四葉のアルバイト (Pixiv Fanbox)
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私の名前は中野四葉
体育系の大学に進学した私は一人暮らしを始めた
しかし一人暮らしとは何かとお金がかかり、私はアルバイトを探していた
大学の掲示板を物色しているとあるチラシが目に入る
[ジムスタッフ募集]
「ジムかぁ......時給も悪くないしこれにしようかな?」
「んぶぅ......あれ?中野さん?」
後ろから声をかけられて振り返るとそこには同じ学科の同期生がいた
「バイト探してるの?ふぅ......どこか良いところあった?ぶふぅ......」
その子は体育系大学には似つかわしくないほど太っていた
常に息を切らし、四六時中汗をかいている
「う、うん、このジムのバイトにしようかなって......」
「あっ!このジム私のバイト先だよぉ......結構時給いいんだよねぇ......ふぅ......」
この子がジムでバイト?
こんなに太ってるのに?
「もしやる事になったらよろしくね?ふぅ......じゃあ私講義あるからまたね」
そう言うと彼女は巨体を揺らし、その場を後にした
そして私は少し違和感を覚えながらもバイトに応募したのだった
「ここか......」
後日私はバイト先のジムに来ていた
そのジムは最近できたばかりでテレビでもCMをやっている大きなものだった
私は受付の人に用件を伝えると少し待つように言われたため少し周りを見て回った
そして私は異様な光景を目にする
「な、何これ......?」
「ぶふぅ......ぶふぅ......」
「ふぎぃぃ......!」
「ぶほっ!ぶふぅ!ぶごぉぉ!」
たくさんのトレーニング器具が並ぶエリア
そしてその器具を使っていたのは大量のおデブちゃん達だった
ルームランナーで必死にウォーキングする人
ダンベルを必死に持ち上げる人
もれなくみんな太っている
しかもぽっちゃりなんて生易しいものじゃない
100kg、いや、もしかしたら200kgも超えているかもしれない
そんな人達が何十人も巨体を揺らしながら必死に身体を動かしていた
その光景に絶句していると後ろから声をかけられる
「中野四葉さん?」
「は、はい!?」
「面接をしますのでこちらにどうぞ」
私は個室に案内される
「えー、中野四葉さん......あっ、あの大学なんだ!ここにも何人かいるよ......ジムでのバイトってことは身体動かすの好きなの?」
「は、はい、スポーツは昔からやっていてそれを活かす仕事に就きたいなと......」
「なるほどね......ここはできて間もないジムだから来る者は拒まずって感じなんだ、君のような人材は大歓迎だよ!」
「え、じゃあ採用ですか?」
「もちろん!じゃあいつから来れるかな?」
「あ、あの、質問いいですか?」
「ん?どうぞ?」
「さっきジムの中を見たら......その......太った人達がたくさんいたんですが......あれって?」
「あぁ、あの人達......ほらっ!ウチのジムって出来たばかりでダイエットコースもあるから!」
「そ、そうなんですね......」
「そうそう、中野さんも関わる事になると思うから頭に入れておいてね」
「は、はい!」
「じゃあいつから来れるかな?なるべく早いと助かるんだけど......」
「なら明日からで大丈夫ですか?」
「分かった、では明日からよろしくね」
「はい!あっ、何か持ち物とかありますか?」
「ううん、身一つで来てくれればいいよ、必要なものは全部こっちで用意するから」
「わかりました!よろしくお願いします!」
こうして私はジムでのバイトを決めたのだった
次の日
私はジムに出勤した
「おはようございまーす!」
「おはよう中野さん、じゃあ仕事の説明するから待ってて貰っていいかな?」
「は、はい!」
言われて待機していると扉が開く
「中野さん、お待たせ」
「は、はい!......ん?」
トレーナーの後ろに巨大な影があった
「んぶぅ......ぶひゅぅ......あらぁ......んぶぅ......随分可愛い子を......ふぅ......見繕ってくれたのねぇ......」
それはとてつもなく太った女の人だった
あまりにも身体が重たいのか歩行器を使っていてずっと身体がぶよぶよ波打っている
「じゃあ中野さん、早速お仕事です」
「は、はい!」
「あなたにはこの方の贅肉を引き受けて貰います」
「は?ひ、引き受け......?」
「要するにこの方と中野さんの体型を入れ替えるんです」
「な、何を言って......そんな事できるわけ......」
「できますよ?中野さんも見たでしょ?何十人も」
「何十人って......まさか!?」
「えぇ、あのおデブさん達は元々あなたと同じバイト希望者だった人達ですよ」
「そ、そんな......だったらみんなもっと騒いでるはず......」
「騒ぎませんよ、だって覚えてないもの」
「え?」
「記憶を操作するんですよ、本人も周りの人達も......だから騒ぐ人なんていませんよ」
「い、いや......」
「逃がしませんよ、安心して下さい、入れ替わった後のサポートはしっかりやらせてもらいますから」
「んぶぅ......これでやっと痩せられるわぁ......ぶふぅ......」
「や、やだ!助けてぇ!みんなぁ!」
私の叫びは誰にも届く事なく、そのままジムの奥へと連れ去られ、口に布を当てられる
そしてそのまま意識を手放してしまった
「んごおおぉぉぉぉ......ぶがががぁぁぁぁ......んごっ?」
息苦しい......
身体が重い......
「ぶごっ......んぐぅぅぅ......もう......ふぅ......朝かぁ......」
私は目を覚ますと顔からCPAPを取り外す
これを付けるようになってから無呼吸の苦しさで夜中に目を覚ます事が無くなって寝不足が解消された
「んぶぅ......せーのっ!ぶぎぃぃぃぃ!」
私は反動をつけて身体を横に転がす
すると寝汗でぐっしょり濡れた背中にひんやりと空気が通る
「ふぅ......ふぅ......どっこいしょぉぉ!」
私は重たい足をベッドから下ろし、その反動で上半身を起こす
ギシィ......ギシィ......
ベッドが嫌な音で軋む
潰れてしまわないか心配だ
「んぶぅ......つ、疲れたぁ......あっつい......ふぅ......」
たったこれだけの運動で私の身体からは大量の汗が吹き出し、心臓がバクバクしてしまう
ぐぎゅううぅぅぅぅぅぅぅ......
そして私のお腹からご飯が食べたいと悲鳴が上がる
「んぐぅ......お、お腹空いたぁ......朝ご飯......」
私はベッドに立てかけてあった杖を手に取り、どうにか立ち上がる
「ふぐぅぅぅぅ!はぁっ!はぁっ!」
心臓が破裂しそうだ
膝も腰も痛い
でも早くご飯が食べたい
私は頑張ってテーブルまで歩く
ドスンッ!ドスンッ!ドスンッ!ドスンッ!
歩く度に部屋が揺れる
そしてどうにかソファーに座るとテーブルに置いて置いた買い置きの食べ物を食べ始める
「あむぅっ!がつがつがつがつがつがつ......ぶほっ!おいひいぃ!ぶもぉぉぉぉ......」
美味しい
お腹ペコペコ
もっともっと食べたい
私は食欲に身を任せてテーブルいっぱいの食べ物を食べ尽くした
「ぶげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっぷ!!ぶふぅ!」
私は気持ち良くゲップをするとソファーに掛けてある服を取り、頭からすっぽり被る
まるでカーテンのような大きさのワンピース
私の肥満体ではズボンはまともに履けないから特大のワンピースしか着れない
しかし私には少し小さい
また太ったかな......
「ぶふぅ......学校ふぅ......行かなきゃ......」
私は教材を手提げに詰めて玄関に向かう
足元が見えないので足で探りながらサンダルを履く
そして玄関に身体をぶつけながら外に出ると玄関先に停めてある電動カートに乗る
私の巨体では長時間は歩けないため海外製の肥満者用のカートで移動している
エンジンをかけ、カートはゆっくりと動き出す
私の体重が重過ぎるせいでスピードはほとんど出ない
そのため通行人の目に多く触れてしまう
恥ずかしいが今に始まったことではない
子供の頃から太っていた私には慣れっこである
そうこう考えているうちに大学に到着する
すると校内には私みたいに太った子が何人かおり、私はその子達の元に行く
「んぶぅ......おはよぉ......」
「ぶふぅ......あっ、四葉ちゃんおはよぉ......ふぅ......」
「おはよぉ、今日も暑いねぇ......ぶふぅ......」
所謂デブ友と私はいつも一緒に講義を受けたり、学食に入り浸っている
「そういえば四葉ちゃん、ふぅ......今日はバイト?」
「う、うん......ぶふぅ......」
「私もぉ......頑張ろうねぇ......ふぅ......」
そう、私はバイトをしている
講義が終わると私達はバイト先に向かう
私のバイト先、そこはジムだった
「ぶふぅ......こんにちわぁ......ふぅ......」
「やぁ、中野さんこんにちわ」
私のバイト、それはジムで運動すること
それだけで時給2千円という破格の給料だった
中に入るとたくさんのおデブさん達が必死に身体を動かしている
私も杖をつきながらベンチに座り、小さいダンベルを手に取る
「んぶぅ......ぶふぅ......」
たった1kgのダンベルだがほんの数回上げただけで疲れてしまい、腕が上がらなくなる
「お、重いよぉ......ふぅ......」
これで時給2千円
しかも酸素ボンベの補充や電動カートのメンテナンスも無料でやってくれる
「うぅ......痩せたいなぁ......あむ......」
私はカロリーバーを食べながら呟いた
そんな四葉達を眺めているたくさんの人々
その人達はみんなスタイルが良かった
「ふふふ、あんなにスタイルが良かったのに今じゃただの巨デブね......」
その女は四葉と体型を入れ替えた張本人だった
「可愛い可愛い私のおデブちゃん......これからも見守ってあげるからね......」
四葉達のバイト代は体型を入れ替えた客が賄い、不自由なく暮らしていくためのサポートをする事になっている
「今日もあの子の家にたくさんのご飯を配達してあげて、お腹が空いて堪らないはずだから、あとバイトが終わったら身体を洗ってあげて400kg超えの体重ではお風呂にも入れないから」
「かしこまりました」
「んぶぅ......お腹空いたぁ......」
「あの......あの太った人達はなんなんですか?」
「あぁ、ダイエットコースの人達ですよ、あなたもいずれ関わる事になるので覚えていてくださいね......」
完