ホームオフィス(Uncensored 'SHIT') <20,000字程度> (Pixiv Fanbox)
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6.
「お前らいつまでダラダラと塩分補給やってるんだ」
少しイラついた様子で、岩本は腰に手を当てていた。
「あ、すみません、ボス」
言いながら大倉は慌てて、乱れた衣服を整え始める。
しかし、岩本の視線は、まっすぐ安藤に向けられていた。
「終わったんだな? 安藤」
「はい。何かご用ですか?」
本当はチンカスチェックが残っているのだが……と安藤は思ったが、用件のありそうな岩本を優先することにした。
「すまんが俺に排便許可を出してもらえるか?」
岩本は眉間に深い皺を刻みながら、口を開いた。
「はい。排便許可ですね」
安藤は事務的に応じる。
「すぐに漏れそうですか?」
「おい、馬鹿いうなよ。俺がそんなギリギリまで我慢しているわけがないだろう」
「冗談ですよ。許可を出したいので、確認させてもらえますか?」
「ああ、もちろんだ」
頷くと、岩本はベルトを外し、堂々とスラックスを下ろした。
岩本の股間を覆っているのは、大倉と同じ灰色のボクサーブリーフだった。
オフィス内で着用する下着は、全て同じデザインの下着で統一すべし、という規則があった。いうなれば、制服のようなものである。そう認識されていた。
その認識を定着させるために計画は、地道な努力と長い時間が必要だった。
しかし、安藤の執念深さはその試みを見事に成功させた。
その結果、安藤も大倉も、そして上司である岩本も、まったく同じデザインのボクサーブリーフを、当然のように着用している。なぜなら、彼らにとってそれが規則であり、当たり前のことなのだから。
スラックスを脱いだ岩本は、安藤に背を向けると、さらにボクサーブリーフに手をかけ、躊躇なくそれを足元まで下した。
現れたのは筋肉質な尻だ。よく鍛えあげられた大臀筋を始めとする尻周りの筋肉。その両脇にはくっきりと尻えくぼが筋肉の厚みによって形成されていた。
岩本は、前屈を始める。しなやかな動きだ。岩本の肉体の柔軟性がよく分かる。前屈からゆっくりと尻を突き出し、岩本の身体は、まるでプールに飛び込む直前の水泳選手のように前屈みの体勢になった。
すると、尻の割れ目からもう一枚の布地が現れる。金色の布地だった。
岩本は、派手な金色のTバックを履いていた。
岩本は、ボクサーブリーフの下にTバックを重ね履きしていたのだ。
尻の隙間に食い込んでいたTバックの生地は、筋肉質でボリューミーなケツ肉の層に隠されていた。後ろ姿からでは前屈の体勢になるまでは、一見、何も履いていないように見えていた。
このTバックを安藤に見せるために、岩本は前屈したのだ。
岩本が晒したTバック。尻の割れ目に食い込む生地。
その周囲に、あるべきはずの体毛はひとつもなかった。決して岩本の毛が薄いというわけではない。むしろ岩本は平均よりも毛は濃いほうだった。髭も濃ければ、胸毛も生えている。腕の毛もしっかり生えているしすね毛も濃い。もちろん、元々は陰毛もケツ毛も、男らしく黒々と茂っていた、元々は。
ではなぜ、今はこんなにも滑らかで美しい無毛の肌が晒されているのか。
それはTバックの布地面積に合わせて、ムダ毛がしっかりとその肌が最大限美しく見えるよう念入りに処理されているからだ。それは岩本自身の手によって処理されていた。彼は毎日、自らの剛毛を手入れを欠かさない。
もちろんそれは、安藤によって植え付けられた習慣だった。
「安藤。排便許可を出せそうか確認してくれ、いや……」
少し言い淀んだあと、岩本は改まって言い直した。
「俺の肛門を、確認してください。排便の許可をお願いします」
声は平常を保っていたが、耳の後ろが赤くなっていることに安藤は気づいていた。
岩本は羞恥心を覚えていた。
この状況は岩本にとって当たり前のはずである。しかし、なぜか羞恥心を覚えてしまうのだ。なぜだろう。これは一体どうしたことなのだろう。ああ、いったい、岩本の中でどんな風に複雑な思考のせめぎ合いが繰り広げられているのだろう。
非常に興味深いことだ。その葛藤を想像するだけで心が躍る。
そんなことを考えながら安藤は、岩本のTバックに手をかけた。
その布地面積の少ない派手な金色をした悪趣味な下着をゆっくり脱がせていく。途中、肛門に張り付いている生地が尻の穴に食い込み、僅かばかりの抵抗をみせた。しかし、少し力を強めるだけで、あえなくその尻の穴から生地は離れ、その役目を終えた。岩本の肛門を守る最後の砦であったTバック。砦というには心許ない布地面積ではあったが。
岩本のTバックは、足元のボクサーブリーフの上に雑然と重ねられた。
「もう少しお尻の穴がしっかり見えるようにお願いできますか?」
一瞬の沈黙ののち、岩本は筋肉質な自身の尻の肉を両手で掴んだ。そして、左右に大きく開いてみせる。固く閉じられた岩本の肛門は露出し、はっきりと視認することができる状態となった。外気に晒された瞬間、肛門はひくりと動いた。
当然ながら、肛門の周りに存在していたはずの剛毛も綺麗さっぱり処理されている。
ビジネスの基本は身だしなみだ。そう豪語する岩本らしく、しっかりと手入れが行き届いていた。
その出来栄えに満足しながら、安藤は、滑らかな岩本の肌に指を滑らせた。円を描くように、少し汗ばんだ尻の手触りを確かめながら、そしてその中心。肛門に触れる。
「んっ……」
その感覚に、岩本は思わず声を漏らした。
「どうかしましたか?」
「いや、なんでもない」
岩本は咳払いをしながらそう答えた。
「そうですか。なんでもないなら良かったです」
そう言うと、安藤は遠慮なく肛門に顔面を直接埋め、ゆっくりと深呼吸を始めた。
そこからはまさに男の匂いがしていた。肛門臭。むっとするような汗の匂い。あれだけ肉厚な尻に包み込まれ、温められていたのだ。汗臭いのも無理もない。汗の匂いに混じって芳しい匂いを感じる。
「蒸れた汗の匂いがしますね。肛門からは微かに便臭も感じます。もう直腸まで大便が降りてきてるのかな? ああ、安心してください。岩本さんの肛門からは、女の匂いは一切しません。男臭い肛門の匂いしかしませんよ」
「当然だ。肛門から女の匂いがしてたまるか。考えるだけでケツが痒くなりそうだ」
岩本の返答に、そうですねと安藤は笑った。
岩本には、ある重大なアレルギーがある。
それは女性アレルギーだ。
もちろん便宜上アレルギーと言っているだけで、実際にはそんなアレルギーは存在しない。それは妻の不貞をきっかけに芽生えた、悲しき心の病だった。症状としては、単純明快。その名の通り、女性のことを考えたり、女性と話したり、ましてや女性と触れ合ったり、女性とセックスでもしようものなら、身体が拒絶反応を起こすというものだ。
安藤は、岩本にそう思い込ませていた。そう思い込ませることで、安藤は岩本の肉体からありとあらゆる『女』の痕跡を洗い清めようと計画していた。そして、その計画は非常に順調だった。
安藤はこれを、砂抜きと呼んでいた。
安藤にとってこれは、調理状の下ごしらえと同じことだった。貝類を塩水に浸し、その体内にある砂、異物を吐き出させる。岩本の肉体からも、女性という名の砂、異物を吐き出させる。肉体からだけではない。精神からも、脳からも、細胞ひとつひとつから、岩本という存在の全てから、女性という不純物を取り除いてやるのだ。
そうすることで、舌触りのいい食材に、岩本は生まれ変わるだろう。
ああ、砂抜きを始めて、一体どれくらい経つだろう。既に女性の匂いなど微塵も感じなくなった岩本の逞しく筋肉質な肉体を、安藤は心から愛おしく感じた。
「それで俺の肛門はどうだ? 排便許可は出せそうか?」
「もう少し確認してみますから、待っていてくださいね」
「……なるべく早く頼む」
指で肛門に刺激を受けたことで、排泄欲が高まってきているのだろうか。岩本の声がうわずっていた。
きっと岩本の大便は、すぐそこまで迫ってきているのだ。しかし、岩本には限界まで排泄欲と戦ってもらわなければならない。我慢して、我慢して、もう限界だ。そう思った時にする排便ほど、気持ちの良い排便はないだろう。
一番、気持ちのいい排便を、岩本には味わってもらう。
安藤は辛抱たまらずに岩本の肛門を舌で舐めた。少し塩辛い汗の味。抉り掘り進むように舌を使い、岩本の排泄欲を刺激していく。岩本は文句の一つも言わずに、喉から唸るような声を漏らしていた。
「便がしっかり直腸まで降りてきているようですね」
そう言いながら、安藤は夢中になって肛門を吸い、舐め尽くしていった。刺激を与える度にヒクヒクと肛門が蠢く。外側からの刺激と、内側からの圧力。
しかし、許可がない限り、岩本に排便は決して許されなかった。
「ハーッ、ハーッ」
呼吸は荒い。岩本は脂汗を流していた。刺激に耐えて、必死で肛門が開かないように力込めている。安藤は、唾液で濡れた肛門の表面を指でなぞった。再び円を描くように、少しずつ押し込む力を込めながら優しく撫でる。固く閉じたその門の陥落を誘うように。
「ンッ」
その刺激がお気に召したのか、少しずつ岩本のペニスは勃起し始めていた。岩本には勃起を許可する必要はない。彼は、いつでも自由に勃起することができる。上司なのだから、そのくらいの特権がなければいけない。そう考えて、安藤は岩本には例外的に勃起する権利を与えてやった。肉体の全てを管理される男たちにとって、自由に勃起できるということは、最高の待遇と言っても過言ではないだろう。
安藤は、肛門を指先で刺激し続けながら膨らみ始めた岩本のペニスを安藤は優しく握った。日本人離れした大きさのペニス。平常時からズル剥けのまるで大砲のような岩本の立派な男性器を、安藤は非常に好んでいた。
「ぐうっ、すまんが、チンポを触るのは今は止めてもらえないか」
「なぜですか?」
安藤は、岩本の握り心地の良い性器を、無遠慮に上下に扱いた。
「フーッ、フーッ。業務時間中にチンポを弄るのは、不適切だからだッ……!!」
岩本の答えを聞いて、安藤は思わず吹き出し、嘲笑しそうになるのを堪えることに必死だった。こんな状況でさえもこの男は職業倫理にこだわるのか。岩本という男は、どこまでも仕事に対して真面目な男だ。頭に『馬鹿』がつくほどに。
「いいか、安藤。俺のチンポはお前の所有物だ。触ることも射精させることも自由だ。だが、上司として、業務時間中に破廉恥な行為を認めるわけにはいかん。分かってくれッ!!」
岩本は、昔から仕事のオンとオフに拘る。
便意に苛まれている最中でも、どんなに異常な状況でも、この男はまだそんなことに拘っている。岩本らしからぬ格好で、岩本らしからぬ行為をしながら、岩本らしい言動をするこの人間は、まさしく安藤の求めてやまない岩本という男そのものだった。
愛おしい。
安藤は率直にそう感じて、衝動的に岩本の太腿を抱き締めた。太く逞しく筋肉質な脚に頬を擦り寄せた。
「好きです。大好きですチーフ。愛してます」
「おい。やめるんだ、安藤」
岩本は少し困ったような、しかしどこか優しさの混じった声色で、安藤に声をかけて制する。だが、その行為を無理矢理に止めるようなことはしなかった。
しばらくその行為を続けたあと、安藤はゆっくりと静かに岩本から身体を離した。
「失礼しました。岩本チーフ」
「いや、俺こそ、その、すまん。お前の気持ちは、正直、分からんこともないんだ。嫌だというわけでもない。だから、傷つかないでほしい。お前の傷付けるのは、その、俺の本意じゃない。しかし、その、今は業務に集中してもらえると助かる。頼む、安藤」
「分かってます。チーフの仕事に対する実直さは、昔から変わりませんし、僕はそんなチーフだからこそ、所有して管理したいって思ったんです。だから、もちろんチーフの気持ちは尊重します」
「そういってくれて嬉しいよ。ありがとう、安藤」
岩本は穏やかに笑みを浮かべた。
その額に、脂汗が滲ませながら。
「ところで、岩本チーフの排便管理は立派な業務の一環ですよね?」
岩本の気持ちを裏切るように安藤は、再び岩本のペニスに手を伸ばしていた。
「ああ、それは、もちろんそうだが……ッ!?」
安藤は力強く岩本のチンポを扱き始める。
「ンンッ!!」
「岩本チーフのチンポをこうやってシコシコ扱いてやることは、排便許可を出すために必要なことなんですよ。これも立派な仕事です。業務なんですよ。分かりますか? 理解できますか? これもチーフの大好きなお仕事の一環なんですよ。それに、チーフだって早く排便して楽になりたいでしょう?」
「フーッ!! フーッ!!」
急激に高まってくる排泄欲に、岩本は必死に括約筋を引き締めることに集中する。
「こうしてチンポを扱くことで、肛門の動きがどう変わるかを確かめているんです。僕は、岩本チーフの排便許可を出すためにチンポを扱いているんですよ。どうですか? これなら公私混同にはなりませんよね?」
「フーッ!! ああッ、ああッ! 構わんッ! それなら構わんッ! 業務ならもちろん構わんッ!! フーッ!! 好きなだけ!! 思う存分にチンポをッ!! フーッ!! 俺のチンポを扱いてくれッ!!」
「理解してもらえて嬉しいです。安心してください。僕は排便管理に関しては専門家です。エキスパートですから、チーフは僕に身も心も委ねてくれさえすればいいんですよ」
「分かったッ! お前のいう通りにする! お前の言うことになんでも従う! だからッ! 頼むッ! 早く、早く許可を! 排便の許可を出してくれぇッ!」
その懇願に大きくため息をつき、安藤は岩本のペニスを扱く手を止めた。
大きく肩で息をしながら、岩本は脂汗をポタポタと滴らせている。
「僕は残念です。チーフ。岩本チーフには分からないかもしれませんが、これでも僕はとても急いで許可をだそうと確認を進めているんです。チーフは、まさか僕がチーフの排便をわざと許可せずに、苦しめて、辱めて、その反応を楽しんでいるとでも思っているんですか? チーフは、僕のことをそんな、鬼や悪魔のような人間だと思っているんですか?」
「フー、フー……。すまん。本当にすまん、安藤。そういうつもりで言ったんじゃないんだ。そのどうしても排便が近くなるとどうにも気が急いてしまうようで、その気持ちをコントロールできなかった。排便許可の専門家である安藤に大変失礼なことを言ってしまった。俺は、お前が俺の反応を見て楽しむだなんて、そんなことは少しも考えていない。心から謝るから、それだけは信じてくれ」
岩本は情けなく頭を下げ、土下座をした。
「ただ、今にも漏れそうなんだ……」
「何がですか?」
「大便が、だ」
「何言ってるんですか。岩本チーフみたいな立派に成人した男性が、許可も出されていないのに、お漏らしをするなんて、そんなわけがないじゃないですか。しかも大便をお漏らし? そんな常識はずれのことがありますか? チーフはまた面白いジョークを言いますね。大の大人が大便を漏らすなんてありえないですよ。僕はこれまで沢山の男性の排便を管理してきましたが、そんな男性、一度も見たことがありませんから」
安藤は声を出して、笑って見せた。
「ぐうッ、安藤からすると信じられないことかもしれないが、俺は我慢できずに本当に大便を漏らしてしまうかもしれないんだ。だから本当に焦っている。無許可で排便することだけは、成人した男として、どうしても避けたいと思っている。しかし、俺は安藤の言いつけを守れずに、その、大便の、お、お漏らしをしてしまうかもしれない。今すぐにでも、そうなってしまうかもしれないんだ。頼む、安藤。勘弁してくれ……」
「大丈夫です。今にも出してしまいそう。それはただの錯覚ですよ。成人した男性は大便を我慢できずに漏らすなんてことはありえません。専門家である僕が保証しますよ」
「そう、そうなのか……? そう、なんだな。そうか。ありがとう。安藤。やっぱりお前は、どんな時でも頼りになるな。ハァッ、ハァッ……」
そう答えた岩本のペニスは硬く勃起し、そそり立っていた。
安藤は、ワイシャツの下から手を差し込み、岩本の下腹部を撫でる。
「お腹を少し触診しますね。おお、相変わらずすごい腹筋だなあ」
「好きなように気が済むまで触診してくれ。頼む」
許可を得てから、安藤は掌を押し当てて岩本の下腹部に圧力をかけた。
「うっ」
一気に肛門が盛り上がり、小さな丘を築く。そして、すぐにそれは沈み込んでいった。安藤は執拗にそれを繰り返した。ワイシャツの脇は、汗染みがじっとりと広がっていた。
「腸に溜まってこびりついた便がどんどん剥がれて、肛門に向かってどんどん集まってきているのが分かりますか?」
「あッ、ぐうッ……」
答える間も与えられずすぐに腹を圧迫されたため、岩本は呻き、返事をすることさえもできなかった。
そして、ついにその瞬間は来た。
丘のように盛り上がった肛門は、ついに捲れ上がり始めた。隆起した肛門は、もう沈み込む気配はない。それどころかみるみるうちに肛門は蠢き、腸の粘膜が顔を見せ始める。肛門の膨らみが最大限に達し、括約筋が限界を迎え、肛門が開きかけたその瞬間に安藤は囁くように言った。
「チーフ、排便を許可します」
「アアッ」
太い太い大便が濁流のように肛門から溢れ出す。
安藤は岩本の勃起したチンポを扱きながら、さらに排便を促してやった。
「フーッ、フーッ」
ビンビンにペニスを勃起させながら、健康的な粘土色の大便が、まるで太いソーセージを無尽蔵に製造していくようにニュルニュルと肛門から吐き出される。そして、それは見事な巻きグソとなってみるみるうちにあらかじめ用意してあった簡易便器の中に溜まっていった。
「ハァッ……、ハァッ……」
排便を終えた岩本は息を整えていた。分厚い胸板が何度も繰り返し膨らむ。しかし、もともと心肺機能が強い岩本にとって、この程度大した負荷ではない。
呼吸の乱れは、排便の余韻とともに収まっていった。
「……排便許可、ありがとうございます」
岩本は、痛み入るように感謝の言葉を安藤に述べる。
無事に排泄できた喜びからか、岩本は安堵の表情を浮かべていた。しかし、その顔は激しい運動をしたあとのように汗にまみれていた。
「フンッ」
岩本が腸に残った大便のカスを捻り出そうと肛門に力をこめると、筋肉の動きにつられて身体のどこかを伝って零れてきた汗が、簡易便器の中にこんもりと盛られた岩本の大便の上にぽたりと落ちた。
一息ついた岩本は、排泄の姿勢を続けたまま、顔だけを後ろに向ける。そして、自分の排泄した大便の量の多さに苦笑した。
「我ながら大量だな。安藤。すまんが検便も頼んでいいか?」
「ええ、もちろんです」
「気づいたことがあれば遠慮なく言ってくれ」
安藤はここぞとばかりに簡易便器の中を覗き込む。強い便臭が鼻を刺す。その匂いは部屋全体に広がっているようだった。あとでしっかり換気をしてやらなければいけないなあ、と安藤は思った。
「すごく太い巻き糞ですね。健康的な一本糞で羨ましいくらいです。特徴としては、動物性タンパク質を普段から大量に摂取しているせいか、便の匂いが非常に強く感じられます。その点については、どう思われますか? 岩本チーフ」
「ああ。確かに臭いが強いな。申し訳ない」
「謝る必要なんてないんですよ。チーフは一生懸命、僕の言いつけ通りにムキムキマッチョで筋肉質な体型を維持しているわけですから、そりゃあ排泄物も臭くなって当然です。むしろ、大便が臭いというのは、非常に男らしいことだと僕は思っていますよ。ですから、もっと大便が臭くなるように、コンディションを調整していくのはどうでしょうか。野菜なんて食べるのはやめて、もっともっと肉を中心にした食生活にして、どんどん栄養を偏らせていきましょう。でもそれだと綺麗な一本糞が見れなくなるなあ。そうだ。一本糞と強い便臭を両立させるために、食事にたっぷり食物繊維を添加するのはどうでしょうか。この健康的な大便の形を維持したまま、もっともっと臭くて臭くて仕方がない大便を目標にしましょう。その目標に向かって、努力していくことが望ましいと思います。どう思いますか?」
「それは名案だな。専門家の安藤が言うんだから間違いない。どんどん匂いが強くなるように、栄養の偏った食事を心がけるよ」
「ぜひそうしましょう。これは次回の排便までの宿題にしましょう」
「ああ、的確なアドバイスと助言をありがとう。本当にいつも助かるよ」
「上司の健康管理は部下の務めですから」
そう安藤が答えると、大量の大便と、肛門を晒したままの姿で岩本は笑った。
7.
「おい、大倉!」
シャワーカーテンに囲まれた大倉の『個室』に向かって、岩本は叫ぶ。カーテンの隙間から汗だくの巨体が、ペットボトルを片手にぬっと顔を見せた。
部屋中を漂う便臭と、簡易便座にケツを突き出したままの姿勢の岩本の姿を見て、ああそういう役目かと理解し、大倉はノコノコと近づいてくる。
「ただいま参上しました、大倉です。何かご入用ですか」
大倉がカーテンの外に出るだけで、部屋の中の臭気のレベルがぐっと上がったように安藤は感じた。濃い体臭と便臭と、様々な男の匂いが混ざり合った独特の臭気。
安藤は大きく深呼吸して、その非常識な匂いに酔いしれていた。
このまま自慰に耽ってもいいかもしれない。
二人を見つめながら、安藤はそう思った。
自らのペニスをスラックスから取り出すと、安藤はそれをゆっくりと扱き始めていた。
「大倉。すまんが、ウォシュレットを頼んでもいいか?」
「イエス、サー。えー、準備しますのでそのまましばらくお待ちください」
大倉は、簡易便座に予め備え付けてあった親指よりも少し大きい程度のサイズの器具を手に取る。その器具の形は漏斗によく似ていた。先端にはノズルがついていて、その反対側は筒状になっている。
慣れた手つきで、大倉はその器具を自らのペニスに装着していった。
筒の中にぴったりとペニスの先端を包み、ちょうどカリの窪みにフィットするようにパッキンが取り付けられていて、さらに隙間から漏れるのを防ぐためのビニールバンドでしっかりと根本を固定する。
「よし、完璧だ。ボス、準備完了です」
「大倉。ちゃんと"タンク"は貯めてきたんだろうな」
「もちろん抜かりはありませんよ。バッチリ貯めておきました」
そう言って大倉は、先ほどまで飲んでいたペットボトルを振ってみせた。
「なんなら、もう漏らしそうなくらいです」
「おいおい。漏らしちまう前にさっさと始めよう。まずは、中から頼むよ」
「ラジャー」
敬礼してから、大倉はノズルに丁寧にローションを塗った。そして、ゆっくりと岩本の肛門にノズルの先端を近づける。ノズルが長めに作られているため、そこまで身体同士が近づかなくとも、ノズルを肛門の中にしっかり挿入することができる。大倉は腰を動かす。岩本の尻と大倉の下腹部はゆっくり接近していく。大倉のペニスは勃起していないため、なかなか狙いを定めるのが難しいようだった。しかし、尻の隙間に沿ってノズルをゆっくり這わせていけば、肛門に必ず辿り着く。そう、辿り着いてしまうのだ。
「そこだ。そこが俺の肛門だ」
「了解です」
ローションで湿潤しているノズルは、岩本の肛門の中へとゆっくりと、そしてスムーズに押し込まれていった。
「うッ……」
肛門の中に異物が挿入される感覚に、岩本は思わず声を漏らした。
傍から見れば、それは一見、特殊なアナルセックスに見えなくもない。
しかし、これはウォシュレットである。
何しろ今は業務中なのだ。仕事に真面目な岩本が、業務中にアナルセックスなどするわけがない。仕事に真面目な岩本が、業務中のアナルセックスなどを許すはずがない。
従ってこれはアナルセックスであるはずがない。
「ボス、ノズルの挿入が完了したであります」
「よし、始めろ。さっさと放水してくれ」
大倉は「ラジャー」と再び敬礼のポーズを取ってから、躊躇なく排尿を始めた。
尿は漏斗型の器具を伝い、直接肛門の中に注ぎ込まれていく。
これは、ウォシュレットだ。
しいていうならば、ただのウォシュレットを使った浣腸だ。
決して小便浣腸などという、下品で不潔極まりない変態行為ではない。
注入される尿の感覚に、岩本は若干の不快感を覚えながらも黙って耐えた。そして十分だと判断したところで岩本は声をかけ、大倉に放尿を止めさせた。
ノズルはゆっくりと肛門から引き抜かれていく。
ノズルが抜けた肛門は、ヒクヒクと動いていた。
岩本は強くいきむと、ブリブリと屁のような音を立てながら、肛門から大倉の大量の黄ばんだ尿が排泄されていった。尿に混じって、直腸内にしつこく残っていた便の残り滓が流されていく。直腸が、洗い清められていく感覚に岩本は爽快感を覚えていた。
それが終わると、再び大倉はノズルを岩本の肛門に近づけた。
「普通のウォシュレットもいきますよ」
「おう」
大倉はゆっくりと再び放尿を始める。ノズルの先からは黄色い尿がまっすぐに噴射され、それが肛門にあたる。尿は、肛門の周りについた汚れを落とし、洗い流していった。
「もう少し強めで頼む」
「ラジャー」
大倉はそのリクエストに応えて、排尿する勢いを強めた。強くなった尿の水圧の刺激を受けて、岩本の肛門はヒクヒクと反応していた。
大倉の膀胱、いや、大倉の"タンク"に溜まっていた尿が全てなくなるまで、ウォシュレットは念入りに続けられた。それが終わると、岩本は大倉から差し出されたトイレットペーパーを使って、尻を丁寧に拭き上げていった。
素晴らしく爽やかで、清潔な仕上がりだ。
ウォシュレットの完了をもって、岩本の排便は達成された。
「ありがとう、大倉。助かったよ」
「いえ。これも立派な俺の仕事ですから」
漏斗型の器具をペニスから外しながら、大倉は胸を張ってみせる。
岩本はその姿を見て、そうだな、と頷きながら笑みを浮かべていた。
「あ、大倉さん」
一連の流れを優雅に、自分のペニスを扱きながら眺めていた安藤は、唐突に大倉に声をかける。
「ん、どうした。安藤くん」
「申し訳ないですが、便器の片付けとか諸々、後始末お願いできますか?」
「もちろん。頼まれなくても、ちゃんと片付けまでするつもりだったよ」
大倉は笑った。
「だって、それも俺の大事な仕事だろ?」
「はい。使用済みの便器の後片付けは、大倉さんにしかできない立派なお仕事です」
大倉の返答に、安藤は満足げに頷いた。
岩本は、手元に用意されているアナルプラグを手に取った。
排泄のあとにはアナルプラグを挿入すること。
それは、岩本の習慣だった。
正確には、岩本に与えられた習慣だった。
慣れた手つきでアナルプラグにローションを塗り、ゆっくりと肛門の中に滑らせていく。それは平均的なアナルプラグよりも大きなサイズだろう。一気に差し込むことは難しいサイズだ。しかし、岩本にとっては慣れたものだった。
少しずつ深く、浅く、深く、繰り返してすっぽりとプラグが入り切るまでそれを続ける。そして、やっとプラグが入った。直腸が満たされる。直腸が満たされるということは、心が満たされるということだ。心が満たされる感覚に、岩本は浸ろうと一息ついた。
しかし、岩本は少しずつ違和感を覚え始めていた。
何か物足りない感覚だ。何かがおかしい。なぜなのだろう。いつもはもっと満ち足りた多幸感が、痺れるような満足感が、身体中を包み込むはずなのだ。その感覚がいつまでたってもやってこない。なぜだ。なぜなんだ?
岩本は再びアナルブラグを抜いた。
取り出すときは、肛門から一気にずるりと引き抜く。引き抜くときに、自分の肛門が大きく拡がるのが分かる。それは、岩本を排便に似た爽やかな気持ちにさせる。嫌いではなかった。
しかし、やはりその感覚すら、どこか物足りないように感じるのだ。
なぜだ?
首を傾げている岩本に、安藤は言葉をかけた。
「チーフ。そのアナルプラグ、サイズが小さいんじゃないですか?」
「そんなわけあるか」
岩本は、肛門から抜き出したばかりのアナルプラグをしっかり観察した。
「いつも使っているサイズと同じだ。間違いない。それにこれは十分すぎる太さだろう」
岩本の言う通り、プラグの大きさは500mlのペットボトルを一回り小さくしたくらいの大きさで、標準的なアナルプラグの大きさと比べても、かなり大きい部類に入る。
しかし、安藤は首を振った。
「岩本チーフ、また身体大きくなりましたよね? 毎日のようにたっぷり筋トレして、プロテイン飲んで、食べきれないほどの量の食事を摂取して、毎日よく寝て成長ホルモンを思春期の中坊みたいにドバドバと体内に垂れ流しにしながら過ごしていますよね。なんたって、岩本チーフは自分の身体を大きくすることが生き甲斐で、自分の身体が大きくなると実感するたびに気持ちよくなってしまうような人間ですからね。服の上から見ても、ますます身体が分厚くなってきているのよく分かりますよ。そのワイシャツのボタンだって、もう今にもはちきれそうじゃないですか」
「確かにこのワイシャツは少し窮屈になってきたから、新しく買い替えようと考えていたところではあるが……。身体を鍛えるのは俺の趣味……いや、生き甲斐なのは、間違いない。それは認めるが、一体、それとアナルプラグと何の関係があるんだ?」
「分からないですか? 身体を鍛えると筋肉の厚みが増しますよね。大腸も同じです」
岩本は、安藤の言っている言葉の意味が純粋に理解できず、一瞬思考が止まった。
「どういう意味だ?」
「簡単な話ですよ。岩本さんの身体が馬鹿みたいに大きく変わるの合わせて、岩本さんの大腸もそれはもう大きく大きく日々、成長しているわけです。だから、そのアナルプラグの大きさでは物足りなくなったわけですね。筋肉が増えて身体が大きくなったならその分、アナルプラグの太さもその分だけ大きく、見合ったものを身につける必要があります。岩本チーフは、身体を鍛えるのが生き甲斐ですから、普通の男性よりも筋肉量がとても多いです。それ故に、もっともっと大きいサイズを使う必要があります。よく考えてみてください。それって服と同じことでしょう? 身体が大きくなったら、大きなサイズの服を着る。とても自然なことです。だから、アナルプラグももっと大きくしなければならない。これも自然なことなんですよ。僕は、何かおかしいことを言ってますか?」
安藤は、じっと岩本の目を見つめた。
不意に岩本は目眩のような感覚を覚え、見当識を喪失する。しかし、それは一瞬のことですぐに正気を取り戻した。
「いや、確かに安藤の言う通りだ。俺はそんな当たり前のことに、どうして今まで気づかなかったんだろうな。……俺にも、大倉のうっかり病が伝染したかな」
岩本は笑いながら言った。
「うっかり病で悪かったですね、ボス」
通りすがりに大倉は、ぽつりと呟いた。
「いや、すまんすまん。聞こえてたか。いかん、つい口を滑らせたな」
「でもまあ、大倉さんがうっかりなのは事実ですからね」
「安藤くんまでそんなこと言って! 二人とも酷いなあ!」
「落ち込まないでください。ただの冗談じゃないですか」
安藤は笑った。大倉も、岩本も笑っていた。
和気藹々とした空気が流れていた。
会話だけ聞いていれば、普通のオフィスと変わらない。
しかし、部屋の中は強い男の汗の匂いと、強い便臭に満たされている。部屋の中にいるのは下半身を丸出しにしている上司と、その上司の排泄物の後始末を自ら進んでこなす部下。そして、この異常な空間を作り出した支配者は、ただひたすらに愉悦に浸る。
「そうだ、大倉さん。大倉さんのアナルプラグを貸してもらっていいですか?」
「ん? 構わないよ」
大倉は、下着を脱ぐとその場にかがみ込み、自らの尻に手を運んだ。
「……ふんッ」
ずるり。
大倉の直腸を満たしていたアナルプラグが、大倉自身の手によって取り出される。大きい。それは非常に大きなアナルプラグだった。プラグを抜いたときに大きく開いた肛門はヒクヒクと蠢いている。
「ふー。これでいいかい?」
大倉は、自分の体内から引きずり出したアナルプラグを安藤に手渡す。
「これ、しばらく借りても大丈夫ですか?」
「いいよ。でも、抜いちゃったままでいいの? 常にプラグ入れておくのが俺の習慣なんだけど。まあ、安藤くんが許可してくれるならもちろんそれで問題ないよ」
「ああ。安心してください。大倉さんの排便管理者として、アナルプラグを抜いたままでいることを、僕が責任をもって許可しますよ」
「それなら安心だ。でも、やっぱりお尻の中に何も挿れてない状態ってのはなんだか落ち着かないもんだなあ」
大倉は尻をさすりながら、しきりに落ち着かないと唸っていた。
「チーフ、これをどうぞ」
安藤は大倉から受け取ったアナルプラグを、岩本に手渡す。
「これは大倉さんがずっと直腸に挿れていたアナルプラグです。チーフのアナルプラグと見比べてみてください」
そう言われ、岩本は二つのアナルプラグを見比べる。
「大倉のアナルプラグは、俺のアナルプラグよりも一回りほど大きいな」
「はい。大倉さんも身体はとても大きいですから、その分、大きいアナルプラグを使っているんです。そこでチーフにひとつ提案なんですが――」
安藤は、岩本の身体ににじり寄り、そっと背中に手を回した。脂汗の染み込んだワイシャツ越しに筋肉質な身体を撫で回しながら、耳元で囁く。
「そのアナルプラグをチーフに試してみて欲しいんです。岩本チーフの中に、大倉さんの直腸で温まったほかほかのアナルプラグを、挿れてみてほしいんです。そのアナルプラグは、大倉さんの腸液でぬるぬるになってますから、そのまま挿入することができると思います。試してみてもらえませんか?」
「これを、俺の中に……?」
「はい。チーフなら、僕からの"お願い"、聞いてくれますよね……?」
脳髄が痺れる。甘い感覚が頭の中を満たしていく。
安藤の言葉を聞いた岩本は、そんな感覚を覚えた。
緩みそうになる表情筋を、強い意志で引き締めると岩本は力強く答えた。
「もちろんだ」
岩本は、いつもより一回り大きいサイズのアナルプラグ、大倉のアナルプラグをまじまじと見つめる。大倉の大腸の匂いが鼻をくすぐったような気がして、一瞬、それに忌避感を覚えそうになる。しかし、すぐにそれは頭を痺れさせるような甘い感覚によって上書きされていった。安藤はこのアナルプラグを自分の尻に挿れることを望んでいる。それを実行することこそが何よりも優先されるべきことで、自分の何よりの幸せなのだ。なにを躊躇する必要があるというのだろう。
脳の芯がジンジンと疼き、岩本の認識と判断力は欠落していく一方だった。
安藤の言った通り、そのアナルプラグはしっかりと大倉の体液で潤っており、ローションを使う必要はなかった。岩本は躊躇することなく、それを自らの肛門にあてがった。そしてゆっくり力を込めて差し込んでいく。だが、既に解れているはずの肛門は、なかなかいつものようには奥までアナルプラグを通してはくれなかった。
「ぐうっ……ハァッ……」
力を込めたり、力を抜いたり。
そうやって四苦八苦しているうちに声が漏れ、額から汗が溢れ始める。
「どうです? 入りそうですか?」
「ンッ……いや、ンンッ、流石にこのサイズはなかなか厳しいな……」
「大腸は大きくなりましたが、肛門はむしろ身体が成長してお尻の肉が増えて大きくなった分、よりキツくなっているのかもしれません。これはあまり一般的に知られていないことなんですが、肉体の成長によって腸は大きく成長しても、肛門はそれに合わせて拡がるということはないんですよ。だから、なかなか入らないんです。ゆっくり慣らして、大きく成長した身体に合ったサイズに肛門を拡げていく必要があるんです。肛門拡張は、身体を鍛えている逞しい男性の全てがやっている日常的な行為ですから、岩本さんも早く慣れていきしょう。ゆっくりと時間をかけてトライしてみてください。きっとすっぽり全部が中に入るようになります。そのサイズで直腸が満たされれば、岩本さんのような巨漢でも必ず心から満足できるようになりますよ。応援してますから、頑張ってください」
「ああ、よく分かった。必ずこいつを俺の中に挿れてみせるからな」
岩本は滴る額の汗をワイシャツの袖で拭いながら、安藤に向かって頼もしく笑ってみせた。
8.
「ボスの排便の後始末終わったよ」
洗浄済みの簡易便器を片手に、大倉は部屋の中に戻った。
「あ、大倉さん。ちょうど良かった」
「ん、どうした? 安藤くん」
「『勃起』を許可します」
その言葉に反応して、大倉は背筋をピンと伸ばした。
巨根の包茎がぐっと鎌首をもたげていく。
「――ッ、勃起の許可ありがとうございますッ!」
大倉は言い終えると、慌ててコンドームを取り出した。今度は我慢汁が垂れる前に勃起したペニスに装着することができたようだ。
「フーッ!! フーッ!! ……いきなり、どうしたの?」
安藤は、大倉の身体に飛びかかるように抱きついた。
「うおっと、と」
大倉は安藤の身体を軽々とキャッチして受け止める。安藤は汗臭い大倉の身体の、さらに汗臭い腋の下に潜り込み、その肉厚な肉体を抱きしめながら、深呼吸してその匂いを堪能した。そして小声で囁いた。
「岩本チーフが、新しいサイズのアナルプラグに慣れるまで時間がかかりそうだったので、大倉さんの身体で遊んで時間を潰そうかと思いまして」
それを聞いた大倉は、小さく笑った。
「それ、ボスに聞かれたら怒られるぞ」
「聞かれなければ、怒られませんよ」
「不真面目だなあ、安藤は」
「僕はいつでも大真面目ですよ。でも大倉さんが、どうしても僕に付き合うのが嫌っていうなら諦めますよ。だけど大倉さんは僕のためになら、どんなことだってしてくれるし、不真面目にだってなってくれますよね」
「お前は、ずるいやつだなあ」
大倉は苦笑した。
「分かったよ。安藤さまの仰せのままに。わたくし大倉のこの身体を思う存分、時間潰しに使ってください」
「うむ。くるしゅうない」
満足げな安藤の頭を、大倉は愛おしげに撫でた。
「そうだ。折角ですから、大倉さんも排便の時間にしませんか?」
「ああ。それは助かるよ。でも、それって不真面目な時間潰しか?」
「もしかして、大倉さん。もっと不真面目な方法で身体を弄ばれちゃうことを期待しちゃいました?」
そういって安藤は、勃起している大倉のペニスに軽く指を滑らせる。
「まあ、ほんの少しだけ」
「大倉さんのそういう正直なところ好きですよ」
少し照れたように顔を背けている大倉の身体を、安藤は愛おしげに抱きしめた。柔らかくて、弾力がある、まるでぬいぐるみのように愛嬌がある。いや、ぬいぐるみにしては、男臭すぎるか。
「最近はどうです? 自然に排便はできそうですか?」
「いや、ずっと腹は張ってる気がするんだけど、さっぱりだな」
「もう自発的な排便は基本的に困難だと考えたほうが良いでしょう。安心してください。お薬を使えば、しっかり排便できるようになりますからね。しっかり僕が計画して、健康的な排便ができるように管理してあげますからね」
大倉に対して、安藤はあえて刺激性強い下剤や浣腸を多用していた。
その結果、いわゆる下剤依存症に近い状態に大倉は陥っていた。
「ありがとう安藤。本当に助かるよ」
「それじゃあ、浣腸していきますよ」
「おう」
安藤は、使い捨てのグリセリン浣腸の容器を大倉の肛門にゆっくりと挿入した。手慣れたものだった。容器を強く絞り、しっかり腸内にグリセリンが行き渡るように一滴残らず注ぎ込む。その刺激に反応して、大倉の腸は強く蠕動し始める。
「んっ、効いてきたみたいだ」
「ちゃんと出さずにしっかり我慢しましょうね」
そう言いながら、追加でもう一本、浣腸薬を追加する。
大倉の下腹部から、ぐるぐると腹の鳴る音が聞こえてくる。安藤は、岩本が一度使ったアナルプラグを手に取った。
「これは岩本さんの使っているアナルプラグなので、いつも使っているプラグより一回りサイズが小さいですが、我慢してくださいね」
返事も待たずに大倉の肛門にゆっくり挿入していく。もともとさらに大きいサイズのアナルプラグを丸呑みしていた大倉の肛門は、最初は少し抵抗があったものの、もはや慣れたもので、岩本のアナルプラグをすんなりと受け入れた。
「ああ……ッ」
アナルプラグの刺激も相まって、大倉の排泄欲は急激に高まっていった。
「せっかく綺麗に洗ってもらったのに、また汚してしまうのはなんだか申し訳ない気がしますが、さあ大倉さん、頑張って便器に跨りましょうね」
「あっ、ああ……。便器のことは、気にしなくて良いよ。また、自分でちゃんと、後始末して綺麗に、ンフーッ……、綺麗にしておくから」
「本当に大倉さんは真面目ですね。大好きですよ」
「……ハァッ、安藤くんがそういってくれるだけで、フーッ、俺はすごく報われるよ」
大倉は、額に脂汗を滲ませ喘ぎながら安藤に微笑みかける。しかし、その表情はぎこちなく、必死に便意を堪えていることがよく分かる。
安藤はこの逞しくも忠実な玩具のことがたまらなく愛おしくなって、その身体を抱きしめて頬擦りした。そしてその男らしい体臭を胸いっぱいに吸い込みながら、ワイシャツ越しに豊満な胸筋を揉みしだく。筋肉の厚みに脂肪の層が乗って、最高の揉み心地だ。これがあるから、大倉という玩具は、いつまでも飽きがこないのだ。
乳首を摘み、絞るように刺激しながら、安藤は大倉に告げてやった。
「大倉さん。排便を許可します」
「――ッ、排便の許可ありがとうございますッ!」
間髪入れずに、大倉の胴間声が部屋に響く。
めりめり。めりめりと音を立てながら、しっかり挿入されていたはずのアナルプラグが肛門から吐き出されようとしている。
「ふんッ……ふんッ……」
大倉は鼻息荒く、こめかみに青筋を立てながら強く強くいきみ続ける。じわじわと顔を出したアナルプラグが加速しながら肛門を再び押し拡げていき、ぬるりとそのグロテスクなまでに太い全長を露にしたかと思うと、便器の上にぼとりと落ちた。
「オオッ、アアァッ、お、大倉ッ、排便しますッ」
続け様に茶色く染まったグリセリン液が肛門から放出されたかと思うと、続け様に大量の大便が下品な音を立てながら、便器を埋め立てていった。次から次に吐き出される大便に、この巨体の中にどれだけの大便を溜め込んでいたのかと、安藤は笑いを禁じえなかった。
「遠慮しないでたっぷり出してくださいね」
その言葉に応えるように、大倉の排便は下品な音を立てながら絶え間なく続く。その間も、安藤は大倉の身体を抱きしめ、その肉感を堪能し続けていた。
岩本は、大倉の排泄音を聞きながら、アナルプラグと格闘を続けていた。
和式便座に座るような姿勢で腰を屈めて、ゆっくりと体重をかけながら肛門を押し拡げていく。いつもならとっくに収まっているはずの位置まできても、プラグの根元はまだまだ太くて遠い。しかし、あとひと押しだ。額に浮かんだ汗を何度も拭ったせいで、ワイシャツの袖はじっとりと湿っている。そろそろ慣れてきているはずなのだ。肛門は十分に緩み、アナルプラグを受け入れられるはずだ。
何しろ、このアナルプラグは大倉には挿れることができたのだ。大倉にできて自分ができないなど、そんな不甲斐ないところを見せては上司として沽券に関わる。
大倉の大便臭が鼻を刺す。大倉の大便の多さに喜ぶ安藤の声が聞こえる。大倉と安藤が楽しそうに会話している姿は、岩本の気持ちをどこか不愉快にさせた。
安藤はこのアナルプラグを挿れることを望んでいるのだ。その期待を裏切るわけにはいかない。一刻も早く期待に応えなければならない。
大倉などに負けるわけにはいかないのだ。
そこまで考えて岩本は、その考えの歪さに気がついて眉を顰めた。
――なぜ俺は、大倉に対して対抗意識を燃やしているんだ?
大倉とは上司と部下として良好な関係を築いていたはずだ。一体どうしてそんな感情を抱いているのか。何かがおかしい。いや、何かがおかしいはずなど、断じてあるはずがない。岩本は、反射的に強く自分の思考を否定した。何も間違っているはずがない。全てが正しい。全てを受け入れる必要があるのだ!
その勢いのまま、全体重をかけて思い切りアナルプラグを押しこむ。文字通り全てを受け入れるために一気に肛門が最大限に開いた。その痛みに思わず岩本は目を見開く。直腸をこじ開けて、体内に侵入してこようとするその異物を、肉体は反射的に拒絶しようと抵抗する。しかし、岩本は強い意志の力で、自らの肉体をねじ伏せていく。
「ふんっ」
肛門がアナルプラグをしっかり根元まで飲み込むと、異物感とは反対にあるべき場所にあるものが収まったような、そんな奇妙な安心感がじわり身体を包み込むような感覚を覚える。
「あー……」
その声が、自分の喉から発声しているものなのだと、岩本は最初気づかなかった。大腸が蠕動する。その度に、アナルプラグは上下左右に揺れていた。その度に、呼吸をするたびに、息を吐き出すたびに、自然と声が漏れる。
多幸感が脳を満たしていく。そうだ。これなのだ。岩本は思った。この感覚を求めていたのだ。やはり安藤の言う通りだった。以前までのアナルプラグは、自分の体格にはサイズが小さすぎたのだ。安藤の言うことはいつも正しい。安藤の言うことは絶対だ。
ゆっくり、ゆっくりとアナルプラグは岩本の肉体に馴染んでいく。そういえば、もともとこのアナルプラグは大倉の直腸を満たしていたのだ。そのアナルプラグが、今は岩本の直腸を満たしている。その事実に対して、岩本は不思議と嫌悪感を抱くことはなかった。むしろ部下とアナルプラグをシェアすることができる。こんな幸せなことはない。そうだ。俺たちはこんなにも幸せな感覚で繋がっているのだ。そう考えると、大倉に対して対抗意識を燃やしていた先程までの自分の感情が馬鹿馬鹿しく思えてくる。馬鹿馬鹿しくて笑える。岩本は、ハハハと声を出し、一人で笑っていた。
ふと股間をみると、勃起したペニスからは我慢汁がだらだら流れていることに気づく。静かに身体中の筋肉が痙攣している。気持ちがいい。
岩本チーフ。リラックスの時間です。
頭の中に声が響いてくるのは安藤の声だ。
岩本は大の字になってカーペットに仰向けになった。とてもリラックスしている。リラックス。そうだ。リラックスの時間だ。俺はリラックスする必要がある。
とても安らかな気持ちだった。身体中が満たされている。よく晴れた日に芝生に寝そべっているような気持ちだ。夏だと言うのに、春の日差しが、木漏れ日が、ポカポカと身体に降り注いでいる。ここはなんて幸せな空間なのだろう。ああ、心地がいい。
瞼が重くなってくる。どんどん瞼が重くなって、開けていることが困難になってくる。そして瞼を閉じる間際に、自分を見下ろしている安藤の姿に岩本は初めて気づいた。
安藤、そこにいたのか。
しっかりお前の言いつけを守って、アナルプラグを挿れることができたんだ。喜んでくれ。褒めてくれ。俺のことを認めてくれ。
それらは言葉にならないまま、岩本の意識とともに深く温かくとても静かな場所に、ゆっくりと沈み込んでいった。
唾液を垂らしながら、白目を剥き大の字になって倒れている岩本の隣に安藤は寝そべった。鍛え上げられた岩本の太い腕を枕にして、分厚い胸板に頬を寄せる。
岩本の腋の下からはデオドラントスプレーでは隠しきれない、岩本という男を象徴するような、成熟した男の青臭い汗の匂いがした。
仕事に人生を捧げてきた男の匂い。そして、この先永遠に支配され続けるにふさわしい男らしい匂い。そして、男を興奮させる男の匂い。
この匂いを独占できるのは、所有者の特権だ。
そして、この鍛え上げられた岩本という名の肉体の所有者は、他でもない自分なのだ。そう思うと、安藤は激しい興奮を覚える。勃起したペニスをジッパーから引きずり出すと、岩本の腕を掴みその手のひらに無理矢理に握らせ、繰り返し擦り付けた。
そして岩本の耳元にそっと顔を寄せる。
「岩本チーフ。聞こえますね」
「あー……聞こえるぞ……」
岩本は浜辺に打ち上げられた魚のようにヒクヒクと身体を痙攣させながら答えた。
「今、岩本チーフはとっても気持ちが良くて、リラックスしていますね」
「気持ちいい……リラックス……」
「誰のおかげですか?」
「安藤……」
「幸せですか?」
「幸せ……ああ、幸せだ……」
「それは誰のおかげですか?」
「安藤……」
「その通りです。では、あなたにとって、安藤慎也とはどういう存在ですか?」
「家族、両親、友人、恋人よりも信頼している部下……俺の……所有者……」
「安藤慎也の言うことは絶対に正しい」
「……安藤の言うことは絶対に正しい」
「安藤慎也を心から愛している」
「……安藤のことを心から愛している」
「安藤慎也のことを息子よりも愛している」
「……安藤を悠斗よりも愛している」
「安藤慎也に愛されたい」
「……安藤に愛されたい」
「安藤慎也に愛されるためならば、どんなことでもできる」
「……安藤に愛されるためなら、どんなことでもする」
「安藤慎也の望むことならどんなことでも叶えたい」
「……安藤の望みを叶えたい」
「では、ゆっくり目を開いて。私は誰ですか?」
「……安藤……俺の部下、所有者……絶対に正しい……愛されたい……叶えたい……」
「私の言うことは?」
「……絶対に正しい」
「いいでしょう。では、これから私の話すことをよく聞いてくださいね」
「……ああ」
岩本は虚ろな眼差しを安藤に向けながら、そしてはっきりと答えた。
「もちろんだ」
Uncensored 'FUCK' に続く