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「ダ、ダイエット企画!?」

一花はまさかの仕事に目を丸くした

「この前の健康診断企画で一花ちゃんの規格外の結果が反響を呼んでね、今流行りの合宿ダイエットに参加して欲しいってさ」

「で、でも私の体質だと......」

「うん、とてつもなく痩せにくいんでしょ?それは分かってるんだけど......局のお偉いさんからの強い要望でね......頑張ってね一花ちゃん」

こうして一花はダイエット合宿に参加する事になった

とある孤島

スポーツ施設や宿泊施設が完備された正に合宿の為の島

一花はフェリーでやって来た

「うぉ!階段怖っ......」

一花は自身の腹の肉で足元が見えず、フェリーの急な階段を恐る恐る降りる

「中野さーん!こちらでーす!」

船着場には番組のスタッフが迎えに来ており、その周りには他の合宿参加者も集まっていた

「ぶふぅ......よろしくお願いしまーす」

一花が合流すると他の参加者達は目を丸くしていた

理由は有名人の一花が来たこと、そしてそのあまりにも大きく肥え太った身体である

他の参加者ももちろん肥満体型であるが一花の巨体には遠く及ばない

「では揃いましたので合宿所に移動しまーす」

スタッフが先導し、移動が始まる

ドスッドスッドスッドスッ......

「ぶふぅ......ぶふぅ......ひぃ......」

合宿所までは徒歩での移動

しかも山の上にあるため一花はみんなから大きく遅れていた

坂道のため少しでも重心を後ろにしてしまえば転がってしまいそうになるため前屈みになり歩くしかない

そのため腹や胸の重量が背中や腰にダイレクトにかかってしまい、鈍い痛みが走る

大量に汗をかき、巨体を懸命に揺らして歩いている一花

スーツケースを杖のようにしているが、今にも持ち手が壊れてしまいそうだ

「はぁっ......!ぶはぁっ......!や、やっと......着いたぁ......!」

やっと到着し、早くも満身創痍の一花

他のみんなは待ちくたびれていた

「ではみなさん、更衣室で着替えをしてグラウンドに集合して下さい」

更衣室に案内され、各々着替えを始める

大なり小なりそれぞれが贅肉を揺らして着替える中、やはり一花の存在感は格別であった

「よっこいしょぉ......」

一花が服を脱ぐと暴力的なまでの爆乳と大迫力のお腹がみんなの視線を集める

さらにブラの食い込む広い背中にぶりんぶりんと揺れる巨尻が異様な色気を振り撒いていた

「うはー、パツパツだなぁ......」

番組が用意したお揃いの半袖半ズボンの運動着は一花にはやはり小さかった

もちろん特大サイズなのだが今にも爆発しそうな胸元、丈が足りずはみ出る腹肉、袖が食い込み存在感が増す二の腕、パンパンな太ももに張り裂けそうな尻

そんな一花を周りは若干引き気味に見ており、その視線に一花も気付いたようで苦笑いを浮かべていた

グラウンドに集合するとそこにはいかにもトレーナーっぽい人達が待ち構えていた

軍服を着たゴリマッチョに腹筋を自慢げに露出させた褐色美女

2人共こちらを見る目、特に一花を見る目は冷ややかなものだった

「今日から一ヵ月、みなさんを指導して下さるトレーナーさん達です、かなり大変だとは思いますが頑張って下さい」

するとトレーナーにバトンタッチされ、話始める

「見ただけでお前達がどれだけ自分に甘いかよく分かる、その根性叩き直してやるから覚悟しろ」

「同じ女性として恥ずかしいですね、自分達が如何にダメな存在か理解して下さい」

中々辛辣なトレーナーの言葉に一花達はいきなりげんなりしながら合宿がスタートした

まずはトラックをランニング

みんな普段の運動不足がたたり、足取りが重い

そして案の定、一花は群を抜いて酷かった

ドスッドスッドスッドスッ......

「ぜひぃ!ぶひぃっ!」

「おらおら!誰がウォーキングしろっつった!?走れ!」

「ひぃ!ひぃぃん!」

一花はもちろん走っているつもりだったが足が早々に上がらなくなり、歩いてしまう

トレーナーはもちろん見逃してはくれず、どんどん責め立ててくる

「何周遅れるつもりだ!?止まるな!頑張れ!」

「ぶごっ!ぶほっ!ぜぇっ!ぜぇっ!」

歩いている間に贅肉が揺れてシャツは捲り上がり、巨大な腹肉が丸出しになってしまう

周りの参加者達はそれを見てクスクスと笑っている

「おら!何だその腹は!恥ずかしくないのか!?」

「ぶぎぃ......ぶぉぉ......」

みんなからかなり遅れてどうにかゴールするが一花はもう限界を迎えていた

「うぶぅ......む、無理ぃ......しんどいぃ......お家帰るぅぅ......」

「さぁ!次のメニューだ!休んでる暇は無いぞ!」

地獄はまだ始まったばかりだ

「おいおい、今は腹筋の時間だぞ?何寝てるんだ!」

「ふんぎぃぃ!!」

「これじゃ首だけムキムキだな?あっ、首も無いか?ははは!」

「はい!ワンツー!ワンツー!足上げて!」

ドスンッ!ドスンッ!ドスンッ!ドスンッ!

「ぶほっ!うぶぉっ!おぶぅっ!」

「ダメダメそんなんじゃ!自分に負けない!」

ザバァ!ザバァ!

「ぶはぁっ!ぶはぁっ!おぶぶっ!」

「はい!それだけ脂肪があれば沈まないから!あと二往復!」

「ごぼぼぼ......!」

怒涛の減量メニューをこなし、参加者達、特に一花はぐったりしていた

そしておデブちゃん達が待ちに待った食事の時間がやって来た

ぐぎゅううぅぅぅぅぅぅぅ......

ぐろろろろろぉぉぉぉぉぉ......

一花の腹の虫が食堂で悲鳴を上げる

「ご飯何だろうね!?じゅるっ!」

一花はよだれを飲み込みながら今か今かと待っている

すると料理が運ばれてくる

「来た来た!......って......」

それは一花の期待を大きく裏切る内容だった

小さい茶碗に玄米、豆腐とわかめの味噌汁、数切れの煮物に二匹の焼いたししゃも、そしてサラダ

今の中野家では絶対に出ないヘルシーメニューだった

「こ、これだけ......?」

分かりやすく落胆する一花

しかし背に腹は変えられず、食事を始める

「はむっ!むぐむぐ......これ味付いてる?」

あまりの薄味に普段高カロリー食ばかり食べている一花の舌は味を感じ取る事ができない

「がつがつがつ......げぇっぷっ!もう終わっちゃった......」

空腹も相まってほんの数分で完食し、そわそわし始める

「あのー......おかわりって......」

「ダメに決まってんだろ、舐めてんのか」

「ですよね......」

こうして一花はこの合宿に一時の安らぎも無いことを思い知るのであった

ぐぎゅううぅぅぅぅぅぅぅ......

ぐぎゅるるるるぅぅぅぅぅぅぅぅ......

腹の虫が鳴り止まなくなってしまった一花

「お腹空いたぁ......お腹空いたよぉ......」

一花は襲いくる食欲に悶えながら休憩していた

胃袋はひたすら食べ物を求め続けている

頭の中には食べ物の事ばかり浮かんでくる

これでは合宿どころでは無い

一花はどうしたものかと頭を抱える

すると何か思い付いたようで水道に向かう

「ふぅ......ふぅ......と、とにかくお腹いっぱいになれば......」

一花は蛇口に口を付けると一心不乱に水を飲み始める

「んぐっんぐっんぐっ......」

ごぽぉ......ごぽぽぉ......

すると一花の腹が面白いように膨らみ始めた

「ごくごくごくごくごくごくごくごく......」

ぶくぶくぶくぶく......

腹がどんどん突き出していき、シャツがずり上がっていく

「ごぶっ!ごくごくごくごくごくごく......ぷはぁっ!!」

一花が蛇口から口を離すとその姿は異様だった

腹はまん丸、パンパンに膨らんで正に水風船のようだった

「ぐぉっぶっ!お、お腹重たっ!?」

ちゃぽんっ!ちゃぽんっ!どぷぅん!

動くたびに腹の中の水が音を立てて揺れるのが分かる

「ふんぐぅっ!ぶごぉぉっぷっ!おぶぅっ!」

ドスンッ......ドスンッ......ドスンッ......

一花は巨大化した腹の重さに悶えながら水道を後にした

そして一花の変わり果てた姿にトレーナー達は呆れ果て、他のダイエッター達は引いていた

案の定、一花はまともに動けない

「ぜひゅうっ!ごぷっ!ぶふぅっ!ごぷっ!」

腹がだぷだぷじゃぶじゃぶ揺れて一花の体力は瞬く間に限界を迎える

「ぐぷっ!?うぅぷっ!?」

一花の様子がおかしい

顔色が悪くなり、呼吸しづらそうにあぷあぷしている

そして一花は手で口を抑える

「げえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」

一花の口から大量の水が噴き出す

「おぼろろろろろぉぉぉぉぉぉ!!?うげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?」

それはまるでマーライオンのようだった

そして面白いように腹がしぼんでいき、グラウンドに大きな水溜まりを作ってしまう

「うぶぅ......おぇっ!......ご、こめんなさいぃ......」

そのとんでもない光景に周りの人達は絶句していた

合宿中、他のダイエッター達は一花についてこう語っていた

「最初はわぁ!一花ちゃんだ!って思いましたけど一人だけ悪目立ちして仲間だからって連帯責任食らっちゃ堪んないですよ」

「同じ部屋にいると凄く汗臭いし、いびきもお腹の音も物凄くうるさくて正直イライラしますね」

「中野さんに比べたら私めちゃくちゃ細いなーって思いました笑」

「ひたすら水を飲んでるの見ててめっちゃ怖いなって......」

口々に一花を見下す発言が目立つ

自分よりも下の存在を見て安心し、優越感に浸るのはどこでも一緒らしい

そして運命の最終日がやって来た

参加者が各々体重計に乗っていく

それぞれ体重が大幅に減っている

凄い人では15kgもの減量に成功していた

そしてついに一花の番だ

その表情は覇気が全く無く、痩せたというよりはやつれたという印象だ

ギシィ......ギシィ......

体重計が軋み、数字がどんどん上がっていく

50kg、70kg、90kg、まだまだ勢いは衰えない

100kg、120kg、140kg、トレーナー達の表情が険しくなる

150kg、170kg、190kg、みんなが見守る中、一花の体重が表示された

「中野さんの最終体重......199kg......でーす......」

スタッフも信じられないようだった

一ヵ月にも及ぶ地獄のダイエット合宿で僅か1kgの減量しか叶わなかったのだ

トレーナー達は後にこう語っていた

「自分の無力が情けない......」

「中野さんは頑張っていました......その頑張りを実らせてあげたかったです......」

こうしてトレーナー達のプライドをズタズタにする形で一花のダイエット合宿は幕を閉じた

一方、一花はというと

「がつがつがつがつがつがつむしゃむしゃむしゃ......ずぞぞぞぞぉぉぉぉぉぉ!!ぶほっ!うんまぁ!!あむっ!ぶもぉぉぉぉ!」

一ヵ月もの食事制限の反動で連日大食いに勤しんでいた

「ぶむぅ!背脂最高ぉ!いくらでも食べられちゃうよぉ!二乃!おかわり!」

「はいはい、待ってなさい」

二乃も汗水流し、贅肉揺らしの大忙しだ

「一花、お腹もの凄いことになってるけど......」

「むぐっ、いやぁ、あむっ!合宿中ずっと限界まで水飲んでたから胃が大っきくなっちゃったのかなぁ?もぐもぐもぐもぐ......」

一花の腹は水を飲んだ時のように大きく膨らんでいた

だが今回の中身は念願の食べ物だ

「はい!お待ちどうさま!」

「ぶほぉっ!待ってましたぁっ!」

一花は既に10kg近く食べている

しかし食べる手はまだまだ止まらない

「あぁ美味しいぃよぉ!もう絶対ダイエットなんてしないぃ!がつがつがつもぐもぐもぐもぐ......ぶげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっぷっ!!!!」

一花は怪我の功名から大食いの才能を開花させた

試しに食事の後体重計に乗ってみると223kgと表示され、みんなを驚かせた

そしてその事をバラエティで話した所、フードファイトの仕事が大量に舞い込む事となったのであった

完

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