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うちの陸上部には、夏合宿最終日の恒例行事がある。

次年度の男子キャプテンと女子キャプテンによる、400m一本勝負だ。

勝った方が負けた方に好きなことを言える——名目上はそうなっているが、例年は男子が勝利し、女子にジュースを一本奢ってもらう程度のものだった。

毎年、キャプテンは短距離選手から選ばれるのが通例。

しかし今年に限って、長距離専門の僕が男子キャプテンに選出されてしまった。

そして女子のキャプテンは、つい先日のインターハイ400mで入賞を果たした来栖さんだった。

スターターの音が鳴り響く。

普段から長い距離ばかりを走っている僕にとって、求められるのはスピードよりも持久力だ。

かたや彼女は、その種目のトップ選手。

——完敗だった。

まさかの男子キャプテンが女子キャプテンに負けてしまった。

「まさか男子が負けちゃうなんてね。

じゃあ、私からの命令は……よし、ちょっとあっちを向いてて」

彼女の声が、更衣室に響く。

背中に、布が擦れる音が聞こえた。

「はい、これ」

振り返ると、来栖さんはすでに白いTシャツと黒のスパッツに着替えていた。

差し出されていたのは、彼女がついさっきまで着ていた女子陸上部のユニフォームだ。

青と白のセパレート。

「えっ……? これは……」

「今年の命令はね……」

彼女は薄く笑って、続ける。

「私が着ていたユニフォームを着用して、女の子みたいにオナニーすること」

「!?……いや、さすがに冗談だよね?」

「冗談でこんなこと言うわけないじゃん。先輩が毎年やってきた恒例行事に拒否なんてできないよね」

僕の手が、震える。

でも拒否できる空気じゃない。

ユニフォームを受け取る。

まだ来栖さんの体温と、薄い汗の匂いが生地に残っている。

レーシングトップを被る。

胸の部分がぴたりと張り付き、普段とは違う圧迫感が走る。

裾が短く、おへそが丸出しになる。

レーシングショーツを履くと、太ももがむき出しになり、密着した布地が股間の形をくっきりと浮き立たせる。

(こんな格好で……)

来栖さんの視線が、容赦なく僕に集まる。

「ほら、始めて」

彼女は少しだけ頬を染めながら、僕に指示を出した。

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