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参拝の余韻と、深夜の冷たい外気を纏ったまま、二人は暖かい自室へと戻った。

静寂に包まれた和室に、衣擦れの音だけが響く。

「お疲れ様、アルトリア。寒かったでしょ? 早く着替えて温まろうか」

「はい、ユミ。貴女こそ、手がかじかんでいるではありませんか」

妻であり、かつてのマスターであるユミの言葉に、アルトリアは安堵の息を漏らした。

慣れない着物での外出は、サーヴァントとしての身体能力があれど、やはり少しばかり気を張るものだ。日常へと戻るため、アルトリアは素直にユミへ背を向けた。

シュルリ、と帯が解かれる音がする。

腹部を締め付けていた心地よい圧迫感が消え、ほう、と小さく吐息が漏れた時だった。

「…………」

背後のユミの手が、止まった。

次の瞬間、着物を脱がせてくれるはずの手が、するりと襟元から内側へと滑り込んできたのだ。

「ひゃっ!?」

予期せぬ冷たい指の感触に、アルトリアは裏返った声を上げて身を竦ませた。

敏感なうなじを指先でなぞられ、背筋に電流のような痺れが走る。

「ゆ、ユミ……? 着替え、では……」

「ごめん、アルトリア。……今日のアルトリア、あまりにも綺麗だから」

耳元で囁かれた声は、先ほどまでの労うような響きとは異なり、あからさまな熱を帯びていた。

困惑して振り返ろうとしたアルトリアの動きを封じるように、ユミの腕が背後から回り込む。

「ちょ、待っ……ユミ、いけません、今は……んぁっ!」

抗議の言葉は、首筋に落とされた熱い吸い付きによって甘い喘ぎへと変えられた。

(駄目です、そのような場所に……!)

騎士王としての理性が警鐘を鳴らすが、夫婦として幾度も愛を重ねてきた身体は、ユミの手つきにあまりにも弱かった。

着崩れた着物の隙間から、ユミの掌が滑らかな肌を愛でていく。

最初は戸惑っていたアルトリアだったが、ユミに顎を掬い上げられ、強引に唇を塞がれると、その抵抗は霧散した。

「ん……ぁ……っ、ちゅ……」

深く、舌を絡める濃厚な口づけ。

逃げ場のない快楽に、アルトリアの瞳がとろりと潤み、膝の力が抜けていく。ユミの腕にしがみつかなければ、その場に崩れ落ちてしまいそうだった。

「はぁ……ユミ……ず、るいです……」

「ずるくないよ。……愛してる、アルトリア」

熱っぽい瞳で見つめられ、愛を囁かれてしまえば、もう抗うことなどできない。

そのまま二人は、もつれ合うように畳の上へと倒れ込んだ。

華やかな青と紫の着物が、花びらのように二人の周りに広がる。

新年の神聖な空気の中、アルトリアは自身の帯を完全に解き放つ愛しい妻の首に、そっと腕を回した。

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