とある騎士の行く末 (Pixiv Fanbox)
Content
「そこ!脇が甘いぞ!もっと打ってこい!」
とある世界、とある王国で剣を振る女性
彼女の名はミシェル・グラント
僅か18歳という若さで王国騎士団の団長に就任した天才
綺麗な金髪に碧い瞳、引き締まった身体に張りのある胸と尻、その美貌から「武装天使」と呼ばれていた
ミシェルは人望も厚く、任務中は厳しく律するが普段は仲間を気にかけ、気さくに話もする
そんなミシェルに単独任務が与えられた
「魔女討伐?」
その魔女は魔王に通じているという情報があり、さらに禁呪とされる術をいくつも所持しているとのこと、かなり危険な任務であるため下手に人数を割くよりもミシェル1人で討伐に向かう方が良いと判断されたのだ
ミシェルは情報にあった魔女の住処に赴く
そこは森の奥深く、禍々しい雰囲気の小屋だった
ミシェルは小屋に近づこうと足を踏み入れる
するとミシェルの足元に魔法陣が広がり、光の帯がミシェルを絡め取る
「くっ!?なんだこれは!?」
ミシェルは振り解こうとするが帯はミシェルの身体をガッチリ捕らえて離さない
すると魔法陣は更に光を増し、ミシェルの身体は地面に沈んでいく
そしてミシェルが沈みきると魔法陣は消え、元の静かな森へと戻った
「う......ん......ここは......?」
ミシェルは目を覚ますと薄暗い洞窟にいた
そして動こうとすると手足を拘束されている事に気がつく
「あらぁ?活きのいい獲物がかかったわねぇ?」
「だ、誰だ!?」
奥から現れたのは黒いローブに黒い大きな帽子を被った女だった
「お前は......魔女だな?」
「ええ、いかにも、はじめまして騎士団長様」
「私を知っているのか?」
「そりゃ有名人だもの、直に見ると随分と可愛いお嬢さんだこと」
「お褒めにあずかり光栄だ、ついでにこの拘束を解いて貰おうか?」
「解く訳ないでしょ」
「だろうな、目的はなんだ?何を企んでいる?」
「それも言う義理はないんだけどね......強いて言うなら......あんただよ」
魔女はミシェルに近づくといきなり口づけをする
「ん"っ!?」
魔女は大量の唾液をミシェルの口に流し込む
ミシェルは突然の事に魔女の唾液を飲み込んでしまう
「ぷはぁっ!?い、いきなり何を!?」
「じゅるっ......これで媒体はOK......じゃあいくわよ?」
魔女は杖を構え、ミシェルに向ける
杖は禍々しい光を放ち始める
するとミシェルは身体に違和感を覚える
「な、なんだ?身体が熱い......」
ぶくんっ!
「!?」
ミシェルの腹が急に膨らむ
ぶくんっ!ぶくんっ!
ぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶく......
「な、なんだこれは!?身体が!?」
始めは腹だけだった贅肉の膨らみが全身に広がり始める
割れた腹筋は飲み込まれ、スラリとした手足もどんどん太くなっていく
「くっ!おい!やめろ!ぶぎゅっ!?」
ミシェルの顔がぶくんっと膨らむ
頬はパンパンに張り詰め、顎は弛んて二重顎が形成される
「うぶぉぉぉぉぉ!?」
更に身体全体がぶくぶくと膨らんでいく
身に付けていた鎧は金具が弾け、地面に落ちていく
そしてようやく身体の膨張が止まる
「ぶふぅ......ぶふぅ......」
その姿はまさに巨デブ
重苦しく呼吸をするたびに巨大な腹がだぷんっと波打つ
「上手くいったわね」
「も、元に戻せぇ......ぶふぅ......」
「戻す訳ないでしょ?それにまだ終わりじゃないよ?」
魔女はミシェルの顔に杖をかざす
「んぶっ!?か、顔が熱いぃ!?」
するとミシェルの顔が変化を始める
バキバキと音を立てながら鼻が上を向き出す
鼻の穴が正面を向き、不恰好な豚鼻になる
パッチリとした二重瞼は腫れぼったい一重瞼になり不機嫌そうな目付きになる
唇も肥大し、下品なタラコ唇になってしまう
そしてシミひとつ無かった頬には無数のソバカスが浮かび上がる
そして綺麗な金髪は艶を失い、うねうねと縮れていく
その毛質はまるで陰毛のような剛毛の癖毛になってしまった
変化が終わったその顔はお世辞にも美しいとは言えない不細工、ミシェルは醜女となってしまった
「んぶぅ......か、顔......私の顔......どうなって......」
「見る?」
魔女は鏡をミシェルに向ける
「だ、誰だこれは......私......なのか......?」
「さてと、最後の仕上げをするからしばらく寝てなさい」
魔女は再び杖をかざすとミシェルはガクンッと意識を失う
そして魔女は洞窟を後にした
「ぶごおぉぉぉぉぉ......ぶがああぁぁぁぁ......」
兵舎に響く大いびき
そのいびきの主、ミシェルは巨大な腹を上下させ気持ち良さそうに眠っている
「んがっ?ぶふぅ......」
ミシェルは目を覚ます
「こ、ここは兵舎?帰ってきた......のか?」
ミシェルは気怠そうに巨体を起こす
最初は夢を見ていたのかと思ったが自身の太った身体を見て現実だったと認識した
「そ、そうだ、魔女の件を報告しなくては......」
ミシェルは着れる服は無いかと戸棚を開ける
するとそこにはベルトが異様に長い鎧が置いてあった
ミシェルは不思議に思いながら鎧を付けてみる
ベルトはギリギリだが締めることができる
しかし太り過ぎのため鉄板からほとんど身体がはみ出している
その姿は騎士とは程遠い不恰好なものだった
「行くか......」
ドスンッドスンッドスンッドスンッ......
ミシェルは巨体を左右に揺すりながら城の廊下を歩く
垂れた腹の贅肉が太腿にぺちぺちと当たり、足が上手く前に出せない
更に太腿が太過ぎるせいで内股が擦れてしまい痛みが走る
「うぐぅ!あ、歩きにくい!股擦れが痛い......」
ミシェルは普段の数倍の時間をかけて王室の前に来る
「ぜふぅ......王に話がある、通してくれ」
「所属と名前を言え」
「こ、こんな姿になってしまったが私だ、王国騎士団長ミシェル・グラントだ」
そう言うと警備兵は面を食らった表情を浮かべると持っていた槍をミシェルに向ける
「ミシェル・グラント、その名は知っている、騎士団長?笑わせるな!ただの平兵士が何をほざく!」
「ひ、平兵士だと!?何を言って......」
「今回は見逃してやる、身分を弁えろ!」
「な、なんなんだ!」
ミシェルは警備兵の迫力に気圧されその場を立ち去る
「ぶふぅ......私が平兵士......?どういう事だ......?」
ミシェルは兵士の詰所に向かうとそこには見知った部下達がいた
「ぶふぅ......み、みんな......」
ミシェルは恐る恐る声をかける
「ん?ちっ、なんだお前か」
「え......お前......?」
部下のお前呼びにショックを受けるミシェル
「遅いぞ豚!ノロマならノロマらしく時間に余裕を持って行動しろ!」
「ぶ、豚!?」
更にショックを受けるミシェル
「これはまたお仕置きが必要なようだなぁ......おい!」
合図を受けると兵士達はミシェルを取り押さえ四つん這いにさせる
巨大な腹の肉と胸まで床に設置してしまう
「んぼっ!?な、何をする!?」
「何って、お仕置きだよ、オラ!」
兵士はミシェルの巨尻をムチで引っ叩く
「んひぃっ!?」
「オラ!この豚!卑しいデブが!」
「ぶひぃっ!?い、痛っ!?や、やめ、いぎぃぃ!?」
しょわあぁぁぁぁ......
ミシェルは小便を漏らしてしまう
「うわっ!漏らしやがった!汚ねぇなこのデブス!」
「うあぁぁ!ひぎっ!」
「粗相した罰だ、舐めて綺麗にしろ」
「そ、そんなこと......ぷぎょっ!?」
「やれデブス」
兵士はミシェルの頭を踏み付け、小便まみれの床に顔を付けさせる
「うごぉ......!おえっ!」
ミシェルは自身の小便を口にしてしまい、えづく
「ははは!本当に舐めやがった!」
兵士達は大笑いする
ミシェルは涙に鼻水に小便で顔をぐしゃぐしゃにしていた
「うわぁぁぁぁ......!」
ミシェルはまるで子供のように泣いた
そこに騎士団長としての威厳は全く無くなっていた
その様子を魔女は水晶で見ていた
「結局人間なんてこんなものよねぇ......」
すると魔女は水晶に話しかける
「お望み通り騎士団は弱体化させたわよ、あとはお好きにどうぞ」
その水晶の先には王国の陥落を狙う魔王がいた
「くくく......者共!時は満ちた!王国へ進軍を開始する!」
魔王の号令により、魔族達の王国侵略が始まった
それからは早かった
王国騎士団は統率が取れず、瞬く間に壊滅
団員は皆殺しにされた
ミシェルを除いて......
「ようこそ魔王城へ」
ミシェルは魔族に捕らえられ魔王の前にいた
「ぜふぅ......ま、魔王......!よくも......!」
ミシェルは細い目で魔王を睨みつける
「そう睨むな......今回の敗北、お前はどう考える?」
「な、何......?」
「お前を今の姿に変えるように魔女に依頼したのは私だ......しかしどうだ?お前1人そんな姿になっただけで騎士団のレベルは地に落ちたのだ......なんと嘆かわしい......」
「だ、黙れ!」
「今回の事でお前もどれだけ人間が愚かかわかっただろう?」
「そ、それは......」
ミシェルは太ってからの事を思い出す
デブ、豚、ブサイクと罵られ、暴力やセクハラの日々
意見を言っても全く相手にされない歯痒い日々
醜くなっただけでここまで変わってしまうものなのかと絶望した
「魔族にはいろんな奴がいる、大きい者、小さい者、太い者、細い者、だがそれを蔑む者などいないぞ?互いを認め合い、尊敬している」
「......」
「お前に選択肢を与える」
「選択肢......?」
「一つは人間として死ぬこと、もう一つは私の魔力を注ぎ魔族に転生することだ」
「なっ!?」
「正直私はお前の能力を買っている、だが人間を生かしておく程甘くはないのだ、選べ二つに一つだ」
「わ、私は......」
究極の選択
ミシェルの選択は......
「ミシェル、ここの軍備どう思う?」
「今回の相手は格下だ、もう少し新米を前線にだして経験を積ませてやれ」
「なるほど......進言してみる!ありがとうな!」
「気にするな」
ミシェルは魔族に転生し、軍隊の監督役となった
ミシェルの身体は太ったまま、肌は薄紫色に染まり、耳は尖り、頭からは角、尻からは尻尾が生えた
所謂悪魔タイプの魔族になったのだ
魔族に転生した際、身体能力が格段に上がり、息切れなどを起こさなくなった
「おお、ミシェル!調子はどうだ?」
「ま、魔王......様」
「くくく、まだ様付けは慣れないようだな」
「うぅ......」
「構わん構わん!それよりも良い肉が手に入ったのだ!一緒に食事しないか?」
「に、肉!?た、食べたい!!」
ぐぎゅううぅぅぅぅぅぅぅ......
「よし!たらふく食うが良い!」
「良いのか?今の私なら10kgは軽く食べるぞ?」
「大食らいも個性の一つよ!がはは!」
「よぉし!食べるぞぉ!」
ミシェルと魔王は共に廊下を進んでいく
ミシェルの紫色の顔はとても晴れ晴れとした表情を浮かべているのであった
完