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「大丈夫なのか?」

「ああ、被害届は明朝に出すつもりだ」


 電話越し。気遣う本宮に、武志は答えた。


 本宮は、警察学校時代からの武志の悪友だ。

 現在は白バイを乗り回している。


 被害届というのは、隣人の安川のことだった。

 仕事から帰宅した武志は、ベランダに侵入した安川が下着を盗んでいる姿を目撃した。詰問すると安川は平謝りをして、以前から武志に対して好意を持っていたことを白状した。

 盗まれた下着は戻ったが、それで済ませるわけにはいかない。


 疲労感が押し寄せ、武志はベッドに横たわった。

 本宮に相談したことで少し気が楽になったようだ。

 武志はうとうとと微睡の中に落ちていった。


 翌朝。隣で眠る安川を見て、武志は穏やかな気持ちになった。

 優しく抱きしめて唇を重ねる。

 安川も目を覚まし、ねっとりと舌を絡ませた。武志は快くそれを受け入れる。


「おはよう、僕の武志」


 加齢臭も口臭も、武志には愛おしく感じた。


 なぜなら今日から二人は『新婚』なのだから。


 朝食の準備をしていると、安川は筋肉の凹凸を楽しむように武志を弄った。そして、性器に触れる。

 武志は料理の手を止め、吐息を漏らした。抵抗はしない。

 執拗に扱かれ始めると、ついには勢いよく射精した。

 精液が撒き散らされたキッチンで武志は息を弾ませる。


 目玉焼きは焦げてしまっていた。


 朝食を終えた後、公園に向かった。混み合っている公園内で安川は頻繁にキスをねだる。武志は全て受け入れた。


「武志、何をやってるんだ?」


 ベンチに座り、身体を弄られながら安川とのキスに興じている武志の姿を見て、本宮は唖然としていた。

 本宮のことを武志から聞いた安川は、彼を呼び出すように命じていたのだ。


「本宮くん、君はまだ『独身』なんだってね」


 異様な状況に本宮は思考が停止していた。

 一体何が起きている。


「だけど僕たちも今日から『新婚』だよね?」


 安川は爛々と瞳を輝かせながら、言った。

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