【共学制キヴォトス】 ~アビドスが男子生徒に敗北支配されて、オナホと豚に堕とされる話(笑)~ 【エピローグ】 (Pixiv Fanbox)
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【エピローグ】
笑い声が聞こえた。
いや、正確に言うならば、それは”たぶん笑い声だと思うなんらかの音”、と言ったほうが正しいのかもしれない。とにかく、私にはそれが笑い声に聞こえた。
私の耳はもう、長いこと本来の機能を失っている。
この頭部を丸ごと覆う分厚いラバーマスクは、世界から発せられるあらゆる音を意味のない振動へと変質させ、ただの記号の羅列として私の鼓膜に届かせる。だから私は、この暗い世界に微かに漏れ入る唯一の情報を頼りに、答え合わせのない孤独な音当てゲームを、来る日を来る日も続けていた。
私はこの耳で、毎日いくつもの決まった音を聞いてきた。
私の日常を構成する、地獄の音色とも呼ぶべき周期的な響きを。
一つは、”餌”が豚小屋の床にぶちまけられる、ぬちゃりとした粘度の高い音。それに続く、同居人である豚たちの荒い鼻息と、泥ごと糞尿を奪い合う、貪欲で卑しい啜りの音。
一つは、満腹になった雄豚たちの呼吸が、低いうなり声に変わる瞬間。ぬかるみの中を複数の重い身体が掻き分けて、捩じれた細長い性器を私に突き立てようと襲い掛かって来る、蹄が地面を叩く硬い音。
そしてもう一つは、お世話係の男たちが、それを見て心から楽しそうに喉を打ち鳴らす音。娯楽の一環として私のまともに動かない身体を、サンドバック代わりに適当に殴りつけてくる、骨に響く鈍い打撃音。
どれも予想に過ぎないが、記憶にこびり付いた痛みと屈辱の痕を辿れば、きっとそれが正解なのだろうと分かる。だって、聞くたびに嫌で、嫌で、どうしようもなく堪らなくて、その度に死にたいと願わせる、何度も聞いた音だったんだから。
────だけど、今日、私の耳に届いた音は、そのどれとも違っていた。
(みん、な…………………?)
男たちが手を叩き、腹を抱えて嗤っている。
その振動はいつもと同じで変わらない、耳に残る不愉快な響きだ。
だけどその濁った音の層の向こう側に、微かに────胸の奥を締め付けるほど懐かしい、甲高い旋律が混じっていた。
”アハハハハハハハハ”
”ハハハハハハハハハ”
”ウフフフフフフフフ”
”エヘヘヘヘヘヘヘヘ”
それは愉しそうに、嬉しそうに、これ以上の悦びはないとでも言うように、高く澄んだ声で笑っているような音だった。ラバーに塞がれ淀んでなお、それはかつて鈴が転がるようだと感じた、あの少女たちの声に近かった。
あの子たちが、笑っている。
この地獄の底で、あの子たちが笑っている。
意味を考えた。
なんで? どうして?
そう必死に考えている内に、私の中で一つの結論が、深い暗闇で鈍く光った。
きっと────あの子たちは、幸せなんだ。
この新しい世界に順応し、生きるための術を見つけ、代えがたい幸福を手に入れたのだ。
そう考えれば全てのつじつまが合って、パズルのピーズがぴったりはまったような気がする。
”アハハハハハハハハ”
”ハハハハハハハハハ”
”ウフフフフフフフフ”
”エヘヘヘヘヘヘヘヘ”
ならばきっと。
それならばきっと、私があそこで糞尿に溺れ、獣に犯され、尊厳の一欠けらもなく生きながらえていた地獄には、確かに意味があったんだ。
私が”豚”になったことで、あの子たちは人間のままでいられたんだ。
(あぁ、……”よかった”………………)
私は素直にそう思う。
真実かどうかなんて、どうでもよかった。
そう信じることだけが、この呪われた生を肯定してくれる、唯一の光だった。
私は、幸せだ。
だってそうだろう?
私は彼女たちが幸せだと、そう思い込んだまま死ねるのだから。
死にかけだった身体に、一片の温かい幸福感が染み渡る。
あと少しで私はこの幸せを抱いたまま、何も考えず消えてなくなれる。
────だからこそ。
だからこそ今の私が、今一番不幸だと感じることは。
「──ハ──ハハ───ハハハハハ! オイ!! ”豚”も見ろよ!!」
「もったいねぇだろ俺たちだけで愉しんでたらよ(笑)」
────その”思い込み”が何の根拠もない都合の良い嘘だったのだと。
そう、無慈悲に突きつけられることだった。
「変態芸人ノノミのぉ~~~~♡ おっぱい扇風機~~~(笑) ぷるんぷるんぷる~~~~んッ♡♡♡♡ ぷるんぷるんぷる~~~~~んッ♡♡♡♡」
「ご、ご主人様ぁ♡ 雌猿『せりか』のぉおんっ♡♡ えっちなオナニー見てくださいウキィイィッ♡♡」
「はいはいはいッ♡ 不肖オナホ4号奥空アヤネ! 乳首芸を披露させていただきます!! チクビーーームッ♡ チクビーーーームッ♡♡ チクビーーーーーーームッッ♡♡♡」
「ん。変態オナホ一発芸。『無様敗北するホシノ先輩の物真似』。────”私が生きている間は、この子たちには絶対手出しさせないッ!!”……………なぁんてうっそでぇえぇ~~~すッ♡♡ 誰も守れず負けちゃいましたぁ♡♡ うへへのへぇ(笑)」
「────────え?」
声が聞こえた。
あり得ない声がいくつも、それもハッキリと。
いつの間にか顔を覆っていた全頭マスクは脱げていて、私は久しぶりに生の光と生の音を浴びていた。だけど、その驚きと喜びを塗り潰すほどの、衝撃的な光景が私の脳を焼いていく。
信じなかった。
信じられなかった。
信じたく、なかった。
私は祈るような気持ちで瞬きを繰り返し、灼けつくような光に慣れた瞳で、もう一度現実を認識する。
そこにいたのは、確かに私の大切な後輩たちで────そして、私の知る後輩たちではなかった。
「ぷるんぷるん~~~ッ♡ ぷるんぷるん~~~ッ♡ 今度は逆向きでぷるんぷるん~~~ッ♡♡」
ノノミちゃんは、下品な中年のおじさんみたいに腰をどっしり落として構えながら、その大きなおっぱいを風車みたいに回して遊んでいた。ものすごい速さで回るそれは空中にピンク色の輪を描いていて、一瞬回転が緩んだ隙に、クーパー靭帯が千切れて無惨にも垂れ下がっているのが見てとれた。
「ウキッ! ウキキッ♡ ウキキキキッ♡ キィイィイイィ~~~~~~ッ♡♡♡」
セリカちゃんは、発情期の猿になりきって、自分のおまんこを乱暴にほじくっていた。“猫”とか”兎”とか、セリカちゃんに似合う可愛らしい動物じゃない、何の関係もないお間抜けな”猿”の動き。自慰を覚えた動物みたいに力任せでおまんこをほじくって、無理やり潮を噴き上げていた。
「右乳首で、チクビーーーーーームッ♡ 左乳首で、チクビーーーーーーームッ♡ もう一つおまけに、チクビーーーーーーーーームッ♡♡♡」
アヤネちゃんは、鉛筆みたいに引き延ばされた乳首を指でしごいて、滑稽な掛け声と一緒にそれを突き出していた。腰を振って、まん汁を辺りに撒き散らして。それ受けた男子生徒が、「うわ、やられた~~(笑)」なんて言いながら、馬鹿にしたみたいに倒れてみせた。
そして最後に、シロコちゃん。
私の大切な。
私を慕ってくれていた彼女はと言うと────。
「次。変態オナホ一発芸。『豚に犯されるホシノ先輩の物真似』。────せんせいぃいぃ♡ せんせぇいぃだすげでぇええぇぇぇ♡♡♡ お豚さんのチンポでなんかイキたくないよぉおおぉおおぉぉおぉんっ♡♡♡♡♡」
鼻を伸ばし。
舌を飛び出させ。
誇張した泣き声を上げながら。
私の絶望を、私の苦悩を────デフォルメされた間抜けな物真似にして、繰り返し繰り返し演じ続けていた。
「お~い1号ちゃん(笑) 負けちゃったけど君の先輩、君たちを守るために必死に頑張ってきたんだろぉ? それなのにそんなに馬鹿にしちゃっていいのぉ(笑)」
一人の男が、嗤いながらシロコちゃんに声をかける。
それを聞いたシロコちゃんは、うひっ♡と下品な笑顔を浮かべて。
まるでなんでもないことのように、甲高い猫撫で声で言った。
「ん♡ こうなったのも全部、弱い癖に男子生徒様に逆らった先輩のせい♡ だからきっと許してくれるはずっ♡♡」
「────────」
────それは。
────それは今まで聞いたどんな音よりも、冷たい感触で私の鼓膜を突き刺した。
「お~~い、“豚”ちゃん起きたみたいだぞぉ(笑)」
「お前たちの雄姿、しっかり見てもらってたからなぁ(笑)」
私からマスクを剥ぎ取った男が、ラバーをひらひらと振りながらそう叫ぶ。
その声に、『新人”豚“オーディション』と書かれた垂れ幕の下で芸を披露していた四人が、一斉にこちらを向いて凍り付いた。
「「先輩ッ!?」」
「「ホシノ先輩ッ!?」」
片手で勃起乳首をサッと隠し。
もう片手でまんこにかぽり♡と掌を被せる。
その反射的な哀れな仕草を見て、あぁ、あんなことをしてても恥ずかしいって感情はちゃんとあるんだなぁって、そんな場違いなことを考えていた。
「…………………」
「…………………」
「…………………」
「…………………」
四人が、私を見ていた。
痛ましそうな。
悲しそうな。
苦しそうな。
バツの悪そうな。
思い思いの感情を表情に募らせて、ただじっと私を見つめていた。
特にシロコちゃんは、私が最初に何を言うのかを、ひどく怖がってるみたいだった。
私は一言、“気にしないよ”って声をかけようとしたんだけど、なぜかそれが声になることはなかった。なんでか口の中の唾が絡まって、舌が上手く動かなかった。
────静かな時間が流れた。
誰かが沈黙を破ろうと、“……ぁ”と半開きの唇から声を漏らす。
だけど誰も言葉を続けられずに、ずっと皆で黙りこくっていると、金髪で金歯を持つ“彼”が、嗤いながら私たちの前へと飛び出してきた。
「お、覆面脱がしたのか。それじゃあ誰が一番面白かったか、審査員は現、”豚”のホシノ先輩とやらにやってもらおうじゃねぇかァ(笑)」
男が、呆然としていた私を指差してそう言い放つ。
すると、舞台の上に立っていた四人が、瞳の色を一瞬で変えて、蜘蛛の子を散らすように私の前へと駆け寄ってきた。
「先輩!ホシノ先輩!! 見てましたよね? 私の“おっぱい扇風機”見てましたよねぇ!?」
「私が一番面白かったでしょ!! ねぇ先輩!? 私の猿の物真似が一番面白かったよね!?」
「ち、ちくびーーーむっ!! ちくびーーーーむっ!! ホシノ先輩、これ面白いですよね!! 一生懸命考えたんです!! 面白いですよねぇ!?!?」
「ほ、ほしの先輩………私は、先輩を尊敬してる……………さ、さっきのも、先輩が私たちにしてくれたことを忘れないためにやった…………だ、だから、私を選んで? ね?」
────地獄だった。
地獄絵図だった。
私の縮んだ脳味噌を、無限に絞り続けてもこれ以上の光景は想像できないと断言できるほどの、最低最悪の光景だった。
私の大切な後輩たちが、私の前で醜く争っている。
何かを謝罪するわけでもなく、何かを説明するわけでもなく、ただ自分が助かるためだけに、媚びて両手を擦り合わせている。
その姿はあまりにも滑稽で、惨めで、無様で。
「ハハ、ハハハハ…………」
私は思わず────笑ってしまった。
「あ、笑いました! 私を見てホシノ先輩が笑いましたよ!!」
「違うでしょ!? 何言ってんの!? 私を見て笑ったんだよね!! 先輩!!!」
「ちくびーーーむっ♡ ちくびーーーむっ♡ ほら! 私の“チクビーム”のタイミングで笑いました! 先輩はこれを見て笑ってくれたんですよ!!」
「…………先輩。私のために、笑ってくれたんだよね? ん、とっても嬉しい♡」
笑う私の姿を見て、四人がそれぞれ勝手な解釈で、男たちにそう訴えかける。
そんな光景がおかしくておかしくて、私は一層、込み上げる笑いを大きくした。
「ハハハハ、アハハハハハ」
よく見たら、ここは男子更衣室───かつて『対策委員会』の教室だった場所なことに気が付いた。
そんな何でもない事実でさえ、なぜかどうしようもなく素敵なことに思え、私は大きく大きく笑い続けた。
「アハハハハハハハハハ!! アハ!! アハハハハハハハハハハハハハ!!!」
私たちの、思い出の教室。
そこでは皆の笑い声が、嬉しそうに愉しそうに響いていた。
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これぐらい悪趣味な小説なら私はいくらでも書けますので、(書く時間があるかどうかは別として)なんかお題があったらコメントにどうぞ。