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「え?肥満化病?」

「うん......」

俺の名前は高橋雄介

そして隣にいるのは幼馴染で恋人の倉田千里

学校の帰り道

千里から突然のカミングアウトをされる

「な、何それ?聞いたことないんだけど......」

「まだ世界でも数例しか無い奇病なんだって......肥満化病になると物凄い速さで身体が太っていくって......中には太り過ぎて寝たきりになった人もいるって......」

言われてみると千里の身体が少しふっくらしているように見える

「治らないのか?」

「治療法が無いって......脂肪吸引とか切除をしても無くなった倍の脂肪が増殖して逆効果だって......」

暗い表情で説明をする千里

「雄介......私達、別れよ?」

「待て待て、何でそうなる?」

「だって私これからどんどん太っていくんだよ?もしかしたら寝たきりになるかもしれないんだよ?そんなのが彼女とか嫌でしょ?」

千里は声を震わせながら顔を伏せる

「そ、そんな事......」

「それに太っていくの見られたくないから......!」

「千里......!」

千里はその場を走り去ってしまう

俺はその後ろ姿を見送る事しか出来なかった

しかし別れたと言っても同じ学校、同じクラスだ

嫌でも顔を合わせることになる

千里は学校に病気のことを説明し、クラスにも通知がされた

クラスのみんなは口々に千里に寄り添い、優しく接していた

しかし千里の患った肥満化病は俺達の想像を大きく超える猛威を振るったのだ

千里の身体は日に日に驚愕のスピードで太っていった

ピッタリだった制服は次の日にはパツパツになり、また次の日には入らなくなる

買い替えが間に合わないため千里はジャージで過ごすことになる

しかしそのジャージもすぐにキツくなり、僅か一週間でXLのジャージを着るようになった

腹は大きく突き出し、胸も倍近く大きくなった

尻も巨大化し、ジャージを大きく盛り上げる

顔も丸くなり首と顎の境目が曖昧になった

体重は少なくとも80kg は超えただろうか

だが千里の変化は留まることを知らなかった

二週間が過ぎた頃から千里は市販のジャージを着るようになった

学校指定のジャージではサイズが無くなってしまったのだ

その頃から千里は目に見えてデブ感が増していった

パンパンに張り詰めていた身体は弛みが目立ち始め、動く度にぶよぶよと揺れ動くようになった

さらに身体が重いせいか、呼吸がうるさくなりだし、大量の汗をかくようになった

ジャージの色が変わる程の大量の汗のせいで教室に汗特有の酸っぱい臭いが充満するようになった

その頃から千里は一人でいる事が多くなっていった

周りの連中が陰で「デブ」「臭い」「キモい」など言っているのを聞いた

連中の掌返しに心底腹が立った

そんなモヤモヤとしている中、教室がざわつく

ざわつきの中心は千里だった

目を向けると千里は机に突っ伏し、息を荒くしていた

どうしたのかと見ていると千里の身体がぶくんっと膨らんだ

最初は気のせいかと思ったがそうではなかった

ぶくんっぶくんっと確かに身体が大きくなっていく

ジャージがどんどん張り詰め、捲り上がり、贅肉がはみ出していく

そして一際大きく膨らむと椅子がギシギシと軋むとバキンッと椅子が潰れ、千里の巨体が放り出される

ズドンッと教室が揺れ、千里は大の字に倒れ込む

大きな腹が丸出しになり、ぶよぶよと波打つ

「ぜひゅー!ぜひゅー!うぶぅぅぅ!」

千里は呼吸を乱し、大量の汗が滴る

そしてようやく身体の膨張が収まり、教室は静寂に包まれる

そして周りの連中は見ているだけで誰も助けようともしない

それどころかバカにするような嘲笑さえ聞こえてくる始末だ

「うぐぅぅ......うっ......うぅぅ......」

千里はそんな雰囲気を感じ取ってか涙を流す

汗だくなため流れた涙はすぐ汗と同化してしまう

俺はもう我慢出来なかった

「大丈夫か!?」

俺は千里に駆け寄り、起き上がらせる

物凄い重さだ

背中に腕を回すと背中の贅肉に腕が沈む

「うぶぅ......ゆ、雄介?」

「立てるか?保健室行こう」

「う、うん......ぶぐぅぅぅぅ!」

千里は俺の肩に腕を回す

そして力を込めて立ち上がらせる

すると巨大な腹の肉がデロンと膝辺りまで垂れ下がる

そしてしっかり支えながらゆっくりと教室を後にする

足が太過ぎるせいで千里の身体は左右に揺れ、俺にぶつかりながら歩く

じっとりと汗で湿り、ツンと鼻を突く悪臭

以前の千里からは想像できない変わりようだ

どうにか保健室に辿り着いた

先生は不在だったため俺は千里をベッドに座らせる

ギシギシとベッドが軋む

一瞬潰れるかと思ったがどうやら大丈夫のようだ

「ふぅぅ......!ぶふぅぅ......!」

息が中々整わない千里

俺はひとまず千里に向かい合うように座る

久しぶりに千里の顔をじっくり見る

まん丸に膨れたほっぺが赤らみ、巨大な二重顎がたぷたぷと揺れている

ほっぺの肉に挟まれた口は少しおちょぼ口になり、唇も少し肉が付いたのかぷるぷるテカテカしている

綺麗だった黒髪は汗でテカテカと脂っぽくなり、顔に張り付いている

すると千里は肉厚な手で顔を隠す

「そ、そんなに見ないでよぉ......ふうぅ......」

「あ、ご、ごめん!」

気まずい

保健室に千里の呼吸音だけが響く

すると千里が口を開く

「ぶふぅ......驚いたでしょ?急に身体が膨らんで......」

「あ、あぁ......さっきのは一体......」

「多分発作だと思う」

「発作?」

「うん、病院で説明されたんだけど肥満化病はある程度進行すると一気に身体が太る発作が起きるんだって......」

「じゃあこれからも発作は起きるのか?」

「ううん、発作は一回だけ......その人のMAX体重まで一気に膨らむんだって......」

「MAX体重?」

「つまりもうこれ以上太る事は無いってこと......この発作で歩けない程太っちゃった人もいるから私はラッキーだったかな......」

千里は大きなお腹をさする

「な、ならこれからダイエットとかできるって事だろ?」

「残念だけど肥満化病で増えた脂肪は例え断食しても減る事はないの......私は一生このままなの......ぐすっ......」

千里は泣き出してしまう

俺はそんな千里を優しく抱きしめる

肉厚で暑い千里の巨体

手が回り切らない

「ゆ、雄介!?」

「俺やっぱ無理だ......千里の事放っておけないよ......」

「で、でも私こんな太っちゃって......」

「関係ない!太っても千里は千里だ!可愛い俺の彼女だ!」

「雄介ぇ......うわぁぁぁぁぁん!!」

千里は俺の胸に顔を埋め大声で泣き出す

俺はそんな千里をいつまでも優しく抱き続けたのだった

後日

俺は千里を迎えに来ていた

すると扉が開き、千里が出てくる

「あっ!雄介!おはよう!」

千里は特大サイズの制服を着ていた

「おはよう、新しい制服か」

「うん!太るのが止まったから特注で作って貰ったの!ど、どうかな?」

千里は腕を広げ、制服姿を見せつけてくる

見た事ないサイズの制服が千里の巨体を包んでいる

「よく似合ってる、可愛いよ」

「そ、そっかな?えへへ......」

千里は照れ臭そうに顔を赤くする

「それじゃ行くか」

「う、うん!」

俺達は学校に向かう

ドスンッドスンッドスンッドスンッ......

千里は巨体を左右に揺すり、かなり歩くのが遅い

そのため俺も千里に合わせゆっくり歩く

「ぜひぃ!ぶふぅ!ぼふぅ!」

まるで豚のような声を上げながら汗だくになる千里

「千里、そこにベンチあるから少し休憩するか?」

「ぜぇっぜぇっ!う、うん、座るぅ......」

千里はベンチにドッカリと座る

普通なら3人程座れる大きさのベンチを千里の巨大な尻が埋め尽くす

「ぶひぃぃ......疲れたぁぁ......ぐふぅぅ......」

千里は疲労困憊のようだ

「千里......まだ家が見えるぞ......」

距離にして約100m

約5分歩いた結果だった

「えぇ......ぶふぅ......嘘ぉ......」

「千里、大変だと思うけど遅刻しちゃうから!頑張れ!」

「う、うん!頑張るぅ!うぐぅぅぅ!」

千里はのっそりと立ち上がると再び歩き始める

結局片道1km程の道のりを1時間程かけ、遅刻ギリギリで到着したのだった

昼休み

千里と机をくっつけ昼食を摂る

俺は購買のパンを2つ

千里は大きな風呂敷を取り出す

中には5段重ねの重箱が入っていた

蓋を開けると大量のおにぎりとサンドイッチ

唐揚げ、春巻き、ミートボール、ハンバーグ、ウインナーetc

見事に茶色いおかずがギッシリ詰まっていた

「そ、そんなに食べるのか?」

「う、うん......太り終わってから急に大食いになっちゃって......」

ぐぎゅううぅぅぅぅぅぅぅ......

千里の腹から爆音の腹の虫が鳴り響く

「はぐっ!あむぅ!うぶふぅ!がつがつがつがつがつがつ......」

千里は物凄い勢いで弁当にがっつく

おにぎりとサンドイッチを片手におかずをどんどん平らげていく

結局俺と同じタイミングで食べ終わった

「ぶぐえぇぇぇぇぇぇぇっぷっ!!ぶふぅぅ!あー、満足満足......げえぇぇっぷっ!!」

千里は大きなゲップを出しながら更に膨れたお腹をポンポンも叩く

その幸せそうな顔に俺もつい微笑んでしまった

放課後

千里と帰路に着く

「なぁ千里」

「んぶぅ......な、なあに?」

「そういえば結局体重何kgになったんだ?」

「ぶふぅ......それ聞く?」

千里のテンションがあからさまに下がる

「まぁ、気になるし......」

「いいよ......耳貸して」

耳を千里の顔に近づける

荒い鼻息が当たってこそばゆい

「......309kg」

「さ、さんびゃく!?」

予想よりもかなり大きな数字に驚いてしまう

「きっと日本一重い女子高生だよ......」

「凄いなぁ......」

300kg超えの女子高生

それが今の俺の彼女

きっとこれから大変なことが沢山あるだろう

でもきっと2人なら乗り越えられる

根拠は無いが不思議とそう思えるのだ

「千里」

「ん?」

「今度の休みデート行こうな」

「ほ、ほんと!?」

「ほんと」

千里の表情がパァッと明るくなる

守りたい

この笑顔

「えへへ、楽しみ!」

まん丸の千里の笑顔を見ながら俺は幸せを噛み締めるのであった

完

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