Home Creators Posts Import Register Favorites Logout

Content

来月の合唱コンクールに向けて、音楽室には熱を帯びた歌声が響いていた。

前の時間が体育だったこともあり、私たちは全員ジャージ姿。

男子は校庭でのマラソンだったらしく、皆どこか上気した顔で、それでいて一生懸命に声を張り上げている。


けれど、私の目の前で歌う酒井くんだけは、少し様子が違っていた。


肩が小さく上下し、足元がおぼつかない様子を見て、「体育がんばりすぎたのかな?」とぼんやり考えていた。

その直後だった。


ピアノの旋律を切り裂くように、鈍い音が響いた。


最前列にいた酒井くんが、糸の切れた人形のように前へ崩れ落ちたのだ。

床に叩きつけられた衝撃音に、合唱は悲鳴とともに止まる。


「酒井くん!」


ピアノを弾いていた音楽教師の女性が、血相を変えて駆け寄った。

うつぶせの彼を仰向けにすると、青ざめた頬を何度も叩いて呼びかける。

パニックに近い状態だったのだろうか。

先生は彼の呼吸を確保しようとしたのか、それとも何かを確認したかったのか、迷いのない手つきでジャージのファスナーを下ろし、中の体操着を捲り上げた。


あらわになった引き締まったお腹に、クラス中に緊張が走る。

けれど、事態はそれだけでは収まらなかった。


先生の手は、そのままジャージのウエストへと伸びた。制止する間もなかった。

グイ、と引き下げられた布の隙間から、それは唐突に姿を現した。


「あ……」


女子たちの間で、細い吐息のような声が漏れる。


白日の下に晒された、酒井くんのおちんちん。

それは思っていたよりもずっと小さく、しっかりと皮に包まれてまだ産毛さえ生え揃っていなかった。

まるで小学生のような、無垢で「かわいい」と形容したくなるほどのおちんちんだった。


時間にして、わずか数秒。

すぐにズボンは直されたけれど、その光景は強烈な残像となって私たち全員の網膜に焼き付いてしまった。


酒井くんはそのまま保健室へ運ばれ、早退した。

彼がいなくなった放課後、女子たちの話題はその一点に集中した。


「……ねえ、見た?かわいくなかった?」

「見ちゃったよ……。なんか、ちょっとショックかも……。」

「なんで?」

「だって酒井くん、サッカー部のエースでカッコいいのに、あんなに子供みたいなおちんちんだったなんて……。」

「百年の恋も冷めるって、そういうことかなのかな。」

「確かに、小さすぎたよね。」

「うちの弟のほうが大きかったかも。」


誰かがクスクスと笑い、誰かが同情の溜息をつく。


「でもさ、おちんちん見ちゃったことは酒井くんには内緒にしておこうよ。」

「そうね、ショック受けるかもしれないからね。」


結論として、私たちは「酒井くんには絶対に内緒にする。」ということで意見が一致した。


翌日、酒井くんは何事もなかったかのように登校してきた。

男子たちも気を遣ってか、昨日のアクシデントなど存在しなかったかのように振る舞っている。


「おはよう。」


いつものように爽やかに笑う彼を見て、私は胸の奥がチリチリと疼くのを感じた。


(酒井くんだけ、知らないんだ)


クラス全員が、彼の一番隠しておきたかったはずの秘密を共有していること。

あのかわいらしい部分を、みんながしっかり見てしまったこと。


彼と話すたびに、私の脳裏には彼のかわいらしいおちんちんが浮かんでしまう。

酒井くんだけが『子供おちんちん』の秘密はバレていないと思っているのだろう。

何も知らずに背筋を伸ばして歩く彼の背中を見ていると、得体の知れない優越感がこみ上げてくるのだった。


END

ーーー

今回の話は少し短めですけど、半分ノンフィクションです。

事実をベースにして盛っています。

つまり、貧血で倒れ、一部服を剥かれた男子はいたと言うことですね。

教師は時としておかしな行動をしますよね。

またこんな感じの話思いついたら書いていきたいと思います。

うむ。


Comments

No comments found for this post.