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前回

「嫌じゃないけど……っ、その、心臓に悪いっていうか……」

「可愛い人ですね。さあ、足だけではなく、全身でこの温もりを味わいましょう」

モルガンはそのまま立香の細い腰に両腕を回し、湯船の中へとゆっくりと引きずり込んだ。

ちゃぷん、ちゃぷん、とお湯が揺れる音を立てて、二人は肩までしっかりと湯に浸かった。

「あー……あったかい……じゃなくて! ちょっと強引だよ、モルガン! ただお湯に浸かるだけって言ったのに!」

「不服ですか?」

「不服っていうか、その……心の準備が……」

湯の中で向かい合う形になった二人。

立ち上る湯煙と月光の下、濡れて艶を増したモルガンの肌が妖しく光っている。そして何より、水面にぷかぷかと揺れる彼女の豊かな胸の谷間が、至近距離で立香の目を釘付けにしていた。

熱いお湯のせいだけではない。立香はみるみるうちに全身の血が沸騰するような感覚に襲われた。

「貴女の顔が赤いのは、湯の熱さのせいだけではないようですね。……ええ、とても可愛らしい」

モルガンは優雅に、そしてひどく妖艶に微笑むと、湯の中で一歩、また一歩と立香との距離を詰めてくる。

「え、あ、ちょっと……」

後ずさった立香の背中が、ゴツゴツとした岩場にコツンと当たった。

逃げ場を失った立香。その両脇を塞ぐように、モルガンが両手を岩場につき、立香を完全に自身の腕の中に閉じ込めた。

「モ、モルガン……? あの、お風呂、入るだけって……」

「ええ、入っていますよ。ですが……こうして二人きりの密室で、貴女の無防備で美しい裸体を前にして、ただおとなしく湯に浸かっているだけで満足できるほど、私はできた女ではないのです」

モルガンの紫の瞳が、捕食者のような、けれどひどく甘く蕩けるような熱を帯びて立香を見つめる。

そして、抗う隙も与えぬまま、ゆっくりと顔を近づけ、立香の少し開いた唇を、自身の唇で深く塞いだ。

「んんっ……!? ぁ、ん、ちゅ……っ」

チュッ、ジュル……と、女の子同士の柔らかい唇が重なり、唾液が絡み合う水音だけが、静寂の露天風呂に響く。

最初は驚きで目を丸くし、モルガンの肩を押そうとしていた立香だったが、モルガンの舌が優しく、けれど確実に口内の隅々まで這い回り、甘い蜜を絡め取るような感触に、次第に力が抜けていく。

「んぁ……っ、ふぁ、はぁ……モ、ルガン……っ」

息継ぎのためにわずかに唇が離れると、銀の糸が月明かりにキラリと光った。

立香の目はすっかり潤み、熱を帯びた瞳でモルガンを見つめ返している。その無防備な顔を見たモルガンは、満足げに微笑み、再び深く、ねっとりとした口づけを落とした。

「ん、ちゅ……っ、ぁ、ぷはっ……ぁ、はぁ、だめ、モルガン……のぼせちゃう……っ」

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