ドラマの役でそこまでやるの??【エピローグ】 (Pixiv Fanbox)
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ドラマの撮影は無事に終了したのだが、トラブルが起きていた。
というのも、撮影が2日に渡り急かされたスタッフが人の皮を着せる際、閉まりにくいファスナーを噛み込んだまま強引に閉めてしまったらしい。
さらに強引に閉めるのに工具を使ったため、ファスナーのツマミまでが外れて取れてしまったというのだ。
つまり、俺と真智はラバースーツの上から人の皮を着せられたまま脱げなくなってしまったのだ。
そんな事実を突きつけられたところで、俺たちにはどうしようもない。
とにかく脱がせてもらわないと困る。
そんな中、俺と真智にとってはさらに悲惨な状況が告げられる。
それはこの撮影に使用したマンションの使用時間がもうすぐ終わるため、出ていかなければならないということ。
そして、撮影スタッフは次の撮影のために移動しなければならないということ。
八方塞がりの中、監督からある提案があった。
それは俺と真智が人の皮を被ったまま、次の撮影に参加してもらえないかというもの。
次の撮影が終われば、スタッフの手も空くので俺と真智を元に戻すこともできるというのだ。
そんな監督からの提案を受けるかどうか悩んでいると、真智が俺と腕を組んで言った。
「それなら私たちも撮影に参加させて下さい!」
真智がいいなら俺は構わないと思い監督の提案を受けることにした。
俺と真智は人であって、人ではない姿の上から服を着てロケバスに乗って次の撮影場所へ移動するのだった。
次の撮影は一風変わった合コンの撮影で、そこで出会った1組の男女のストーリーを撮影するということだった。
その一風変わった合コンとはゼンタイを着てのフェチコン。
ゼンタイとは顔まで隠れてしまう全身タイツのこと。
顔が見えない相手と話をして相手の外見ではなく、中身を見て自分に合った相手を探すというもの。
そんなフェチコンに参加する男女の1組として俺と真智は飛び入り参加することになった。
主要な役柄ではなく脇役のため、セリフもなくただカメラに映る範囲で楽しそうに会話をしているフリだけでいいと言われた。
それになにより、ゼンタイで顔が隠れてしまうので、人の皮の上からでも大丈夫そうだと思った。
そんなフェチコンは男性10人と女性10人によるもの。
すでに撮影場所の会場には数人の役者が黒いゼンタイを着て顔だけ出した状態でスタンバイしていた。
その中には見知った顔もいたが、こちらを見ると怪訝そうな顔をしていた。
それはきっと俺のようで俺ではないからだろう。
俺と真智は急遽撮影に参加することになり着替える場所がなかったので、その場で黒いゼンタイを渡されて着替えることになった。
俺はともかくとして、女優がその場で服を脱ぎ始めると共演の役者たちはざわつき、注目は真智に注がれた。
俺も真智もラバースーツの上から人の皮を着ているので服を脱いでも見た目は全裸でも実のところ全裸ではない。
それでも顔を出す形であっさりとゼンタイに着替えた。
着替える際、背中を向けて着替えたので俺と真智が全裸でないことは数人に気づかれただろう。
そんな中、女優もゼンタイに着替えを済ませ、集まってくると皆一様にゼンタイで顔まで隠してしまう。
体が硬かったり、髪の長い女優にはスタッフが付き添い背中のファスナーを閉めていた。
主役の2人は中央付近へ移動し、俺と真智はカメラに映るか映らないような端で撮影が始まった。
何か会話をしている演技が求められるので、俺は真智と人の皮の上からゼンタイを着た感想を聞いてみた。
「けっこう、ゼンタイも楽しいね、でも私はラバースーツの方が好きかな!」
と楽しそうに答えた。
「ところで、人の皮を脱がせてもらってもラバースーツは明日まで脱げないと思うけど、どうする?」
そう尋ねると、真智は俺に抱きついて答えた。
「私の家で一緒に過ごそうよ!いいでしょ!」
「うん!もちろん!!」
そんな会話をしている間も撮影は続く。
主役の2人のところにカメラが張り付いて撮影が続いている。
途中、フェチコンということで司会役がイベント形式でゲームをしたり、しながら徐々にカップルが出来上がっていく。
その辺りは台本にあったのか、なかったのかは俺と真智に分からなかった。
無事にフェチコンのシーンの撮影を終えたがトラブルが発生する。
それは数人の女優のゼンタイのファスナーが噛み込んで開かなくなってしまったのだ。
幸い俺と真智は人の皮に閉じ込められたこともあり、ゼンタイのファスナーは互いに自分たちで閉めたので、そうはならなかった。
そして、数人の女優のファスナーを閉めたのは… 、俺と真智を人の皮に閉じ込めたスタッフだった。
“また、アイツか!”
そう思い、そのスタッフを睨んでいると、そのスタッフが女優たちに言った。
「この会場の使用時間が迫っていますので、申し訳ないのですが、このまま次の撮影にゼンタイ姿で参加頂けませんか?今はスタッフの手も空いていないので… 」
どこかで聞いたことのあるセリフに俺と真智は顔を見合わせた。
そしてゼンタイの背中だけを開けて、人の皮のファスナーを探すと!… あった!
ファスナーのツマミは外れておらず、しかも簡単にスライダー上を移動して、全くファスナーは噛んでいなかった。
「「騙された!」」
俺と真智が呟いたところに、ファスナーが噛んだと嘘をついたスタッフがやって来て言った。
「お疲れ様です!以上で撮影は終了となります、もうバレちゃいましたよね、ラバースーツも簡単に脱げますので… 」
それだけを伝えると忙しそうに次の撮影へと行ってしまった。
俺と真智は顔を見合わせていたのだが、真智がこんな提案をしてきた。
「ねぇ、人の皮のまま服を着て、私の家に遊びに来ない?」
「うん、いいね!」
俺はそう返し、2人とも人の皮の上から服を着て帰路についた。
その後は… 。
あの撮影以降、俺と真智は付き合うようになり、今でも撮影で頂いたラバースーツを着て2人で絡み合い楽しんでいる。
真智があの撮影以降、ラバーフェチになったのは言うまでもない。
おしまい