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連日の激務が続いていた。仕事が忙しいのはありがたいことだが、それにしたって限度がある。一日中デスクにかじりついているせいで、身体はもうバキバキだ。肩から背中、腰にかけて、鉄板でも入っているかのような重苦しい凝りを感じていた。


駅から自宅へ続くいつもの小道。ふと、見慣れない看板が目に留まった。

『本格マッサージ 5,000円』

こんなところに店なんてあっただろうか。明日は幸いにも休みだ。

身体の限界を感じていた僕は、吸い寄せられるようにその扉を叩いた。


「いらっしゃいませ。」


清潔感のある受付で、女性店員がにこやかに迎えてくれた。

マッサージ店という場所自体が初めてで、僕は少し気後れしながらも「マッサージをお願いしたいのですが。」と切り出した。


差し出されたラミネート加工のメニュー表には、5,000円のお試しコースから2万円の贅沢なプランまで並んでいる。


「初めてなのですが、どれがおすすめですか?」

「でしたら、まずはこちらのお試しコースでよろしいかと。後から延長もできますからね。」


店員さんが指差したのは、一番手頃な30分5,000円のコースだった。

安くはないが、連日の残業代を考えれば安いものだ。


「では、それでお願いします。」


彼女が受付の内線を取る。


「ユキちゃん、1名様お願いね。」


直後、奥のドアがガチャリと開き、20代半ばほどの可愛らしい女性が顔を出した。


「お客様、こちらへどうぞ。」


案内された個室は、アロマの心地よい香りに満ちていた。

ベッドが一つに、着替え用のカゴと鏡。


「お兄さん、ここ初めて?」


スーツを脱ぐのを手伝いながら、彼女が気さくに話しかけてくる。


「はい。肩と腰がもう限界で……」

「ふふ、そんなに緊張しないで。もっとリラックスしてくださいね。」


彼女から手渡されたのは、薄い紙パンツ一枚だった。

マッサージは服を着たまま受けるものだと思っていたが、ここは違うらしい。

少し戸惑いながらも、彼女に背を向けてスラックスとパンツを下ろし、履き慣れない紙パンツに足を通した。


「では、こちらにうつ伏せになってください」


促されるままベッドに横たわると、すぐに施術が始まった。首から肩、そして背中へと、順番に揉みほぐされていく。

女性の手とは思えないほど力強く、それでいて丁寧な技術に、思わず感嘆の溜息が漏れた。


「実は、お尻って自分では気づかないうちに結構凝っているんですよ。」


腰からお尻にかけて重点的に解される。太もも、ふくらはぎ、足の裏……。

滞っていた血が巡り出すような感覚に、身体がみるみる軽くなっていくのが分かった。


「では、仰向けになってください。」


言われるままに身体を反転させた僕は、思わず目を丸くした。

さっきまで施術着を着ていたはずの彼女が、いつの間にかスポーツブラに短パンという、ずいぶんと身軽な格好になっていたのだ。


「え、え……?」


混乱する僕を見て、彼女はクスリと笑った。


「マッサージって意外と汗をかくんですよ。お兄さんも、こっちの格好の方が嬉しいでしょ?」


そう言われてしまえば、否定する言葉が見つからない。

間近で見る彼女のスタイルは、驚くほど整っていた。

豊かなバストと、きゅっと引き締まったくびれ。至近距離でのやり取りに、心臓の鼓動が早まる。


「そんなに見つめられると、恥ずかしいですよ。」


彼女はいたずらっぽく微笑みながら、腕の施術に入った。

身体の距離が、さっきよりもずっと近い。

腕を揉まれるたびに、彼女の豊満なバストの感触が僕の胸元に押し付けられ理性が揺らぐ。


「ちょっと失礼しますね。」


次に彼女の手が向かったのは、鼠径部だった。

足の付け根、紙パンツの際から親指を滑り込ませ、グイグイと指圧していく。


「……結構、際どいところまで触るんですね。」


すると彼女は、にっこりと笑った。


「このあたりのリンパを流すと、血行が良くなって凄く楽になるんですよ。」


どこかのAVで聞いたような台詞だ。

あれってもしかして単なるフィクションではなかったのか?いやいやそんな訳……。

そんな雑念が頭をよぎった、その時だった。


「んっ……!?」


彼女の指先が、不意に陰茎の付け根に触れた。

そこまでマッサージの範疇なのか?

予期せぬ刺激に、僕の身体は正直な反応を返してしまう。

生まれて初めての経験に、僕は激しい動揺と共に、あえなく勃起してしまった。

---

「あら、敏感ですね。……少し、睾丸の方もほぐしていきますね」


睾丸? あの、男の急所をマッサージするというのか。

戸惑う僕をよそに、彼女の手は迷いなく紙パンツの中へと滑り込んできた。

そして、僕のそこを、やわやわと、しかし的確な指使いで揉みはじめた。


「えっと……そんなところまで、マッサージするんですか……?」


掠れた声で問い返すと、彼女は僕の耳元に顔を寄せ、吐息が触れるほどの距離で囁いた。


「本当はね、スペシャルコースでしかやらないの。でも……君、可愛いから特別よ?」


ドキン、と心臓が跳ねた。

単なるリップサービスかもしれない。

だが、女性経験の乏しい僕には、それを冷静に分析する余裕なんてこれっぽっちも残っていなかった。

紙パンツの中で袋を優しく引っ張られ、中身を転がすように揉まれる。

未体験の刺激に、僕のモノははち切れんばかりに猛り、気が付けば先端は蜜で濡れていた。


「あらあら。紙パンツ、汚れちゃったね……」


彼女は小さく呟くと、最後に少し強めにギュッとそこを揉み上げた。


「よし。あとは足のマッサージで終わりだね」


今の僕は、まさに「生殺し」という言葉が相応しい状態だった。

しかし、ここはあくまで健全なマッサージ店のはずだ。

これ以上の期待はルール違反だろう。

(……帰ったら、すぐに抜こう)

そう自分に言い聞かせていると、施術の終了を告げるタイマーが室内に鳴り響いた。


「ちょうど30分だね。」


終わりか。少しの寂寥感に襲われたその時、彼女の手が再びタイマーへと伸びた。

設定された時間は「15分」。


「延長料金、15分で5,000円だけど……延長する?」


15分で5,000円。先ほどまでの相場を考えれば、明らかに割高だ。

マッサージ自体は終わったはずなのに、なぜ延長が必要なのか。

僕の頭の中に大量の疑問符が浮かぶ。

そんな僕の困惑を、彼女は敏感に察したようだった。


「もしかして……本当に、マッサージだけのつもりだった?」


彼女は心底驚いたような顔をした後、またしても耳元に唇を寄せた。


「おちんちんのマッサージが、15分で5,000円。でも、自分から勝手にぴゅっぴゅしちゃダメよ? ……『仕方なーく』、気持ち良くなっちゃうかもしれないけど、ね♥」


合点がいった。表向きは普通のマッサージ店。

だがその裏には、濃厚な「裏メニュー」が存在しているのだ。

風俗には興味があった。だが、一人でその暖簾をくぐる勇気はなかった。

これは、僕にとって一生に一度あるかないかの、千載一遇のチャンスではないか。


「お願いします!」


自分でも驚くほど大きな声が出てしまった。彼女は慌てて人差し指を唇に当てる。


「しーっ!よ、しーっ! 大きい声出しちゃダメ!」


彼女はいたずらっぽく笑うと、そっと両手を差し出した。


「ごめんね、5,000円は先払いなの。……でも、期待していいからね?」


僕は急いで財布から5,000円札を抜き出し、彼女の掌に託した。

それを受け取ると、彼女は「ちょっと待っててね。」と言い残し、一度部屋を出て行った。


一人残された部屋。アロマの香りと、ズキズキと脈打つ股間の熱。

僕の期待は、もはや制御不能なほどに膨れ上がっていた。

---

彼女が部屋に戻ってきた。

その手には、ベビーオイルのボトルとウェットティッシュが握られている。


「お待たせ。じゃあ、仰向けになってね。」


彼女はベッドの傍らに腰を下ろすと、ゆっくりと僕の紙パンツに手をかけた。

布が滑り落ちるのと同時に、極限まで張り詰めていたモノが弾けるようにその姿を現す。


「ふふ、かーわい。まだおちんちん、皮被ってるのね。」


不意に核心を突かれ、心臓が跳ねた。そう、僕はまだ剥けていない包茎だったのだ。

露わになったコンプレックスを隠そうと思わず手を伸ばしたが、彼女はその両手を優しく、しかし抗えない力で制してゆっくりと広げた。


「だーめ。お姉さんに見せて……君の、かわいいおちんちん。」


抗う術はなかった。蕩けるような声に、思考が麻痺していく。


「ねえ、これムキムキできる?」

「あ、あの……実は、自分でもまだ剥いたことがなくて……」


消え入りそうな声で白状すると、彼女の表情がパッと華やいだ。


「じゃあ、もしかして……剥けたら、私が一番最初に亀さんを見られるってこと?」


何がそんなに嬉しいのか、彼女は目に見えて上機嫌になった。


「じゃあ、お姉さんが剥いてあげるね。それと……」


彼女は僕の頬に、自分の柔らかな頬をぴたりと寄せた。

甘い香りが鼻腔をくすぐる。


「『お姉さん』じゃなくて、『ユキ』って呼んで?」


そういえば、受付の女性が内線でそう呼んでいたのを思い出す。


「わ、わかりました……ユキさん。」

「うん、よくできました。」


満足げに微笑むと、彼女は掌にベビーオイルを垂らした。

冷やりとした液体が、熱を持った僕のシンボルに塗り広げられる。

異性に直接触れられる初めての感触に、腰がビクンと跳ねた。


「おっと、反応いいね。……もしかして、童貞くん?」


図星だった。顔から火が出るほど熱くなる。

この程度の反応で、すべてを見透かされてしまうなんて。


「……はい。」


蚊の鳴くような声で認めると、ユキさんはさっきよりもさらに艶やかな表情を浮かべた。


「本当に? やったぁ、初物だ!」


彼女はオイルの滑りを利用して、慎重に、かつ大胆に皮を押し下げていく。

自分一人では痛くてどうしても剥けなかったはずなのに、彼女の魔法のような手つきにかかると、驚くほどつるんと剥けてしまった。


ユキさんの目の前に晒された亀頭は、瑞々しく赤らんでいた。


「うん……童貞くんの亀さん、とっても綺麗だよ。」


気のせいか、彼女の表情もさっきまでより少しだけ艶っぽく見えた。

---

「じゃ、おちんちんマッサージしてあげるね。さっきも言ったけど、勝手にぴゅっぴゅしちゃだめよ?ここは風俗じゃないんだからね。」


釘を刺すような言葉とは裏腹に、ユキさんの柔らかな掌が僕の熱を帯びたモノを包み込んだ。

オイルでぬるぬるとした手が、根元から先端へとゆっくり滑り降りる。

そのあまりの快感に、思わず腰が逃げてしまった。


「ゆ、ユキさん……っ!」

「ん? もしかして刺激が強すぎたかな。そうだよね、初めてムキムキしたばっかりのおちんちんだもんね。」


彼女は妖しく微笑むと、今度は立てた爪の先で、露出したばかりの亀頭をそっとなぞった。

ツーっと、触れるか触れないかの絶妙な力加減。

脳を直接かき回されるような、ゾクゾクとする感覚が全身を駆け抜ける。


「これが『フェザータッチ』よ。気持ちいいでしょ?」


生まれて初めて味わう異次元の感覚に、僕は言葉を失った。

むず痒いような、それでいて震えるほど気持ちいい。


「あ……ああ……」


情けないほど間抜けた声が漏れる。

しばらくフェザータッチでなぞられる亀頭。


「そろそろ慣れてきた?最後のマッサージで気持ち良くなっちゃう?」

「あ……はい……っ」


もはや何を答えているのか自分でも分からなかった。

亀頭に集中する繊細な愛撫が、僕の理性をじわじわと溶かしていく。

そう思った矢先、彼女の手が急に力を込めてギュッと握り締めた。

そして、一転して激しい上下のストロークが始まった。


「大丈夫? 痛くない?」

「あ、はい……大丈夫、です……。気持ち、いいです……っ!」


室内にはグチュ、グチュと、オイルと肌が擦れる生々しい音が響く。

自分は何度もこすったそのちんちんが、他人の手でこすられると何倍も気持ちいいことを知ってしまった。


本当に気持ち良すぎる……。


「ねえ、童貞くん……?」


ふいに、ユキさんの顔が視界を塞ぐほど至近距離に迫った。


「ちゅー、したことある?」

「……ない、です。」


隠す余裕もなく、正直に吐露した。


「そうなんだ。じゃあ……初めて、私が貰っちゃってもいいかな?」


思考が真っ白になる。目の前にはユキさんのかわいい顔が迫る。

断れるはずなんて無かった。

いや、むしろ……。


「お、お願いします……!」


その瞬間、僕の唇は彼女の柔らかな感触に塞がれた。

憧れていた、女の子とのキス。

甘い吐息が混ざり合うと同時に、僕のモノを扱く彼女の右手が速度を増していく。

上下運動の快感と、唇から伝わる熱。感覚が一点に集約され、限界を突破した。


「……ッ!?」


ビュッ、ビビュッ!

ちんちんが二度、三度と大きく跳ね、激しく痙攣する。

しかし、彼女に口を塞がれたままの僕は、叫び声を上げることも許されない。

鼻に抜ける荒い息と共に、何度も熱いものが迸る。

その間も、彼女の手は止まることなくグチュグチュと音を立てていた。


やがて、ゆっくりと重なっていた唇が離れる。

彼女は口元に糸を引かせながら、満足げに微笑んだ。


「ふふ……ファーストキス、ごちそうさまでした。」


そう囁く声まで甘くて、僕はただ、熱くなった顔のまま天井を見つめることしかできなかった。

エピローグ

ユキさんはウエットティッシュで僕のちんちんを拭いてくれている。


「本当はちゅーも有料オプションなんだけど……今回はタダでいいよ。君の『初めて』を貰っちゃったからね。」


ユキさんはいたずらっぽく笑いながら、ウェットティッシュで丁寧に、皮の裏側まで汚れを拭き取ってくれた。仕上げに包皮を元通りに戻すと、ちんちんを軽く指でポンと叩く。


「お疲れ様。気持ち良かった?」

「はい! ……最高でした!」


心からの言葉だった。これまでひとりで済ませていた時間が虚しく思えるほど、それは異次元の体験だったのだ。


「ふふ、これから先、誰かとチューするたびに私の手のこと、思い出しちゃうね。」


彼女の言う通りかもしれない。

甘いキスの感触と、あの熟練の手つきによる快感は、僕の脳内で分かちがたく結びついてしまった。


「……責任、取ってくださいね。」


少し照れ隠しの冗談を込めて、僕はそう言った。

するとユキさんは、自分の名刺を取り出し、裏面にさらさらと何かを書き込んで手渡してくれた。


「また来てくれたらね。裏に私のチャットIDを書いておいたわ。……今度来るときは、事前に連絡して?」


そして、着替えを終えた僕の頬に、不意打ちでチュッと柔らかな感触を残す。


「責任取って欲しかったら、私を惚れさせるような男になってね。」


彼女は最後まで魅力的な微笑を崩さないまま、僕を見送ってくれた。


店を出ると、冷たい夜風が火照った顔に心地よく当たった。

あれほど重かった肩も背中も、今は信じられないほど軽い。


「よし……また来れるように明日から、仕事頑張ろう。」


暗い夜道を、確かな足取りで家路につく。

結局、この日から僕が毎週のようにこの小道の店に通い詰めることになるのだが……それはまた、別の時のお話。


END


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