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「先輩! お怪我はありませんか!?」

舞い散る雪と、温泉の湯気が混じり合う中。

最後の敵が光の粒となって消え去るのを見届け、マシュが大きく息を吐き出した。

「ふぅ……なんとか間に合ってよかったです。先輩が無事で本当に……」

安堵の笑みを浮かべてこちらを振り返った彼女だったが、その言葉は途中でピタリと止まった。

戦闘のアドレナリンが引いていくにつれ、彼女の顔がみるみるうちに林檎のように真っ赤に染まっていく。

「あ、あの……先輩……?」

無理もない。彼女が今身に纏っているのは、雪山には到底似つかわしくない、私が貸していた赤いマフラーただ一つなのだから。

温泉に入っていたところ、私のピンチを感知して、着替える間も惜しんで飛び出してきたらしい。

「ち、違います! これは決して、こういう新しい礼装とかではなくて……っ!」

「大丈夫だよマシュ! 私たち同じ女同士なんだし、そんなに隠さなくても減るもんじゃないって!」

笑いながらフォローを入れる私だったが、マシュの混乱は全く収まる気配がない。

「そ、そういう問題じゃありませんっ! いくら同性でも、先輩の目の前でこんな……こんな……っ!」

温泉のお湯と汗が混じり合い、滴となって柔らかな肌を滑り落ちていく。

本来なら凍えるような寒さのはずの雪山なのに、マシュの体からはあまりの恥ずかしさでしゅうしゅうと湯気が上がっている。

「み、見ないでくださいっ! 早く、早く何か羽織るものを……っ!」

大きな盾の陰で必死に身を隠そうとするものの、はみ出した柔らかな曲線は隠しきれていない。

「同じ女同士」という私の言葉も虚しく、涙目で抗議してくる後輩の姿があまりにも可愛くて。

私は雪山の寒さも忘れて、ついその火照った素肌に見入ってしまうのだった。

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