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 「整列!」

 

 伊坂隆次郎の掛け声とともに、塩素の匂いの立ち込めるプールサイドに、鋭くホイッスルの音が響く。それを合図に隊員たちは素早く教官である伊坂の前に整列し、敬礼する。

 伊坂は十二人の隊員たち、ひとりひとりの動きを厳しく観察した。

 

 皆、首元に注射痕を残し、インプラントチップが更新されていることがよく分かる。その証拠に、どの隊員も精悍な眼差しを『青年』に向けている。伊坂自身も、彼が絶対的な支配者であるということを意識するたびに、気が引き締まる思いだった。

 

 彼らの部隊はヒーロー支援部隊、と呼ばれるヒーローのサポートが目的の部隊の一つだった。彼らはもともとヒーローになることを志し、ヒーロー協会に所属した。

 

 しかし、実際のところ、彼らの志の全てはインプラントチップによって歪められていた。もはや、彼らにとってヒーローや平和などどうでもよいことなのだ。己の鍛え上げた肉体で、いかに支配者である人間に奉仕することができるかだけが彼らにとっての喜び、絶対的な価値観なのだ。

 

 「では、今から括約筋のトレーニングを開始する!」

 伊坂は厳しい表情を浮かべると、隊員たちにそう指示した。

 

 伊坂はコーチとして『鬼』になると決めていた。

 もちろん怪我や故障のリスクはやむを得ないことである。何よりも支配者を愉しませることが最優先されるのだ。

 

 人数分、用意されたバケツとシリンダー。バケツの中には真っ白な粘り気のあるゲル状の液体が満杯に入っている。これはあらかじめ用意しておいた特製の浣腸液である。

 

 「まずは俺が手本を見せる。お前たちは『準備運動』をしながらしっかりと見ていろ」

 隊員たちは、「はい」と従順に野太い声をプールサイドに響かせ、競泳パンツ一枚で、分厚い筋肉を余すことなく見せつけるようにポージングを取り始める。一斉にダブルバイセップスを決める隊員たち。身に着けている真っ赤な競泳パンツはまるでビルダーパンツのようだった。

 しかし、それが彼らにとって当たり前のことなのである。なぜなら、筋肉を強調し、男性としての性を強調することは、支配者を愉しませる。故に彼らにとっても好ましいことなのだ。

 

 そんな隊員たちの姿を見た伊坂は満足げに頷くと、躊躇うことなく競演パンツを踝のあたりまで下ろした。勃起していない状態でも一目で太いと分かる立派に亀頭の露出した陰茎が露になる。そんなことは露にも気にしていないという素振りで、彼はプールサイドに仰向けに横たわった。

 毛深い尻の奥の粘膜をよく見えるように脚を広げて固定する。何しろ伊坂は隊員たちのコーチである。立派な手本にならなければならない。

 

 伊坂を中心に扇状に整列した隊員たちの視線が、一斉に彼の肛門に集中する。彼が一瞬の羞恥を感じたその瞬間に、言いようのない悦びに伊坂は筋肉質な身体を震わせた。

 後頭部が少しちくちくするような感覚。インプラントチップから発火した信号が神経細胞を伝い、彼の脳内物質の放出を促していることが分かるようだ。

 本来ならば羞恥を感じる場面を、快感に変えてくれるそのチップに伊坂は心の中で感謝しながら、取りつかれたようにシリンダーを手に取る。バケツから浣腸液を吸い出し、シリンダーの中を満たす。その間に彼の股間はいつの間にか立派に勃起していた。黒々と茂る陰毛からそそり立つそれは程よく色素が沈殿しており、使い込まれているように見える。伊坂は誇らしい気持ちで自らのペニスをひくつかせて、男性としての機能をアピールしていた。

 

 「うっ」

 浣腸液をまぶした人差し指を肛門に差し込むと、伊坂は思わず声を漏らした。何しろ四十近い年齢の彼も自らの肛門で弄ることなど初めてだったのだから仕方ない。伊坂は肛門の位置を確かめると、シリンダーの先を器用に差し込んだ。

 

 「こうやって浣腸液を肛門から大腸に注入する、いいな」

 精悍な隊員たちの心強い返事と、食い入るような視線を感じながら、伊坂はゆっくりとシリンダーを押し込んだ。

 「うぐ……」

 外部から与えられる腸内への刺激にと呻き声が漏れる。ごつごつした男らしいその手によって、シリンダーの中の浣腸液はみるみるうちに減ってゆく。シリンダーの中身が空になると、伊坂は脂汗を滲ませながら、ふうと息をついた。

 

 気が緩んだ途端に肛門から少し浣腸液が漏れてしまう。それと同時に彼の勃起した陰茎の鈴口からは我慢汁の大きな一滴がつぅと竿を伝っていった。

 

 伊坂は腹の痛みと、頭の奥底からムラムラ湧き上がる『このままオナニーに耽りたい』という強い欲求を強い精神力で堪えながら、再びシリンダーの中を浣腸液で満たす。そして舌なめずりしながら、衆人環視の中、再びそれを肛門に突き立て、あぁ……と情けなく声を漏らした。

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