ゴブリンシリーズ モブ生徒編 『”普通”の女の子だったはずのモブ生徒が、おまんこ燃やされる才能を見出されて、おまんこ花火係(笑)に任命された話♡』 (Pixiv Fanbox)
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「モブ生徒 」──────。
物語の背景としてそこにいて、煌びやかなストーリーを演出する。名前すら持たない大勢の一人として、情報量の波に埋もれていく。そんな取るに足らない数合わせがが、私という存在の役割だった。
母校はトリニティ総合学園。所属委員会は正義実現委員会。
キヴォトス有数のお嬢様学校で、高潔な理念のもと治安維持に尽力する───なんて聞こえはいいけれど、現実は全く程遠い。私自身は、熱意に燃える同級生たちを遠巻きに眺めながら、割り振られた書類仕事を適当にこなすだけ。“何となくカッコよさそう”なんて不純な動機で入った委員会の活動も、慣れてしまえば何でもない、日常の延長線上でしかなかった。
毎日が、退屈だった。
キヴォトスの学生としては珍しいのかもしれないけれど、私は校内の政治や学園抗争にも、一切興味が無い。指導者の誰々が力を付けているとか、どこどこの学園が領土侵犯を繰り返しているなんて話は、どこか遠くの世界の出来事のような気がして、全く実感が湧かなかった。
学業も、課外活動も、戦闘訓練も。
すべてが可もなく不可もない、最低限のラインを低空飛行。銃身が熱を帯びることも、心が震えることもない。すべてが平凡で、すべてが退屈だった。
そんな私にも、好きになった人がいた。───『先生』だ。
いつも穏やかで、思慮深くて、それでいて誰にも負けない“強さ”を持っている。あの人だけが、この退屈な世界で輝いて見えて。ボケていた景色の解像度が、一段階上がって。───けれどここでも、現実は変わらなかった。
彼と間近で言葉を交わし、その隣を歩くことが許されるのは、シャーレの当番に選ばれるような、優秀で“特別”な生徒だけ。私のようなモブ生徒が、その他大勢の背景が、彼の“特別”なんてなれるはずもない。
精々私が出来るのは、彼と彼のヒロインたちの活躍を、人混みの中から遠巻きに眺めることだけ。“私”はただ“私”として、何の影響力も持たず生きていく。
でも、それでよかった。
パトロールでの帰り道、ふと窓から見下ろした中庭の向こう、あるいは、木陰から見送るほんの一瞬。彼の笑顔が視界をよぎる。たったそれだけで、モノクロだった世界が色づき、胸の奥が、砂糖菓子を溶かしたみたいに甘く痺れる。
臆病者の、典型的な無謀な片思い。
けれどそれだけで、私は十分すぎるほどに幸福だった。
私が何をしようとも、私が何を願おうとも、結果はいつも変わらない。朝になれば陽が昇り、鐘が鳴れば授業が始まり、陽が落ちれば夜になる。昨日と同じ今日が、今日と同じ明日が、埃のように静かに降り積もっていく。
これでいい。
これで十分だ。
明日も明後日も明々後日も。
この平凡で退屈で、それでも愛おしい毎日は、壊れようもなく続いていく。
私はそう──────信じてた。
*──────────────────*
パチパチと──何かが弾けるような小さな音が、遠い世界から聞こえていた。
例えるなら、それはずっと昔、友達と中庭で灯した線香花火の音。あの儚くも楽しかった夏の夜を思わせる、懐かしい思い出の響き。
パチパチ、パチパチ。
音は段々と大きくなっていく。
パチパチ、パチパチ。
何かが、すぐそばで熱を帯びていく。
氷のような冷たい危機感。それが朦朧とした意識に染み込んで。
そしてすぐに、───ボウッ!
低い炸裂音と共に、まるで数百本の灼熱の針が、一度に下半身の柔らかい部分を貫くような痛みが広がって、まどろんでいた私の意識は、強制的に夢から引き剥がされた。
「ッ───!?」
びくんっ、と首が折れるほど頭が持ち上がり、焦げ臭い不快な匂いが鼻を突く。
痛い。痛い。熱い。
恐怖に引き攣った視線を下に向けると、そこには起き掛けの思考でも分かる見慣れた光景。
炎。───炎の柱が、私の陰毛から立ち上っていた。
「──────いぎゃぁあァ゛あぁあァあぁ゛アああ゛ァぁぁア゛ぁぁッ!!!!!」
喉が破れるほどの絶叫が響く。
魚のような動きで四肢が暴れる。
じったん、ばったん。痛みを紛らわすため地面を転げまわる私。
その姿を見た彼らは、まるでお笑い芸人の滑稽なリアクション芸でも見物してるみたいに、腹を抱えて嗤っていた。
「「「ギャハハハハハハハハハハ!!!」」」
未発達な喉から洩れる不愉快な笑いが、私の鼓膜を揺らしてく。
その声が今までのろくでもない悪夢を、現実であることを証明した。
私が二年生の年齢になった頃。
キヴォトスは、ゴブリンに支配されていた。
ゴブリンに支配された私たち生徒はここでも、優秀な生徒と劣った生徒に選り分けられた。ただし、その優秀さは、かつてのキヴォトスで重視された戦闘力や頭脳といった“人間”としての能力ではなく───身体つきや従順さ、チン媚の面白さといった、奴隷としての優秀さに置き換わっていた。
優秀な戦闘員として一目置かれていた少女は、主人である彼らへの従順さが足りないとして、内臓を引きずり出され殺された。
卓越した頭脳で政権を握っていた少女は、爆笑モノのチン媚芸を考える才能がないということで、頭から逆さまに精液風呂に沈められ溺れ死んだ。
誰もかれもが死に絶えて。
残った僅かが媚び嗤う。
そんな歪みきった序列の中で、身体つきは貧相で発想力もないモブ生徒である私が、生き残る道理はなかったはずだった。
───だがしかし、私はある「才能」を彼らに認められ、今日まで生存を許されていたのである。
「あちゅッ! あちゅッ! あちゅッ! あちゅぅッ!!」
煌々と燃え盛る陰毛の森を、私は両手で必死に振り払う。叩いて、叩いて、それでも消えない火の粉を、お椀を作った掌でかぽり♡と嵌めた。おしっこを我慢するときと同じように、五本の指をぴったりとまんこに押し当てて、酸素の通り道を塞いでいく。
耐える。耐える。
指がぷすぷすと焦げた音を立てる。
それでも炎はそんな私の努力を嘲笑うかのように燃え広がって、私の下半身からはまるでキャンプファイヤーみたいな、大きな火柱が上がっていた。
「ひッ、いぃいいぃッ!! あちゅぅう゛ぅう゛ぅうぅーーーーーーッ!!!」
甲高い悲鳴の声を上げるとともに、鼻を突く、油の焼ける臭い。それを嗅いで私の意識は、“あぁ、寝ている間に陰毛にガソリンを染み込まされたんだな”と、奇妙なほど冷静にこの炎の勢いの理由を理解した。
「ギャハハハハハ! やっぱコイツ面白いワ(笑)」
「股抱えてジタバタ走り回んの無様すぎだロw ネズミ花火みてェw」
ゴブリンたちが手を叩き、苦しむように息を詰まらせ笑い転げる。手を叩いて楽し気に、炎に包まれた私のまんこを指し示す。
───そう、これだ。
この笑顔こそが、私の存在価値だ。
私が他の大勢の少女たちと同じように処分されることなく、今日まで生き延びてしまった理由は至極単純。
私が彼らの、「特別」になったから。
“まんこに火を着けられたときの反応が面白い”───そんなあまりに馬鹿げた「才能」を、彼らに見出されたから。
私は彼ら専用の“おまんこ花火係”として、こうして定期的に陰部を燃やされる役割を、与えられていたのである。
「ひぃ、ひぃい゛ぃい、ひぎぃい゛いぃい──────!!!」
デリケートな粘膜が音を立てて焦げていき、チリチリと炭化して尖った毛先が、熱で引き攣る肌に突き刺さる。意識に黒ずんだ靄がかかり、瞳から苦痛の涙が止めどなく溢れる中、私は歯ぎしりを立てながら、懸命に身体を折り畳んでいった。
パタパタと両手で虚しく炎を煽り、裸の膝をぬかるんだ地面へと擦り付ける。頭を放り出すかのように乱暴に下げ、額を床に、尻を上に。出来損ないの土下座のような惨めな体勢を作りながら、私は彼らへと懇願した。
「お願いしますッ!! お願いしますッ!! 小水を!! ゴブリン様のお小水を、私に恵んでくださぁいッ!!!」
“おまんこ花火係”として彼らを楽しませる立場にある私は、この業火を鎮めるための水を得る権利すら持たない。私に許されているのは彼らに乞い、その水分を恵んでもらうために祈るだけ。
水分───すなわち、ゴブリンの小便。
彼らにとってなんてことはないただの排泄物を浴びるためだけに、私は性器が灼ける激痛に耐えながら、必死に頭を下げ続けるのだ。
「お願いしますッ!! お願いしますッ!! お願いしまァすッッッ!!!」
プライドなんて、とうの昔に焼き捨てた。
今の私を突き動かすのは、ただこの苦痛から一秒でも早く解放されたいという、獣にも等しい根源的な本能だけ。
全ての尊厳を放棄し、涙を流しながら全てを差し出す。そんな人間以下の奴隷に堕ちても、しかして彼らは満足せず、嗤いながら私に言い放った。
「いや~でもなァ、今俺あんまり小便したくねぇんだよなァ(笑)」
「俺モ俺モw 悪いけど、お前に小便を掛けることは出来ねぇワ、わりぃナww」
ポンポンと、膀胱が空であることアピールするように下腹部を軽く叩きながら、何でもないことのように告げられる悪夢の一言。
水が無ければ炎は消えない。
炎が消えなければこのまま焼け死ぬ。
私の表情が絶望に染まり、火の粉がいよいよ全身へと回り始めたその時──────ゴブリンは“ただし、”と涎の溜まった口を開きながら、その言葉の続きを紡いだ。
「向こうに池があるから、飛び込めばワンチャン消せんじゃねェ?(笑)」
────走った。
コンマ数秒。思考するより先に身体が跳ね起きる。
尻を捲り、これ以上燃え広がらないよう両手でまんこを抑えつけ、滑稽なガニ股のような姿勢になりながら、脚をぴょこぴょこ♡振って走り出す。
背後から「ギャハギャハ」という下卑た声が聞こえてくるが、構わない。
ただ、痛い。熱い。苦しい。
そんな地獄から抜け出すために、私はひたすら駆け抜けた。
「ひぃッ! ひ、ひッ! あぎぃッ!?」
景色がまるで車窓のように、目まぐるしく後ろに流されていく。私の脳内ではかつての日常が、走馬灯のように駆け巡っていた。
普通の授業。
普通の放課後。
普通の青春。
普通の───“恋”。
特別なんて望んでなかった。
私はただ“普通”で良かった。
一人の一般人として日々を過ごして、愛おしい日常を噛み締める。
私はただ、それだけでよかったのに。
「お~~イ! がんばれ、がんばれェ(笑)」
「あと少しだゾォw しっかり全身漬かるまで飛び込めよォww」
ゴブリンなんて訳の分からないやつらがやってきて。
私の“普通”は壊された。
身体を好き勝手に玩具にされて。
殴られ犯され燃やされた。
「ひぃッ! ひぃッ!! ぎひいぃ゛い゛ッッ!!!」
悔しい。
悔しい。
悔しい。
痛み以外の理由で涙が止まらず。
苦痛以外の理由で叫びが収まらない。
「は、ひッ! あぁ゛ああ゛ぁぁ゛ああ゛ぁぁ──────ッ!!」
そんな激情を抱えながら私は“希望”へと飛び込んで──────そしてようやく、それに気付いた。
(…………………ぁ)
私が飛び込んだ唯一の希望。
生を繋ぐための楽園。
そこは清らかな水の溜まった池などではなく───彼らゴブリンの排泄物が流し込まれた、腐臭漂う肥溜めだった。
──────ざばぁん………!
「ギャハハハハハ! あいつ自分から肥溜めに入りやがっタ!! きったねェ~~(笑)」
「むしろあいつにピッタリだロ。うんこと小便ぐらいの価値しかねぇんだからさァww」
下卑た笑い声が、薄茶色の水面で揺れる。
ジュウゥウゥ………という音を立てながら、粘度の高い冷たい液体に包まれ、私の身体から炎が消えた。
一瞬。ほんの一瞬だけ、私の感情に安堵が訪れる。だけど束の間、それと入れ替わるようにして、別の情報が五感を支配し始めた。
「………………」
全身にまとわりつく、重く、ぬるりとした感触。鼻腔を突き抜け、脳を直接殴りつけるような、強烈な腐臭。口元まで漬かった粘液が、唇の隙間から侵入し、耐え難い不快感が舌を麻痺させる。
(……………なんで)
炎は消えた。
痛みはもうない。
だけど、だけど私の心は───。
「お~~イ肥溜め女! くっせぇから俺達帰るワ(笑)」
「明日も遊んでやるからさァ、ちゃんと綺麗にして待ってろよォww」
全ての元凶である彼らが去っていく。
遠ざかる足音と嘲笑、肥溜めには私一人が残された。
───ゆっくりと、自分の身体を見渡した。
涙と、糞尿と、得体の知れない何かに塗れた、小さな身体。その体躯が冷たい泥に触れたことで、カタカタと小さく震えていた。
汚れた手で、顔に張り付いていた髪を払う。
その手が触れた頬も、同じように汚れていた。
「……………ッ、………」
汚れてる。
汚れてる。
汚れてる。
私の身体が、私の心が、汚れている。
ほんの少しでも、“先生”に好かれてみたくて。
可愛いって、思ってもらいたくて。
寝る前に誰も見ていないところで、欠かさずストレッチをしていた身体が、取り返しのつかないほどに汚れている。
「……ふッ、……ぐ、くッ………………」
プライドは、捨てたはずだった。少なくとも私は、そう思っていた。全部、生きるためには仕方ないことだって、自分に言い聞かせてきたはずなのに。
私の中にはまだ、プライドとは別の「何か」───大切な「何か」が残っていたみたいで、それが今、熱が消えたと同時に、失われたようだった。
「………ふぐッ、………うぐぅ、…………ぐぅ、…………………!!」
熱い感情が瞳から、涙となって零れ落ちる。汚れた頬に線を引くように、ゆっくりと流れ落ちていく。
顔を覆おうとした手もあまりに汚れていて。
私はもう、自分の体のどこにも触れることが出来ず、ただ肥溜めの真ん中で泣いていた。
(なんで、……なんで………………)
行き場を失った感情は、ぐるぐると私の中を駆け回って───、
(なんで、───助けてくれないんですか…………………?)
もうとっくに死んだはずの、彼の笑顔。
その思い出を穢して燃やしながら、弾けて消えた。
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依頼者様、遅くなってすみませんでした。