五肥〜クリスマス大作戦〜 (Pixiv Fanbox)
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冬休み
風太郎達は勉強に勤しんでいた
「そういえば五月はどうした?」
「なんか学校に忘れ物したとかで取りに行ったよ?そろそろ帰ってくると思うけど」
ガチャッ
「あっ、噂をすれば......」
ドスッドスッドスッドスッ......
帰ってきた五月は一直線に風太郎達の元に迫ってくると目の前で正座する
「ど、どうしたのよ?」
「みんな......どうか協力して下さい!」
頭を下げる五月
「......何があったんだ?」
「それが......」
五月は事の顛末を話し始めた
30分程前
ドスッドスッドスッドスッ......
「はふっ!あむぅ!ん〜!肉まんおいひぃでふう!」
学校帰り
五月は大量の肉まんを抱えて帰路についていた
頬を肉まんで膨らませ、まるで肉まんが肉まんを食べているような印象を与える
「あら?あれは......」
五月はふと公園に目をやると小さな女の子が一人で座ってしょんぼりしていた
周りに保護者らしき人はおらず、五月は心配になり少女の元へ向かった
「ぶふぅ......あの......大丈夫ですか?」
「え?うわっ!?」
少女は五月を見て驚きの声を上げる
「驚かせてごめんなさい、怪しい者ではありません!」
「えっと......お相撲さん......?」
「ち、違います......」
「あっ!分かった!サンタさんでしょ!ほらおデブさんで赤い服着てるもん!」
少女は五月の赤いセーターベストを指差して嬉しそうにする
「い、いや、私はサンタさんでは......」
「え......違うの......?」
少女は再びしょんぼりしてしまう
「あぁ......わ、私......サンタさんの知り合いなんです!」
「......ほんと?」
「もちろんです!この大きなお腹が証拠です!」
五月は自身の腹をポンポン叩く
「えへへ!そっかぁ!」
「何があったか聞いてもいいですか?」
五月は少女から話を聞いた
少女は近くの児童養護施設で暮らしており、学校の友達から親がいないからサンタも来ないと言われてしまったらしい
「ねぇ、お姉ちゃん......サンタさん......来ないのかなぁ......」
また泣き出しそうな少女を見て五月は口を開く
「そ、そんな事ありません!サンタさんは来ますよ!」
「ホント?お姉ちゃんサンタさんに頼んでくれる......?」
「も、もちろんです!私がサンタさんに頼んであげます!」
「......という訳なんです......」
「五月ちゃんらしいといえばらしいかな......」
「それで私達にどうしろっていうのよ?」
「その......クリスマスのコスプレとお料理をお願いできないかと......」
五月は申し訳無さそうにしている
「私は全然いいよー!楽しそう!」
「四葉......!」
「仕方ないわね......何人分用意すればいいのよ?」
「ニ乃......!」
「私も手伝うよ」
「可愛い妹の頼みじゃしょうがないよね」
「三玖、一花......!」
「......」
「あ、あのぉ......」
「分かった分かった!そんな目で俺を見るな!」
「ありがとうございます!」
「じゃあ早速準備しないとね!」
「そうね、日にちも無いし」
「楽しんで貰わないとね」
「よーし!頑張ろー!」
「「「「「おーー!」」」」」
「お、おー......」
こうして6人のクリスマス大作戦が始まった
クリスマス会当日
「施設長さん、急な話だったのにありがとうございます」
「いえいえ、むしろ感謝しています、資金不足でこういった催しができずに子供達には寂しい思いをさせてしまっていたので......私も楽しみにしていますね」
「はい、頑張ります」
そして風太郎と五つ子はスタンバイする
「じゃあ始めるぞ」
「OK!じゃあいくよ!」
合図を送るとクリスマスソングが流れる
ドスッドスッドスッドスッ......
「はーい!みなさんこんばんわー!」
最初に登場したのはサンタガールの格好をした一花だった
「こんばんわー!」
「わぁっ!大っきい!」
「ボク知ってるよ!お相撲さんだ!」
子供達は一花を見てきゃっきゃと笑っている
掴みは上々のようだ
「今夜私達はサンタさんの助手としてみんなとパーティーをしに来ました!みんなで楽しみましょう!」
子供達が笑顔で拍手する
「まずはクリスマスの特別なご飯の登場でーす!」
一花の呼び込みでコック姿のニ乃と三玖が料理を運んでくる
大きな七面鳥やオードブル、そして大きなクリスマスケーキだ
それを見て子供達は大喜びだ
「さあ、みんな召し上がれ!」
「とっても美味しいよ」
子供達は笑顔で食べ始め、笑顔を浮かべる
ぐぎゅううぅぅぅぅぅぅぅ......
3人の腹がご馳走様を前に悲鳴を上げる
「流石に我慢しないとね......」
「もちろんよ......」
「子供からご飯を取るわけにはいかない......」
3人は断腸の思いで押し寄せる食欲に抗う
そして料理も大方無くなり、子供達が手持ち無沙汰になった所で一花が切り出す
「さぁ、みんな!お腹いっぱいになったかな?それでは本日のメインイベント!サンタさんの登場でーす!」
一花が呼び込みをかけると舞台の明かりが落ち、スポットライトが袖を照らす
すると袖からとんでもなく太ったトナカイと線の細いトナカイが現れ、その2体が引くソリの上にはパツパツのサンタ服に白い髭と髪の巨漢サンタクロースが乗っていた
「お、重てぇ......!」
「頑張って下さい!上杉さん!」
トナカイの正体は風太郎と四葉だった
ようやく舞台の真ん中に到着するとサンタはのっそりとソリから降りる
「ふぉっふぉっふぉ!良い子のみんなこんばんわぁ!」
その声はお爺さんにしてはかなり可愛らしい声だった
「うわ、凄い......あれホントに五月?」
「本物のサンタさんみたい......」
「そりゃあ私の伝手で特殊メイクのプロにお願いしたんだからね!」
そのサンタは特殊メイクで老人に化けた五月であった
そのリアルなサンタクロースの登場に子供達は大はしゃぎだ
「すごーい!ホントのサンタさんだ!」
「絵本で見たのとおんなじー!」
「お腹でっけー!」
子供達は五月に群がると腹や尻に抱き着く
「うわ!柔らけー!」
「あったかーい!」
「ふぉっふぉっふぉっ!」
五月サンタはそんな子供達を愛おしく思い、肉厚な手で頭を撫でる
「では良い子のみんなにワシからプレゼントじゃ!」
五月サンタは袋からプレゼントを取り出し、子供達に渡していく
「わーい!やったー!」
「ありがとう!サンタさん!」
子供達の笑顔を見て五月サンタはニッコリと笑みを浮かべる
「さぁ、みんな!プレゼントは貰えたかな?残念ですがサンタさんは他のお家にプレゼントを配りに行かなきゃいけないのでここでお別れです!」
「えー!やだー!」
「もっと遊んでー!」
駄々をこねる子供達
「ふぉっふぉっふぉっ!みんなが健康で良い子にしていればきっとまた会えるよ、ワシは良い子の味方じゃ!バイバーイ!」
五月サンタはソリに乗り込むとトナカイの手綱を握る
「いきますよー!」
「うぉぉぉ......!!」
トナカイ2体はまた大変そうにソリを引いていき、袖にハケていった
「はい!今日のクリスマス会はこれでおしまいです!私達もとっても楽しかったです!さよならー!」
一花、ニ乃、三玖も手を振りながら袖にハケていった
こうして6人のクリスマス大作戦は大成功で幕を下ろしたのであった
「今日は本当にありがとうございました」
「いえいえ、俺達も楽しかったですよ」
「みんな楽しそうだったね」
「そうね、隣の子なんか私のお腹ずっと揉んでて可愛かったわぁ......」
「残ったお料理やケーキはみなさんで召し上がって下さい」
「何から何まで本当に......」
「お姉ちゃーん!!」
談笑していると例の少女が走ってきた
「あらあら!どうしたんですか?」
「お姉ちゃんホントにサンタさん呼んでくれてありがとう!」
「ふふ、どういたしまして」
「あの......これあげる!」
少女が渡してきたのは折り紙で作った星飾りだった
「くれるのですか?」
「うん!私からのクリスマスプレゼント!」
「〜〜!......ありがとうございます、大事にしますね!」
「お姉ちゃん大好き!」
少女は五月の腹に抱き着き、五月も抱きしめ返す
その光景を風太郎達は微笑ましく眺めているのであった
完