、五月先生」

「ぐげええぇぇぇぇぇぇっぷっ!!ぶひゅうぅぅ!お腹ペコペコですぅ......助けてぇ......」

完

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