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万民が見上げる摩天楼の頂、ドバイの夜景を睥睨する最高級ホテルのスイートルーム。そこに生じた極小の特異点とも言える密室で、水のアルターエゴは酷く不機嫌に腕を組んでいた。彼女のアイデンティティであり、無慈悲な刃である白鳥の脚が、苛立たしげに豪奢な絨毯をカツカツと叩いている。

「……で? わざわざ私をこんな所に呼び出して、何がしたいわけ? BB。私の優雅な時間を無駄にするなら、その四肢を細切れにしてあげるけれど」

見下ろす視線は絶対の捕食者のそれ。しかし、対する存在――ソファに深く腰を預けるBBドバイは、アルターエゴの放つ濃密な殺気を柳に風と受け流し、ひどく蠱惑的な、それでいて酷薄な笑みを浮かべていた。

「ふふっ、相変わらず短気ですねぇ、メルト。でも、ここは私のドバイ。世界のルール(システム)は私が握っているんですよ?」

「それがどうし──っ!?」

対象を八つ裂きにすべく、鋼の脚が致命の踏み込みを見せようとした――その、刹那。BBドバイが、まるで戯れのようにパチンと指を鳴らす。

『――はい、権限剥奪(アクセス・デニード)です〜♡』

ウザ可愛くも、事象そのものを書き換える絶対的AIの宣告。それが響いた直後、メルトリリスの霊基を支えていた運動権限が物理法則ごと切断された。

カシャァン、という無機質な絶望の音とともに、誇り高きプリマドンナは糸の切れた人形のように崩れ落ちる。

「な、に……これ……っ! 私の脚が、動か、ない……っ!?」

「ええ。貴方の運動権限、一時的に私が『バグ』らせていただきましたから。さあ、ひざまずいて私を見上げなさい、生意気なアルターエゴ」

床に這いつくばるという、彼女のプライドにおいては万死に値する屈辱的な姿勢。見上げる視線の先では、この空間の理を掌握した絶対女王が、愉悦に満ちた声でクスクスと嗤っていた。

「くっ……ふざけないで、こんな小細工……すぐに引き裂いて……っ」

腕の力のみで抗おうとするアルターエゴ。だが、BBドバイは無慈悲にもその背をヒールで軽く踏みにじり、いとも容易く絨毯へと縫い留める。圧倒的な演算能力の差が、そのまま暴力的なまでの絶対優位として君臨していた。

「無駄ですよぉ。今の貴方は、ただの無力なお人形さんです。……それにしても」

捕食者の足音が背後に回る。BBドバイは、メルトリリスの紫のレオタードの腰元に指をかけ、いとも容易く布地を腰の下までずり下げた。露出したのは、最終再臨で常に晒されていたあの無防備なお尻そのもの。白く滑らかな双丘が、完全にむき出しになった。

「ひゃっ……!? な、何に触ってるのよ、やめなさいっ!」

「メルトって、どうしてこんなに無防備にお尻を晒してるんですか? プライドの高いプリマドンナの最大の弱点……ここですよね?」

ツツーッ、と。BBの指が、剥き出しになった柔らかい尻肉を、上から下へ、谷間の際まで執拗になぞる。指先が割れ目の上端を掠めるたびに、メルトの腰がびくっと跳ねた。

「あっ、んんっ……! 触らないで……っ、見ないでよっ!」

普段のサディスティックな余裕は、すでに瓦解している。己の最も無防備な急所を、よりにもよって憎きBBに完全に晒され、撫で回されているという事実。万能のプリマドンナの白い頬は、耐え難い羞恥と屈辱によって、みるみるうちに朱色へと染まり上がっていった。

「ふふっ、そんなに赤くなって。恥ずかしいんですかぁ? それなら……少しお仕置きが必要ですねぇ」

パァンッ! 

静寂に包まれたスイートルームに音が響き渡る。BBドバイの容赦のない平手が、むき出しの尻を真正面から打ち据えたのだ。白い肉が一時的に沈み、すぐに跳ね返って赤い手形を浮かべる。

「あぁっ!?あんた、何す、ぁあっ!」

「どうです?貴方の体のセンサーは、私のシステムで感度を極限まで引き上げてありますからね。すぐに、別の熱に変わりますよ?」

パァン、パァン、と。リズミカルで酷薄な打撃。尻肉が揺れるたびに、痛みは確かにあった。だが、バグによって痛覚を弄られたメルトリリスの神経は、その衝撃をすぐに甘い痺れへと変換し、股の奥をじんわりと濡らし始めていた。

【続】

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