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リクエスト作品です

薄暗く、冷たい湿気を帯びた空気が、北条時行の柔らかな肌を撫でる。

鎌倉幕府の正統なる後継者として生まれながら、苛烈な運命の波に翻弄される時行。その容姿は、まるで精巧に作られた人形のように可憐であった。雪のように透き通る白い肌、長い睫毛に縁取られた大きく澄んだ瞳、そして、絹糸のようになめらかな黒髪。少女と見紛うほどの美しさを持ち、武芸の才能には恵まれなかったものの、彼には誰にも負けない天賦の才があった。

それは「逃げる」こと、そして「隠れる」ことである。

敵の手に落ち、厳重な監視下に置かれた屋敷の地下牢。屈強な武装の男たちが見張る中、時行はその特異な才能を遺憾なく発揮していた。夜の闇が深く沈み込んだ時刻、わずかな隙を突いて牢の鍵を開け、気配を完全に消して監視者の背後をすり抜けたのだ。足音一つ立てず、影から影へと渡り歩くその動きは、まるで風に舞う木の葉のように軽やかで美しい。

屋敷の入り口である重厚な門が視界に入り、外の自由な空気が鼻腔をくすぐった。あと一歩、あの門を越えれば暗闇に紛れて完全に逃げおおせることができる。時行の顔に、希望の笑みが浮かんだ。

しかし、運命は彼に味方しなかった。脱出寸前、門の影から突如として現れた巡回の兵と鉢合わせてしまったのだ。

「何奴っ!……貴様、なぜ檻の外にいる!」

鋭い声が響き渡り、周囲の空気が一気に張り詰める。時行は瞬時に身を翻して別の逃げ道を探ろうとしたが、先ほどの声を聞きつけた兵たちが四方八方から押し寄せてきた。武力を持たない華奢な時行に、屈強な男たちの包囲を突破する力はない。あっという間に腕を捕まれ、冷たい地面へと押さえ込まれてしまった。

「くっ……離せ! 私に触れるな!」

必死にもがくものの、細い手足は虚しく空を切るだけだった。男たちは時行を乱暴に引きずり、再び地下深くの牢獄へと連行していく。放り込まれたのは、先ほどまでいた場所よりもさらに頑丈な、太い鉄と木で組まれた檻の中だった。ガチャン、と重い音を立てて鍵がかけられ、時行は冷たい床に崩れ落ちた。

荒い息を吐きながら、時行は悔しさに唇を噛む。泥にまみれた着物を払いながら立ち上がろうとしたが、度重なる緊張と逃走の疲労で、ふらりとよろめいてしまった。その時、ふと自身の腹の底から、痛いほどの空腹感が込み上げてくるのを感じた。思えば、捕らえられてからまともな食事を口にしていない。

絶望と空腹感に苛まれる時行の前に、廊下の暗がりから一人の女中が静かに歩み寄ってきた。手には、場違いなほど立派な漆塗りの膳が捧げられている。

「お逃げになるのは勝手ですが、さぞかしお腹もすいたでしょうに。まずは腹ごしらえをなさいませ」

女中は檻の隙間から、その膳をそっと差し入れた。

乗せられていたのは、罪人に出されるような粗末なものではなかった。ふっくらと炊き上がったつややかな白米、脂の乗った魚の付け焼き、彩り鮮やかな野菜の煮物、そして芳醇な香りを漂わせる出汁の効いた汁物。

湯気と共に漂う極上の匂いが、時行の鼻腔を容赦なく刺激する。

「……毒でも入っているのではないか? 敵の施しなど受けるつもりはない」

時行は警戒心を露わにして睨みつけたが、女中はただ穏やかな笑みを浮かべるだけだった。

「毒などとんでもない。ただ、健やかなお体であっていただきたいだけですよ。さあ、冷めないうちにどうぞ」

強がる心とは裏腹に、時行の胃袋は限界を訴えるように大きく鳴った。このままでは次の逃走を図る体力すら失われてしまう。そう自分に言い訳をしつつ、時行は震える手で箸を手に取った。

一口、白米を口に運ぶ。その瞬間、噛み締めるほどに広がる米の甘みと、おかずの濃厚な旨味が口内を支配した。

「……っ、美味しい……」

一度箸をつけてしまえば、もう止まらなかった。空腹のあまり、時行は警戒も忘れ、夢中で目の前の食事を胃に流し込んでいく。あっという間に膳を空にし、ふう、と満足げなため息をついた。

この過剰なまでの美味と栄養が、自身の軽やかな肉体を蝕み、永遠に逃げられなくなる甘美な罠の始まりであるとは、この時の時行は知る由もなかった。

身長:145.0cm / 体重:38.5kg(前月比 ±0.0kg)

B:68 / W:55 / H:70


翌朝、地下牢の冷たく澱んだ空気の中で目を覚ました時行は、布団の中で身じろぎをした瞬間に、自身の身体に生じた明確で恐ろしい違和感に気がついた。

いつもなら羽毛のように軽く跳ね起きられるはずの身体が、まるで水を含んだ分厚い綿でも巻き付けられているかのように重い。上半身を起こそうと腕に力を込めると、本来であれば平坦で引き締まっていたはずの腹部に、ずしりとした肉の塊が乗っているのを感じた。着物の帯が不自然に食い込み、わずかにたわんだ柔らかな腹の肉がぽっこりと帯の上に乗っかっている。

無意識に自身の頬に触れてみると、昨日まではすっきりと鋭かった顎の輪郭に、ふっくらとした丸みが帯びていた。指先でたっぷりとつまめるほどについてしまった頬の肉は、たった一晩でどれだけの量を吸収したのかを残酷なまでに物語っている。さらには二の腕や太ももにも、これまで感じたことのないぷにぷにとした感触があり、己の肉体が急速に変化していることを悟った。

昨晩の極上の食事が、信じられないほどの速さで己の肉体に脂肪として蓄えられている。その事実に一抹の焦りを覚えながらも、時行は再び檻の隙間をすり抜けようと試みた。

しかし、ここでも異常が起きる。昨日までは何の抵抗もなくすんなりと通れたはずの鉄格子の隙間に、あろうことか腰回りが引っかかったのだ。

ぐっ、と力を込めて無理やり身体を押し込もうとするが、腰から腹にかけての真新しい肉が鉄格子に圧迫されてむにゅりと形を変え、みっちりと詰まって動かなくなる。

「ううっ……抜けない……こんなところで……!」

額に冷や汗を浮かべながら、時行は強引に身体を捻った。ズザザ、と衣擦れの音を立ててなんとか外へ這い出たものの、横腹は赤く擦れ、その時点で既に息は僅かに弾んでいた。

見張りの目を盗み、再び自由を求めて駆け出す。だが、その足取りは絶望的なまでに重く、ひどく濁っていた。本来の時行の走りといえば、地を這う風のように俊敏で気配のないものであるはずが、今は一歩踏み出すごとに「ドタッ、ドタッ」と、自身の体重を支えきれない不格好な足音が響いてしまう。

さらに、走るたびに太ももの内側についた肉同士が擦れ合い、その感触がひどく邪魔で仕方がない。おまけに、帯に乗った腹の肉が重力に従って上下にぼよんぼよんと揺れ、その重みが体力を容赦なく削っていく。

息はすぐに上がり、心臓が早鐘を打つ。足元がもつれそうになった結果、時行は屋敷の門はおろか、地下牢から出てすぐの廊下の角を曲がったところで、あっさりと巡回の兵に見つかってしまった。

抵抗する間もなく、いとも容易く昨日と同じ檻の中へと放り込まれた時行。肩で荒い息をしながら冷たい床に座り込むと、たるんだ腹の肉がどっぷりと太ももの上に乗し掛かるのを感じ、その重さに絶望感を覚えた。

そこへ、昨日と同じ女中が足音もなく近づいてくる。その手には、昨日よりもさらに一回り大きく、何段にも重なった豪勢な膳が乗せられていた。

「あらあら、また抜け出されたのですか。ですが、すぐにお戻りになられて何よりですわ」

「くっ……笑うな。今日はどうも体の調子がおかしいのだ。足取りが鉛のように重く、あの門のずっと手前、廊下の角で息が上がってしまった」

「おや、それは大変。やはり昨晩のお食事では足りなかったのですね」

「足りないだと? あれだけ腹一杯に食べたというのに。おまけに、檻の隙間を抜ける時、この腰の……いや、腹の肉がつっかえて難儀したのだぞ!」

「ふふっ、それは順調にお体が育っている証拠ですわ。長丁場の逃亡に耐えるためにも、もっともっと精をつけなくてはいけません」

「違う! 明らかにあの過剰な食事が原因で、この腹回りが重いのではないか! 見ろ、さっきから帯が苦しくて仕方がない!」

「お腹が空いていては戦も逃げ隠れもできません。さあ、今日は昨日よりも滋養のあるものをたっぷりとご用意いたしましたよ。伊勢海老の黄金焼きに、豚の角煮でございます」

「なっ……昨日よりも明らかに量が多いではないか! こんな山盛りの白飯や、脂の浮いた肉の塊など、食べきれるわけがないだろう!」

「あら、一口召し上がればすぐに食欲も湧いてきますよ。ほら、この角煮など、お口の中でとろけるほど柔らかく煮込んでありますの」

「だ、騙されんぞ。私は北条の……。このようなあからさまな罠に……」

「では、私が一口お運びしましょう。はい、あーん」

「むっ……こら、勝手に口に……んんっ!?」

「いかがですか? 料理長の自信作なのです」

「……甘辛い脂が、口いっぱいに広がって……いや、いかん! これ以上食べたら本当に動けなくなる!」

「でも、お腹の虫は正直なようですね。ほら、あんなに可愛らしい音が鳴っていますよ。お体が栄養を求めているのですわ」

「うぅ……恥ずかしい……。しかし、この匂いに抗うのは至難の業だ……少し、少しだけだぞ……」

「ええ、どうぞごゆっくり。お代わりもたっぷりお持ちしますからね。お身体にしっかりと肉をつけて、体力を養ってくださいませ」

女中の言葉に抗いきれず、時行は再び箸を手に取ってしまった。

一口食べれば、その濃厚な脂と圧倒的なカロリーが、時行の舌を、脳を、そして胃袋を強制的に屈服させていく。自身の身体が重くなり、逃げ足が鈍っているという明らかな自覚がありながらも、溢れ出す食欲を抑えることができない。丸くなった頬をいっぱいに膨らませ、喉を鳴らして次々と料理を平らげていく。

結局、時行は昨日よりも遥かに多い量の食事を、最後の一粒まで綺麗に平らげてしまった。パンパンに膨れ上がり、苦しいほどに張った大きなお腹を抱え、重苦しい満腹感と微かな後悔の中で、時行の身体はさらなる脂肪をたっぷりと蓄え始めていた。

身長:145.0cm / 体重:58.2kg(前月比 +19.7kg)

B:82 / W:79 / H:85


さらに数日が過ぎた頃、地下牢の冷たい石床の上で目を覚ました時行は、自らの肉体に起きている絶望的な変化を、もはやごまかしきれないほど強烈に自覚することとなった。

朝、薄暗い空間で身体を起こそうと腕に力を込めた瞬間、かつては羽毛のように軽かったはずの全身が、まるで泥をたっぷりと吸い込んだ巨大な綿袋のようにずしりと重く沈み込んでいるのを感じたのだ。関節がきしみ、筋肉が悲鳴を上げる。なんとか上半身をよじって起き上がると、視界の下半分を完全に塞ぐほどの巨大な肉の塊が、己の腹部としてだらりと垂れ下がっているのが見えた。

かつては引き締まり、平らであった腹部は、今やはち切れんばかりに膨れ上がった巨大な水袋のように前方へとせり出している。着物の帯は完全に肉に埋もれ、無理に結び目を保っているせいで、上下からはみ出した白く柔らかな脂肪がぽっこりと段をなしていた。少し動くだけで、その膨大な腹の肉が重力に揺られ、タプン、タプンと鈍い波を打つ。

無意識に顎を引けば、たっぷりと蓄えられた首回りの肉が圧迫され、見事な二重顎が胸元にむにゅりと押し付けられる。頬にもたっぷりと脂肪がつき、指でつまむどころか、手のひら全体で包み込めるほどの厚みを持っていた。細くしなやかだった腕や太ももは、今や丸太のように太く膨張し、皮膚の下でパンパンに張っているのがわかる。

「はあ、はあ……体が、鉛のように重い……息をするだけで、胸の肉が……」

それでも、天性の逃げ上手の矜持が時行の心を微かに突き動かした。看守が交代の隙を見せた瞬間を狙い、時行は音もなく檻の鍵を開けることに成功する。だが、最大の難関は檻そのものだった。もはや鉄格子の隙間を通り抜けることなど、この巨大化した胴回りでは物理的に不可能となっており、時行は開け放たれた扉から直接外へ這い出すしかなかった。

立ち上がるというただそれだけの動作で、額からは大粒の汗が吹き出し、太くなった足首にズシンと自身の全重量がのしかかる。

一歩足を踏み出すたびに、分厚い太ももの内側の肉がべっちゃり、べっちゃりと擦れ合い、そのひどく不快な感触が歩みを鈍らせる。帯の上に乗った巨大な腹の肉が、歩みの衝撃に合わせてドゥルン、ドゥルンと大きく上下に揺れ、その反動が体力を容赦なく削っていく。本来の時行の走りといえば、地を這う風のように俊敏で気配のないものであるはずが、今は「ドスッ、ドスッ」と、自身の体重を支えきれない不格好な足音が廊下に響いてしまっていた。

息を絶え絶えにしながら牢の並ぶ廊下を抜け、一つ上の階にある小部屋へと辿り着いた時だった。

時行の鼻腔を、甘く芳醇な香りが強烈にくすぐった。視線を向けると、部屋の片隅にある文机の上に、艶やかなこし餡がたっぷりと詰まった大ぶりの饅頭や、色鮮やかな和三盆の干菓子、さらには串に刺さったみたらし団子が、これでもかと山のように盛られた盆が置かれていたのだ。

「い、いかん……あんなものは罠だ。こんなところに菓子が置いてあるなど不自然すぎる……早くここを抜け出さねば……」

頭でははっきりと理解しているのに、時行の足はピタリと止まってしまった。あれほど膨れ上がった巨大な腹を抱え、身体は重さで悲鳴を上げているというのに、胃袋は底なしの沼のように食べ物を欲して「ギュルルルゥッ」とけたたましい音を鳴らしている。

無意識のうちに盆へと近づいた時行は、震える太い指で饅頭を一つ摘み上げ、そのまま口へと運んでしまった。

「あむっ……んんっ……!」

しっとりとした皮の食感と、上品でありながら暴力的なまでの甘さが口いっぱいに広がり、疲労した脳髄を強烈に痺れさせる。空腹と疲労が極限に達していた身体が、その糖分を歓喜とともに吸収していくのがわかった。一つ、また一つと、時行は逃亡中であることも完全に忘れ、無我夢中で道中に置かれていた菓子を貪り食ってしまった。串団子の甘辛いタレを唇の周りにべったりとつけ、丸くなった頬をいっぱいに膨らませながら、次々と胃袋へと流し込んでいく。

「はあ、はあ……美味い……。いや、いかん! 全部食べてしまった……早く逃げ……」

空になった盆を見てようやく我に返り、再び駆け出そうとした時行だったが、過剰な糖分と急激な動き、何より激増した体重が限界を超えていた。

ドサリ、と重い音を立ててその場に膝をつき、大きく肩を揺らして息を整えることしかできなくなってしまった。全身の脂肪が重力に引かれてだらりと垂れ下がり、もはや立ち上がることすらできない。

そこは、前回捕まった廊下の角よりもずっと手前、牢を出てすぐの小部屋に過ぎなかった。当然のように騒ぎを聞きつけた巡回の兵に見つかり、もはや抵抗する気力も体力も残っていない時行は、重すぎる肉体をズルズルと引きずられるようにして、再びあの檻の中へと戻されてしまった。

床にどっしりと腰を下ろすというより、巨大な肉の塊が崩れ落ちるようにして座り込んだ時行の前に、微かな衣擦れの音とともに女中が現れる。彼女が持っていたのは、昨日よりもさらに巨大化し、もはやお膳に乗り切らないほどの豪華絢爛な料理の数々だった。

「おや、今日は牢の外へ出られたのですね。ですが、道中でお疲れになってしまったようで」

「はぁっ、はぁっ……笑うな。あの部屋に置いてあった菓子……あれはお前たちの罠だな……?」

「罠だなんて人聞きが悪い。逃げ隠れされる時行様が、道中で小腹が空いた時のためにとご用意した差し入れでございますよ」

「嘘をつけ……! あの不自然な配置、甘い匂い……。くっ、あんなものを食べてしまったせいで、体が全く動かなくなってしまった!」

「でも、お盆はすっかり空っぽになっておりましたよ? お口に合ったようで何よりでございます」

「うるさい……! 自分の意思とは裏腹に、体が……胃袋が勝手に食べ物を求めてしまうのだ! 頭ではわかっているのに、手が止まらなかった……!」

「それはお体が順調に成長されている証ですわ。あれだけ立派なお腹になられたのです、ちょっとやそっとの量では満たされないでしょう」

「立派などと言うな! 見ろ、この無惨に膨れ上がった腹を! 着物の帯が肉に食い込んで弾け飛びそうで、息をするのも苦しいのだぞ!」

「あらあら、ふくよかで大変福々しいお姿ではありませんか。さあ、運動の後はお腹も空くでしょう。本日は、たっぷりの鶏肉を揚げて甘酢で絡めたものをご用意いたしました」

「なっ……見ているだけで胃もたれしそうな脂の量ではないか……! 私はもう食べんぞ! これ以上太ったら、本当にただの肉の塊になってしまう!」

「そんな強がりをおっしゃって。ほら、お腹の虫がこんなにも大きな音で鳴いておりますよ。ぎゅるぎゅると、可哀想に」

「くっ……それは、さっきの甘い菓子が逆に胃を刺激しただけで……決して腹が減っているわけでは……」

「では、無理にはお勧めいたしません。ただ、この冷たくて甘い汁粉だけでもいかがですか? 疲れた体には甘味が一番ですわよ」

「し、汁粉だと……? いや、私は……もう甘いものは……」

「白玉もたっぷり入っております。ほら、お口を開けて」

「むむっ……んっ……! な、なんだこの濃厚な甘さは……! 喉の奥にへばりつくような……美味い……!」

「ふふ、美味しいでしょう? 運動の後の甘味は格別ですからね」

「いかん……こんなものを流し込まれたら、また食欲のタガが外れてしまう……」

「我慢なさることはありません。こちらの揚げ鶏も、衣がサクサクのうちにどうぞ。肉汁が溢れますわよ」

「うう……一つ、一つだけだぞ……んがっ……! なんだこの溢れる脂は……! 白飯が、白飯が欲しくなる……!」

「ええ、ゆっくり、たくさん召し上がってくださいませ。お代わりはいくらでもございますからね」

結局、時行の抵抗は最初の一口までだった。

圧倒的な肉の旨味と脂っこさ、そして暴力的なまでの甘味が、時行の残された理性を完全に吹き飛ばしていく。分厚くなった二重顎をぷるぷると震わせ、短い悲鳴のような咀嚼音を響かせながら、出された料理を次々と巨大な胃袋へと収めていく。

額から大粒の汗を流し、大きくせり出した腹の肉をさすりながら、時行はもはや逃げることすら頭の片隅から消え去っていくのを感じていた。苦しいほどに満たされていく腹部の膨張感と、それに比例して重さを増していく己の肉体。ただひたすらに目の前の快楽的な味覚に溺れ、さらなる脂肪を全身に蓄えていく絶望と背徳感に、時行は深く、深く沈み込んでいった。

身長:145.0cm / 体重:78.6kg(前月比 +20.4kg)

B:102 / W:99 / H:107


檻の中の空間は、日に日に際限なく巨大化していく時行の肉体によって、もはや完全に圧迫され、本来の広さを失っていた。

朝、仰向けの状態で目を覚ました時行は、己の胸部よりもさらに高く、まるで険しい山のようにそびえ立つ巨大な肉の塊——自身の腹——を見つめて、絶望と諦めが入り混じった重いため息を漏らした。かつての華奢でしなやかだった少年の面影は、頭の先から爪先に至るまで微塵も残っていない。そこにあるのは、ただひたすらに膨張し続ける巨大な肉の球体であった。

少し身体をずらして姿勢を変えようとするだけで、床板がミシリ、ミシリと悲鳴のような軋み声を上げ、全身に蓄えられた膨大な肉が重力に逆らえずにぶよぶよと醜く波打つ。自らの体重を支えることすらもはや困難になり、ただ起き上がるという日常の何気ない動作すら、今や決死の覚悟と膨大な体力を要する大仕事となっていた。

顔の輪郭は、限界まで膨れ上がった頬の肉によって完全に失われ、首は幾重にも折り重なった分厚い脂肪の波に深く埋もれてしまっている。うつむかなくとも、常に二重、三重になった顎の肉が胸元に押し付けられ、息苦しさを助長していた。

腕や脚は、関節のくびれが全くわからないほどにパンパンに張り詰め、丸々と肥え太った指先は赤ん坊のように短く埋もれてしまっている。ただ息をするだけでも、分厚い胸の肉と巨大な腹が連動してズシン、ズシンと大きく上下し、その肉の重みだけで体力が削り取られていくのがわかった。

「はぁっ……はぁっ……くそっ、体が……まるで岩のように……」

どうにか寝返りを打ち、四つん這いのような無様な姿勢で檻の入り口へと這い進む。動ける範囲は、もはやわずかに両手を伸ばせる半径数十センチ程度へと縮小していた。一歩這うたびに、巨大な腹の肉が冷たい床にべちゃりと擦れ、自身の重みで関節がきしむ。

それでも、ほんのわずかな希望を胸に、時行は食事を差し入れるための四角い小窓、差し入れ口から外へ抜け出そうと試みた。もはや扉を開けたとしても、この巨体では通路に出ることすら難しいと本能で悟っていたのだ。

しかし、それはあまりにも無謀な挑戦だった。差し入れ口から頭をなんとか通し、肩をねじ込もうとした瞬間、首回りと肩から胸にかけての分厚い脂肪が木の枠にみっちりと詰まり、完全に身動きが取れなくなってしまったのだ。

「ぐっ……! ぬうぅぅ……っ!」

力を込めて強引に押し進もうとするが、むにゅりと柔らかな肉が枠の向こう側へはみ出すだけで、前にも後ろにも進まない。少しもがいただけで、額からは滝のように大粒の汗が流れ落ち、全身の毛穴から脂汗が吹き出した。視界が汗でぼやけ、ぜえぜえと苦しげな呼吸音が牢の中に響き渡る。

肉が木の枠にきつく圧迫され、息を吸うことすら困難になっていく。もはや身をよじる体力すら尽き果てた時行は、ついに脱出を諦め、だらりと力を抜いて差し入れ口に無様に挟まったまま、ぐったりと項垂れた。

そこへ、いつもの女中が悠然とした足取りで近づいてくる。彼女の後ろには、もはや常人十人前はあろうかという、尋常ではない量の食事が山のように積まれた荷車が引かれていた。

「おや、時行様。そのようなところで何をしておいでですか?」

「はあ、はあ、はあ……! 見ればわかるだろう……抜け出そうとして、この差し入れ口に……体が、つっかえてしまったのだ……! 苦しい……!」

「あらあら、まあまあ。以前はすんなりと通れたはずの小窓に、今では肩や胸のお肉すら入らなくなってしまわれたのですね。完全に栓をしてしまっていますよ」

「う、うるさい……! 早く私を引っ張り出してくれ……肉が圧迫されて、息が……ぐふっ」

「ふふっ、それほどまでに立派に育たれたということですよ。ほら、少しお下がりなさいな」

「ぐっ……むぎゅぅぅっ……! はぁっ、はぁっ……やっと抜けた……」

「大粒の汗をかいて、すっかりお疲れのようですね。ですが時行様、今日は一段と食欲旺盛だったではありませんか。道中の廊下に置いてあったお菓子のお重、全て空っぽになっておりましたよ?」

「あ、あれは……! 違う、私が食べたわけではない! 通りすがりの鼠か何かが……」

「お口の周りに、まだたっぷりと餡子がべったりとついておりますよ?」

「うぐっ……! そ、それは……あまりの空腹に耐えかねて、少しだけ、ほんの少し舐めただけで……」

「少し、ですか? お重が三つも空になっていたのですが。それに、このお腹の張り具合を見れば、どれだけ召し上がったかは一目瞭然でございます」

「……もう良いだろう! そもそも、私はもう逃げるつもりなどないのだ!」

「おや、天下の逃げ上手の若君が、ついに脱出を諦められたのですか?」

「ち、違う! 諦めたわけではない! 私は今、力を蓄えているだけだ!」

「力を蓄える、でございますか?」

「そうだ! 今のままでは動くこともままならない……だからこそ、あえてこの檻にとどまり、たっぷりと栄養を摂取して……来るべき時に備え、力を蓄えているのだ! 決して、食欲に負けて太ったわけではない!」

「まあ、素晴らしいお考えですね。たっぷりお肉をつけて力を蓄える。その意気込み、大変立派でございます」

「わ、わかればいいのだ。だから……早くその食事をこちらへよこせ……! 腹が減って倒れそうだ!」

「ふふっ、無理な言い訳などなさらなくても、美味しいものをたくさん召し上がってくだされば私は嬉しいのですよ。本日は、たっぷりの脂を纏った豚の丸焼きでございます」

「ま、丸焼きだと……! なんだその、暴力的なまでの肉塊は……!」

「お口の中でとろけるほど、じっくりと火を通してありますの。滴る脂がたまりませんわよ。さあ、あーん」

「いかん、そんなものを食べたら……しかし、この焦げた醤油と脂の香ばしい匂いが……あむっ!」

「いかがですか? 噛むたびに溢れる肉汁は」

「う、美味い……! 脂が甘く、口いっぱいに広がって……白飯だ、早く白飯をくれ!」

「はいはい、どんぶり山盛りのご飯ですよ。お行儀よくしなくても、手づかみでも構いませんからね」

「はふっ、むしゃ、むしゃ……! なんだこれは、箸が、手が止まらん……!」

「力を蓄えるためには、もっともっと食べなくてはいけませんね。ほら、次のお肉もどうぞ」

「うぐっ……苦しい、腹がはち切れそうだが……も、もっとだ……もっと力を……!」

「ええ、その意気です。たっぷり食べて、もっともっと大きくなってくださいませ」

差し入れ口から次々と運び込まれる料理を、時行は理性を完全に失った獣のように貪り食った。

「力を蓄える」などという苦し紛れの言い訳は、もはや自身を納得させるためのただの空虚な呪文に過ぎなかった。本心では、ただ目の前の快楽的な味覚に溺れ、満腹感という至福の快感に身を委ねたいだけなのだ。

噛み砕き、飲み込むたびに、その過剰なカロリーが瞬時に分厚い脂肪へと変換され、己の巨大な腹をさらに前方へと押し出していくのを感じる。二重顎を滴る肉汁と、額から滲み出る大粒の汗が混ざり合い、着物はすでに無残にはだけて、膨張しきった白い肉の塊を隠すことすらできていない。

もはや立ち上がる気力すら完全に失い、仰向けに倒れ込んだまま、時行はひたすらに口元に運ばれる食事を底なしの胃袋へと流し込み続けた。

全身の肉が自らの重さで床にべちゃりと広がり、ただ呼吸をするだけで「しゅー、しゅー」と苦しげな唸り声が漏れる。それでもなお、時行の口は止まることなく、さらなる肥満化への道を自ら喜んで転がり落ちていくのだった。

身長:145.0cm / 体重:105.0kg(前月比 +26.4kg)

B:125 / W:122 / H:134


もはや時行の姿から、かつての面影を見つけ出すことは完全に不可能となっていた。

薄暗い地下牢の檻の中央に鎮座するのは、一人の少年ではなく、ただひたすらに膨張を遂げた巨大な肉の塊である。身動きをとることは完全に不可能となり、仰向けに倒れ込んだまま、床一面を自らの脂汗と溢れんばかりの分厚い脂肪で濡らしていた。

視界を完全に遮るほど巨大にそり立った腹部は、まるで小山のように天井へと向かって突き出しており、呼吸のたびにズズン、ズズンと鈍く重たい波を打っている。本来であれば腹筋が引き締まっていたはずのその場所には、自らの重さで左右にだらしなく崩れる分厚い肉の層がどこまでも広がり、着物はとうの昔にその役目を果たさなくなっていた。はだけた胸元からは白くぶよぶよとした肉の海が果てしなく広がり、帯は完全に肉の間に埋没して姿を消している。

少しでも姿勢を変えようものなら、全身の肉が自らの凄まじい重さに耐えかねてぶるるんと大きく震え、関節が悲鳴を上げる。首回りの脂肪は顎の下で幾重にも折り重なり、もはや首という部位が存在したことすらわからないほどに埋もれてしまっている。頬の肉は丸々と張り裂けんばかりに膨れ上がり、かつての大きく澄んでいた瞳は、今や顔面を覆う脂肪の圧迫によって細い糸のようにしか開かなくなっていた。

丸太のように太く肥大化した両腕や両脚は、体の側面にだらりと転がったまま持ち上げることすらできない。肩から二の腕にかけてもたっぷりと脂肪が垂れ下がり、手首のくびれも消滅して、指先だけがかすかにピクピクと動くのみである。息をするたびに喉の奥から「ひゅう、しゅう」と苦しげな唸り声が漏れ、ただ生きているだけで大粒の汗が滝のように全身から噴き出していた。

檻の差し入れ口に差し込まれる食べ物は、もはや一人分どころか数十人分ほどの量が山のように積み上げられている。自力で動くことを完全に封じられた時行は、もはや逃げるという考えを頭の片隅から完全に放棄し、ただひたすらに目の前の食べ物を巨大な胃袋へと流し込むことだけに全ての意識を集中させていた。

「時行様、本日のごちそうでございますよ」

「はあ、はあ、はあ……! く、くれ……早く、もっとだ……!」

「あらあら、以前はあんなに拒んでいらしたのに、すっかり素直になられましたね」

「うるさい……! 腹が、胃の腑が空っぽの恐怖に耐えられないのだ……! 早く飯を……!」

「それはいけませんわね。しっかり満たして差し上げますわ」

「早くしろ……! この肉体が、これほどの巨体が飢えで震えているのだ……!」

「はいはい、今お出ししますね。本日は特製の脂身たっぷりの煮込み肉と、甘辛いタレを絡めた大盛りの白飯でございます」

「うおぉ……! それだ、それを早く私の口へ……!」

「お行儀よくお食べにならなくても、どうせ誰も見てやしませんよ」

「そんなことはどうでもいい! 早く、一口……いや、鍋ごと持ってこい!」

「おやおや、そうおっしゃりましても、時行様のお体はもはや差し入れ口には到底近づけませんことよ」

「くそっ……この忌々しい檻め……私の邪魔をするな……!」

「檻が邪魔なのではなく、時行様のお体が大きくなりすぎたのでしてよ。私が長い匙で口元まで運んで差し上げますから、大きくお口を開けて」

「あむっ……! むぐ、むぐ……! んんっ……!」

「ふふっ、美味しゅうございますか?」

「ぷはっ……だ、黙れ……! 私はただ、力を蓄えているだけだ……! 動けないのは、機を伺っているからにすぎん……!」

「ふふ、そう言い訳なさるお顔も、すっかり丸く可愛らしくなられましたね。毎日一日中食べていらっしゃるではありませんか」

「うるさい、うるさい! 食べることでしか、この底知れぬ空腹感を満たせないのだ!」

「でしたら、心ゆくまでお召し上がりくださいませ。裏にはまだまだ山のようにご用意してありますから」

「ふう、ふう……美味い……美味すぎる……! 私は……私は最高の美食を極めているのだ……!」

「ええ、その豊かなお肉が、何よりの証拠でございますわ」

「もっとだ……その肉汁を全部、私の口に流し込んでくれ……!」

「はい、あーん。こぼさないようにしっかり飲み込んでくださいね」

女中が長い匙を使って口元へ運んでくる料理を、時行は理性をなくした獣のようにひたすら貪り食う。咀嚼するたびに巨大な二重、三重の顎がブルブルと震え、甘辛い肉汁と脂がだらしない口元から溢れ出し、幾重にも重なった首の肉へと無残に滴り落ちていく。

もはや満腹という感覚すら完全に麻痺していた。胃袋はどれだけ食べ物を詰め込んでも底なしのブラックホールのように次の食物を要求し、そのすべてが瞬時に時行の肉体を構成する分厚い脂肪へと変換されていく。

「力を蓄えている」というかつての言い訳は、もはや口癖のように無意識に唱えられているだけで、彼自身もすでにその言葉の意味を失っていることは明白だった。ただ目の前の暴力的なまでのカロリーと脂の旨味に脳を完全に支配され、食べるという快楽にのみ身を委ねている。

仰向けのまま、身動き一つとれない巨大な肉山と化した時行は、額からとめどなく流れる汗を拭うことすらできず、ただ口を開けては放り込まれる食事を咀嚼し、飲み込むだけの存在へと成り果てていた。絶望的なまでの肥満化はついに最終段階を迎え、彼は檻の中でひたすらに食欲を満たし続けることしかできない、哀れな肉の塊として完成してしまったのである。

身長:145.0cm / 体重:142.0kg(前月比 +37.0kg)

B:148 / W:145 / H:157


冷たく湿った地下牢の空気を切り裂くように、複数の重々しい足音が響いてきた。

足音は時行が囚われている檻の前でピタリと止まり、ガチャン、と無造作に鉄格子の鍵が開けられる音がした。ゆっくりと開かれ、錆びた蝶番が軋む音を立てる。

仰向けに倒れ込んだまま、小山のようにそびえ立つ自らの腹の向こう側に視線をやると、そこにはかつて時行を追い詰めた武士たちが立っていた。彼らは檻の中の異様な光景——床一面を埋め尽くすほどの巨大な肉の塊と化した時行の姿——を見て、一瞬言葉を失い、やがて顔を見合わせて意地悪な笑みを浮かべた。

「おいおい、これが本当にあの『逃げ上手の若君』か? 見違えるほど立派になられたものだ」

「はあ……はあ……お前たち……何の用だ……」

「喜べ。お前をこの檻から解放してやることになった。晴れて自由の身だ」

「じ、自由……? 本当に……私を解放するのか……?」

「ああ、約束しよう。ただし、条件が一つだけある。誰の手も借りず、自力でこの檻から歩いて出ることだ。それができれば、どこへでも逃げていいぞ」

「ふっ……馬鹿な奴らだ……。私を誰だと……思っている……。いかに体が重かろうと、私は……天性の逃げ上手なのだぞ……!」

「ほう、言うじゃないか。さあ、扉は開いている。いつでも華麗に逃げ出してみせろ」

時行は、埋もれた顎を引き締め、床に沈み込んだ両腕にありったけの力を込めた。

自由。その言葉が、完全に麻痺していたはずの彼の闘争心をわずかに揺り起こしたのだ。しかし、肉体はすでに彼の意志とは全く別の生き物へと成り果てていた。

「ぬうぅぅ……っ! ぐおおぉぉぉっ……!」

腕を支えにして上半身を起こそうとするが、腹部の巨大な脂肪の塊が致命的な重りとなってのしかかる。全身の肉がぶるんぶるんと激しく波打ち、肘や手首の関節が「メキメキ」と悲鳴を上げた。額からは瞬時に脂汗が噴き出し、二重三重に重なった首の肉が圧迫されて呼吸が止まりそうになる。

それでも、時行は歯を食いしばり、顔を真っ赤にして巨体を持ち上げようとした。膝を曲げ、なんとか床に足の裏をつき、全重量を足腰に乗せて立ち上がろうとした、その瞬間だった。

「あ……っ!」

自らの体重を支えきれなくなった膝が呆気なく崩れ、巨大な腹の肉がバランスを崩して後方へと傾いた。

ドズゥゥゥンッ……!!

地響きのような凄まじい音を立てて、時行は再び仰向けに倒れ込んでしまった。背中の分厚い脂肪がクッションになったものの、衝撃で肺から空気が弾き出され、しばらく呼吸すらできなくなる。

「はぁっ! はぁっ……! ぐっ……あぁぁっ……!」

「わっはっは! なんだ今の無様な姿は! まるでひっくり返った亀じゃないか!」

「いや、亀というより、陸に打ち上げられた巨大なトドだな! ほれ、どうした逃げ上手! 起き上がってみせろ!」

「うるさい……! 私は……まだ……負けては……」

時行は屈辱にまみれながら、再び起き上がろうと手足をバタバタと動かした。しかし、丸太のように太くなった手足は虚しく空を掻くだけで、床を捉えることすらできない。一度仰向けに転がってしまった巨大な肉の球体は、もはや自力で重心を戻すことなど絶対に不可能な状態となっていたのだ。

もがけばもがくほど、全身の毛穴から大粒の汗が滝のように溢れ出す。首のシワやたるんだ腹の隙間から流れ落ちた汗は、やがて床に大きな水たまりを作り出し、時行の周囲は自らの汗でびしょ濡れになっていった。

「ひゅう……しゅう……! 体が……動かない……! 重い……重すぎる……!」

「おいおい、もう終わりか? 汗の海で溺れそうじゃないか」

「傑作だな! あの身軽だった北条の生き残りが、自分の肉の重さで起き上がることすらできないとは!」

「くそっ……! 私を……私をバカにするな……! 私は……逃げる……!」

「口ではそう言いながら、腹の虫は正直なようだな?」

武士の言葉と同時だった。時行の巨大な腹の底から、雷鳴のような「ギュルルルゥゥッ」という音が檻の中に響き渡った。

あれほど懸命にもがいたせいで、莫大なカロリーを消費してしまったのだ。疲労と同時に、時行の脳髄を強烈な飢餓感が襲う。全身の脂肪が震え、胃袋が狂ったように次の食べ物を要求し始めた。

逃げなければ。自由にならなければ。その思いは確かに胸の奥底にあった。しかし、それを遥かに凌駕する暴力的なまでの空腹と食欲が、時行の理性を真っ黒に塗りつぶしていく。

「あ……あぁ……。はら、が……減った……」

「なんだ、もう逃げるのは諦めたのか?」

「飯だ……飯をくれ……! 逃げるのは……力を蓄えてからにする……だから、早く何か食べさせてくれ……!」

「はっはっは! 完全に豚になっちまったな! 仕方ねぇ、後で残飯でも放り込んでおいてやるよ!」

武士たちの容赦ない嘲笑を浴びながらも、仰向けに倒れたまま汗だくで息を荒らげる時行の頭の中は、次に運ばれてくる食事のことで頭がいっぱいになっていた。屈辱よりも、自由よりも、ただひたすらに胃袋を満たしたいという欲求がすべてを上回ってしまったのだ。もはや、彼が自らの足でこの檻を出ることは二度とない。

その後、完全に逃げる気力を失い、ただの巨大な肉塊と化した時行は、見世物として、あるいは好事家の慰み者として、別の武士たちへと安値で売り飛ばされていった。

荷車に乗せられ、重みに耐えかねた車輪が軋む音を聞きながら、時行の心の奥底には「何とかして隙を見て逃げ出したい」という微かな感情が残ってはいた。しかし、それ以上に「次の屋敷ではどんな美味いものが出てくるのだろうか」という醜い期待と、絶え間なく襲い来る異常な食欲に苦しめられ続けていた。

新たな檻に入れられた彼は、動けない体を言い訳にして、運ばれてくる山のような食事をただひたすらに口へ運び続ける。逃亡の意志を完全に脂肪の奥底へと沈めながら、時行の肉体は天井知らずの食欲に従い、さらに恐ろしいほど丸々と、際限なく太り続けていくのだった。

身長:145.0cm / 体重:158.5kg(前月比 +16.5kg)

B:160 / W:158 / H:170


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Comments

inotaku

リクエスト対応いただきありがとうございました。描写がとてもセクシーでした!