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 こんにちは。えむとさです。

 眠れない夜が続くので、今夜も少し語らおうかなあと思います。語らうっていっても、僕はひとりぼっちで文字を打ち込んでいるだけなんですが、ありがたいことに少なくとも読んでくれる方はいるようなので、独り言というよりは語らいな気持ちですね。

 コメントで、『勇者と騎士と賢者の塔』について刺さったと教えてくださった方がいたので、時系列は前後するんですが、今日はこの話のことを少しお話ししようかなと思います。

 まず、公開したのは2016年。書き始めたのは2015年だったと思います。今からだと約4,5年前のお話ということになりますね。そんなに昔だったっけ!? って気持ちが強いんですが、ここ最近の時間の流れは本当に早くて、きっとそんなもんなんだろうなあと不平不満は飲み込むことにします。

 ……誰に不平不満を言うんだろう?

 神様?

 この話は、もともと仮題『ファンタジーもの』として書き始めて、構想が固まった段階で今のタイトル『勇者と騎士と賢者の塔』を、家でシャワーを浴びながら決めたような記憶があります。

 タイトルの元ネタは、ずばり『ハリーポッターと賢者の石』です。全然原型を留めていないんですが、ファンタジーといえばハリーポッターかなと思って、そんなノリのタイトルにしたいと思って、そこがスタートラインです。

 まあ物語を読むと、実際には『勇者の騎士と賢者の塔』と言った方が正確なくらい、スポットライトが当たっているのは、騎士であるクリストファーことクリスです。

 この話は、勇者とその騎士の一行が依頼を受けて、賢者の塔に向かい、そこでエッチな目に合わされるというとてもシンプルな構造の話になっています。SCSについて語った時、10年前は即興で作っていると書きましたが、これは5年前の作品なので、僕の技量もほんの少し上がっているおかげで、ほぼほぼイメージ通り。当初、書き始める前に構想したプロットから大きくは崩れずに書けています。

 この物語は、もともと続く予定でバックボーンを作っている話で、物語の中に登場しない設定もかなりあるので、語ろうとすると長くなると思います。物語の中で、エロ小説として成立しやすい部分だけを抜粋した、というのがより正確な表現かもしれません。

 これも昔からある持論なんですが、エロ小説、特に短編のために作られたキャラクターは、その狭い世界観の中でしか生きていないので、人間味のような生々しさが宿りにくいと、僕は思っています。

 セルフ二次創作とでもいうべきなんでしょうか。別の軸を持つ物語のキャラクターと世界観を借用して、エロ小説を作るような手法。僕はたまに使います。配属も、分類上は同じく、本来の目指すべきストーリーはSFの軸から借用したキャラクターと世界観なので、僕の他の作品に比べてキャラクターが生き生きしているという感想をもらえるのは、そういうことが影響しているんじゃないかなと思います。

 僕は、マインドコントロールを扱う作品において、人間味というのは非常に重要な要素だと考えています。なぜなら、マインドコントロールは現実的に考えると数十年生きてきた精神、その人の価値観、魂を弄ぶことにカタルシスを覚えるわけですから、マインドコントロールされる側のキャラクターにそれだけのバックボーン、つまり現実味のある精神性が宿っていないと、人の心を操る、もとい辱めるような擬似的な興奮を得ることは難しいのではないかと思うからです。

 難しいは言い過ぎかもしれません。もちろんマインドコントロールした感覚は得られますが、非常に薄い。薄味に感じる。味が薄いと美味しくないので濃くする。そういう理屈です。

 といっても、これは手法のひとつであって、絶対的な法則や方法論ではありません。ほとんどキャラクターとしての背景が語られていないのに、妙に人間味を感じるキャラクターをMC作品で見かけることはありませんか? 具体的な例は敢えて挙げませんが、語ることや情報量を増やすことだけが人間味を持たせる唯一の方法ではないということです。

 逆に語らないことで人間味が生まれることもあるでしょう。僕は、見ず知らずの人間をマインドコントロールするような通り魔的犯行も好みです。ただ、難易度で言うと語らずに人間味を持たせることは、結構テクニックが必要なんじゃないかなと思います。

 料理で例えるとするなら、薄味だけど旨味がある繊細な味付けのほうが難しいでしょう。それと同じ理屈だと思います。

 脱線しました。

 キャラクターに人間味を持たせるため、僕は賢者の塔ではキャラクターたちにバックボーンとなる目的を与えました。魔王討伐です。

 物語の中でのメインストーリーは、おそらく魔王と勇者に関わる秘密、なぜ記憶を取り戻すと勇者の力が戻るのかとか、そもそも勇者につけられているランクとは一体何を指しているのか、なぜクリストファーはアルフォンスの騎士になることを決めたのか。そういうところがメインストーリーになってくると思うんですが、『勇者と騎士と賢者の塔』はハッキリ言うとメインストーリーではなく、寄り道ですね。ただ、戻るべき目的がきちんと物語上設定された上で、寄り道をしていてもキャラクターはその目的に従って動くので、何もかもがエロのために必要な要素ではなく、余分な設定が加わっているところに人間味を感じさせる何かがあるのかなあと僕は勝手に思っています。

 そして後半は怒涛のエロシーンになりますが、書くのは非常に疲れましたけど、そこまでのお膳立てをしっかり書いていた分、崩す作業は書く側としても楽しかった記憶があります。いやかなり悩みはしましたが。

 悩みというのは例えば、どう操れば効果的にマインドコントロール感が出るのかとか。結局は綱引きだと思うんです。支配したい側と支配されたくない側の。

 例えば、最初の対峙であっさり認知が歪められてしまいますが、どこで操られたのか読者にも分からないくらいシームレスに、クリスが綱引きに負けている。負けていることに後から気づくことで最初の興奮が生まれると思います。そもそも散々クリスは強いという描写をしてきたわけですから、操られるとしても何かきっかけがあって操られるはずという先入観を裏切ってゆく形を狙いました。

 ただ、最初に操られてしまった時、同時に落胆を覚えたと思います。なんだその程度なのかと。僕も書いているときに落胆しました。クリスならこんな簡単に負けることはない。なにしろ強い騎士なのだから。

 ということで、伏線を張っていた投げ矢がトリガーにして支配を一旦脱して、綱引きを一旦、フィフティまで戻しました。伏線回収というやつですね。

 ちなみにこの伏線は、書きながら即興で伏線になったもので、最初から狙って投げ矢をアルフォンスに持たせたわけではありません。

 狙って作る伏線ももちろんありますが、書きながらこれとこれを繋げると伏線になって展開に説得力が出るんじゃないかと気づく瞬間があって、僕はそういう瞬間も好きです。

 

 話を戻します。

 そのあと、完全に支配されてしまうクリスですが、ここでやっと綱引きの綱自体を手放してしまうわけです。もともと読者の方が期待していたのはこのくらいダイナミックに強力に洗脳を受けることだったんじゃないかなと、僕は想定しながら書きました。

 サプライズでの認知改変と、本格的な洗脳を2度味わえて美味しいし、そこまでしないと完全なる精神支配に至らないところも含めて、クリスの強さを表現できていたんじゃないかと思います。

 また、一度支配から脱する展開を挟むことで、もしかすると何かがきっかけでまた支配を解いてしまうんじゃないか? と、読者に疑わせる効果も狙ってます。もしこれが指パッチンでも、儀式魔法でも何でもいいですが、一発で洗脳に成功していたら、メタ的に考えてこの作品はMC作品なので洗脳は、終盤になるまで解けることはないでしょう。ただ一度、自力解除したことで、さらに洗脳を解く展開の可能性を匂わせて先の展開を見通しにくくする効果があると思います。

 淡々と、そのどうせ洗脳も成功しちゃうし、ページが進めばエロシーンになるんでしょ。はいはい。という風にMC小説慣れした読者は、展開の先読みをしがちなので、フェイント的な展開が入ることで話に引き込む効果も期待できると思います。

 MC小説で、マインドコントロールがスムーズにいかない展開が挿入されるのは、おそらくそういう効果を狙ってのことだと思います。

 僕は味付けの薄さを感じたので、この物語に至っては、そういう構造を取り入れましたが、洗脳の重ねがけからのエロシーンへの流れは、頂いた感想でも印象に残ったようで、よく褒めていただくことがありました。

 ここまで計算して書いて、計算した通りに好評になることってあんまり経験上なかったので、非常に嬉しかった記憶があります。

 また、今まで書いてたものより、一気にフィクション度が上がったので、読者層も一部新規開拓……というと失礼な言い方になりますが、この作品から僕に興味を持ってもらえた人もいるみたいで、今まで書いてきたお話のイメージとはちょっと違うけどまあいいかとチャレンジしてみて良かったと思います。

 まあ、お話の筋。塔に行って、悪い魔法使いに操られる、は普遍的で特に面白味もない普通のストーリーなんですが、そこに魅力を感じてもらっているのだとしたら、きっとそういう演出や設定の肉付け部分でうまく心を揺さぶることができたんじゃないかなと自己分析してます。

 ただ、この作品のエロシーンに関しては、僕自身まだ苦手な分野なのでまだまだ稚拙に感じます。もう少し洗脳感を出しながら、人格をしっかり強調しつつ、人形を使ったひとり遊びにならないように筆力を上げていきたいなあと思う所存です。

 でも、描写力はともかく、フルコースとまでは言わないけど、お風呂からのセックスからの謎オナホからの〜と、なかなか食べ応えはあるように書いたつもりなので、楽しんでもらえていたら嬉しいなと思います。

 まるで宣伝みたいになってしまった。

 流石に目を通してくれてない人がこれを読んでるはずもないので、意味のない宣伝にはなるんですが、そういう視点で読んでみるのもまた面白いかもしれません。まあそこまで深い読み物のクオリティではないんですが😓

 まだまだこの物語に至っては、話せることが沢山あるんですが、うーん、最後にメタフィクションとして書こうとしていた『fiction-augmenter』について少しだけ触れて終わりにしようと思います。

 この話は冒頭の部分だけを、Tumblrに投稿して現在お蔵入りになっているお話です。『勇者と騎士と賢者の塔』と繋がりが非常に強いお話、というより繋がっている話なので、少しだけお話しします。

 冒頭では、表紙が朽ちていて『エンジェル』という単語しか読めない本を、男が手に入れるところから始まります。本をめくるとその中に、『勇者と騎士と賢者の塔』と題された章があることを男は目に止めます。

 男は、誰かを殺してそれを手に入れたようで、血塗れで自室に戻ってくるなり怪しげな機械にその本をセットします。怪しげな機械は、本体と別に顔を丸ごと飲み込むようなヘルメットが付属していて、男がそれを装着すると……。というお話です。

 

 ご察しの通り、怪しげな機械というのは、本の世界に入り込むための機械で、この話の中では賢者の塔の話は、フィクションとして描かれています。

 フィクションの中に入り込んだ男は、物語を自分の欲求を満たすために書き換え始めます。例えば、もし賢者の塔でクリスの洗脳が解けなかったら……。

 みたいな話を書きたかったんですが、未完です。これ書いてみようとして初めて気付いたんですが、非常に難しいです。VRや異世界転生の要領で書けばいいはずなんですが、そもそも先ほども話したバックボーンの設定があやふやで、なぜ本の中に入る必要があるのか、その目的が抽象的すぎて、いまいちしっくりこないんですよね。

 それにこんな変化球より、先に勇者たちのその後について描いたほうがいいんじゃないかという悪魔の囁きのせいで集中力も途切れまくり。

 発想としては面白いんですけど、設定など練り込みが必要ですね。

 そんなわけで少し長くなってしまいましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

 まだまだ語り尽くせない設定もあるので、また次のコラム。もしくは賢者の塔から旅立った勇者一行の旅の続きにてお会いしましょう。

 それでは。

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