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「いらっしゃいませ」

店内に入ると、芳しいコーヒーの香りといつもの落ち着いた声に迎え入れられる。

Cafe Morgana

駅から10分。雑居ビルの裏路地にある隠れ家的な喫茶店だ。

ガラス張の瀟酒な外観。内装はウッドとスチールを組み合わせた家具で統一されており、立ち寄った人々の心安らぐ空間となっている。

本日のコーヒー、カフェオレ、エスプレッソ等のドリンク類はもちろん、バケットサンドやケーキも充実している。レジの近くでは、コーヒー器具やその日に焙煎したばかりのコーヒー豆も販売しており、僕もたまに購入して帰る。

「あら、葵君。今日もお勉強しにきたの?」

この人は咲間千春さん。

27歳という若さで、この喫茶店を開き、店長を務めている。ちなみにお隣さんでもある。

一言で表すと、母性を擬人化したかのような女性だ。おっとりとした性格。世話好きで優しく、料理の腕も抜群。特に彼女の作るベイクドチーズケーキは絶品である。

長い亜麻色の髪に、垂れ下がった目元、潤んだ唇の下には艶やかなホクロがある。スタイルも良く、エプロン姿でも隠しきれないほどの豊かな曲線美が浮き出ていた。

「毎日えらいわねぇ。いつもの席、空いているからどうぞ」

壁際に向かって足を運ぶ。

仕切りのついたテーブルと壁でコの字に囲まれている。カウンター付近に位置するこの空間が僕のお気に入りだ。毎回ここに来ると、この場所を選んでいる。周りの客の目から遮られているため、勉強が捗るのだ。

とはいえ、何も頼まずに何時間も居座るのも良くない。

「すいません」

店員を呼ぶと、千春さんの双子の妹である千夏さんが来た。

「おやおや、葵君じゃん。何? 私に会いに来てくれたの? 照れるなー」

千夏さんは姉と異なり、人をからかうのが好きなのだ。

千春さんが母性なら、彼女は姉性である。

切長の目を細め、妖艶な眼差しで相手の反応を窺う。その表情はサディスティックで、思わず目を逸らしたくなるほど。

スタイルはさすが双子と言ったところで、申し分ない。身長は姉より5cm大きく、185cmはある。ちなみに僕より20cmも大きい。

この喫茶店は美人で高身長の双子姉妹でも有名である。

「違いますよ。勉強しに来たんです」

千夏さんは訝しむ。

「へー……勉強ねぇ。そういえば、この場所、姉さんがコーヒー淹れているところ見放題よね。あーんな美人でスタイルの良い人が働いていたら、集中力続かないような気がするけどなー」

「……本日のコーヒーを1つお願いします」

「おや、逸らされてしまった。えっと、本日のコーヒーはブラジルになります。ご一緒にデザートはいかがですか?」

「いや、コーヒーだけで大丈夫です」

バイトをしているとはいえ、ほぼ毎日通っていれば、金の減るペースも早い。

コーヒーとケーキで1000円近くかかる喫茶店。

学生にはお高い。

シフトを増やせば、いろいろなメニューを注文できるが、必然的にここに来る時間が減る。

それでは本末転倒だ。

「姉さん、最近葵君の話ばっかりするのよねー。勉強頑張っててえらいとか、私にできることがあれば協力してあげたい、とか。ほら、世話好きで、しかも年下好きだからさー。相当気に入られているみたいだよ?」

「……ベイクドチーズケーキを1つもお願いします」

「ふふ、ありがとうございます♪」

また千夏さんの口車に乗せられ、追加注文をしてしまった。

彼女が注文を取りに来ると、毎回ケーキもセットで頼んでいる気がする。

ま、まぁ、勉強頑張っている自分へのご褒美ご褒美。

参考書を開き、コーヒーが来るまで問題を解く。

※※※

「『ブラ♡』ジル、お待たせしました」

耳元で囁かれ、ビクンと身体が跳ねた。

案の定、そこにいたのは千夏さんだ。

「ふふ、お耳弱いのねー。可愛い♡」

「集中力切れたんですけど……」

「なら、コーヒーブレイクってことで。はい、姉さん特性ベイクドチーズケーキ」

「どうも……」

チーズの焦げ目のついた上面、側面は淡い黄色。濃厚でなめらかな舌触りとタルト生地の甘くザクザクとした食感のハーモニーがたまらない一品。備え付けに生クリームが付いている。

この喫茶店でこれ以上にコーヒーと合うケーキはない。

彼女は商品を並べ終えたが、何故か戻らない。

「えっと……仕事戻らなくていいんですか?」

「今、他にお客さんいないのよねー。ぶっちゃけ退屈。勉強教えてあげよっか?」

「え、できるんですか?」

千夏さんは頬をむっと膨らませた。

冷たそうな顔でそういうことされるとギャップでグッと来てしまう。

「失礼ねー。これでも国立出てんのよー?」

「スポーツ推薦ですか?」

「へぇ……君って結構生意気なのね。確かにスポーツ推薦はあったけど他に譲ったわ。あ、そこ間違えているわよ」

どうやら実力は本物らしい。

それなら利用しない手はない。

「じゃあ、ここ教えてもらっていいですか。なんかよくわからなくて」

「一箇所につき、1品注文で教えてあげる♡」

「……鬼ですか」

たわいのない会話をしていると、入り口の扉が開いた。

来客である。

20代くらいの女性が入ってきた。

「いらっしゃいませー。おひとり様ですか? お好きなお席へどうぞ」

きびきびとした接客に営業スマイル。

すごい慣れているな。

僕はコミュニケーションが苦手なので、素直に感心する。

さて、いい加減手をつけないと、コーヒーが冷めてしまう。

コーヒーとケーキのセット、総額800円。

大事に喫食しよう。

一通り勉強が終わるころには1時間半経過していた。

「そろそろ帰るか」

上着を羽織り、帰る支度をすると、その様子を見ていた千春さんが歩み寄ってきた。

「葵君、もう帰る?」

「はい。キリがいいので。コーヒーとケーキ美味しかったです」

「お粗末さまでしたぁ。ごめんね、千夏がちょっかい出したみたいで」

「ちょっかいじゃないし、営業トークよ営業トーク。こうしてケーキの売り上げを1個増やしているんだからいいじゃない」

近くにいた千夏さんが会話に入ってきた。

「そうは言っても……葵君、嫌だったらいつでも言ってね? 叱っておくから」

「もう慣れっこですよ。千夏さんは常に誰かをからかわないと死んじゃうマグロみたいな人ですから」

「いやん、マグロって言われたー。恥ずかしいー」

両手で顔を隠し、体を左右に揺さぶる。

何やってんだこの人。

「千夏ちゃん? あまりオイタしちゃダメよ?」

にっこりと目を細め、いつもの口調で優しく諭す。

しかし、目が笑っていない。

何故か妹の手を恋人繋ぎしているか謎である。姉妹での何か意味することがあるのだろうか。

「……ひッ‼︎ わ、わかってるわよー」

千夏さんの身体がビクリと跳ねる。

僕の身体には知らぬ間に鳥肌が立っていた。

千春さん、怒った時の圧が半端ないな。

「ああ、そうそう。これ、ポイントカード。新しく導入してみたから、どうぞ。今日の分と今まできてくれた分のスタンプ押しておいたから、次来てくれた時は無料でコーヒーと軽食を提供するね」

「え、いいんですか? そんな以前の分までつけてもらっても」

「太客ですから」

「ありがとうございます」

ポイントカードを受け取り、レジで会計を済ませると、店を後にした。

※※※

Cafe Morganaから帰ると、その日の晩にするルーティンがある。

あの空間で学んだことを反芻するのだ。物事を定着させるには反復練習が欠かせない。

記憶は当てにならないと、エビングハウスの忘却曲線が物語っている。

さて、では始めようか。

間違った問題の解き直し? 違う。それ以上に大事なことがある。

椅子にもたれ、ズボンを脱いだ。

何故、毎日あの喫茶店を通っているか。

勉強なら家でやればいい。それはカモフラージュに過ぎない。そもそもグラマラスな美人姉妹が働く店内で、勉学が捗るわけがないのだ。

癒し。目の保養。

コーヒー代が安く感じるほど、たくさんのリラクゼーションを摂取している。

片手でスマホ持ち、Cafe Morganaを検索する。カフェのホームページにして珍しく、従業員紹介が記載されており、そこには千春さんと千夏さんの写真がある。

早速、作業にかかった。スマホを持つ方の手首に香水を1噴霧かける。

千春さんと同じ香りのする甘い香水。

自分で調べたわけではない。僕をからかう千夏さんが、何の目的かこっそりと伝えてきた時があったのだ。

たまたま香水が欲しくて、たまたま千春さんがつけていた香水が、自分の好きな香りと同じであったため購入した。

ただ、普段使いはしていない。

ほぼ毎日喫茶店に通っているんだ。自分と同じ香水を使っていれば、いずれは千春さんバレてしまう。

だから、こうやって自家発電の時のみ用いている。せっかく購入したのに、使わないなんてもったいないからな。

僕はイヤホンをつけ、千春さんと声質が似た声優による囁き、耳舐めASMRを流した。

これで完璧。あとは思う存分やるだけ。

「千春さん……千春……さん」

一人暮らしはいい。声を上げても家族に聞かれる恐れがない。実家の時は部屋に鍵がなかったため、家族の足音に細心の注意を払いながら抜くというマルチタスクをしていた。

「千……春……さ、ん」

うっとりするような甘い香りと脳を貫く耳舐めの快感、今行っていることの背徳感に煽られ、徐々に手の動きが早くなる。

耐え難い射精感が上ってくる。

「はぁ……はぁ……」

欲望をテッシュに吐き出した。

音声の方もちょうど止まり、手を洗いに立ち上がる。

すると、背後で物音がした。

思わず振り返る。

泥棒であったら、どれだけ良かったか。

目線の先には千春さんが立っていた。

「えっ⁉︎ 千春、さん……何で」

「作り過ぎちゃってお裾分けしようかなーって思ったんだけど……お邪魔しちゃったみたいね」

嘘だろ。そんなオカズにしていた張本人に見つかるなんて。

「えっと……いつからそこに」

「あはは……イヤホンつけるところから……」

「…………」

「…………」

ゆっくりとズボンを上げる。

狭い部屋に沈黙が続く。

気まずいどころの騒ぎではない。

死にたくなる。

千春さんは重い口を開いた。

「その香水……私が使っているのと、同じもの……だね」

これ以上ないほどの的確な指摘に僕の心が折れかかる。

「そ、そうなんですか……ぐ、偶然ですね」

いや、誤魔化せないだろ。

帰宅後に自慰しながら同じ香りの香水使っているんだぞ。

「葵君ってさ……もしかして」

ドクンドクンドクンッ‼

心拍数が跳ね上がった。緊張で呼吸が浅くなる。

どうしてそこで区切る。

次に紡がれる言葉は何だ。

変態?

千春さんにそんなことを言われたら立ち直れる自信ない。

二度とMorganaに行けなくなる。

それならいっそのこと自白するか? 自分から言った方がダメージを軽減できる。

「じ、実は——」

「私のこと……好き?」

思いもよらず言葉に、頭の中が真っ白になる。

僕は千春さんが好きだ。こくりと首を縦に振った。

「わぁ、嬉しい。じゃあ……やっぱり両想いだね」

…………え?

今、千春さんはなんて言った?

両想い? つまり、千春さんも僕のことを?

頭の中を嬉しさと困惑が混ざり合う。

これは現実なのか。

いや、待て。仮にそうだとしても、現在は違うのではないか。

千春さんをオカズに自慰している姿を見て、好きは嫌いになったのではないか。

僕はそれを聞かずにいられない。

「み、千春さん。でも、ほら。今の僕はただの変態ですよ。千春さんと同じ香水をつけて、千春さんの画像で……シテる変態です。失望したんじゃないですか? ははは……」

目を合わせられない。

自分で言って情けない。

せめてこんな状況以外で両想いと知ることができたら。

ツいてないな。一番ダメなバレ方だ。

不安げに千春さんを見る。

すると、彼女は小首を傾げ、「なんで?」と言った。

「なんでって……」

返答に困る。これ以上、自分の汚点を深堀したくないのだが。

「私だってシテるよ。葵君のこと考えて、毎日毎日。今日も、さっき君が使ったコーヒーカップをオカズにしたばかり」

「えっ……」

「ふふ……両想いだったんだ。よかったよかった。実はね、もう結婚式会場予約してあるの。式は明後日♡」

「え、いや……予約? え? 明後日?」

次々と驚きが襲いかかる。

そんな僕に構わず、千春さんは一枚の紙を取り出した。

「ほら、婚姻届持ってきたから……書いて?」

結婚したいかと言われれば、その通りである。

普通に嬉しい。嬉しいのだが。

婚姻届を差し出した千春さんが、にっこりとほほ笑む。

嬉しさより恐怖が勝る。

千春さんって……実はやばい人なのでは。

恋は盲目、愛が重いというのは、外から見る分には良いが、実際当事者になってみると考え物だ。

「す、少しお時間もらってもいいですか」

「ダーメ♡ 時間ないの」

「そんな、いきなりは……。まだ付き合ってもいないんですよ?」

「でも、私たち。お互いをオカズにして自慰してたわけじゃない? 今更、付き合う必要あるかな? 恋人の段階を飛ばして、すぐに夫婦になっちゃおうよ♡」

千春さんはカレンダーを見る。

今日は10月9日。明日はスポーツの日。

つまり祝日。

「明日はお店休みだし、葵君も学校ない。だから、今晩から始めようと思うの。そうすれば葵君も書きやすくなるんじゃないかな?」

「始めるって……何をですか」

「ふふ、そんなの決まっているでしょう?

夫婦の営み♡」

服を捲り上げると、肉欲を唆る圧倒的な雌の身体が露わになった。

むんわり……♡♡♡♡♡♡

火照った身体と甘い香水の香りが混ざり、蒸され、服の中で濃縮された妖艶な熱気が溢れ出す。

「う……ぁぁ」

発情した女の香が鼻の中を埋め尽す。

足から力が抜け、床に尻もちをついた。

身体が耐えられなかった。

100cmは軽く超える巨大な乳房。それを包む黒のデカブラ。片カップが僕の顔以上ある。もうこれより上のサイズがないのか、どっぷり……♡と、乳肉がブラカップから溢れ出している。重量感たっぷりのそれを支えるブラ紐は当然のことながらギチギチに伸び、いつ千切れてもおかしくない。深く長い谷間は肉厚で柔らかく、より一層濃いメスの香りが放たれる。

エプロン姿でもスタイルが良いのはわかっていたが……まさかここまでとは。

こんな凶悪なものを服の下に隠しながら、カフェの店長として働いていたなんて。

グラビア業界に入れば、即人気ナンバーワンになるに違いない。

身体の作りが常人のそれを超えていた。

思わず淫魔か乳魔の血が混ざっていないか疑いたくなるほど。

彼女の身体と比べたら、巨乳グラビアが貧乳と化す。

太刀打ちできるのは、妹の千夏さんくらいだろう。

「夫婦になるんだから、この身体……全部葵君の好きにしていいんだよ?」

ドクンと心臓が跳ねる。

目の前の恵体を好き放題だなんて。

とてもじゃないが、僕には扱いきれない代物だ。

それにまだ、婚約すると決めたわけじゃ……。

動揺している僕に構わず、千春さんが近づいてくる。

たゆゆん♡ふにゅにゅん♡

ギチ……ギチ……

歩くだけで乳肉は柔らかく揺れ、伸びたブラ紐が悲鳴を上げる。

光景と音が脳裏に焼き付く。

圧倒的な淫靡を見せつけられた。

「はぁ……はぁ……」

目が釘付けになる。

一歩一歩近づくたびに、理性を削られていく。

拒まなければ、抵抗しなければ。

もっと深く堕ちてしまう。

しかし、その気力さえも奪い去るほど強烈な色香に魅了され、逃げることすら不可能になる。

「はぁ……あ、あれ? 立て、ない……」

「腰、抜けちゃった? じゃあ……逃げられないね♡」

妖艶に細めた目。唇を舐める長い舌。

加虐的な言葉で僕を煽る。

背筋にゾクゾクとした刺激が走った。

圧倒的な官能を纏った千春さんは、まるで淫魔のようであった。

普段から魅力的な容姿がより極まる。

「待って……千春さん、止まって」

僕の懇願は虚しく、彼女は歩みを止めない。

そして、

「ここなら葵君の顔、じっくり見られる♡」

眼前まで近づくと、僕の目線に合わせて床に座った。

鼻先が触れてしまいそうだ。

おかげで濃厚なメスの甘い香りが容赦なく鼻をくすぐる。

離れた距離でさえ、うっとりするような濃さ。そんな香りを漂わせる千春さんは今、至近距離にいる。

視界に映る妖艶な顔、嗜虐的な目に見つめられ、恥ずかしさで顔を背けたいのに、身体が思うように動かない。

脳を蕩けさせる淫香に晒され、一瞬、黒目が瞼の裏に隠れた。

「ふふ……いいことしてあげる♡ 気を失いかけている葵君に見せたら、お漏らししちゃうかも♡」

千春さんは悪戯っぽく言うと、両腕を後ろに回した。

すると、

プチ……パチ……プチ

千春さんの背後で3度音が鳴り、デカブラが外された。

目の前で披露されたブラ外しに、心臓が激しく鼓動する。

重たげな乳肉はブラの支えがなくなり、どたゆんと大きく揺れる。

あまりにも重量感たっぷり波打つ様子に、肉棒が痛いくらい激しく反応した。

「ブラジャー大きいでしょ? この辺でここまで大きい子、なかなかいないよね。千夏くらいかな。

 ほら、見て? サイズ書いてあるから、ここ読んでごらん?」

ブラから放たれる淫香を吸い、目が蕩ける。

ぼやけた視界でなんとか見る。

突き出されたブラのタグには、こう記載されていた。

サイズ

 アンダーバスト 75

 バスト     110

      K75

Kカップ。

A、B、C、D、E、F、G、H、I、J……K

11番目。

カップ数もさることながら、バストサイズも常軌を逸していた。

110cm。

100overの乳房。

「これも窮屈だから、近々新しいの買おうと覆っているんだけどね」

先ほど見た下着姿の千春さんを思い出す。

バストはブラから溢れていた。

つまり、実物はこれ以上。

改めて千春さんの胸がとんでもない凶器であったと思い知る。

ブラが視界から外されると、そこには全貌が明らかになった乳肉が現れた。

薄ピンク色の乳首に、綺麗な円を描く乳輪。サイズが胸にフィットしており、息を呑むほど美しかった。

あの生乳を思う存分揉みたい、甘やかされながら吸いたい。

内から強烈に湧き出す劣情に駆られる。

ここはボーダーライン。精神の境界線だ。

誘惑に負け、欲望のまま欲すれば、極上の快楽を受けられるだろう。きっと千春さんも拒みはしない。

しかし、それは同時に僕の廃人が確定するということだ。

「気を失わないように我慢するのも限界って感じかな? 仕方ないよ。だって……」

唇が耳へと近づく。

むにゅりと柔らかく乳肉が潰れた。それは極上の感触であり、柔らかいだけではなく、心地よい弾力を孕んでいた。

初めて味わう感触に興奮が抑えきれない。

ビクリと跳ねる僕の身体を、両手で優しく抱きしめると、

「私……淫魔だもん♡」

可愛らしく囁いた。

熱い吐息が耳の奥へと注がれ、またしても気を失いかける。

「だから、葵君じゃ絶対私に敵わない。力も……性欲も♡」

千春さんは、おもむろに僕の使用したばかりの右手を取ると、人差し指に唇を近づけた。

「はぁむ♡」

すると、指を咥えた。

「ちゅぷ、ちゅ、ちゅっ♡ ぢゅるる♡」

「ん、あぁぁぁ……」

艶めかしく動く舌肉、熱く蕩けた唾液、吸い付いた唇。

上目遣いで反応を窺いながら、性欲を煽るねちっこい指フェラをする。

「れろぉぉぉ♡ ふふ、美味しい♡ ちゅっ、ぢゅる♡ ぢゅるるるッ♡ ぢゅぼぢゅぼ♡」

「くっ……気持ち……ぃぃぃ」

性感帯でもない指が、まるで肉棒をフェラされているような快楽に陥る。

ざらついた舌が第1、2関節を舐め上げ、曲がった指の反対側がとろっとろの上顎の粘膜に浸かった。

唾液が染み込んだ熱い濡肉は鳥肌が立つほど気持ちがいい。

指紋を消す勢いで肉厚の長い舌が指に這いずり回る。

激しい指フェラ。

自分のものだと言わんばかりにしゃぶりつくし、文字通り唾をつける。

バリスタにとって、命よりも大事な舌。慎重に扱い、ケアをしておかなければならないそれを、コーヒーの味を確かめるのではなく、僕の指の味をカッピングしている。

しかも、自慰後の指を。

「ぢゅるるッ♡ ちゅぱっちゅっぷ♡ ぢゅぢゅぢゅぅぅぅぅ♡」

彼女からしたら、自身の舌より僕を優先するのは何の不思議もないのだろう。でなければ、躊躇いもなくこんなことをするはずがない。

それほどまでに、僕は愛されているのだ。

重い、重い愛情に。

「ちゅぱっ♡ ちゅうちゅう♡ れろれおっれろぉぉぉ♡」

ずっと憧れだった千春さんが。

いつも優しく母性に満ちた千春さんが。

今、性欲をむき出しにし、僕を犯している。

明後日に結婚式を挙げる予約を完了させて、全力で僕を堕としに来ている。

「ぢゅるるる……ちゅぽん♡ 身体悶えっぱなし♡ 指でこれだと……」

千春さんの手が艶やかに動き、ズボンの中に侵入してくる。

「こっちを咥えたらどうなっちゃうのかな?」

爪でカリカリと、パンツ越しに勃起した肉棒を甘く引っ掻いた。

「んッ……くっ」

むず痒い快楽に身体が跳ねる。

射精には達しない。しかし、勃起を煽るには十分すぎるほどの刺激。

「いい反応♡ おちん○んに触れずにどこまで悶えさせられるか試したくなっちゃうなぁ……♡」

床に転がったデカブラを摘まみ上げると、

「ふふ……ここに脱ぎたて温もりつきのデカブラがあります」

手品でも始めるかのような口調で言った。

「種も仕掛けもない、子種搾り用色仕掛けブラジャー♡ これを葵君に被せると……」

2つのデカブラカップをヘッドフォンのように着けられた。

ただし、塞がれたのは耳ではなく、顔面と後頭部だ。

「んぐーーッ♡♡♡」

「何度も何度もおちん○んを跳ねさせて、悶えてしまいます♡」

デカブラに長時間詰め込まれ、濃厚となった母性の残り香と温もりに包まれる。

どこか懐かしさを感じさせる甘く、優しい、安心感のある心地良さ。

いつも世話を焼かれ、温かく見守られ、優しく愛されていた。

溢れんばかりの母性が記憶を改竄し、強制的に千春さんの息子へ生まれ変わる。

「ほら♡吸って吐いてー♡ 私の香りで頭の中、気持ち良くしようねぇ♡

 何も考えられないくらい真っ白にして♡ 千春ママの赤ちゃんになっちゃお?」

ゾクゾクとした感覚が背筋に走る。

千春さんの子供にされる恐怖と期待。毎日たっぷりと甘やかされるだろう。

それこそ彼女なしでは生きていけないくらいに。

邪な想像。淫靡な妄想。

手を伸ばせば、簡単に叶ってしまう。

快楽に身を委ねれば、もう後戻りはできない。

極上の身体と欲求不満の性欲に振り回され、満身創痍になった理性があと一歩を圧し留まる。

「すぅ……ん゛あ゛ぁぁぁ」

しかし、呼吸は止められない。

甘い淫香が脳に突き刺さる。肺に詰め込まれる。

息を吐いても香りが抜けない。

「もっと追い込んじゃおうっと♡」

千春さんは両手でデカブラを圧迫された。

カップ内側の柔らかな生地がより密着し、

「ふぐっ‼ う、ぐッ……ん゛ん゛ん゛――ッ‼」

濃厚さが桁違いに跳ね上がる。

おっぱいの香りが……すごっ……ぃ。

強制的に嗅がされる香り責めに、一瞬気を失いそうになる。

意識を保つために呼吸をすると、再び媚薬の香に犯された。

「葵君のおいしそうなお耳♡ 指フェラしたお口でぇ♡ ねっとりとしゃぶっちゃうね♡」

耳元に近づく唇。

意識を剥がされるような甘い声音で囁かれる。

デカブラの隙間から出た耳目掛け、

「はぁむ♡♡♡」

熱く濡れた口内に包まれた。

「ぐ、ん゛ん゛ーーッ‼」

「こら……ぢゅぶっ……ぢゅるるるッ♡ ちゅぱ……暴れないの♡ ちゃんと……れろぉぉぉ♡ ちゅぷちゅぱっ♡ ……大人しくして?♡」

吐息、声、唇の吸い付き、舌の蠢き。

喋りながら合間合間に耳を舐めるせいで、この四つが不規則に襲い掛かり、いくら身構えても刺激に慣れが生じない。

「う゛ッ……あ゛ぁぁぁ」

「ぢゅっ、ぢゅるるるるるッ♡ あっは、良い反応♡ ぢゅるれろ♡ ぢゅれろえれぉぉぉ♡ ビクビクが……ぢゅっぶぢゅっぶ♡ 止まらないねぇ♡ ちゅぅぅぅぅ……っぱ♡ 本当可愛いなぁ♡」

それに顔面と後頭部をデカブラ越しに掌で押さえつけられているため、絶対に逃げられない。

淫魔の香り責め耳舐めの快楽。

熱い唾液がゆっくりと、ねちっこく。

理性を溶かすかのように奥へと流れていき、艶めかしい熱の移動を耳内で感じる。

「我慢……ぢゅっ♡ ぢゅぢゅ……しなくていいんだよ? んちゅ♡ ちゅぷちゅぷ♡ ぢゅるる♡ ほら……れろえれろぉぉぉ♡ 力を抜いて……っちゅっちゅっちゅ……イけ♡」

「お゛ッ‼」

普段ではお目にかかれない命令口調に肉棒が跳ねた。

強烈な射精欲に駆られる。

前立腺が熱く疼き、大量の我慢汁が溢れ出す。

「あら……よく耐えられたねぇ♡ さすがに出しちゃうかなって思ったのに……♡」

「うっ……ぁぁぁ」

自分でも射精しなかったのが不思議である。

肉棒に触れられていないとはいえ、絶頂するには十分すぎる強力な刺激であったのだ。

「じゃあ……そろそろ本気で搾っちゃおうかなぁ♡♡♡」

千春さんの声音が、より甘ったるく、そして刺激的になる。

溢れ出した膨大な母性に、ちょっぴりSッ気を孕んだ様子は興奮せざるを得ない。

「葵君、オナニー中だったから……ズボン脱がせられなくて残念」

ぽつりと呟いた。

「本当はね、料理、洗濯、掃除の家事はもちろん、着替えやお風呂、性処理まで……全部お世話したいの♡♡♡

 葵君のことが好きで好きでしょうがない♡♡♡

 気づけば君のことばかり考えているの♡♡♡

 どうすればこの気持ちを伝えられるかって、本気で悩んでいたんだよ。

 告白して振られたら立ち直れる自信ないし……。

 でも……今日、絶好の機会に遭遇したの♡♡♡」

口角を上げ、柔和に微笑む。

ハートマークを宿した瞳は僕を捉え、閉じ込める。

僕が彼女の枷を外してしまった。

解き放たれたのは、愛情を注ぐことに飢えた淫魔であった。

「千春ママに……全部委ねてくれない?」

悪魔の取引に身体が震えた。

僕の欲望に寄り添い、破滅に誘う。

「そしたら葵君もとっても幸せになると思うの」

ぽつり、ぽつりと事実を口にする。

そこに返答を挟む余地がない。

千春さんは会話しようとしているのではなく、これから僕が辿る道を告げているだけ。

「もちろん私も幸せだよ?」

「毎日葵君を味わえるなんて夢みたい♡」

「たっぷりの愛情を心と身体に注いであげるの♡♡♡」

「一週間……いや、それじゃ少ない。

 最低でも一か月は仕事を休んで、ずっとHするのもいい♡♡♡」

「楽しい思い出……2人でたっくさん作っていこうね?」

「じゃあ……」

言葉が止まる。

ついに始まってしまう。

千春さんは自身の太ももの上に僕の両脚を乗せた。

そして、僕の顔からデカブラを取り上げると、それを使って背中の後ろで両足首を縛った。

強制パイズリだいしゅきホールド。

僕が千春さんの胴体を太腿で挟んでいるため、傍から見れば、ねだっているかのように見えるだろう。

しかし、実際は絶対に逃がさないという意志の表れ。

あくまで主導権はパイズリする側にある。

今、射精させられたら、千春さんの誘いを断る気力はない。

想像させられ、煽りに煽られ、僕の頭の中は彼女のことで占領されている。

すっかり期待してしまっているのだ。

「溜め込んだ濃厚精子……乳内で瞬搾してあげる♡♡♡」

左右に靡いた色白の乳肉を重たげに掬うと、

むにゅぎゅ……♡

優しく包み込んだ。

「うっ……やわら……ぁぁぁ」

思わず声が漏れた。

中心に集められた双乳は柔らかく密着し、乳内でチ○コを甘く漬ける。

溢れた我慢汁は谷間を魔性の感触に変え、軽く挟まれているだけで鳥肌が立つほど気持ちがいい。

圧は強くないのに異常なまでの射精欲が襲い掛かった。

まるで、あまりの快楽に睾丸が耐えきれず、ドロリと溶かされた挙句、漏れ出した精子が上って来るかのよう。

下半身の筋肉が緩む。射精のカウントダウンは止まらない。

「我慢……む、り……あ、ぁぁぁッ。もう……出」

どぷっ……どく……どくどく

肉の快楽に飲み込まれ、開始数秒で果てた。

柔らかな乳内で勢いのない射精をする。

これではお漏らししているみたいだ。

「おっぱいおむつに包まれて、安心しちゃった?♡♡♡

 瞬搾するっていったけど……こうじゃないんだけどなぁ♡♡♡

 まだ軽いスキンシップ、包乳しただけ♡♡♡

 パイズリは……これからだよ?♡♡♡」

そう言うと、千春さんは両腕を左右に広げた。

抱き締めてあげるから私の胸に飛び込んでおいでと、優しく甘やかすかのように。

これは……魔性だ。

男も女も関係ない。

誰が相手だろうが、ダダ漏れとなった魔性の母性に心を奪われる。

「愛情……いっぱい注いであげる♡♡♡」

みっちりと巨乳を抱き締めた。

魔性の母性を孕んだ濃厚な乳圧が、愛情たっぷりに降り注ぐ。

「お゛ッ……う、あああッ‼」

びゅっるるるッ‼ ぶびゅぅぅぅぅぅッ‼

一瞬、肉棒が快楽で溶かされたと錯覚するほど強烈な刺激が走った。

反動で腰が壊れるくらい勢い良く乳内射精させられた。

体感したのは、およそ人間の器には過剰すぎる愛情と母性。

身体と心が充実した幸福と安心感に包まれる一方、その対価として肉棒からはエグい量の精液を搾り取られる。

「あ、あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁ……と、止まらな……ん゛ん゛ん゛ッ‼」

どっびゅッ‼ ぶっびゅッ‼ びゅうぅぅぅ……びゅぐるるるるッ‼

壊れた蛇口のように止めどない吐精。

快感を味わう余裕などなく、ただただ喘ぎ、精液を貢ぐ。

「まだ……まだ出したりないよね♡♡♡

 もっと搾り取ってあげる♡♡♡

 もっと堕落させてあげる♡♡♡

 私なしでは生きられないくらい……に♡♡♡」

千春さんの両腕の隙間から豊満な乳肉がむにゅり……♡ と溢れ出し、腕を飲み込んでいた。

乳腺たっぷりの双乳が、とろふわな感触をチ○コに染み込ませ、マーキングする。

僕が彼女の所有物だと、理解できるように刻み込む。

「あ゛あぁぁぁッ‼ し、死ぬッ……気持ち過ぎてッ、死んじゃうぅぅぅッ‼」

快楽地獄だ。

射精以外何も出来ない。

何もさせてもらえない。

堕ちる、堕ちる、堕ちる。

母性と愛情に満ちた底なし沼に沈んでいく。

「ふふ……大げさだね♡♡♡」

千春さんはそういうと、無慈悲に微笑んだ。

「喋れる内は平気だよ?♡♡♡」

ぎゅむっ、にゅぅぅぅぅぅぅ♡

濃厚な乳圧が蕩け出す。

谷間の中に充満する。

巨大な乳肉ごと抱き締められたチ○コに更なる負荷がかかった。

黒目が瞼の後ろに隠れ、気絶しそうになる。

「お゛ッ……う゛……ぐ」

喉から情けない悶え声が漏れた。

彼女の宣言通り、瞬搾される。

しかし、一回ではなかった。

瞬搾されながら瞬搾され続ける。

搾り尽くされたと同時に精子が満タンになる。

人間ではありえない回復力。

それも全て淫魔の能力なのだろう。

でなければとっくに僕は搾精死しているはずだ。

終わらない。

射精の勢いも千春さんのパイズリも終わりがない。

「じゃあ、そろそろ……動かすね?♡♡♡」

僕は思い出した。

なぜ今まで忘れていたのだろうか。

彼女がまだ乳圧をかけただけで、ズリ擦っていないことを。

「射精……何時間したい?♡♡♡」

「……ひっ、助け……」

「私はね、葵君のこと♡♡♡

 毎日24時間射精させてあげたいなぁ♡♡♡」

乳圧の増したみっちみちの谷間が上下に弾む。

媚薬に突っ込まれたかのように灼ける快感。

射精よりも先に意識がぶっ飛んだ。

びゅぐるるッ‼ ぶびゅぅぅぅぅッ‼ どっびゅ、ぶっびゅッ‼

びゅっびゅっ、びゅるるるるッ‼

どっびゅうううぅぅぅぅぅぅッ‼

※※※

「あ、やっと起きた♡♡♡

 式まで時間がないって言ったのに、気絶したら勿体ないでしょう♡♡♡」

目を覚ますと、相変わらず両腿は千春さんのウエストを挟んだままであった。

肉棒は解放されており、腹部にぐったりと倒れている。

意識を失う前とは比べ物にならないほどの精液が双乳の上に積もっていた。

「気を失っている間も、しっかり搾っておいたよぉ♡♡♡

 おかげでこんなに立派なザーメンブリッジが出来ちゃった♡♡♡」

左右の乳肉の間に、たわんだ白い大橋が架けられている。

数リットル分の子種を犠牲に作られた淫靡な架け橋。

次第に重さに耐えきれず、僕の肉棒に零れ落ちた。

「ん? どうしたの?

 まだ終わりじゃないよ? むしろここからが本番♡」

千春さんは小首を傾げると、僕の足首を拘束していたデカブラを解いた。

大量のタンパク質を抜き取られ、身体は重く、腰は馬鹿になっている。

「はい、身体起こしって……と」

テーブルの前に座らせると、後ろから抱き着いてくる。

生温かい粘性の液体の感触と、むにゅり……と柔く官能的な乳房の肉感に全身が震える。

「だってそうでしょ? これ……まだ白紙。

 ほら♡ ペン持って? 私も……君のを持つから♡」

「ん……もう……無、理」

「男の子でしょ? もっと頑張って♡」

細く長い指に肉棒を艶めかしく握られる。

前はテーブル、後ろは千春さん。

僕は逃げることが出来ない。

目の前に転がったペンを持ち、白紙の婚姻届に文字を書く以外の選択肢が用意されていなかった。

「婚姻届、ちゃんと書けるか見ていてあげる♡」

※※※

何故、挿入はせず、童貞のままにしたのか。

淫魔にとって、童貞は貴重だ。

結婚式とは、そんな彼を式場に連れて行き、千春の家族、友達の前に見せびらかす行為。

すると、どうなるか。

淫魔は式中であろうが、寝取ることを止めない。

千春によって守ってもらわないと、すぐに犯される。

結果、彼女に依存するほかなくなる。

無論、千春は葵を愛している。心の底から溺愛している。

何でもしてあげたい、という母性本能。

何もしなくていい、という支配欲。

彼女の愛情には、この二つが入り混じったものであるが。

葵は童貞のまま他の淫魔に寝取られないように怯え。

千春は童貞のママとなり、彼を大事に育てる。

利害は一方的。

しかし、千春に気に入られた時点で、葵にそれ以外の選択肢はなかった。

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