(おまけ) PT SideA+B 01 (Pixiv Fanbox)
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## 少し実験的な書き方をしているので読みにくいかもしれません。
## 2つの視点が交互に描かれており、太字部分はSideB(永澤利幸の一人称視点)です。
この日本では、ボディビルダーという存在は、入賞経験のある『プロ』であろうと、それだけで飯を食ってゆくというのは難しい。それ故に、プロアマ問わず、ボディビルダーたちは兼業することが一般的だ。
まるで遠足に行く前日の子供のような気持ちだと僕は思った。
兼業として選ぶ職業は人それぞれだ。もともと職業を持っており、ボディビルダーを趣味で始めたものもいれば、普段は事務業をしながらホームトレーニーとして努力するものもいる。
そんなボディビルダーの中でも、ある程度の知名度を持っており、パーソナルトレーナーを職業として生計を立てることができている芦原義行は、周りのボディビルダーと比べて相対的に見れば、比較的恵まれた環境にいるといえた。
そわそわと落ち着きがなく、チャイムが鳴るのを今か今かと待っている。何しろ今日は憧れの芦原義行に会うことができるのだから。
芦原はスポーツバッグを背負いなおすと、マンションを見上げた。
「ここか。なかなか立派なマンションだなあ」
芦原義行は現役のボディビルダーで僕自身、何度も大会を見に行ったことがある。魅力はとにかくその巨体。他のビルダーとは一線を画す筋肉量。男なら一目見れば、筋肉隆々なその姿にきっと憧れる。そして、僕みたいな下心のある同性愛者なんかは、きっと憧れ以上の劣情を抱くに違いない。そうに違いないのだ。
オートロックの玄関を通り、エレベーターの前まで来ると、幸いエレベーターは1Fに止まっているようだった。エレベーターに乗り、階数を指定する。ゆっくりと昇り始めたエレベーターの壁にもたれかかりながら、スポーツバックの中からクライアントの資料を取り出して眺める。
永澤利幸。二十二歳。職業は大学生。
大学生でパーソナルトレーナーを雇うとはいい身分だと思うが、両親が資産家か何かなのだろうか。それならばこんな良いマンションに住んでいることも納得できる。ともかくクライアントのプライベートな事情に口を挟むつもりはなかった。トレーナーとしては、トレーニーがどんな事情の人物であろうと、一度請け負ったからにはそのサポートに徹するまでのことだ。
筋トレなんて一度も興味を持ったことがない僕が、なんとかパーソナルトレーナーとして芦原義行みたいな有名人にトレーニングをサポートしてもらえるなんて夢のようだ。いろいろとイケない手を使ったりもしたけれど、ともかくうまくいって良かった。僕は辛いことや疲れることが大嫌いだからトレーニングをするつもりなんて毛頭もないけれど、それで構わない。
指定階に到着するとエレベーターの扉が開く。芦原は九〇三号室まで歩みを進めるとインターフォンを鳴らす。扉の向こうから人が歩いてくる気配がしたと思うと、部屋の扉はすぐに開いた。
芦原義行を僕の『テリトリー』に入れてさえしまえばそれで全てが僕の思い通りになるのだから。
部屋から顔を覗かせたのは、年相応の体格で、特に言及するような特徴のないどこにでもいそうな顔の男だった。彼が今回のクライアント、永澤利幸なのだろう。
「どうも、この度はパーソナルトレーナーとしてご依頼を受けて参りました、芦原と申します」
芦原は営業スマイルを浮かべて、決まり文句の挨拶を述べると頭を下げる。
玄関口に現れた芦原は、ボロシャツにジーンズというシンプルな格好だった。肩には大きなスポーツバックを背負っている。斜め掛けされたスポーツバックのベルトが胸を斜めに横切り、大胸筋の弾力を強調しているようだった。シャツの袖口には破れんばかりに張り詰めた上腕二頭筋。下半身を覆うジーンズも太ももからふくらはぎまでパツンパツンに生地を押し上げている。シンプルな格好だけに全身の筋肉がよく見て取れる。なんと扇情的な格好だろう。
オフシーズンであるためか、以前大会で見た時よりも薄く脂肪が乗っているのか身体全体の一回りほど大きく見える。硬く勇ましくスポットライトに照らされていた筋肉は、少し柔らかみを帯びているようだ。いったいどんな触り心地がするのだろう。生唾を飲み込む。思わず見とれてしまい、おかしくは思われなかっただろうか、などと不要な心配までしてしまう。
永澤は、おずおずと小声で「どうも」と囁くように言うと、どこか挙動不審というか緊張した様子で扉を大きく開き、芦原を部屋の中へと招いた。
芦原は簡単に挨拶を済ませた後、玄関の扉を閉めた。
この部屋に足を踏み入れた瞬間、芦原は僕の『テリトリー』の中に入ったことになる。本人にその自覚はなくとも、この場所では僕の言葉は絶対であり、それが"常識"として受け止められるのだ。
この様子を見るに話し下手なタイプなのだろう。わざわざ出張のトレーナーを雇ったのは、それが理由だろうか。もしそうだとしたら、うまく信頼関係を築いてゆくのは少し骨が折れそうだな、と芦原は思った。
しかし、出張トレーナーとして、こういうタイプを相手にするのは珍しいことではない。いわゆる人見知りなタイプのクライアントであっても、大半は回数を重ねるごとに自然と少しずつ打ち解けてゆくものだ。芦原はそう楽観的に捉えた。
「一応、簡単なエクササイズができる程度のトレーニング器具は持ってきたんですが、確か永澤さんは自宅にトレーニング器具をお持ちとのことでしたよね。先に拝見させてもらえますか?」
そう尋ねると永澤は頷き、トレーニング用なのだという部屋まで案内してくれた。
僕は、内心ほくそ笑みながら、急ごしらえでトレーニング器具を設置したトレーニングルームへ芦原を案内した。
「これは、……すごいですね」
部屋を見た芦原は思わず感嘆の声を上げた。部屋の中には、下手なジム顔負けの筋トレ用のトレーニング器具が一式揃っていた。それも1台数十万するようなものも平気で設置されている。
しかし、どの器具もほとんど使用された形跡がないらしく、新品らしい光沢を放っていた。
聞けば、形から入ろうと器具を揃えてみたものの効果的な使い方が分からず、困り果ててトレーナーを依頼したのだという話だった。
室内の設備の充実度に驚いている芦原を尻目に、僕は『テリトリー』にルールを一つ追加する。ルールと言っても、『僕の行動を認知しない、違和感を抱かない』という簡単なものだ。その上で、芦原が背負っているスポーツバックを彼の身体から引き剥がし、中を物色する。
「いやあ、これだけの器具があれば十分な強度のトレーニングが可能ですよ。永澤さんは本格的な筋力増量用のトレーニングメニューがご希望でしたよね。今までスポーツの経験などはおありですか?」
予想以上の設備に驚きながらも、芦原は永澤に詳細なヒアリングを進めてゆくことにした。
ストレッチボールに、軽量のダンベル、ヨガマット。本当に簡単なエクササイズをするためのものばかりのようだ。さらに掘り返すと、インナーバッグが出てきた。中には着替えと思わしき、迷彩柄のタンクトップが出てきた。背中がエックスを描くようになっているものだ。よく筋肉を見せたがるトレーニーが着用しているものか、と僕は鼻で笑った。何の目的か知らないが私物のビルダーパンツまで持ち合わせている。これは好都合だ。
つい、魔がさして、それらの衣類に顔を埋めて深く深呼吸をする。残念ながらその衣類から感じられるのは心地の良い洗剤の香料の匂いだった。すぐに雄の汗臭い匂いをたっぷり染み付かせてやることにしよう。
それらの衣類を雑にスポーツバッグの中に戻すと、僕はルールの適用を解除した。
ここで立ち話もなんですからと、別室のソファに招かれ、上品な味の紅茶を片手に話を進めてゆく。
客間に移動する。ソファに座るように促し、軽く紅茶を淹れ、最低限もてなす。なにしろ彼は大切なお客様であり、今日から僕の、いや僕だけのパーソナルトレーナーになってもらうのだから。
芦原はトレーニングメニューがどうとか言っているようだったが、僕は既に彼の飛び切り豊満で筋肉質な肉体にしかもう興味がなかった。話すたびに揺れる身体の筋肉ひとつひとつがまるで生き物のようだ。どれだけの時間を費やしてトレーニングを繰り返してきたのだろう。まあ、その努力も今日からは僕だけのための『もの』に変質させられてしまう運命なのだが。
時折、どもりながら質問に答える永澤を怯えさせぬように可能な限り優しい声色で、笑顔を絶やさぬよう芦原は心がけながら、トレーニングメニューの作成に必要な情報を集めていった。
「美味しい紅茶ですね」と紅茶を啜る芦原を、僕は憐れむようにただただ見下していた。
「では、さっそくトレーニングを始めましょうか」
トレーニングメニューとやらを作り終えたらしく、芦原はその内容を軽く僕に説明し始めた。内容には特に興味もなく、それよりも芦原自身の肉体に興味があったので、僕は再びルールを追加することにした。
永澤はスポーツ経験が特になく、本格的なトレーニングも初めてということだったので、初日は初心者向けに組み上げた簡単なメニューをこなしてもらうことにした。
僕はソファから立ち上がり、芦原の隣に腰掛ける。芦原は誰もいない正面に向かって、まるでそこに僕がいるかのように、にこやかに話し続けている。
真横から見てみると本当に分厚い肉体であることがよく分かる。ああ、これが本当に僕のものになるのかと思うと楽しくて仕方がない。
「芦原さん、両腕を頭の上まで伸ばしてもらえますか。そうそう、ピンと張って」
話の腰を折るようにして、そう命じると、芦原はまるで僕の声など聞こえないかのように話を続けながら、両手をゆっくりと持ち上げていった。真っ直ぐに伸びた腕。掌はまるで気を付けをするかのように指先一本一本がピンと規則正しく伸ばされている。とても姿勢がいい。
ポロシャツの裾は上腕の膨らみにはち切れそうだ。もう少し余裕のあるサイズを着ればいいのに、やはり自分の肉体を誇示したいのだろうか。いやいや、誇示するだけの権利を持った素晴らしい肉体をお持ちですよと僕は心の中で芦原を褒め称えた。
晒された腋のくぼみは薄く汗で湿っているようだった。今日は比較的涼しい日だったと思うのだが、さすが代謝が良いのだろう。
汗っかきなんですね、芦原さん。
僕はもうたまらなくなって、その巨体を両腕で抱きしめて、ポロシャツ越しにその筋肉の感触を確かめた。硬くも柔らかい確かな筋肉の感触。これがボディビルダーの身体なのだと思うと自然と興奮が高まるのを抑えきれない。
腋の窪みのシミに顔を押し付けて深く何度も深呼吸する。残念ながら芦原はエチケットに気を遣う性格のようで、その体臭はデオドラントスプレーの嘘くさい香料で誤魔化されていた。しかし、時折ツンと鼻腔をくすぐる刺激は、間違いなく芦原の分泌した雄のフェロモンに間違いない。
話し続ける芦原を尻目に、ポロシャツをたくし上げてゆく。両腕を伸ばしている芦原は服を脱がすには最適な態勢だった。裾を掴み、そのまま持ち上げてゆき、ちょうど襟元から服を反転させるように持ち上げてゆき、その裾を芦原自身に掴ませる。芦原の顔は反転したポロシャツの中に納まり、代わりに首元から、腋、ボリュームのある胸筋、見事に六つに割れた腹筋が露になる。滑らかな肌触りの胸を撫でつけながら、今度は直接、腕の付け根に顔を埋める。しっかりと剃毛されている無毛の窪みに向かって深呼吸を繰り返しながら、せり出した胸筋のせいで少し下向きにポツリと浮かんでいる乳頭を、親指と人差し指で摘まみ、捻り上げる。
辛抱たまらなくなり、吐息で少し蒸れ始めた芦原の腋に舌を走らせる。少しだけ苦みがあるような粉っぽいデオドラントに混じり、確かに感じられる塩気に隠し切れなず分泌された男臭い汗の痕跡を見つけ、歓喜に震える。舐めれば舐めるほどに、唾液が分泌され、それが芦原の腋を濡らしてゆく。水分を奪うような体毛も生えてはいないため、実に滑らかに舌が滑るのが好ましい。こうして味わうために手入れされた身体なのかと錯覚してしまうほどだ。反対側の腋もしっかりとその匂いを味わった後、テイスティングしてゆく。片側だけえこひいきしてしまっては可哀そうだから、こちらの腋にもたっぷりと唾液が浸るように丹念に舌を滑らせる。そうすることで無粋にも彼の身体から雄臭さを奪うデオドラントの成分を洗い流し、清めることができるだろう。
そのまま、芦原の説明が終わるまで、好きに腋を舐めたり、乳首に吸い付いたり、胸の筋肉の谷間に舌を滑らせたりと、現役ボディビルダーの肉体を味わい続けた。最後にポロシャツの生地越しに、芦原の唇に唇を重ね合って、その吐息を胸いっぱいに吸い込んでから、たくし上げられていたポロシャツを下ろし、何食わぬ顔で僕は対面に座り直し、すっかり冷めた紅茶を啜った。
それにしても永澤の服装は、パーカーにスラックスと普通の部屋着に見える。汗をかくことになるがそのままでも良いのだろうか?
「トレーニングウェアか何かお持ちですか? 多分、汗をかくことになると思うので……?」
芦原は、さっそくトレーニングを始めましょうと僕を促すと同時に、僕に着替えを促すようなことを提案しかけてきたので、ルールを追加する。そろそろ芦原には自分の立場と役割を弁えてもらわなければならない。
『プライベートトレーナーとしてのレッスンでは、トレーナーが運動の見本を見せることで、それをトレーニングとする』
そう言っているそばから、芦原は自分が驚くほど妙なことを口にしていることに気付いた。トレーニングをするのはあくまでトレーナーである芦原自身で、トレーニーである永澤が運動をする必要はない。運動する必要がないのだから、着替える必要はないではないか。
むしろ着替えるべきなのは、芦原自身だ。何しろこれから全身汗だくになるまで本気でトレーニングに打ち込まなければならないのだから。永澤からそう指摘され、芦原は頭をかいた。今日の自分はどうかしているようだ。
「すみません、着替えるのは僕のほうですね」
そんな暗示に従い、芦原はうっかりしていたと言わんばかりに、自分の荷物を漁り始めた。
そういって、スポーツバッグの中を探る。何だかバッグの中が散らかっているように見えるのは気のせいだろうか、と少し不思議に思いながら、普段着替えを入れているインナーバッグを弄る。中から出てきたのは愛用している迷彩のタンクトップと、練習用のビルダーパンツだ。
流石に人様のお宅でタンクトップとビルダーパンツ一枚で筋トレするというのも妙な話だ。
「すみません、俺、今日はこんなのしか持ってきてなくて……」
スポーツバッグの中には、タンクトップとビルパンくらいしかないことは既に知っているよ、と内心ほくそ笑みながら、芦原の様子を眺める。流石に着替えなければ汗だくのまま帰れはしないよなあ。でもタンクトップにビルパンは、人様の家で着替える格好にしては少し露出が多すぎるよなあ、と僕は芦原の心中を察して同情する。
ハーフパンツか何か借りることができないか聞こ
案の定、恐らく他にウェアでも借りられないかと芦原が口にしかけた瞬間にルールを追加する。
『肌の露出が多いタンクトップとビルダーパンツを着用してトレーニングすることは、筋肉の動きを教えやすいので、パーソナルトレーナーとしては効率がいい服装である』
うと思ったのだが、よく考えてみればできるだけ肌の露出が多い方がトレーナーとして、筋肉の動きを教えやすいのではないか? それに普段から大会で晒すことの多い肉体だ。別に今更見せることを恥ずかしがるのもおかしいことだろう。
「この服装でトレーニングしようと思うんですが、構いませんか?」
ルールは絶対だ。芦原は躊躇せずに、上半身はタンクトップ一枚、下半身は股間のみを覆うビルダーパンツ一枚というトレーナーとしては似つかわしくない衣服を取り出すと僕の前に晒した。これで良いかと聞く彼は、照れ笑いのような表情を浮かべているが、それは恥ずかしいからではなく、僕が不快な思いをしないだろうかという心配をしているからだ。彼にとってその服装は『恥』としては認識できない。そういうルールなのだから。
少しばかり露出が多い恰好のため、嫌がれるかもしれないと懸念していたのだが、意外にも永澤は快く承諾してくれた。
そんな『自然』な彼の様子を見ているだけで、ついつい口元が緩んでしまう。
それに少し話して緊張がほぐれてきたのか、永澤の表情が緩んできたように思える。初日からこの調子ならすぐに打ち解けることができるだろうと、芦原は胸を撫でおろした。
目の前で着替えを始める芦原。
ポロシャツを脱ぐと、思ったよりも汗の籠った匂いが鼻について、芦原は顔をしかめた。デオドラントスプレーをしてきたはずなのだが、身体中がどこかべたついているように感じる。
ポロシャツを脱いだ時に、先ほど僕が楽しんだ残滓を敏感に感じ取ったのか、顔をしかめる様子が見て取れた。
これはなんだ? 汗にしては少し粘り気があるような気がす
すぐにルールを追加してその違和感を打ち消してやる。
るが、あまり気にしないようにと心がけながら着替えを進める。
ついでにビルパンの中の性器のポジションが気になって仕方がなくなるようにルールで思考を操作する。何度も何度も念入りに性器の位置を確かめる芦原。ビルパンを抑えるたびにその膨らみの輪郭がくっきりと浮かび上がる。生で剥き出しにさせることは簡単だが、こうして衣類越しの性器を見るのも乙なものだと僕は思う。僕が満足するまで性器の位置調整、という名目の芦原による自身のチンポの強調作業は続いた。
ビルダーパンツを履く際は、股下の生地が非常に短いため、万が一にでも性器が露出せぬように念入りにしっかりと中に納まるようにポジションを固定した。幸い、ムダ毛の処理は習慣として済ませてあったので、見苦しくは見えないだろう。
最終的に左右をぐっと引き上げて、もっこりが一番目立つ形に整えたところで、芦原は満足したように頷いた。
「では、さっそくトレーニングを始めましょうか」
しっかりとトレーニング用に着替えを済ませ、芦原は笑顔でそう言った。
さて、このボディビルダーにどんなトレーニングをさせていこう。笑顔を浮かべている芦原の筋肉質は肉体を目で楽しみながら、僕は唇を舐めた。