【裏バニー小説】神田店:初出勤バニーさん(檜山アオイ・20)の場合③ (Pixiv Fanbox)
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翌日の大学
いつもと同じ広い教室、いつもと同じスライド。
でも──座っているのは“昨日とは違う自分”だった。
教授の声が上を通り抜けていく。
字面は追っているのに、頭の奥がずっとふわふわしている。
胸の奥に残った昨日の熱が、まだ完全に抜けていない。
(……はやく終わらないかな)
講義の内容ではない。
ただ、早く“ひとりになれる場所”に行きたかっただけだ。
トイレの個室でも、屋上でも。
昨日のことを思い返した瞬間に込み上げてくる、あのどうしようもない甘いざわつきを、
早く、どうにか落ち着かせたかった。
──でも。
(もし、大学の誰かに気づかれたら……どうするんだろう)
視線が教室の後ろをひとまわりする。
もちろん、誰も気づくはずがない。
けれど、“あの格好”をした自分が、あの店であれだけ見られていた自分が、
この空間に混じっているという事実だけで、
背中に微かな震えが走る。
(バレたら……絶対終わる。
でも、想像したら……なんでこんなに……)
太ももの内側に、昨日のハイレグのラインがふっと蘇る。
鏡の前で直視できなかった自分。
ホールに踏み出した瞬間、視線の波が全身を包んだあの感覚。
そして、やさしいお客さんがくれたバニードリンク。
緊張がほどけた瞬間、ふっと笑ってしまった自分。
──トイレに逃げ込んで、声を押し殺しながら触れた胸元。
昨日の自分の息の速さまで、思い出せる。
(だめ、だめ……こんなの大学で思い出すなんて)
机の下で、指先がきゅっと丸まる。
体の奥がひとつ波打った。
そこに、スマホが震えた。
画面:
<店長バニー>
「昨日の体験、ありがとう! 写真できたよ〜。
めっちゃ可愛いから安心してね、添付しとく」
心臓が一段強く跳ねた。
“添付”の文字が、視界の中心でゆっくり光る。
開いてはいけない──
そう分かっているのに、指が勝手に動いた。
画像が開く。
昨日の自分。
ウサ耳、蝶ネクタイ、白いカフス。
そして、あのハイレグ。
少し緊張した顔。
でも、どこか楽しそうに笑っている。
(これ、わたし……?)
胸の奥が急に熱くなる。
太ももが押さえつけられるみたいにムズムズして、
スカートの中で膝が触れ合うたび、
身体の中心に小さな火が落ちていく。
(お願い……はやく終わって)
教授の声はもう完全に遠い。
スマホの画面に写った“昨日の自分”だけが全てになっていく。
指が机を握りしめる。
息が浅くなる。
(……わたし、こんな顔してたんだ)
息が詰まり、
思わず太ももを閉じる。
講義はまだ終わらない。
なのに、心臓ばかりが速くなっていく。